監督・ロブ・コーエン氏と言えば、世界中で人気を博している映画『ワイルド・スピード』や『トリプルX』を手掛けた、アクション監督の金字塔。そのコーエン監督が、巨大ハリケーンを相手に、全てを吹き飛ばす勢いで6億ドル強奪に挑む。
映画『ワイルド・ストーム』の作品情報
- タイトル
- ワイルド・ストーム
- 原題
- The Hurricane Heist
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2019年1月4日(金)
- 上映時間
- 103分
- ジャンル
- アクション
- 監督
- ロブ・コーエン
- 脚本
- スコット・ウィンドハウザー
ジェフ・ディクソン - 製作
- カレン・ボールドウィン
ウィリアム・J・イマーマン
マイケル・タドロス・Jr.
ダニー・ロス
ダミアーノ・トゥッチ
ロブ・コーエン
マーク・ダモン
クリストファー・ミルバーン
モシュ・ディアマント - 製作総指揮
- バイロン・アレン
キャロリン・フォークス
ジェニファー・ルーカス
テレンス・ヒル
マーク・ボード
クリス・シャラランブス
カルロス・デイビス
アンソニー・フィングルトン
アラステア・バーリンガム
チャーリー・ドンベック
タマラ・バークモー
クリストファー・コノバー
ノーマン・メリー
ピーター・ハンプデン
ナミット・マルホトラ
グレッグ・ギャバンスキー
フィル・ハント
コンプトン・ロス - キャスト
- トビー・ケベル
マギー・グレイス
ライアン・クワンテン
ラルフ・アイネソン
メリッサ・ボローナ
ジェームズ・カトラー
ベン・クロス - 製作国
- アメリカ
- 配給
- クロックワークス
映画『ワイルド・ストーム』の作品概要
『デイ・アフター・トゥモロー』、『2012』、『イントゥ・ザ・ストーム』、『ジオ・ストーム』など、これまで数多くの災害パニック映画が登場してきたが、今度のストームは今までの限界を遥かに超える、驚愕の巨大ハリケーン。そして、その混乱の最中にまさかの犯罪計画が実行される。大災害に見舞われながらも、事件を防ぐために立ち向かう2人の男女。熱狂的なファンが相次ぐ『ワイルド・スピード』シリーズや『トリプルX』でおなじみのロブ・コーエン監督が挑む、新感覚の災害パニック映画。
映画『ワイルド・ストーム』の予告動画
映画『ワイルド・ストーム』の登場人物(キャスト)
- ウィル・ラトリッジ(トビー・ケベル)
- 気象学者。災害時用に政府が準備している、緊急災害用特殊車両「ドミネーター」の操縦にも手慣れている。
- ケイシー・コービン(マギー・グレイス)
- 財務省が抱える、紙幣処理施設のセキュリティー担当で勤務している。財務局が乗っ取られたことで事件を知り、阻止しようと試みる。
- ブリーズ・ラトリッジ(ライアン・クワンテン)
- ウィルの兄で、台風上陸時ウィルと共に取り残されてしまう。そのせいで、現金強奪計画の阻止に加わることになる。
映画『ワイルド・ストーム』のあらすじ(ネタバレなし)
アメリカ合衆国は、未曽有の事態に慌ただしく不穏な雰囲気を醸し出していた。気象庁が発表した内容は、観測史上かつてない程の規模が予想される、巨大な台風が近づいているとのことだった。
そんな中、あるハッカー集団はそのハリケーンが引き起こす混乱に乗じて、前代未聞の計画を実行すべく、準備を進めていた。それは、財務省が管理している紙幣処理施設に保管されている現金およそ6億ドルを強奪するもの。
台風が上陸する当日、ついにハッカー集団の計画が実行に移され、乗っ取られ財務局のシステムがダウンする。静かだった施設は、爆発と銃声が鳴り響き、あっという間に戦場となる。
その頃、時を同じくして気象学者のウィルとその兄ブリーズの2人も紙幣処理施設の近くの町にまだ滞在していた。圧倒的な性能を誇る災害時用緊急特殊車両「ドミネーター」を操り、ウィルは施設から逃げ出してきた紙幣処理施設の金庫を管理しているセキュリティー担当のケイシーを助ける。
そして、ウィルとブリーズとケイシーの3人は、巨大な台風に見舞われながらも、計画阻止のために走り出すのだった。
映画『ワイルド・ストーム』の感想・評価
圧倒的な映像美
ロブ・コーエン監督が手掛けた作品は、有名なものだとクライム・カーアクション映画『ワイルド・スピード』シリーズや、スパイアクション映画『トリプルX』などである。どの映画も映像が美しく仕上げられており、迫力満点で手に汗握るシーンが多いことで知られている。
今回の『ワイルド・ストーム』でも、予告動画を見ていただければ一目瞭然だが、観測史上類を見ない最大規模の巨大ハリケーンの完成度は、目を見張る。凄まじい風圧に、飲み込まれる建物やなぎ倒される木々の様子など、全てがリアルで完成度に驚くばかりである。
激しくうねりを上げる台風から逃げるカーアクションも、絶妙なところを攻めていくので、一瞬たりとも目が離せない。瞬き一つしてしまうだけで場面が変わってしまうのが、ロブ・コーエン監督作品の魅力でもある。
ハリケーンから逃げるだけでは終わらない
この映画の最大の魅力は、巨大な災害から逃げるだけではないという点である。自然災害に見舞われたとき、人の力は恐ろしく無力であり、逃げるだけで精一杯である。だが、今回のミッションでは災害から生き延びるだけでは終わらないのだ。
台風に襲われた施設を、更にハッカー集団が襲い、現金6億ドルが奪われてしまう。6億ドルを現在の日本円に換算すると、およそ680億円にも上る。一生を遊んで暮らしていけるだけのお金など等に通り越して、むしろ使い切るのに努力しなければならないお金である。
それだけのお金を、通常のセキュリティー時に奪うのは確かに至難の業かもしれない。だが、だからと言って史上最大規模の台風が迫っているときに実行に移すとは、前代未聞どころか計画段階でその企画を疑ってしまう程の内容である。
まさに命がけで、こうした大型台風でもやって来ない限り、味わえないスリルでもある。始終手に汗握る設定や展開は、今後の災害パニック映画に大きな影響を及ぼしかねない。
映画『ワイルド・ストーム』の公開前に見ておきたい映画
ワイルド・スピード
2001年に公開された、アメリカのカーアクション映画『ワイルド・スピード』は、その後2017年までにシリーズ8作品を発表する人気映画となった。その第一作品目の『ワイルド・スピード』の監督が、今回の『ワイルド・ストーム』のロブ・コーエン監督である。
アメリカのロサンゼルスを舞台に、車自慢のストリートレーサーたちが集まり、通称ゼロヨンと言われているドラッグレースに多額の金と誇りを掛ける物語。主人公はカリスマ的人気を誇り、ゼロヨンを仕切るストリートレーサー・ドミニク・トレットと、トレットの妹ミアに恋をしている車屋のブライアン。
物語は、トラック襲撃事件が相次いでいるロサンゼルスで、捜査対象となっているドミニクの元へ実は警察のブライアン・オコナーが潜入捜査していることから始まる。
ドミニク・トレットを『トリプルX』でも主演を務めているヴィン・ディーゼルが演じ、ブライアンをポール・ウォーカーが演じている。爆発的な人気を誇る、カーアクション映画の第1作目である『ワイルド・スピード』は、個性的なキャラクターやあっと思わせる物語の進行など、見どころがとても多く、更に車好きにはたまらない名車が多く登場し、日本車も多いのが『ワイルド・スピード』の魅力でもある。
詳細 ワイルド・スピード
トリプルX
『ワイルド・スピード』が公開された翌年の2002年、ロブ・コーエン監督とヴィン・ディーゼルが再びタッグを組んだ映画が発表される。世界を股に掛ける凶悪犯罪組織に立ち向かう、スパイアクション映画『トリプルX』である。
主演のヴィン・ディーゼルは、ザンダー・ケイジ・通称「エックス」の名でXゲームのアスリートとしての顔を持ちながらもアメリカ国家安全保障局のエージェントとして働く一面も持つ。
『ワイルド・スピード』の際の、どっしりと構えた筋肉男のような体系はそのままに、様々なエクストリームスポーツを披露するヴィン・ディーゼルは、また違った魅力がありとても面白い。『ワイルド・スピード』では、ポール・ウォーカー演じるブライアン・オコナーに潜入捜査されていたが、『トリプルX』ではヴィン・ディーゼルが潜入する側となり、チェコの犯罪組織に乗り込んでいく。
また、この映画の面白い点は、エクストリームスポーツの実在している選手も多く登場している点であり、エクストリームスポーツのファンには、絶対に見逃せない映画でもある。
詳細 トリプルX
デイ・アフター・トゥモロー
2004年に公開された、地球温暖化により突然訪れた氷河期をモチーフに、混乱する人々の様子を現実味溢れる内容で描いた、アメリカの災害パニック映画。災害映画の歴史は古く、1933年『世界大洪水』などから始まり、1970年に公開された『大空港』がパニック映画の始まりと言われてから、多くの災害パニック映画が公開されている。
物語は、地球温暖化によって南極大陸の氷が融け、塩分濃度の変化により乱れた海流が、将来的に氷河時代をもたらすと言う設定である。この映画の面白い点は、フィクションでありながらも、映画公開前の2002年に南極の棚氷に亀裂が入るシーンが公開されるなど、史実に基づいているところで、必ずしも将来起こらないとは言えないところである。
氷河期となった地球の様子は、最新の映像技術によって再現され、竜巻や津波などのリアルな災害映像が話題となったことでも知られている。その結果、キャスト自体に目立った配役がなかったにもかかわらず、日本で公開されるや初登場から3週連続1位を獲得するなど、多くの人が劇場に足を運んだ映画である。
映画『ワイルド・ストーム』の評判・口コミ・レビュー
「ワイルド・ストーム」No.9
いつも通りのロブ・コーエン
妙に理解するのが早い登場人物達によってテンポがハリケーンの様に吹っ飛んでいく中弛み?何それ美味しいの?
本当にあっという間終わる良くも悪くもとりあえずディザスター観たいなら劇場で観ても損はしないというより劇場で観ないと損する pic.twitter.com/zVFHopaKIy
— ガンダムになったカニパンダ Panda di granchio (@kanipanda523) 2019年1月4日
【ワイルド・ストーム】ちょっと頼りなさげな気象学者ウィルが機転を利かせたり、超弩級ハリケーンを武器にしながら、まさかの有り得ん様な大アクションまで見せてくれて高揚感ハンパない。家族のドラマも軽く織り込まれ見せ場を盛る。これこそ大画面大音量の劇場が似合うエンタメ作品。 #映画
— いち麦 (@ichiwheat) 2019年1月5日
『ワイルドストーム』を見た。初めて劇場で観るのに、まるでテレビで午後ローを見ているような映画だった。台風を活用した数々の殺人術、都合のよい台風、映画史上屈指の馬鹿ハッカー・カップルと言った見所も心地よい。あらゆる意味で10年前感があるが、お屠蘇気分で観るにはピッタリの映画だった。
— 加藤よしき (@DAITOTETSUGEN) 2019年1月6日
ワイルド・ストーム
The Hurricane Heist正月映画にアクション物が少ない中での貴重な作品。クライムストーリーにディザスター要素ぶちこんだ木曜洋画劇場漂うB級っぷりで、予告編はほぼネタバレしてますのでジオストームで痛いめみてる人は特に予習せずに、期待せずに、軽い気持ちでご鑑賞を。 pic.twitter.com/CwNS6w8ke0
— エリック (@cinephile_hassi) 2019年1月5日
ワイルド・ストーム🌀
正月映画はこうじゃなくっちゃ!
評判に偽りなし。
細かいこだわり、つじつま、常識、ついでに日頃のもやもやも悩みも、全部全部綺麗さっぱり吹っ飛ばす💦
度迫力の重工カーチェイス、アクション、私の大好物のめげない強い女✨
大スクリーンで景気よく頭空っぽで明るく年始め♪ pic.twitter.com/8m0V7ysEdP— どらみ (@dorami0420) 2019年1月4日
映画『ワイルド・ストーム』のまとめ
今作の映画の魅力は、なんといっても観測史上最大規模のハリケーンを表現した美しい映像にある。この映画のために『ジオ・ストーム』や『タイタニック』などを手掛けた映像のスペシャリストたちが集結し、そのおかげで成り得た映画でもある。これまで、多くの災害映画で美しく恐ろしい映像を作り出してきた技術者たちの渾身の一作は、予告動画を見ただけでも迫力満点で、更にそこに銃撃戦が加わりより一層の過酷さと熾烈さを極めた映画の完成に、喜びを感じえない。
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