映画『エルム街の悪夢3 惨劇の館』の概要:1作目から5年後のエルム街。多くの子供達が悪夢で寝付けず、精神病院に入っていた。人を自分の夢に呼び込む力を持った少女・クリスティンを主人公に、再び殺人鬼フレディ・クルーガーの鉤爪がエルム街に住む子供達に襲い掛かる!
映画『エルム街の悪夢3 惨劇の館』の作品情報
上映時間:97分
ジャンル:ホラー
監督:チャック・ラッセル
キャスト:ヘザー・ランゲンカンプ、パトリシア・アークエット、ラリー・フィッシュバーン、プリシラ・ポインター etc
映画『エルム街の悪夢3 惨劇の館』の登場人物(キャスト)
- フレディ・クルーガー(ロバート・イングランド)
- 全身焼け爛れた肌と、鉤爪がトレードマークの殺人鬼。人々の悪夢に出現し、殺人を重ねる。
- クリスティン・パーカー(パトリシア・アークエット)
- 人を自分の夢の中に呼び込む力を持つ女子高生。悪夢にうなされており、手首を切ってしまったことから精神病院に入院させられる。
- ナンシー・トンプソン(ヘザー・ランゲンカンプ)
- シリーズ1作目のヒロインで生存者。今は夢心理学専門の大学研究生になり、かつてフレディに襲われた経験からクリスティン達を救おうとする。
- ニール・ゴードン(クレイグ・ワッソン )
- 病院の医師で、当初こそナンシーの治療方針には反対していたが次第に協力するようになる。
- エリザベス・シムズ(プリシラ・ポインター)
- フレディの存在を信じない女性医師。口うるさく若者らには厳しく当たる中年女性。
- ジョーイ・クルーゼル(ロドニー・イーストマン)
- 言葉の話せない少年。フレディに捕まってしまう。
- ローランド・キンケイド(ケン・サゴーズ)
- 少し口の悪い黒人。しかし、根はいい奴。クリスティンらと共にフレディと対決する。
- タラン・ホワイト(ジェニファー・ルービン)
- 元不良娘で、同じくフレディの悪夢に苦しむ。フレディと戦う内の1人。
- ウィル・スタントン(イラ・ヘイデン)
- フレディの悪夢に苦しむ眼鏡の少年。車椅子で行動している。彼もフレディと戦う。
- メアリー・ヘレナ(ナン・マーティン)
- 度々姿を現す謎のシスター。フレディに関する助言を残す。その正体は……。
映画『エルム街の悪夢3 惨劇の館』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『エルム街の悪夢3 惨劇の館』のあらすじ【起】
エルム街に住む女子高生のクリスティンは、精神科に通う程悪夢に悩まされていた。その日の晩も無理やり母親に寝かしつけられベッドへ入るが、うとうととしかけた矢先子供達の歌声がどこからか聞こえてくる。「1、2、フレディがやってくる。3、4、ドアに鍵をかけて。5、6、十字架を握りしめ。7、8、夜中起きていよう。9、10、もう2度と眠らない」――三輪車に載った少女を追いかけて洋館の中へと入っていくクリスティン。少女はここに閉じ込められているのだと言い、クリスティンは少女を連れ出そうとする。途端、鉤爪のついた殺人鬼・フレディが追いかけてきて、クリスティンは少女を抱いて必死に逃げ出す。ここはフレディの館だった――悪夢から絶叫と共に目を覚ますも、現実世界でもフレディの幻影に惑わされ手首を切ってしまうクリスティン。エルム街では若者が立て続いて自殺していた。病院側もその事件に当惑しているという。そんな中クリスティンは母親に無理やり病院へ連れてこられ、錯乱してメスを持って暴れてしまう。そんな彼女を止めたのは夢心理学の研究生・ナンシーだった。病院にはフレディによる悪夢で自殺未遂を起こす若者で溢れかえっていて手に負えないらしい。ナンシーは自身もフレディによる被害を受けた立場からクリスティンを始めとし彼らを救いたいと考えていた。自殺未遂により入院させられていたクリスティンはその晩もまた悪夢にうなされる。フレディの館に閉じ込められたクリスティンは夢の中でナンシーの名を叫び助けを求め、それに呼応するようにナンシーも夢の中へと引きずり込まれる。クリスティンには夢の中に他の人を呼ぶ力があるのだ。ナンシーはフレディに教われていたクリスティンを助けると、フレディはナンシーを見て「お前か」と忌々しげに呟く。無事目を覚まして窮地を脱した2人であったが、夢の中で負った傷は現実世界でも持ち越されてしまうためにナンシーは片手に切り傷を作ってしまった。
翌日、グループ集会として医師のニールの元、入院患者の若者らが集められる。新しく入ったナンシーを紹介し、若者達も自己紹介を始める。車椅子で眼鏡の少年ウィル、女優志望で金髪のジェニファー、夢遊病のフィリップ、言葉を話せない少年ジョーイ、黒人で少し皮肉屋のキンケイド、元不良少女のタラン。皆悪夢に悩まされる若者達だった。フィリップは悪夢は集団ヒステリーのようなものだと語り、女医のエリザベスは皆が心の中にある罪の意識や葛藤を認めないことに原因があると言い、ディスカッションは終わる。その晩、悪夢を見たくないウィルはジョーイに寝ずの番をさせ、自分がうなされたら起こすよう言いつける。交代制で毎晩こうしているようだった。
映画『エルム街の悪夢3 惨劇の館』のあらすじ【承】
ニールはナンシーを連れ食事を共にする。他愛ない話から始まり、ナンシーは若者らの見る悪夢は危険なものだと訴える。夢そのものをみること自体に問題があるのだと。そして催眠療法で取り除く必要があると言うが、ニールは感覚と意識を麻痺させる危険な療法だと反対した。フレディの被害者でもあるナンシーは彼らを悪夢と戦う戦士達で、生き残れるかどうかは私たち次第だとも言う。だが、結局ニールには聞き入れてもらえずじまいであった。
その晩、フィリップがフレディに襲われる。フレディはフィリップの手足の血管を引き抜き、まるで操り人形のように彼を歩かせた。同室のキンケイドはまた夢遊病か、とそんな彼を放っておく。フィリップはそのままフレディに操られ、病院のベランダに向かって歩かされる。寝ずの番をしていたジョーイがそれを見つけ、すぐにウィルを起こし病院中に知らせて周るも結局フィリップは落下してしまう。
翌日のグループ集会でフィリップの死についての話し合いがなされるが同室のキンケイドは単に腰抜けだっただけだと言い、クリスティンは夢の中の男、つまりはフレディの仕業であるとナンシーと共に主張し戦うべきだと言う。医師のエリザベスは単なる夢遊病による事故死だと言い切り、夜間は皆の病室に鍵をかけて鎮静剤を打つと怒鳴る。猛反対するキンケイドだったが、暴れ出したために隔離室へと連れて行かれてしまう。当初ニールはナンシーの催眠療法に反対していたが、フィリップの死からその意見を取り入れた方がいいのではないかとエリザベスに提案する。ニールは万が一何かが起きた時は自分が責任を負うからと、半ば無理やり許可を貰う。その晩、フィリップの件もあり寝るのが恐ろしいからとジェニファーはテレビを見て眠らないでいた。何とか眠らないようにと眠気を堪えていると、突如テレビから流れていたトーク番組の司会者の顔がフレディへと切り替わり、鉤爪で女優の顔を切りつけた。テレビにノイズが走り、画面を消そうとスイッチを押すが消えず、ジェニファーは直接テレビを消しに向かう。するとテレビから突如腕が生えたかと思うとジェニファーを拘束し、フレディの顔がテレビから飛び出してくる。「ジェニファー、テレビに出してやる!」。悲鳴と共にテレビのディスプレイに顔を突っ込まれ、死亡するジェニファー。
翌日、患者を救えなかった自分を責めるニールの元へと1人のシスターが現れ優しい言葉をかける。彼女の名はメアリー。そしてメアリーは言う、「患者を救える方法は1つだけ。男の魂を安らかに眠らせること。彼は神と人間を憎んでいます」……その時、ナンシーに呼ばれニールは振り返るが、ナンシーに「誰と話していたの?」と聞かれもう1度振り返るとシスターは忽然とその姿を消していた。
映画『エルム街の悪夢3 惨劇の館』のあらすじ【転】
翌日、再びグループ集会を開きナンシーが若者達に全てを話す。自分はこの一連の事件の殺人犯である男の正体を知っていると。そう、フレディのことだ。彼は死んでも大量の人を殺し続け、ナンシー自身も殺されかけたことを話す。ウィルが何故僕らも狙われるのかと聞くと、エルム街の大人達がフレディを焼き殺したことだという。彼の恨みは深く、エルム街の最後の子供達である彼らを殺すことで復讐しているのだと言う。しかしどうするべきなのかと悩む若者らに、クリスティンに備わっている「夢の中に他人を呼び込む力」を使い、そして夢の中で戦うことを決意させる。そして催眠療法を始める一同だが中々うまくいかない。何度か試みているうちに催眠にかかり夢の世界へと導かれる一同達。それまでは歩けなかったウィルが、「夢の中での僕は歩ける」と立ち上がり、そして夢だった魔法使いへと己に暗示をかけ本当に魔法が使えるようになる。催眠にかかった一同はそれぞれ超人的能力を発揮できるようになり、キンケイドは怪力になり、タランはナイフ使いの悪女としての能力に目覚める。そんな中、失語症のジョーイだけがグループの中に見当たらない。彼は憧れていた看護師に「2人きりになりたくて」と呼び出され、勿論喜んでついていく。服を脱いだ彼女にキスをされ夢のようなシチュエーションにうっとりするジョーイだったが、フレディによる罠であった。キスしながら口の中に長く伸びた舌を突っ込まれ、挙句にその舌によって両手両足をベッドに拘束される。そのままフレディによって焼かれそうになるジョーイに、フレディの気配を察知する一同。炎の攻撃により一同も部屋を包囲されるが、あわやという所でエリザベスが部屋へと入ってきたためか催眠が解け目を覚ますことに。しかし、目を覚ます一同の中でジョーイだけは昏睡状態に陥ってしまった。上から責められるニールだが、ナンシーは彼は昏睡状態ではなくフレディによる攻撃を受けたことを訴えようとしたが勿論聞き入れてもらえない。責任を問われニールとナンシーは彼らの治療から外されてしまう。
ニールはある晩、例のシスター・メアリーの姿を廃墟の中で見つけその後を追いかける。メアリーは話す、全てはここから始まった。以前この建物は精神病を患った凶暴な囚人達が監禁されていたのだと。ニールはここは既に閉鎖された筈だが何が起きたのかと尋ねる。この建物の中にとある女性が閉じ込められてしまい、男達に何度もレイプされ発見されたときは瀕死だったという。しかも彼女は妊娠していた。彼女の名はアマンダ・クルーガー……フレディの母親である。メアリーは語る、幾多のけだもの達の血を引いた呪われた子だと。そして彼は焼き殺され、遺体は行方不明のままなのだ。メアリーは言う、フレディの遺体を見つけろと。そう言い残し彼女は消えた。
映画『エルム街の悪夢3 惨劇の館』の結末・ラスト(ネタバレ)
ナンシーが以前意識の戻らないジョーイに付き添っていると、突如ジョーイの身体に血文字で「こいつを取り戻してみるがいい」と刻まれる。ナンシーとニールは合流し、ニールはメアリーから聞いた方法でフレディを葬るよう話す。しかしナンシーはフレディの遺体はボイラー室で焼かれどこかに隠されたと言う。そしてその隠し場所を知っているのは只一人だと……それはナンシーの父親・ドナルドだった。ドナルドに会いに行きナンシーは再びフレディが出現したことを話す。ドナルドも以前フレディと対峙しており、忘れたい記憶なのかナンシーとニールの言葉を聞き入れようとしない。ナンシーは怒りその場を立ち去ってしまうが、その時ニールの元に病院のタランから連絡が入る。クリスティンがナンシーを失ったことにヒステリーを起こし暴れ、それが原因で隔離室へ移されてしまったのだ。彼女を1人きりにしては危ないというタランに、ナンシーは病院へと引き返し、ニールはドナルドの説得に当たる。ニールは娘のナンシーがどうなってもいいのか、とドナルドを遺体の隠し場所へ案内させるよう再度説得を試みた。不承不承それに応じたドナルドを連れ、ニールは教会で聖水と十字架を手に入れ遺体の場所を目指す。案内された先は車の廃棄場であった。
一方病院に引き返したナンシーは、タラン達と合流し皆で彼女の夢の中へと入り力を合わせ助けることを提案する。嫌なら辞めてもいいと言うナンシーだが、全員フレディと戦うことを決意する。再び催眠をかけ、夢の世界へ向かう一同。隔離室を想像することでクリスティンへと近づくよう暗示をかけ始める。やがて鎮静剤を打たれたクリスティンの夢の中へ無事入り込むことに成功したナンシー達。隔離室の中で再会を果たした一行だが、早速フレディの鉤爪が壁から突き出して襲い掛かってくる。離れ離れにならないよう叫ぶナンシーだったが、フレディの力によりバラバラになってしまう。クリスティンがまずはフレディに襲われる。フレディの鉤爪から催眠で得た力を発揮し、何とか攻撃を逃れたものの再びフレディの館にいることを知る。ナンシーの名を呼ぶクリスティンの声を聞いたのは、タランだった。タランも催眠で得た力のお陰で、ナイフを扱いフレディと戦う。善戦したかに思われたが結局敗北し、彼の鉤爪に刺され死亡する。彼女の悲鳴を聞いたウィルもフレディに遭遇する。フレディは車椅子を差し出し、「疲れたろ?目覚めたらまた元通り歩けないぜ」と拷問具のような車椅子を走らせ襲い掛かってくる。ウィルは魔法の力を得た状態で車椅子を破壊し、フレディを攻撃するが通用せず彼もまた鉤爪の犠牲となる。「残念だがおとぎ話は通用しない」とフレディは魔法の力もあっさりと一蹴してしまうのであった。その頃クリスティンはナンシー、そしてキンケイドと無事合流を果たしジョーイを探すことに。3人の前には突如ドアが現れ、扉を開くと階段が螺旋状に広がっていた。覚悟を決め、最後の戦いに赴く3人。その最奥では、ジョーイが捉えられておりフレディが待ち構えていた。炎の中に突き落とされそうになるジョーイをナンシーが何とか支え、怪力でそれを引き上げるキンケイド。一方、フレディに戦いを挑むクリスティン。しかし追い詰められピンチの所へ、ナンシーとキンケイドも加わり共闘するがフレディは以前より力を増しているとナンシーが言う。彼は殺人を重ねたことで更に力を得たらしい。キンケイドが拘束されピンチに陥っていってしまうが、突然フレディの身体が消え、キンケイドは解放される。
一方フレディの遺体を探しに来たニールとドナルドは遺体が入っているという車を見つけ出す。ボンネットを開き、ニールはドナルドに手を貸せと言う。そしてその遺体を埋葬していると、突如廃車達が動き始めたかと思うと骨と化したフレディの遺体が動き出す。ドナルドは過去の怒りを思い出しフレディに戦いを挑むが、弾き飛ばされ突起物に腹部を貫かれてしまう。ニールも鉄パイプを手に戦いを挑むも、攻撃を受けその場に倒れてしまう。勝ち誇ったように消えていくフレディの遺体。
一方、無事夢の中の4人は夢から出ようとするが鎮静剤のせいで無理だろうと諦める。鏡の多くある部屋の中に辿り着くと、鏡の中からフレディ達が一斉に現れ笑い始める。ジョーイを除いて鏡の中に引きずり込まれそうになるクリスティン達だったが、それまで怯えていたジョーイが己を奮い立たせ、大声を張り上げた。催眠によって得た力で声を出せるようになった彼は、その声で超音波を発し全ての鏡を割る。フレディを追いやることに成功したらしく勝利の喜びを分かち合う一同。夢の中から出ようとした矢先、ナンシーの父・ドナルドの幻影が現れナンシーに別れを言いに来たと告げる。そして愛してる、と微笑みかけナンシーもそれに応じ抱擁を交わすがそれはフレディであった。フレディに爪で腹部を抉られるナンシー。その時、車の墓場で気絶していたニールが目を覚ます。クリスティンは、果敢にも挑みかかるが返り討ちにされ、彼女のまたフレディの毒牙に晒されそうになる。しかし、
重傷を負いながらも力を総動員させたナンシーが背後からフレディに掴みかかり、彼の腕を取ると鉤爪を利用し攻撃を与える。そして、目を覚ましたニールは持っていた十字架を手に、それから聖水をフレディの遺体に浴びせる。フレディの身体が崩壊していき、ニールは十字架をかざし祈りの言葉を唱え、フレディは完全に消滅したのだった。そして、それと共にクリスティンの祈りも虚しく、彼女の腕の中でナンシーは息を引き取った。
ナンシーの葬儀の最中、シスターのメアリーの姿を見つけたニールが慌てて彼女を追う。その先にあったのは、メアリーの代わりに「アマンダ・クルーガー」の名の刻まれた墓であった。彼女の正体は、フレディの母親だったのだった――。
映画『エルム街の悪夢3 惨劇の館』の感想・評価・レビュー
過去作のように単純に只人が殺されていくだけのスプラッタームービーには留まらず、「夢の中なら超人になれる!」と力を得た子供達のバトルムービーとしても楽しめてしまう本作。特に二刀流ナイフ女子対鉤爪のサシバトルがもっと見たかった……しかし、この辺りが賛否両論ある様子。1作目に登場し生存したナンシーが続編で殺されてしまう、というこの手のホラーお約束の王道を行くのも憎い。何気に出演陣に豪華俳優が揃っているのも凄い。(MIHOシネマ編集部)
寝ると夢に鉤爪の殺人鬼「フレディ」が出てくるので眠れない子供たち。しかし、それを信じてくれない親や医者。遂に子供たちがフレディに立ち向かいます。
今作はシリーズ3作目ですが2作目の『エルム街の悪夢 フレディの復讐』は少しテイストが違ったため、この3作目が1の正当な続編と言っても良いでしょう。
特殊な能力を持った少女を中心に、フレディに立ち向かう子供たちがとても可愛くて応援したくなります。フレディ出生の秘密も明かされ、とても面白い作品でした。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
私は小学校5年生で初めてエルム街の悪夢3惨劇の館を見ました。一番良かった場面は病室でフレディのパペットが動くシーンでした。人の血管を操り人形のように操りあんなことを考えることがすごいです。才能豊かな場面でした!