1970年代半ば、アメリカ。ロン・ストールワースは刑事として採用される。ある日、ロンは自分が黒人であることを隠し、白人至上主義を掲げる危険な秘密結社、「KKK(クー・クラックス・クラン)」に連絡を取った。
映画『ブラック・クランズマン』の作品情報
- タイトル
- ブラック・クランズマン
- 原題
- BlacKkKlansman
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2019年3月22日(金)
- 上映時間
- 135分
- ジャンル
- コメディ
ヒューマンドラマ - 監督
- スパイク・リー
- 脚本
- チャーリー・ワクテル
デビッド・ラビノウィッツ
ケビン・ウィルモット
スパイク・リー - 製作
- ジョーダン・ピール
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- ジョン・デビッド・ワシントン
アダム・ドライバー
ローラ・ハリアー
トファー・グレイス
ヤスペル・ペーコネン
コーリー・ホーキンズ
ライアン・エッゴールド
マイケル・ジョセフ・ブシェーミ - 製作国
- アメリカ
- 配給
- パルコ
映画『ブラック・クランズマン』の作品概要
ロン・ストールワースの自伝小説『BlacK Klansman』を元に制作された作品。スパイク・リーが監督・脚本・制作を担当しており、「第71回カンヌ国際映画祭・グランプリ」を受賞している。黒人刑事と白人刑事が1人の男を演じ、白人至上主義を掲げる危険な秘密結社「KKK」に潜入する様子が描かれている。デンゼル・ワシントンの息子であるジョン・デビッド・ワシントンが主人公を演じ、『スター・ウォーズシリーズ』のカイロ・レンを演じたアダム・ドライバーが相棒役を務めた。
映画『ブラック・クランズマン』の予告動画
映画『ブラック・クランズマン』の登場人物(キャスト)
- ロン・ストールワース(ジョン・デビッド・ワシントン)
- 黒人。コロラド州コロラドスプリングスの警察署に所属する新人刑事。黒人として差別されながらも、刑事としてのやる気に燃えている。度胸があり、明るい人物。
- フリップ・ジマーマン(アダム・ドライバー)
- 白人。ロンの同僚刑事。ロンの代わりに、秘密結社「KKK(クー・クラックス・クラン)」に潜入することになる。
映画『ブラック・クランズマン』のあらすじ(ネタバレなし)
1970年代半ば、アメリカ・コロラド州コロラドスプリングス。黒人のロン・ストールワースは刑事として採用される。ある日、ロンは新聞の記事を見て、とある場所に電話をかけた。それは、白人至上主義を掲げる危険な秘密結社「KKK(クー・クラックス・クラン)」だった。ロンはユダヤ人もメキシコ人も嫌いだが、何よりも黒人が嫌いだと電話で述べた。それにより、入団の面接を受けることになった。
「KKK」が襲撃を計画していた。ロンは「KKK」に潜入し、計画を阻止することにした。しかし、黒人であるロンが、「KKK」に潜入できるはずがなかった。そこで、ロンが電話で秘密結社とやり取りをし、白人刑事がロンの代わりに「KKK」に潜入することになった。ロンの代わりに潜入を命じられたのは、同僚のフリップだった。
映画『ブラック・クランズマン』の感想・評価
ノンフィクション小説を映画化
本作はロン・ストールワースの自伝小説『BlacK Klansman』を元に制作されている。ロン・ストールワースはアフリカ系アメリカ人で、コロラドスプリングスの警察官であった。彼はKKKの構成員を募集する張り紙を見つけ、同僚の白人刑事の協力の下、潜入捜査をすることになった。潜入捜査期間は、約9か月間にも及んでいる。
本作はそのロン・ストールワースが物語の主人公となっており、同僚の刑事フリップと協力して「KKK」に潜入する様子が描かれている。ロン・ストールワースを演じたのは、俳優デンゼル・ワシントンを父に持つジョン・デビッド・ワシントン。彼はこの役で「第76回ゴールデングローブ賞・主演男優賞・ドラマ部門」にノミネートされており、高い評価を受けている。
白人至上主義を掲げる秘密結社、「KKK(クー・クラックス・クラン)」
「KKK(クー・クラックス・クラン)」は北方人種を至上としている秘密結社で、1865年に設立された団体である。三角白頭巾を被ってデモ活動を行う団員の姿を、ニュースの報道などで見た方も多いのではないだろうか。「KKK」に所属する者は、北方人種だけが神に選ばれた民だとし、黒人やアジア人に対して差別的な立場を取っている。またそれだけでなく、同性愛者に権利を与えようとする運動に反対の意を唱えている。
設立当初の「KKK」はデモ活動を主な運動としており、あまり過激な行動を行わなかった。しかし、時の経過と共に過激的な活動を行うようになり、暴力行為や殺人が行われるようになってしまう。物語の舞台になっている1970年代にも、黒人に対しての差別的な行動が激しく行われていた。
第71回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品
第71回カンヌ国際映画祭やシドニー映画祭で上映が行われており、アメリカでは2018年8月10日に既に公開されている。カンヌ国際映画祭では、スタンディングオベーションが発生するほど高い支持を受けた。全米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では満足度95%を獲得しており、素晴らしい作品だということが証明されている。
秘密結社「KKK」に纏わる事件を中心に、黒人だという理由で差別を受けている新人警官ロン・ストールワースの様子が描かれている。だが、ロンのポップで明るい性格や同僚刑事フリップのちょっと情けない様子なども描かれているため、ただシリアスなだけの映画で終わっていない。シリアスとコメディが絶妙に組み合わさったストーリーになっている。
映画『ブラック・クランズマン』の公開前に見ておきたい映画
スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒
アダム・ドライバーの代表的な作品。『スター・ウォーズシリーズ』の7作品目に当たる。アダム・ドライバーが演じたのは、ハン・ソロとレイア・オーガナの息子のカイロ・レン。カイロ・レンは『スター・ウォーズシリーズ』の旧3部作で悪役だった、ダース・ベイダーに相当するキャラクターである。
廃品回収業者のレイは、ひょんなことからレジスタンスのフィンと出会う。だがそれは、フィンが咄嗟に吐いた嘘だった。彼は本当は帝国軍の残党が密かに設立した組織、「ファースト・オーダー」からの脱走兵だった。レイ、フィン、そしてドロイドのBB-8は、反乱同盟軍の将軍だったハン・ソロとチューバッカに出会い、ファースト・オーダーとの争いに巻き込まれていく。
フライト
ジョン・デヴィッド・ワシントンの父親であるデンゼル・ワシントンが、主演を務めている。監督を務めたのは、『フライト』(12)で13年ぶりに実写作品に復帰したロバート・ゼメキス。「第85回アカデミー賞」で、脚本賞と主演男優賞にノミネートされている。
飛行機が急降下し、制御不能になる。機長のウィップ・ウィトカーは緊急着陸を成功させ、多くの乗客達の命を救った。この出来事によって、ウィトカーはヒーローになるはずだった。しかし、ウィトカーの血液からアルコールが検出されたことにより、立場が一転する。実は、ウィトカーは問題を抱えており、アルコールやコカインを常用していた。果たして、ウィトカーはヒーローなのか、それとも犯罪者なのか。
詳細 フライト
オールド・ボーイ
スパイク・リー監督の代表的な作品。2003年に公開された韓国映画『オールド・ボーイ』をリメイクした作品。映画の元になっているのは、原作・土屋ガロン、作画・嶺岸信明による漫画『ルーズ戦記 オールドボーイ』。
ジョーが目を覚ますと、見知らぬ部屋に閉じ込められていた。助けを求めて叫ぶが、犯人は解放してはくれなかった。そんなある日、テレビのニュースで妻が亡くなったことを知る。しかも、ジョーが犯人であるかのように報道されていた。ジョーは何が起こっているのかよく分からないまま、20年間監禁された。そして、20年後のある日、突然解放される。ジョーは自分の身に何が起こったのか知るため動き始めた。彼を待ち受ける真実とは?
詳細 オールド・ボーイ
映画『ブラック・クランズマン』の評判・口コミ・レビュー
『#ブラック・クランズマン』
まさにエンタメの皮を被った社会派。シニカルかつコミカルでテンポ良く進むも、あらゆるところに潜む差別と至上主義の争いが事件をヤバい方向に向かわせゾワッとさせられる。さらにラスト数分、問題映像ぶっ込んできて…もうホント“スパイク・リーな映画”だな!#背骨映画 pic.twitter.com/dQTGn1xQFY— 背骨 (@sebone1126) 2019年3月23日
#ブラック・クランズマン 白人至上主義団体KKKに潜入したノンポリ警察官2人(黒人・ユダヤ人)が見た狂気。次第に芽生える自らのルーツへの思いや人種差別に対する憤りを心に秘めながらユーモアまじりに粛々と捜査を進める姿がクール!ラスト映像の是非はともかく何か感じることに意義があるのかと。良作 pic.twitter.com/ADFmdvYl7s
— チェキロ (@check_row) 2019年3月23日
「ブラック・クランズマン」
オスカー脚色賞を受賞した名匠スパイク・リー最新作でまさかの実話。コミカル&エンタメ要素満載のテンポの良い作品に仕上がっていて存分に楽しめる。一方で黒人目線での強烈な差別という重いテーマが描かれていてそれは過去だけでなく現在も続く現実への鳴り止まない悲鳴 pic.twitter.com/tOEPBVDdZ2— masa@ (@masa09261014) 2019年3月24日
『ブラック・クランズマン』鑑賞。黒人刑事によるKKKへの潜入捜査を描いたスパイク・リー監督作品。潜入捜査モノの醍醐味である「正体がバレる?バレない?」のサスペンスにはそれほど重きを置いていないシナリオが逆に好み。ホワイトパワーとブラックパワーの高まりを交互に見せる場面が最高。 pic.twitter.com/11pQncPyNf
— だよしぃ (@purity_hair) 2019年3月23日
ブラック・クランズマン余韻すごい
どうしてもグリーンブックと比べちゃうけど、あっちは単純に良い映画だった!って感じで、ここまでズッシリ来ないよな
主演のジョン・デヴィッド・ワシントンは、クリストファー・ノーランの次回作の主演にも抜擢され、あの名優デンゼル・ワシントンの息子でもある pic.twitter.com/S0nNhpzh9m
— タカヒロ@4/20 ピクニック in 代々木公園 (@RX80_Revo) 2019年3月22日
映画『ブラック・クランズマン』のまとめ
主人公を演じたジョン・デビッド・ワシントンは、俳優としては日本であまり有名ではないかもしれない。だが、アメリカで公開された映画『Love Beats Rhymes』(17)や『Monsters and Men』(18)に出演するなど、俳優としてのキャリアを着実に積み重ねている。本作ではゴールデングローブ賞の主演男優賞にノミネートされており、これからの活躍が期待される人物である。ジョン・デビッド・ワシントンがどのようにロン・ストールワース刑事を演じているのか、ぜひ見て欲しい。
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