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映画『エマの瞳』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

ゴールデン・グローブ賞2部門受賞の『ベニスで恋して』で知られる、イタリアの名匠シルヴィオ・ソルディーニ監督が送る、盲目の女性と臆病な男性の大人の恋物語。「みること」と「みえること」の意味を問うた監督の野心作。

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映画『エマの瞳』の作品情報

エマの瞳

タイトル
エマの瞳
原題
Il colore nascosto delle cose
製作年
2017年
日本公開日
2019年3月23日(土)
上映時間
117分
ジャンル
ラブストーリー
ヒューマンドラマ
監督
シルヴィオ・ソルディーニ
脚本
シルヴィオ・ソルディーニ
製作
不明
製作総指揮
不明
キャスト
アドリアーノ・ジャンニーニ
ヴァレリア・ゴリノ
製作国
イタリア
スイス
配給
マンシーズエンターテインメント

映画『エマの瞳』の作品概要

ヴェネチア国際映画祭で世界初上映されたイタリアの名匠シルヴィオ・ソルディーニ監督による珠玉の大人ラブストーリー。『レインマン』や『はじまりの街』のヴァレリア・ゴリノが主人公の盲目の女性エマを演じ、『スウェプト・アウェイ』のアドリアーノ・ジャンニーニが、典型的なプレイボーイを好演する。スパイスが効いた大人の恋に、盲目の人とのリアリティ溢れるエピソードが追加され、2018年のイタリア映画祭でも大絶賛を浴びた、ソルディーニ監督の野心作。

映画『エマの瞳』の予告動画

映画『エマの瞳』の登場人物(キャスト)

エマ(ヴァレリア・ゴリノ)
理学療法士オステオパシーとして働く、盲目ながら自立した女性。エマの光は思春期の頃に失われた。
テオ(アドリアーノ・ジャンニーニ)
広告代理店に勤務し、仕事漬けの日々を送るプレイボーイ。恋人も愛人もいるが、あまり人との距離を縮めない。

映画『エマの瞳』のあらすじ(ネタバレなし)

イタリアの首都ローマ。常に多くの観光客で賑わう活気ある街で、昔ながらの街並みに囲まれながら広告代理店に勤務しているテオ。仕事の合間に、恋人を作り、愛人を作りと大忙しのテオは、イタリアでよく見られる典型的なプレイボーイであった。

ある日、テオはDIDと言われる暗闇の中で日常生活の様々な事柄を体験する「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」のワークショップに参加する。真っ暗の中を杖だけを頼りに、聴覚や嗅覚を使った体験は、健常者であるテオにとってはとても刺激的であった。

そしてテオは、そこでアテンダントスタッフとして参加していた女性の声に、テオは並々ならぬ魅力を感じていた。

その女性は盲目でありながら、白い杖を巧みに使って街を歩き、更にオステオパシーの施術者としても働いていた。テオは、ハンディを負いながらも自立して生活しているその女性・エマに急速に惹かれ始めていた。

テオはエマを誘って町を一緒に歩き、食事をする。愛車のバイクの後ろに乗せ、街を走り、そして体を重ねる。見えないエマにはテオの表情などが「見えない」が、心が見えた気がしていた。

だが、テオには、グレタという恋人がいた。テオとエマがスーパーに立ち寄ったとき、2人は偶然グレタと鉢合わせしてしまう。そしてエマは、テオの真実を知ってしまったのだ。

映画『エマの瞳』の感想・評価

イタリアの名女優ヴァレリア・ゴリノが挑む盲目の女性

イタリア・ナポリ出身のヴァレリアは、アテネとナポリで育ち、14歳の頃からモデルとして芸能活動を開始し、活躍し始めていた。193年で初めて映画に出演し女優としてデビューすると、渡米した先で『レインマン』に出演したことで注目を浴び、国際的な脚光を得る。

これまでに『インディアン・ライナー』や『ホット・ショット』シリーズに出演しており、カンヌ国際映画祭・ヴェネツィア国際映画祭で賞も受賞している。

既に現在50歳を超えているが、今回『エマの瞳』で演じている主人公エマはとても50代とは思えない程若々しく、美しく、精力的である。

ヴァレリア自身、エマのように自立した魅力的な女性として活躍しており、今回の役との乖離がまるでない。エマは、ヴァレリアそのもののようにさえ思わせてくれる。ヴェネツィア国際映画祭で、主演女優賞を2度も受賞した女優が演じる盲目の女性は、観客たちに「見えない彼女の心まで見せてくれそうだ。

盲目の人が考案したエピソードが生むリアリズム

今回の『エマの瞳』に登場する主人公のエマは、思春期の頃に光を失い、それ以来ずっと暗闇の中を白い杖を頼りに生活している。日本でも世界でも、そうした光のない世界で生活している人たちが何万人、何百万人と存在している。

しかし、そうした人たちも、多くの人の手を借りながら、また、自分でもできることを文字通り手探りしながら見つけ、日常生活を送る。エマはオステオパシーを学び、整体師として働いている。その傍ら、DIDのような健常者に盲目の人たちの生活や不便さ、理解を求める活動をしたり、自分と同じ盲目の人の手助けをしたりと、精力的に活動している。

そうかと思えば、エマは一度結婚をしていて、現在は離婚中で独身を謳歌している。目が見えないことを除けば、まるで他の人と何も変わらない。明るくて、笑顔が絶えず、おしゃれに気を遣い、人との会話を楽しむ。

こうした物語の中のエマの姿は、実際に目の見えない人が考案したエピソードも参考に作り上げられている。そのため、エマはよりリアリティを持った盲人の女性として登場し、魅了的かつ繊細なキャラクターとして出来上がったのだ。

映画『エマの瞳』の公開前に見ておきたい映画

映画『エマの瞳』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『エマの瞳』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

レインマン

イタリア生まれの女優・ヴァレリア・ゴリノが、国際的に脚光を浴びた1988年の映画。監督のバリー・レヴィンソンはこの映画でアカデミー賞監督賞を受賞し、映画はベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞している。

ヴァレリアは、この映画で主演のトム・クルーズの恋人役であるスザンナを演じている。トム・クルーズは、高級車販売店を経営するチャーリーを演じ、お店が傾いている最中に届いた父の訃報により、帰省。父親の遺産が目当てだったが、チャーリーの兄レイモンドがサヴァン症候群を患っていることから、遺産は全て兄に渡ることを知って憤慨し、遺産を奪い取ろうとする。

スザンナは、途中で自分の恋人チャーリーが、病人である兄から遺産を奪おうとしていることを知りチャーリーに見切りをつけるが、本当のところはチャーリーを愛していた。思いやりのある性格で、重い障害を患うチャーリーの兄レイモンドのことを心配するようなそぶりもある。

これだけ見ると、チャーリーが守銭奴のようなひどい奴に見えるが、自閉症を患う兄との心を通わせるシーンや、2人の演技を感動的なものにした音楽などは、見応え十分である。

詳細 レインマン

ベニスで恋して

『エマの瞳』の監督・シルヴィオ・ソルディーニが2000年に制作公開した恋愛映画である。この映画に出演していたブルーノ・カンツは、2019年2月に訃報が全世界に届けられている。

物語は、イタリアの水の都ヴェネツィア(ベニス)で繰り広げられる、平凡な中年主婦のロマンティック・コメディ。家族のために尽くしてきた主婦のロザルパ(リーチャ・マリェッタ)は、元はイタリアの地方都市であるペスカーラに住む女性。

ロザルパは家族と一緒にローマまではるばる旅行にやって来たが、旅の途中で家族とはぐれてしまい、仕方なしに1人旅を決行する。その旅でロザルパは、人生に絶望していたトラットリアの親切な主人フルナンド(ブルーノ・カンツ)に出会い、彼の家に居候することになる。

束の間の自由な時間はあっという間に過ぎてしまい、結局ロザルパは家族の元に戻ることになる。しかし、それまでにロザルパが見せた笑顔や、フェルナンドに向けた言葉の数々はとても美しく、できればこの時間がずっと続いてほしいとさえ願わずにはいられない、そんな気持ちになる映画である。

詳細 ベニスで恋して

あなたたちのために

『エマの瞳』で共演したヴァレリア・ゴリノとアドリアーノ・ジャンニーニが初めて共演した、2015年公開の映画である。ヴァレリアが、ヴェネツィア国際映画祭で2度目の主演女優賞を受賞した映画でもある。

かなり独特な仕上がりの映画で、色彩・演出などが独創的である。物語としては、幼い頃には自身に満ち溢れていた少女だった主人公アンナが、大人になり3人の子供の主婦になったことで、慢性的な無気力感に囚われてしまう。それが、テレビ局の仕事を始めたことがきっかけで自身を取り戻し、俳優との恋という禁断の味を知るもの。

頼りない夫に、3人の手のかかる子供たち。自分を犠牲にして家族のために尽くしてきたアンナの日常は、とても暗くて見ていると息が詰まってしまうような、苦しさを伴う。だが、アンナが仕事をするようになり、恋をするようになると、文字通り目に見えて世界が美しく彩られアンナ自身も輝いていく。

白黒で彩られていた世界が、花が咲いたように情熱的で解放感に溢れる映像に変わるとき、見ている者はただ圧倒され、美しさに感動するだろう。ジャンニーニとの抱擁のシーンは、きっと何度見ても涙をこらえずにはいられないはず。そして、その後に起きる展開は、ぜひ映画をその目で見て確認してほしい。ヴァレリアがなぜ女優賞に輝いたのか、全てが分かるはずだ。

詳細 あなたたちのために

映画『エマの瞳』の評判・口コミ・レビュー

映画『エマの瞳』のまとめ

今回の映画で、監督の他に脚本も務めているシルヴィオ・ソルディーニ氏は、2013年に視覚障碍者たちの生活を負ったドキュメンタリー映画を撮影しており、その時の経験が、本作『エマの瞳』に活かされるきっかけとなった。おそらく、彼自身想像していたよりももっと刺激的な経験が得られたのだろう。これまで数多くの映画祭で作品を出品し、ヴァレリアとも何度も共演してきたソルディーニ監督の渾身の野心作に、期待が高まるばかりである。

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