映画『アナベル 死霊人形の誕生』の概要:死霊館シリーズの1本で『アナベル 死霊館の人形』の前日譚。手作りの良質な人形を作ることで評判の人形職人の家へやって来たシスターと6人の少女達。だが、その家には人形を依り代とした悪魔が住んでいた。
映画『アナベル 死霊人形の誕生』の作品情報
上映時間:110分
ジャンル:ホラー
監督:デヴィッド・F・サンドバーグ
キャスト:ステファニー・シグマン、タリタ・ベイトマン、ルールー・ウィルソン、フィリッパ・クルサード etc
映画『アナベル 死霊人形の誕生』の登場人物(キャスト)
- シャーロット(ステファニー・シグマン)
- 孤児院のシスター。黒髪の女性で敬虔なクリスチャン。子供達の教育係兼、養育も行っている。子供達を守るため、奮闘する。
- ジャニス(タリタ・ベイトマン)
- 金髪の少女で小児麻痺のため、片足を引き摺っている。明るくとても一生懸命な性格で、大丈夫が口癖。霊的なことに非常に敏感で悪魔の存在に逸早く気付く。魂を狙われ抗うも、身体を乗っ取られてしまう。
- リンダ(ルル・ウィルソン)
- ジャニスとは親友で姉妹になりたいと思っている。心根が優しく常にジャニスを気遣う。悪魔に襲われた際は果敢にも抵抗するなど、勇敢な面もある。
- サミュエル(アンソニー・ラパーリア)
- 人形職人。恰幅が良く良質な手作りの人形を作ることで評判。温厚な性格で手先が器用。悪魔と対峙し命を落としてしまう。
- エスター(ミランダ・オットー)
- サミュエルの妻。赤毛で美しい良妻賢母。最愛の娘を事故で失ってからは、自室に引き籠ってしまう。娘の姿をした悪魔と対峙し左目を失ったため、普段は仮面を装着している。
- アナベル(サマラ・リー)
- サミュエルとエスターの娘。愛称はビー。7歳の頃、道路に飛び出して車に轢かれ亡くなってしまう。メモを残して探してもらう遊びが大好きだった。
映画『アナベル 死霊人形の誕生』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『アナベル 死霊人形の誕生』のあらすじ【起】
1945年、良質な人形を作ることで評判の人形職人サミュエルは、妻のエスターと幼い娘アナベルの3人家族でとても幸せな生活を送っていた。アナベルはビーという愛称で呼ばれ就寝前には毎晩、お気に入りのレコードを聞きながら眠る。
いつもの日曜日、家族は教会のミサに参加するも、その帰りに車が故障してしまう。修理には時間がかかりそうだった。故に、暇に飽いたアナベルが道路へと飛び出してしまい、通りかかった車に轢かれ亡くなってしまうのだった。
12年後、1957年。サミュエル夫妻は孤児院のシスター、シャーロットと6人の少女達を受け入れることにした。自宅はとても広く到着早々、はしゃぎ回る少女達。その中の1人であるジャニスは小児麻痺のせいで片足を引き摺っていた。彼女達の部屋は2階にあったが、足の悪いジャニスでも電動で上り下りができる椅子が壁に作られていた。元は妻エスターのために作ったものらしい。
一足先に電動椅子にて2階へ上がったジャニス。2階の奥の部屋から何やら異様な空気を察するのだった。
その日の夜、親友リンダとジャニスの部屋に、私を見つけてというメモがドアの下に差し込まれる。寝付けなかったジャニスはメモを辿ってとある部屋へ。その部屋には鍵がかかっていたはずだが、なぜか開いている。子供部屋だったようだ。ジャニスはクローゼットの鍵を見つけ、その中から女の子の人形を発見するも、怖くなってクローゼットの鍵を閉める。だが、不思議なことにドアが勝手に開く。可愛らしいが不気味な人形をシーツで隠すことにした。しかし、そのシーツを被ったままの人型がジャニスに近付いて来る。彼女は急いで自室へと逃げ込んだ。
映画『アナベル 死霊人形の誕生』のあらすじ【承】
その後、サミュエルの家では次々と怪現象が起こる。リンダは階段下の物置で女の子の人形と謎の人影が消えるのを目撃。他にも深夜に何かがさ迷い歩いて、怪談話で盛り上がる少女達を脅したりした。
ある夜、家の壁にあった少女と人形の写真を部屋に持って行って眺めたジャニス。少女は夫妻の亡くなった娘アナベルだが、写真のビーの目が暗闇で光っている。ジャニスは怪現象の原因はあの子供部屋の主であったビーの仕業ではないかと思い始める。その部屋へ向かったジャニスだったが、リンダが後を追って現れこの部屋に入ってはいけない決まりだと注意を促していくのだった。
ジャニスはすぐに戻るからとその後も部屋を調べ続ける。日記を見ると、最後に記したページからしばらく空白が続き、戻って来たと記されていた。
すると、ドアが勝手に閉まり部屋に閉じ込められてしまうジャニス。彼女はそこでビーの姿をした悪魔に魂を寄越せと襲われてしまう。どうにか部屋の外へ逃げ出したジャニスだったが、叫んでも悲鳴を上げても誰も起きて来る気配はない。彼女は電動椅子にて階下へ逃れようとしたが、椅子は途中で止まって再び2階へ。ジャニスはアナベルの姿をした悪魔に襲われ2階から突き落とされてしまうのだった。
映画『アナベル 死霊人形の誕生』のあらすじ【転】
病院から帰宅したジャニスは、この家には悪魔が住んでいるとシャーロットに相談。心を強く持ちなさいとアドバイスをもらう。気落ちしてしまったジャニスを親友のリンダが元気づけてくれる。2人は大事にしていた人形を交換し励まし合った。
自室へ戻ろうとしたリンダは、2人部屋だった部屋に1人で眠ることになり不安を抱える。彼女はドアの向こうの暗闇に向かい臨戦態勢で座っていたが、何かが走り寄って来る足音に怖くなって2段ベッドの上へ逃げ込む。その後を追って何かが下のベッドに入った。床には黒い足跡が転々と残っている。隙間から下を覗くと、例の人形が横たわっており黒い手が抱き寄せていた。リンダは恐怖から布団を被って眠ってしまった。
翌朝、2段ベッドの下には誰かが寝た痕跡はなかった。車椅子生活となったジャニス。シャーロットの説得もあり外に日向ぼっこへ出ることにした。しかし、1人になった途端、椅子に衝撃があり納屋のドアが勝手に開く。シスターの姿をした誰かが問答無用に椅子を押して彼女を納屋へと投げ込む。車椅子に弾かれ床に投げ出されたジャニス。彼女は後退りをして床下へ逃げ込んだが、ビーに襲われとうとう身体を乗っ取られてしまうのだった。
ジャニスの悲鳴で納屋へ向かったリンダ。親友の様子がおかしくなっていることに気付く。彼女は気遣いを見せるサミュエルに、ジャニスがビーから狙われていたことを話したが、彼は人形の話になると突然、怒り出して人形には触るなと怒鳴るのだった。
一心に十字架を作っていた彼は、自宅へ戻り食堂であの人形とメモを発見する。メモには見つけたと書いてあった。振り向くと廊下にはジャニスがいる。彼女は車椅子から立ち上がり暗闇へ姿を隠すと、姿形を変容。十字架を手にそれと対峙したサミュエルだったが、悪魔の力は非常に強く彼は容易く命を奪われてしまうのだった。
映画『アナベル 死霊人形の誕生』の結末・ラスト(ネタバレ)
遺体の第一発見者となったシャーロットはサミュエルの遺体を一旦、運び出してもらう。一緒に車を見送ったリンダは、ウッドデッキにジャニスが例の人形を抱いて車椅子に座っているのを見る。
深夜、寝入るジャニスの足元にその人形が座っていた。リンダは密かに人形を持ち出し、火をつけて処分しようと考える。しかし、ランプを持って外へ向かったリンダの姿をシャーロットが目撃。
草原にある涸れた井戸へやって来たリンダは、人形を中へ投げ込んだ。そこへシャーロットが追いつき、家へ帰るよう促すもリンダが井戸の中へ引きずり込まれそうになり、慌てて彼女を助ける。井戸に蓋をして家へ逃げ込んだが、寝ているはずのジャニスが人形と入れ替わっている。人形は井戸に捨てたはずだ。
シャーロットは人形を持ってエスターの元へ向かい、事情を聞くことにした。
サミュエルとエスターは最愛の娘を失い、その喪失に耐えられず追い縋るように悪魔と契約。悪魔はビーに成りすまし手始めに人形へ入る許可を夫妻から得る。すると、悪魔は力を増し、アナベルの姿を夫妻に見せるようになった。だが、例え娘の姿をしていたとしてもそれは悪魔である。エスターは悪魔を退けようと対峙したが、逆に魂を狙われ左目を失ってしまう。サミュエルは教会に助けを要請し、妻を助けることに成功するも悪魔を退けることまではできず。悪魔がとり憑いた人形は聖書を貼り付けたクローゼットへ封印することにした。その後、夫妻は罪滅ぼしのために孤児院から子供達を引き受けることにしたが、今回の惨事へと繋がってしまったのである。
同じ頃、ビーの部屋でジャニスを発見した仲間達だったが、襲われてしまう。命からがら逃げだした娘達はシャーロットの命令で警察へ連絡。だが、そこでエスターが呼ぶベルの音が聞こえる。少女達は夫人の部屋へ向かいエスターの無残な姿を発見してしまうのだった。
部屋に残っている子供達を助けに向かったシャーロット。彼女はそこで悪魔に乗っ取られたジャニスと対峙するも、凄まじい力に痛めつけられてしまう。外へ逃げ出した3人の少女達も逃げられないよう悪魔によって妨害された。屋敷内にて脅威から逃げ延びたリンダはナイフを持ったジャニスに追い詰められ、アナベルの部屋へ。クローゼットに隠れるも発見されてしまうが、そこへシャーロットが登場しジャニスと人形共々、聖書が貼り付けられたクローゼットへ閉じ込めることに成功した。
その後、数々のポルターガイストが起こる中、外へと逃げ出した少女達とシャーロット。警察が到着しクローゼットを開けたが、中にジャニスの姿はなく人形だけが残されていた。クローゼットの壁には穴が開けられており、どうやらそこから逃げ出したようだった。
後日、教会によって屋敷は清められ人形も引き取られる。結局、行方不明になったジャニスも見つからなかった。
そのジャニスはというと、別の孤児院へと身を寄せアナベルと名乗っていた。彼女はヒギンズ夫妻に引き取られ12年後、あの惨劇を引き起こすのである。
映画『アナベル 死霊人形の誕生』の感想・評価・レビュー
アナベルシリーズの続編にあたるが、時系列的には初回作品より少し前に遡った内容であり、例の人形の詳細や、アナベルという人物についてが分かる内容となっている。人形が殺戮を繰り返すという内容はチャイルドプレイと多少かぶる部分があるが、厳密にいうと人形に悪霊が入り込んでいるというわけではない事がわかる。本作品もアナベルシリーズ独特の気持ちの悪さは健在であり、前作同様、我慢出来ずに思わず声を上げてしまった程だ。本作品でとことん震えて頂きたいところである。(男性 30代)
死霊館の最恐のアナベル人形誕生の秘密が明かされる。さすが死霊館シリーズの恐怖を引き継いでおり、めちゃくちゃ怖い。今回の舞台は孤児院として提供された元人形師の家で不気味な雰囲気、あのじわじわ恐怖心を煽ってくる演出、音楽、カメラワークでずっと緊張感が続き気が抜けない。人形の顔の向きを何度変えても、こちらに向いているシーンはぞっとする。静かにゾワッと怖いシーンから、驚かせてくるシーンが盛り沢山で存分に恐怖を味わえる。そして悪魔に目を付けられたジャニスがひたすら可哀想で不憫…。(女性 30代)
ホラー映画『死霊館シリーズ』の第4作目であり、アナベル人形の誕生秘話を描いている。今作の評価はまぁまぁだったが、シリーズ独特の雰囲気はさすがで、最初から最後までの不気味さと悪魔襲撃による恐怖は相変わらずである。抜け目のない1作とも言える。主人公は小児麻痺の少女であるが、彼女が電動イスで逃げるシーンなど確実に何か起こると予想できていても恐怖に襲われる。今作に登場するアナベル人形は実際の人形よりも可愛らしくしたらしいが、手直ししていても充分に不気味である。納屋で電球が1つ1つ潰されるシーンもホラーとして古式ゆかしいが、それが最高に思える。(女性 40代)
子供たちが主役だからこそ味わえる恐怖感がある。その場から逃げるべきなのにすぐ側にあるベッドに身を潜めたり、見えないものに対し玩具の銃を射ってみたりなど、大人ではまずあり得ないような行動が多く見られる。正直見ている側としては、思わずツッコミを入れたくなるシーンも多い。しかし自分が同じ年齢で同じ場面に出会したら、同じような行動をとってもおかしくない、それが分かった瞬間、子供の頃にあの人形が身近くになくて良かったと心底思った。
またアナベル人形の誕生の話ということもあり、これを見た後には『アナベル 死霊館の人形』を見ることを強くお勧めする。(女性 20代)
日本のホラーって暗くてジメッとした雰囲気で、背筋がゾゾっとするような嫌な気持ち悪さがありますよね。見終わってからもずっと付きまとってくる不快な感じ。それに比べて「アメリカンホラー」の王道とも言うべきこのシリーズは、畳みかけてくる怖さと人間の弱い部分に付け込んで、人生を乗っ取ってしまう潔良い怖さがあります。見終わると、はあ怖かった!で終われる感じ。
とにかく怖いけど面白い。見る時は時系列に注意です。(女性 30代)
関連作品
次作 アナベル 死霊博物館
前作 アナベル 死霊館の人形
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