映画『明日に向って撃て!』の概要:実在のお尋ね者ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの実話を描いた西部劇。ウィリアム・ゴールドマンの秀悦な脚本とジョージ・ロイ・ヒル監督の斬新な演出が高く評価され、映画史に残る傑作のひとつとなった。ブッチとサンダンスを演じたポール・ニューマンとロバート・レッドフォードも最高にかっこいい。
映画『明日に向って撃て!』の作品情報
上映時間:112分
ジャンル:西部劇、アクション、ヒューマンドラマ
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
キャスト:ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロス、ストローザー・マーティン etc
映画『明日に向って撃て!』の登場人物(キャスト)
- ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)
- 強盗団「壁の穴」のボス。列車強盗や銀行強盗を繰り返す札付きのお尋ね者。頭の回転が早く、強盗の計画を練るのが得意。銃の早撃ちやギャンブルは苦手で、人を撃ったことがない。社交的で明るい。
- サンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)
- ブッチの相棒。早撃ちの名手でギャンブルも得意。寡黙な男だが、ブッチとはよく口喧嘩をする。楽観的なブッチよりも慎重で用心深い。ニヒルなイケメンだが泳げない。
- エッタ・プレイス(キャサリン・ロス)
- サンダンスの恋人。26歳の教師。エッタの自宅が、ブッチとサンダンスの隠れ家になっている。2人が犯罪行為を繰り返していることは承知しているが、止めるようなことはしない。
映画『明日に向って撃て!』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『明日に向って撃て!』のあらすじ【起】
1890年頃のアメリカ西部。有名なお尋ね者のブッチ・キャシディと相棒のサンダンス・キッドは、強盗団「壁の穴」を結成して列車強盗や銀行強盗を繰り返し、かつて西部を支配していた。ブッチは頭が良く、先見の明がある。サンダンスは早撃ちの名手として有名だ。そんな最強コンビも最近は時代の流れに押され気味で、自分たちの落ち目を感じていた。
列車強盗に失敗した2人は、久しぶりに「壁の穴」のアジトへ帰る。ところがここでも部下のハーベイがボスの交代を主張し、ブッチは決闘を申し込まれる。しかしブッチはあっさりハーベイを倒す。ボスの交代は許せなかったが、ハーベイが考えた“同じ列車の行きと帰りを狙う”という作戦は使えると判断し、ブッチは早速それを実行に移す。
ブッチの狙いは、列車に積み込まれたユニオン社の金だった。ブッチは、速やかに金庫の中身を渡すよう、金庫番のウッドコックに告げるが、ウッドコックは“これを守るのが私の仕事だ”と言って、命令に従わない。ブッチは仕方なく、その車両と金庫をダイナマイトで爆破し、金を奪う。
帰りの列車を待つ間、サンダンスは恋人のエッタの家へ行く。エッタは教師だが解放的な女性で、サンダンスの仕事も承知していた。翌朝には、最近話題の自転車を手に入れたブッチもやってきて、エッタを自転車に乗せてやる。ブッチとエッタも、とても仲が良かった。
映画『明日に向って撃て!』のあらすじ【承】
ブッチとサンダンスは、予定通り帰りの列車も襲う。ウッドコックは再び抵抗するが、女性が人質に取られたので、今度は車両のドアを開ける。金庫は厳重に封印されており、ブッチはダイナマイトの量を増やす。爆破は大規模なものとなり、大金が宙を舞う。ブッチたちが笑いながら金を集めていると、後方から来た列車の中から馬に乗った6人組が飛び出してくる。ブッチとサンダンスは逃げるが勝ちと判断し、すぐに逃亡を開始する。
6人の追っ手はかなりしつこく、逃げても逃げても2人の後を追ってくる。2人は馴染みの売春宿に身を隠すが、それもすぐに見抜かれてしまう。2人は夜の闇に紛れて再び逃亡する。
何をやっても、追っ手は正確に2人の後を付いてくる。ブッチは岩山から追っ手を観察し、6人の中に追跡名人のバルチモア卿と、凄腕保安官のレフォーズがいることに気づく。どうやらあの6人組は、選りすぐりのメンバーを揃えた特殊な追跡部隊のようだった。
とうとう岩山の崖っぷちまで追いつめられた2人は、撃ち合うか、川へ飛び込むかの選択を迫られる。泳げないことを告白したサンダンスをブッチは笑い飛ばし、2人は覚悟を決めて崖下の川へ飛び込む。
何とか逃げ切った2人は、エッタの家に身を隠す。新聞を見て、2人が死んだと思い込んでいたエッタは、2人の生還を喜ぶ。報道によると、ユニオン社の社長があの6人を高額な報酬で雇い、その契約はブッチとサンダンスを殺すまで続くということだった。
映画『明日に向って撃て!』のあらすじ【転】
あのメンバー相手に勝ち目はないと見たブッチは、ボリビアへ行こうとサンダンスを誘う。ブッチは前々から、昔のゴールドラッシュのような好景気を迎えているらしいボリビアへの高飛びを考えていた。ブッチはスペイン語も話せるらしく、サンダンスはその話に乗る。エッタは、“2人が死ぬところだけは見ない”という条件で、一緒に行くことにする。
アメリカを横断し、南米行きの汽船に乗り込んだ3人は、無事にボリビアへ到着する。ところが、そこはとんでもない田舎で、サンダンスは怒り出す。しかもブッチは、スペイン語が全く話せなかった。
エッタは2人に銀行強盗用のスペイン語を指導し、ブッチとサンダンスは銀行強盗を始める。2人は次々と銀行を襲い、ボリビアでも有名なお尋ね者となる。ボリビアの警察は必死で2人の行方を追うが、なかなか逮捕することができずにいた。
そんなある日、ブッチはボリビアのレストランで保安官のレフォーズを目撃する。彼らはまだブッチとサンダンスを追っていた。しかし、ブッチたちが真面目に働けば、外国では手が出せない。それを見越したブッチは、サンダンスとともに強盗稼業から足を洗い、鉱山で働いてみることにする。
鉱山の管理人のパーシーは、サンダンスの早撃ちの腕を見て、2人を山賊から給料を守る用心棒として雇ってくれる。この辺りの山岳地帯では、悪質な山賊が横行しており、銀行から引き出した労働者への給料を持ち帰るのも命がけだった。
映画『明日に向って撃て!』の結末・ラスト(ネタバレ)
パーシーが銀行へ行く日。ブッチとサンダンスは道中の護衛を務める。その銀行にも以前強盗に入ったことがあり、2人はコソコソ顔を隠しながらパーシーを待つ。帰り道、“もうすぐ危険地帯だ”と言った直後、パーシーは銃弾に倒れる。2人は山賊の銃撃をかわしつつ、一旦その場を離れる。
ブッチとサンダンスは現場へ戻り、山賊に金を渡すよう忠告する。当然山賊は言うことを聞かず、撃ち合いとなる。2人は協力して、山賊を皆殺しにする。ブッチが人を撃つのは今回が初めてだった。更生を誓ったはずなのに、また罪を犯してしまい、ブッチは苦い顔をする。しかし金はしっかりもらって帰る。
更生できそうもない2人を見て、エッタは先にアメリカへ帰ると言い出す。サンダンスもブッチも、彼女を止めようとはしなかった。
2人は山賊の真似事を始め、山道を行く旅人から金銭や馬を奪う。休憩に寄った町で、ある少年が2人の馬を見て警察へ駆け込む。その馬のお尻には特徴的な模様があり、少年は馬が盗まれたものであることに気づいたのだ。
広場で食事をしようとしていた2人は、いきなり銃撃されて建物内に逃げ込む。銃はあったが、予備の弾は馬の背中にかけてあった。ブッチはサンダンスに後方からの護衛を頼み、馬まで走る。周囲にはかなりの数の警官がいるらしく、あちこちから弾が飛んでくる。サンダンスは得意の早撃ちで応戦するが、2人とも撃たれて重傷を負う。それでも何とか建物内に戻り、痛みに耐えつつ口喧嘩をする。警察は、軍隊にまで出動要請を出していた。現場に到着した隊長は、敵がたった2人だと聞いて呆れるが、大勢の兵士を四方に配置して、2人を包囲する。
外がそんなことになっているとは知らず、ブッチとサンダンスは“次はオーストラリアへ行こう”と夢を語る。敵の中にレフォーズはいなかったので、大したことないだろうと判断した2人は、思い切って外へ飛び出す。その瞬間、広場に無数の銃声が鳴り響く。
映画『明日に向って撃て!』の感想・評価・レビュー
ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードという、名優ふたりの共演作。アメリカンニューシネマの名作です。
犯罪を繰り返す若者を描く、実在の人物を基に作成された作品だそうです。
60年代の映画で、若かりしレジェンド級のふたりがカッコイイです。特にこの頃のロバート・レッドフォードにブラッド・ピットがよく似ています。
ラストシーンはお決まりな感じですが、だからこそ今でもテンプレのように崇められる名作なのでしょう。(女性 20代)
ラストのために見るべき作品。アメリカン・ニューシネマの1つ。アメリカン・ニューシネマとはヘイズコードの規制が無くなり、暴力やセックス、反政府的なメッセージを取り入れた映画のことです。政府に反抗し、立ち向かうが社会や政府に勝てず殺されるというのがラストシーンの定番。
この作品は「ラストシーン」のために見ると言っても過言ではありません。2人のかっこよさや、会話の間やテンポ、友情は言葉にしなくても分かりあっているくらい深いものでした。切なくて、儚すぎるラストをぜひ見て欲しいです。(女性 30代)
あまりにも有名なタイトルなので一度は観ておかねばと思って観たのだが、正直良さはよく分からなかった。
いや、観ている間は普通に面白かったのだが、観終わった後、“結局何だったんだ?”と妙に冷静になってしまった。
これが時代のせいなのか私の読解力のせいなのかは分からないが、レビューを見るかぎり軒並み高評価なのは確かなので、単純に期待しすぎたのかもしれない。どうしても主人公たちに感情移入出来なかった。
主人公たちの逃亡劇はハラハラして楽しめた。雰囲気が良いのでロードムービーとしては良いと思う。(女性 30代)
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