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映画『アレックス』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『アレックス』の概要:「時は全てを破壊する」――数々の問題作を送り出すギャスパー・ノエ監督による、幸福なカップルに訪れるショッキングでグロテスクな日常の崩壊。およそ9分間にも渡るレイプシーンに貴方は耐えられるだろうか?尚、本作は時系列が逆再生で進行していく。

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映画『アレックス』の作品情報

アレックス

製作年:2002年
上映時間:99分
ジャンル:サスペンス
監督:ギャスパー・ノエ
キャスト:モニカ・ベルッチ、ヴァンサン・カッセル、アルベール・デュポンテル、フィリップ・ナオン etc

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映画『アレックス』の登場人物(キャスト)

アレックス(モニカ・ベルッチ)
かつての恋人ピエールと別れ、今はマルキュスと結婚を前提にして交際している女性。幸福な日々を暮らしていたが、ある日そんな彼女に悪夢のような出来事が襲い掛かる。
マルキュス(ヴァンサン・カッセル)
アレックスの恋人。美しい彼女と幸せそうな日々を送るが、アレックスが壮絶なレイプを受けたため唐突に何もかもを奪われてしまい、怒りに身を任せ復讐に奔走する。……余談ではあるが、撮影時にアレックス役のモニカ・ベルッチとは実生活でも夫婦であった(ただし現在は離婚済み)。
ピエール(アルベール・デュポンテル)
アレックスの元恋人。彼女が友人のマルキュスに惚れてしまい、別れることとなったが未だに未練があるようだ。アレックスに起きた悲劇の際にも復讐に燃えるマルキュスを必死に引き止めていたがそれも叶わなかった。
肉屋(フィリップ・ナオン)
前作『カノン』の主人公でもある馬肉屋の男。冒頭にのみ登場し、本作のテーマでもある「時は全てを破壊する」と語った上で、前作のあれから娘を犯した罪で投獄されていた事実が語られる。

映画『アレックス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『アレックス』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『アレックス』のあらすじ【起】

まず予め記しておきたいのが、この作品では時間軸が逆に進んでいくためにエンディングロールから物語が始まり、時系列が逆に進行していく逆再生ムービーであることを踏まえた上であらすじを書いてゆく。

冒頭、エンディングロールが傾いていき不穏な音楽と共に物語が始まる――ゲイ達の集まるSMクラブ「レクタム」。レクタムの上の階には、前作『カノン』の主人公であった肉屋の中年がおり、娘を犯してしまったことで刑務所に入っていたとその場にいた男に語る。そして全てを失ったという肉屋は、「時は全てを破壊する」と遠い目をさせて言うのだった。そんな話をしているうちにやけに外が騒がしい。どうせ下のゲイどもだ、と言うがパトカーや救急車のサイレンからどうも様子が違うらしい。流血沙汰の事件が起きたのだ。レクタムの中から担架で運ばれてくるのはマルキュス。どうやら乱闘騒ぎの末に腕を折られ怪我を負ったらしい。そしてもう1人、マルキュスの友人ピエールは逮捕される。原因は乱闘を止めようとして相手に大怪我を負わせたことであった。

マルキュスとピエールが騒動に巻き込まれる数分前、2人はレクタムで「テニア」という名の男性娼婦を探していた。復讐なんかよせ、と止めるピエールの抑制を遮りマルキュスは狂ったようにテニアを探し続ける。殺されるぞ、とピエールは引き返すように促すがマルキュスは聞き入れようとしない。赤の照明だけが照らし出す悪夢のようなその店の中では男性同士の性行為やSMがあちこちで行われており、構わずテニアがどいつかを手当たり次第に聞きまくるマルキュス。何故、彼はそんなにもテニアに固執するのか?マルキュスは近くにいた客にテニアのことを尋ねるが、ニヤニヤとはぐらかされたり、「俺のをしゃぶれ」と迫られたり、話が通じない。ようやくテニアと繋がりのある男に出会うも彼もまたどこかおかしく噛み合わない会話が続く。怒りに理性を奪われたマルキュスは、そんな彼に半ば無理やりテニアの場所へと案内させ、壁によりかかっている2人の男と出会う。お前がテニアか、と尋ねてもどちらも虚ろな目で曖昧な返答しか寄越さない。テニアなのかそうでないのかも分からないまま、激情に駆られたマルキュスは身元も不明瞭なその男と殴り合いになる。乱闘になりマルキュスは床にねじ伏せられ、挙句の果てに腕を折られ更には犯されそうになる。彼を助けようとしたピエールは消火器を持って飛び込んでいき、何度も何度も男の顔を殴る。こいつこそがマルキュスの仇・テニアだと思ったピエールは「ホモ!糞ホモ!殺っちまえ!」と口汚く罵りながら消火器を振り下ろす。男の顔が赤く染まり、潰れ、もはや原型を留めていないくらいにまでグシャグシャになってしまう――その様子を見てニヤニヤしている男が傍にいるのだが、実はこの男こそがマルキュスが半狂乱になってまで探そうとしていたテニアなのであった……。

映画『アレックス』のあらすじ【承】

物語は更に遡る。では、マルキュスとピエールが何故レクタムに乱入したのか。テニアの行方を探るうちにレクタムという店を突き止めたマルキュスは、ピエールと共にレクタムの場所を探して訪ね回る。店の場所を知ったマルキュスだったがピエールはそれよりも「アレックスの病院に行く方がいい」と呼びかける。ここで、アレックスという人物とテニアという人物の間に何かが起きたことが発覚する。そんなピエールにマルキュスは半ば怒り狂ったように鉄パイプを振り下ろしながらレクタムへ行けと暴れ出す――、「こんなことをしてもアレックスを救えない。病院へ行こう」。時はもう少し戻り、事態の真相に近づいていく。マルキュスは何らかの被害にあったアレックスの復讐のため、犯人探しを誓う。そんな中、この辺りを「シマ」とし「警察よりも犯人を早く見つけ出してやる」という怪しげな男達と出会う。金を払い、用心棒兼情報屋として雇うのだった。それよりもアレックスの元へと向かうべきだと諭すピエールを無視し、マルキュスは怒りに身を任せるまま情報を頼りに娼婦達から「ヌネス」という女の名を知る。そして娼婦達と共に路上にいたヌネスを見つけ近づくマスキュス達。ここでアレックスの身に一体何が起きたのかが判明する。アレックスはマルキュスの婚約者で、どこかの男によりレイプされていたのだった。その男と共に一緒にいたのがヌネスで、そしてこのヌネスは女ではなく男、つまりニューハーフだった。ヌネスは犯人の男と現場に居合わせており、マルキュスはヌネスに刃物を近づけながら半狂乱となり、「全て言わなければ顔を切り刻む」と犯人の名を聞き出そうとする。怯えたヌネスの口からここでテニアの名前と、彼が常駐しているゲイクラブ・レクタムのことが発覚する。

時間はまたもや戻り、事情聴取を受けているピエールと愕然としているマルキュスの姿--ほんの数分前、どこかのパーティー会場から上機嫌そうに出てくるマルキュスとピエール。しかし、何やら街の中がどうにも騒がしい。何の騒ぎかと聞けばどうも女がレイプされたらしい。警察の集まる中、担架で運ばれてきたレイプ被害者の姿を目にしたマルキュス。そう、婚約者のアレックスがあまりにも無残な姿でそこに横たえられていた――。

映画『アレックス』のあらすじ【転】

顔中を腫らし血で塗れたアレックスに駆け寄り何が起きたのかと叫ぶマルキュス。アレックスはレイプの末酷い暴行を受け、昏睡状態にあるのだという。アレックスの身に一体何が起きたと言うのか?時はもう少し戻り、彼女がマルキュスらのいたパーティー会場から1人離れ先に帰宅していたことが分かる。アレックスはタクシーを呼び止めようとしたが捕まらずに、仕方がなしに地下の通路を使い帰ることにする。これが悲劇の始まりだった。地下を歩いていると、口論をしているカップルに遭遇する。このカップルは、前述したテニアとヌネス。何かを拒もうとして「嫌だってば!」と叫ぶヌネスの腹部を蹴り飛ばし顔面を殴り飛ばすテニア。当然、突然の暴行に唖然とし竦み上がるアレックス。止めようにもテニアの暴力は加減を知らず、逃げようとし悲鳴を上げるヌネスに対し執拗なまでの乱暴を加える。「くたばれ、クソアマ!」と暴言を吐き捨てるテニアの牙は傍観者だったアレックスへと向けられる。逃げ出そうとするアレックスを捕まえ、ナイフを突きつけるテニア。「金持ちのアバズレ。口を裂いてやろうか?」――ナイフを恐怖で凍り付くアレックスの眼前に突きつけながら、泣いて許しを乞う彼女にも構わず「跪け」とアレックスを腹這いにさせる。ホモセクシャルのテニアは「女にしてはイケてるな」等と屈辱的な言葉を浴びせながら性的暴行を始める。地べたに伏せさせた彼女の口を背後から塞ぎ、テニアは「騒いだら絞め殺してやる!」と彼女を背後から犯し始めた。テニアにとって、アレックスは性的な対象ではないためかこの行為は性的興奮を得るためというよりは相手を屈服させたいだけなのかもしれない。途中、地下には通行人の姿も見受けられるが見て見ぬふりをして逃げ出してしまう。まさに悪夢のような時間が開始される。「金持ちのメスブタ!」等と罵りながら、苦痛に呻く彼女を犯し続けるテニア。途中、血が出てきたぞとテニアが声を上げ、ようやくその行為が終わったかと思うと今度は「俺の顔を見ろ」とボロボロのアレックスに向かって言い放つ。悪夢はまだ終わっていなかった。レイプの後にアレックスを待っていたのは、壮絶なまでの暴力だった。「くそアマ、アバズレ、メスブタ、売女!顔を潰してやる。その綺麗な顔を!」と罵詈雑言を浴びせながらアレックスの顔を散々に蹴り飛ばし、馬乗りになって拳で殴り始める。更には頭部を掴み、何度も地面に殴りつけ、「もう済んだぜ。ろくでなしのクソアマ」とまるで彼女をゴミでも扱うかのように、唾を吐き捨てて立ち去って行くのだった。

この惨劇が行われる前、マルキュス、ピエール、アレックスは華やかなパーティー会場にて盛り上がっていた。ピエールはアレックスの元恋人という関係で、彼女と別れて以来、女との生活もからっきしのようである。マルキュスは酒の勢いも手伝ってか羽目を外しまくり、アレックス以外の女ともいちゃついたり更にはヤクを決め、ろくでもない振る舞いを見せる。ピエールはアレックスが気の毒だから止せ、と言いまだ彼女に未練でもあるのかマルキュスをアレックスの元へ連れて行こうとする。マルキュスはクスリでラリってしまい、しつこくアレックスに絡み彼女に嫌がられてしまう。呆れたアレックスは彼の態度に怒り、送ると言う彼の言葉を無視し1人で会場を後にしたのだった。

映画『アレックス』の結末・ラスト(ネタバレ)

時間は逆転し、会場へ着く前の3人の姿が映し出される。地下鉄の中では、マルキュスがアレックスとの性行為の話ばかりを繰り返しアレックスは半ばうんざりしていた。そしてそれに食いつくのは、元恋人のピエール。どうもピエールとアレックスの身体の相性は今一つだったようで、ピエールはアレックスの性生活についてやたらに知りたがろうとする。特に、アレックスの性的な事柄や嗜好について元彼氏ながらめっぽう聞きたがろうとしつこく追及するのだから堪らない。地下鉄で移動しながら、何だかんだと下品な話題で盛り上がる3人。アレックスはピエールの下ネタ方面の質問責めにややうんざりとしつつも、マルキュスとは幸せな様子だ。

そして数時間前、ベッドの上で行為を終えたのか裸のまま眠りについているマルキュスとアレックスの元に入るピエールからの留守番電話のメッセージ。「車が壊れたから地下鉄で行こう。30分後くらいに迎えに行くよ」――電話が切れた後まどろみながらアレックスはマルキュスの上で寝転びながら話す。「変な夢を見たの。トンネルにいる夢よ――トンネルは真っ赤なの。やがてトンネルは2つに崩れ落ちる……夢は生理のせいね。遅れてるの」「すごく?」「いいえ、2、3日」。様子を見よう、とマルキュスはアレックスの髪に触れベッドの上で愛を交わす。そうして裸のままキスを交わし、しばし愛し合う2人。「もし私が妊娠していたらどうする」と尋ねる彼女に「最高だな」と笑うマルキュス。酒の買い出しに向かったマルキュスと、シャワーを浴びた後で妊娠検査薬を何気なく使うアレックス。その結果は何と陽性で、幸福感に包まれ心から笑顔を浮かべるアレックス――そしてその結果を、いつ彼に話すべきなのか嬉しそうに微笑むのだった。

エピローグ。この時ばかりは時間いつかが分からないが、無事新たな生命を胎内に宿らせたのであろうアレックスが公園の中ではしゃぎまわる子供達を幸福そうに眺めている。アレックスはレイプされた際に「血が流れた」と言われていたために流産したものだと思われていたのだが、この時間軸から言って再び懐妊できたということなのか。それとも妊娠が発覚する前の映像で、やはり彼女はレイプの末に流産してしまったのだろうか?どちらとも解釈できそうな、救いはあったのか、それともなかったのか、冒頭の肉屋の言う通り「時は全てを破壊」してしまったのか――ベートーベンの交響曲7番が流れる中、画面はアレックスが見上げる眩しいくらいの陽の光に包まれてゆき、やがて激しいノイズが走りスタッフロールも無く、物語は幕を閉じるのだった。

映画『アレックス』の感想・評価・レビュー

イタリアの宝石とも呼ばれ、ボンドガールとしても有名な女優モニカ・ベルッチがおよそ9分間に渡り壮絶なレイプをされることが話題になりやすい映画。事実非常に衝撃的な映像で、性的なものより暴力であり、目を背けてしまう。他にもグルグルと回る酔いそうなカメラワーク、不安感を煽る音楽、ここぞとばかりに不愉快なものを見せるノエ監督の、ある種変態的とも言える「悪趣味」が詰まった問題作。女性やグロ耐性のない人は安易に手を出してはいけない危険な作品。(MIHOシネマ編集部)


モニカ・ベルッチが素晴らしい。こんな役をよく、ここまでやり遂げたなという役者魂を感じました。噂に聞いていた、地獄の9分間のレイプシーン。劇場公開時には退席してしまう人もいたほどだそうです。女性も男性も関係なく、かなり辛く感じるシーンでしょう。顔を歪めてしまうほど、見るのが苦痛でした。
カメラワークがかなり独特で、一言で表すとぐるぐるします。三半規管が弱い人は注意してください。ストーリー展開も逆再生なので、頭を使いますが、作品の世界観が一貫していてものすごく面白かったです。(女性 30代)

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前作 カノン

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みんなの感想・レビュー

  1. Pop Hone より:

    最後のシーン(公園でアレックスが寝転ぶ所)は、作中に話す正夢についてのことではないでしょうか?
    ↑ベットで目覚めるシーンのアレックスの「赤いトンネルで二つにわかれる」的な発言

    つまり、もしあの悲劇(アレックスのレイプ)がなかった時の未来(if)が最後のシーンは描いているのではないでしょうか?

    また、この映画で行われる暴力のシーンの幾つかが対になっていると考えることができるのではないでしょうか?

    幾つか例を挙げると、

    アレックスへのレイプの後の暴力
    ↑↓
    マルキャスへのレイプ未遂の後の暴力

    ヌネスを脅すシーン同性間(便宜上ではあるが)への暴力
    ↑↓
    テニアのアレックスを脅すシーン異性間(これも便宜上になるが)への暴力など

    私もまだ一度目の視聴であり、まだ物語全体を整理できていない為、今回の記事は非常に参考になりました。