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映画『赤ずきん』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『赤ずきん』の概要:グリム童話の「赤ずきん」をホラー仕立てにしたファンタジックなサスペンス。村を襲う狼が人狼であることがわかり、小さな村で犯人探しが始まる。キャサリン・ハードウィック監督は、美術、監督、脚本、プロデューサーまでできる多才な女性。

映画『赤ずきん』の作品情報

赤ずきん

製作年:2011年
上映時間:100分
ジャンル:ファンタジー、サスペンス、ホラー
監督:キャサリン・ハードウィック
キャスト:アマンダ・サイフリッド、ゲイリー・オールドマン、ビリー・バーク、シャイロー・フェルナンデス etc

映画『赤ずきん』の登場人物(キャスト)

ヴァレリー(アマンダ・サイフリッド)
父親のセザール、母親のスゼット、姉のルーシーとともに村で暮らしている。村はずれの森には父方の祖母がいる。表面上はいい子を装っているが、実は大胆で残酷な一面もある。
ピーター(シャイロ・フェルナンデス)
ヴァレリーと同じ村に住む木こりの青年。ヴァレリーと愛し合っているが、貧乏なので結婚できずにいる。ヴァレリーと2人で村を出たいと考えている。
ヘンリー(マックス・アイアンズ)
親が決めたヴァレリーの婚約者。家が裕福なので、スゼットはヴァレリーとヘンリーを結婚させたがっている。ヘンリーは以前からヴァレリーのことが好きだった。
ソロモン神父(ゲイリー・オールドマン)
国中で狼や魔女を退治している神父。幼い2人の娘がいる。人狼になってしまった妻を自ら殺害した過去があり、かなり残酷な人物。

映画『赤ずきん』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『赤ずきん』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『赤ずきん』のあらすじ【起】

ヴァレリーが暮らす村は、昔から人を襲う狼の脅威に悩まされてきた。しかし生贄を捧げるようになって20年は、被害者が出ずに済んでいた。

ヴァレリーは幼馴染のピーターと愛し合っていた。しかしヴァレリーの母親のスゼットは、裕福な鍛冶屋の息子のヘンリーとヴァレリーの婚約を勝手に決めてしまう。ピーターに“2人でどこかへ逃げよう”と言われ、ヴァレリーはピーターと駆け落ちする覚悟を決める。

2人がまさに村から逃げようとしたその日、ヴァレリーの姉のルーシーが死体となって発見される。ルーシーは、なぜか危険な満月の夜にひとりで村はずれへ行き、狼に殺されてしまったのだ。姉が殺され、ヴァレリーはピーターと逃げる機会を失う。

村の男たちは憤り、狼退治に出かける準備を始める。教会のオーガスト神父は、狼を退治するスペシャリストのソロモン神父が来るのを待つように言うが、復讐心に燃える男たちを止めることはできない。

ヴァレリーは、姉がヘンリーのことを好きだったという事実を知り、ショックを受ける。ルーシーは、妹がヘンリーと結婚することに絶望し、自ら狼に身を捧げたのではないかと考える人もいた。

ピーターは、スゼットから“ヴァレリーを愛しているなら諦めて”と言われ、ヴァレリーに別れを告げる。ヘンリーは、ヴァレリーに高価な腕輪を贈り、改めてプロポーズする。そして2人は村の男たちと共に、狼退治へ出かけていく。

ヴァレリーは、森で暮らすおばあちゃんを訪ねる。おばあちゃんは、結婚祝いに赤いマントをプレゼントしてくれる。ヴァレリーの頭の中は、様々なことで混乱していた。

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映画『赤ずきん』のあらすじ【承】

翌朝、ヴァレリーが村へ帰ると、狼を退治した男たちが大騒ぎしていた。しかしヘンリーの父親のエイドリアンが犠牲となってしまう。エイドリアンの葬儀の時、ヴァレリーは、ルーシーの父親が母親の元恋人のエイドリアンだったことを知る。

そこへ、屈強な兵士を引き連れたソロモン神父がやってくる。昔、ソロモン神父は、切り落とした狼の前足が人の手に変化したのを見て、狼の正体が人狼であることに気づいた。そして自分の妻が人狼であると知り、自ら妻を殺害していた。ソロモン神父は、この村の人狼はまだ生きており、村人の中に人狼がいると忠告する。

ちょうど今は、13年に1度、赤い惑星が月と並ぶ「血の月」の出る週であり、この期間に狼に噛まれた者は、人狼になってしまう。ソロモン神父はその事実を村人に説明し、3日後に月が欠け始めるまで、村の入り口を封鎖することに決める。

村人たちはその話を信じず、盛大な祭りを始める。ヴァレリーは、騒ぎに紛れてピーターを誘い出す。その様子をヘンリーが見ていた。ところが、村に狼が姿を現し、2人の逢引は中断される。

巨大な狼は次々と人を襲い、ヴァレリーは親友のロクサーヌと逃げる。狼はヴァレリーを追いつめ、“私と一緒に行こう”と語りかける。なぜかヴァレリーだけには、狼の言葉が理解できた。

翌朝、ソロモン神父は狼に噛まれた兵士を殺してしまう。兵士の兄はソロモン神父に強い憎しみを抱くが、“人々のためだ”と言われ、じっと我慢する。

スゼットは狼に顔を引っかかれ、ひどい傷を負って寝込んでいた。ヴァレリーは、ロクサーヌとおばあちゃんにだけ、狼に話しかけられた事実を打ち明ける。ヘンリーは、ヴァレリーがピーターを愛していることを知り、婚約を解消する。

映画『赤ずきん』のあらすじ【転】

ソロモン神父は、ロクサーヌの弟のクロードを怪しみ、彼を捕まえて拷問にかける。クロードは自分の名前もまともに言えない知的障害児で、ロクサーヌは弟を助けるためにヴァレリーの秘密を密告する。しかしクロードは拷問によりすでに絶命していた。

ヴァレリーは、人狼と話せることで魔女だと疑われ、公開裁判にかけられる。ヴァレリーは正直に、狼が“自分と一緒に行けば村を襲わない”と言ったこと話す。ソロモン神父は、狼の狙いがヴァレリーであるとして、彼女を牢屋に拘束する。

ヘンリーとピーターは、協力してヴァレリーを救出する計画を立てる。おばあちゃんは孫の無実を証明するため、独自で人狼探しを始める。

おばあちゃんは、最初にヘンリーを疑うが、ヘンリーは逆におばあちゃんが怪しいと言い出す。おばあちゃんからは、ヘンリーの父親を殺した狼と同じ匂いがしていた。

ヴァレリーの父親のセザールも、魔女の家族として牢屋に拘束される。ソロモン神父は、ヴァレリーに鉄仮面をかぶせ、狼をおびき寄せる囮として、村の中央に繋ぐ。

ピーターは、村のあちこちに火をつけて火事騒ぎを起こし、その間にヘンリーがヴァレリーを救出する。2人の企みに気づいたソロモン神父は、ピーターを捕えて拷問機の中へ閉じ込める。さらに、自分のやり方に反発したオーガスト神父を殺してしまう。

ヘンリーはヴァレリーを連れて逃げている途中で怪我を負い、2人は教会に助けを求める。しかしソロモン神父は、2人を教会へ入れてくれない。そこへ、ついに狼が現れる。

狼は兵士たちを噛み殺し、ソロモン神父にも噛み付く。そして“一緒に来ないと村を滅ぼす”とヴァレリーを脅す。ヴァレリーは故郷を守るため、狼と一緒に行く決意をする。しかしロクサーヌたち友人がヴァレリーをかばう。狼は雪の下に埋まった何かを踏んで前足を火傷し、姿を消す。

ソロモン神父は、再びヴァレリーを捕まえようとするが、弟を殺された兵士に殺されてしまう。

映画『赤ずきん』の結末・ラスト(ネタバレ)

帰宅したヴァレリーは、おばあちゃんの夢を見る。そして、おばあちゃんの身に危険が迫っていると感じ、ひとりで森へ向かう。森へ行く前に、教会の前で祈りを捧げ、雪の下に埋まっていたものを掘り出してバスケットの中へ隠しておく。

ヴァレリーは森の中でピーターと出会い、“一緒に逃げよう”と誘われる。しかしヴァレリーは、ピーターが人狼ではないかと疑っており、彼をナイフで刺して逃げる。

おばあちゃんの家の中は薄暗く、おばあちゃんは奥で寝ているようだった。ヴァレリーが声をかけると、おばあちゃんは“スープをおあがり”と言ってくれる。しかしスープは不気味なドロドロとした液体で、ヴァレリーは異変に気付く。奥から出てきたのは父親のセザールだった。

セザールは、ヴァレリーに自分が人狼であることを打ち明ける。セザールは、村の暮らしが嫌になり、娘たちを連れて町へ出ようと考えていた。そこでルーシーを満月の夜に呼び出したのだが、ルーシーに狼の言葉が通じないのを見て、彼女が自分の子ではないと悟る。激昂したセザールは、ルーシーを噛み殺してしまう。

おばあちゃんは、自分の夫や息子の正体を知らなかった。しかし、ヘンリーに狼の匂いがすると言われ、息子を疑う。セザールは仕方なく、おばあちゃんも殺してしまう。

セザールは、この期間にヴァレリーを噛んで人狼にし、自分の後継者にしたいと考えていた。そこへピーターがやってきてセザールと格闘になり、投げ飛ばされる。ヴァレリーは、贈り物があると言ってセザールを油断させる。一瞬の隙を見て、ピーターがセザールの背中に斧を命中させ、ヴァレリーはバスケットの中に隠していた人狼の手をセザールの腹にねじ込む。これにより、人狼のセザールは絶命する。

ヴァレリーとピーターは、セザールの腹に人狼の手を封印し、その死体を湖の底に沈める。ヴァレリーは、疑ったことをピーターに謝り、一緒にいたいとすがる。しかし、先ほどの格闘でセザールに噛まれたピーターは、ヴァレリーを傷つけることを恐れて姿を消す。ヴァレリーは、去り行くピーターに“待っている”と約束する。

村には平和が戻り、ヴァレリーは森の中のおばあちゃんの家で暮らし始める。それからしばらくして、自分の前に姿を現した狼を見て、ヴァレリーは静かに微笑む。

映画『赤ずきん』の感想・評価・レビュー

グリム童話の本質は、意外と残酷な展開がついてまわるものであり、この赤ずきんも非常に良い例だと言えるだろう。人狼が村人の中の誰かという疑惑が上がり、人間同士の腹黒さやドロドロとした探り合いが非常に濃厚に描かれている。そして、ヴァレリーが人狼の言葉を理解出来るところ辺りから、疑惑が解消されていくのだが、そこにも独特の愛情表現が含まれており、面白い。けしてハッピーエンドでは無いが、グリム童話らしい結末といえるだろう。(男性 30代)


痛々しい描写が多く、残酷なグリム童話本来の雰囲気が出ていたのではないかと思う。正直に言うと、人間関係が複雑過ぎた。小さな村なので仕方がないのかもしれないが、人間関係がドロドロし過ぎだと思う。悪人が多すぎたので、もう少し善人がいても良かったのではないか。特に神父なのに残酷なソロモンが衝撃的すぎた。拷問によって亡くなってしまったクロードの存在がとても悲しい。アマンダ・サイフリッドが可愛くて、赤ずきんの役に嵌まっていたのは良かった。(女性 30代)


ずっとこれから面白くなりそうだ。という感想を抱いたまま映画の後半までついにその時は来ない映画。雰囲気づくりは映像とセット、付け加えて衣装が見事で十分以上に成功しており、あとから考えて脚本も決してつまらないものではない気がするのにどうにも面白くない。描き方が丁寧過ぎて物語が進まないことや、結局何が言いたいのかが伝わらないことなど構造上の問題は多々あるのだろうが、あえて言うと爽快感のあるシーンがなさすぎる気がする。要は客の視点がない。(男性 30代)


雰囲気のある画の多い作品だった。赤ずきんのタイトルから想像したのは童話のものだったが、どちらかといえばグリム童話のようなストーリーだったように思う。恋愛要素は多いが、狼を退治しに行くまでは童話の赤ずきんに近い。人狼に噛まれた人間が、同じように人狼になるのは吸血鬼のようで、村の中に紛れた人狼を探すのは人狼ゲーム的だった。
ストーリーは可もなく、不可もなくという感じだったが、映像の美しさは非常によかった。幻想的な映像も多かったため、雰囲気を楽しんで欲しい。ただ、サスペンス要素が強いため、残酷なシーンが苦手な人にはあまり向いていないと思った。(女性 20代)


童話の赤ずきんを大胆にアレンジ。人狼ゲーム的なサスペンス要素とロマンスも加え、ダークファンタジーの大人のおとぎ話といった感じ。赤ずきん役のアマンダ・セイフリッドがとても美しく鮮やかな衣装もよく似合っていました。複雑な人間関係や誰がオオカミなのかハラハラな展開もあり、ラストはけっこう予想外で楽しめました。切ない最後は一応ハッピーエンドかな?真っ白の雪の中に赤い頭巾のコントラストが美しく、ダークな世界観が素敵でした。(女性 30代)


皆が知っている童話「赤ずきん」をアレンジしたダークファンタジーな作品。アマンダ・セイフライドにゲイリー・オールドマン。これは見るしかありません。終始ダークな世界観で、私の知っている赤ずきんとは全く違う雰囲気。原作の赤ずきんもかなり残酷な描写がありますが、この作品は原作とも違い、元にして作られている感じです。
誰も信用出来ない世界が、ものすごくリアルに表現されていました。怖いのが苦手な方は注意して見てください。(女性 30代)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    人狼の手、ではなく狼に噛み切られたソロモン神父の右手(銀の爪)です。

  2. 匿名 より:

    劇場版のラストは、人狼に腕を噛まれたピーターがヴァレリーに別れを告げ、一人で村を出ていき、最後は狼の姿でヴァレリーと再会するというものだ。
    もう一つの結末は、DVDまたはBlu-rayに収められている。
    その内容は、人狼を殺した後、二人は束の間愛し合い、ピーターが村を出た後ヴァレリーは一人で子供を産んでおり、最後は赤ん坊を抱いて狼のピーターと再会するというもの。
    子供がいるかいないかという違いだけで、別にどちらを観ても大差はないように思う。
    強いて言うなら、もう一つの結末で子供を産んでいるというのは、典型的な「待つ女」像だなあと思うくらいである。

  3. 匿名 より:

    映画のジャンルとしては、ホラーというより恋愛色が強い。そして、人狼は誰なのか?というちょっとしたミステリー要素もある。
    赤ずきんだから、無難におばあちゃんなのでは?と初めに思わせておいて、それらしい演出もいくつか用意されている。
    おばあちゃんでなければピーターかヘンリーだろうと、ヴァレリーと同じように考えた人も多いだろう。

    が、なんと人狼は影の薄い父親のセザールだったという……。しかしまあ、ルーシーの死、そして母の恋と過ちなどの手がかりを見ていけば、早い段階でセザールだと気づいた人もいるだろう。

  4. 匿名 より:

    この映画の監督は、『トワイライト 初恋』も手掛けている。そのためか、雰囲気もどことなく似ている。
    まず人を襲い、能力も引き継ぐという点で人狼はヴァンパイアと近い。また、ピーター役のシャイロ・フェルナンデスは『トワイライト』のエドワード役でオーディション最終まで残った俳優だそうだ。
    劇中ほとんど雪が降り続き、灰色の背景の中で物語が展開するのも『トワイライト』と似ている。

    少しホラー要素があって、雰囲気のあるノスタルジックなラブストーリーが好きな人にとってはかなりいい映画なのではないだろうか。

  5. 匿名 より:

    ストーリーや設定は、奇をてらった面白さはあるものの、ものすごく面白い映画というわけでもない。
    アマンダ・セイフライド、そしてゲイリー・オールドマンと、俳優ありきの映画だと思う。その割にはゲイリー・オールドマン演じるソロモン神父の扱いは雑だが。ゲイリー・オールドマンの今までの出演作を知る人は予想するだろうが、碌な死に方はしない。
    アマンダ・セイフライドは『マンマ・ミーア!』でのイメージからか、明るく元気な役という印象がある。だから今回のヴァレリーのような、儚げな美少女で表向きは良い子だけど、でもただの良い子というわけでもないという役柄は意外だった。
    しかし、ブロンドで大きな瞳を持つアマンダの容姿は、童話の世界から飛び出してきたかのようで、二人の青年を虜にする美少女としてぴったりだった。