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映画『ブルーバレンタイン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ブルーバレンタイン』の概要:信頼し合い、永遠の愛を誓って結婚したディーンとシンディ。時が経つにつれて、二人の間には溝が生じ、夫婦生活は破綻の兆しを見せ始める。愛し合いながらも破滅に向かう若い夫婦の、揺れ動く微妙な心情の描写が胸に迫る。

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映画『ブルーバレンタイン』の作品情報

ブルーバレンタイン

製作年:2010年
上映時間:112分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:デレク・シアンフランス
キャスト:ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ、フェイス・ワディッカ、マイク・ヴォーゲル etc

映画『ブルーバレンタイン』の登場人物(キャスト)

ディーン・ペレイラ(ライアン・ゴズリング)
塗装工。シンディの夫。5年前、引越し業者として働いている最中にシンディと出会って恋に落ち、自分以外の子を妊娠したシンディを受け入れて結婚する。幼少時、母親が浮気相手と家出してからはミュージシャンの父親と暮らし、高校を中退した。何よりも家族を大事に思っている。
シンディ・ヘラー(ミシェル・ウィリアムズ)
看護師。ディーンの妻。医大生だった頃に、祖母が入所している老人ホームでディーンと出会う。元恋人ボビーの子を妊娠するが、理解を示したディーンと結婚して出産する。現状に甘んじているディーンに不満を抱いている。
ボビー・オンタリオ(マイク・ヴォーゲル)
医大生時代のシンディのハンサムな恋人。元アメフト選手だが、現在は低所得労働者。5年前、シンディが自分の子を妊娠していることを知らないままシンディと別れた。
フランキー(フェイス・ワディッカ)
シンディとディーンの5歳の娘。実の父親はボビーだが、ディーンを父と信じ慕っている。
シンディの祖母(マリアン・ブランケット)
シンディが一番信頼を寄せる相手。高齢だがウィットに富んだ聡明な女性。老人ホームに入所している。
ジェリー・ヘラー(ジョン・ドーマン)
シンディの父。かつては亭主関白で、妻にきつく当たっていた。妻の死後は穏やかになり、現在はよくフランキーの面倒を見ている。病気のため、酸素マスクが手放せない。
サム・フェインバーグ(ベン・シェンクマン)
シンディの上司の医師。シンディが既婚者と知りつつも、好意を寄せている。

映画『ブルーバレンタイン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ブルーバレンタイン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ブルーバレンタイン』のあらすじ【起】

結婚5年目のディーンとシンディは、夫婦関係が上手くいかず悩んでいる。何とかして関係を良好にしようと努力するディーンに対し、シンディは素っ気無い態度を取り続ける。ディーンは、血が繋がっていない娘のフランキーにも愛情を持って接し、家族を心から愛している。

ディーン達が飼っている犬が行方不明になり、数日後、シンディは路肩で犬の死骸を発見する。犬が死んだことを気付かせないため、ディーンとシンディはフランキーをシンディの父ジェリーの家に預ける。犬を埋葬した後、ディーン達は悲しみに暮れる。

ディーンは、夫婦仲を改善するきっかけにしようと、モーテルに外泊しようと提案するが、シンディはあまり乗り気ではない。モーテルに向かう途中に立ち寄った食料品店で、シンディは5年前の恋人ボビーに遭遇する。ボビーの態度に気分を害し、シンディは急いで店から出る。

シンディは、ディーンに、偶然ボビーに会ったことを話す。ボビーの名を聞いた途端、ディーンは不機嫌になり、車内の雰囲気は険悪になる。

モーテルに着き、ディーンはシンディを求めるが、シンディはロマンチックなムードになることを避ける。酔ったシンディは、現状に甘んじているディーンへの不満を口にする。家族に全てを捧げることに充実感を覚えているディーンは、シンディになじられても言い返さず、冷静に受け止める。

ディーンはシンディに触れようとするが、シンディはバスルームにこもってディーンを拒む。酔ったディーンは、シンディに呼びかけるうちに寝入ってしまう。

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映画『ブルーバレンタイン』のあらすじ【承】

5年前。引越し業者で働いていたディーンは、ある老人の老人ホームへの転居の業務に就いている。ディーンは、老人ホームで祖母に付き添っていたシンディに一目惚れをして、連絡先を教える。

シンディの父母の関係は冷え切っており、家の中は常に険悪な雰囲気が漂っている。シンディはユニークな祖母に会うことで心を落ち着かせている。シンディは、アメフト選手のボビーと交際している。

ある日、ディーンは引越しトラックで先日の老人の忘れ物を見つけ、老人ホームに届けに行く。老人の部屋は空になっており、ディーンはシンディの祖母に、老人の行方を尋ねるついでにシンディについて質問する。

老人ホームからの帰りのバスで、ディーンはシンディに再会して話しかける。二人は夜の街を歩き、意気投合する。二人の会う回数は次第に増え、シンディは疎遠になっているボビーからディーンに心変わりする。

ディーンとシンディは、些細なことでも一緒に楽しみ、お互い常に自然体でいることが出来る。ある日、シンディはボビーの子を妊娠していることに気付く。

シンディは、ディーンにボビーの子を妊娠したことを打ち明ける。シンディは中絶しようと考えるが、手術途中で思い留まる。シンディに付き添って病院まで来ていたディーンは、シンディを抱きしめ、二人は結婚を誓う。

シンディがディーンと付き合っていることを知ったボビーは、仲間と共に勤務中のディーンを襲って暴行する。

映画『ブルーバレンタイン』のあらすじ【転】

現在。勤務先からの緊急電話で起きたシンディは、床で寝ているディーンに手紙を残してモーテルを出る。目を覚ましたディーンは、離婚したいと書いてある手紙を読み、再び酒を飲み出す。

シンディに好意を寄せている医師のサムは、シンディの昇進と同時に一人で転居するよう勧める。シンディは、サムは下心から自分の昇進を推薦したと思い、サムに嫌悪感を示す。

酔ったディーンは、シンディの職場に押しかけ、無理矢理シンディを呼び出して話し合いの機会を設けようとする。シンディはディーンを追い返そうとするが、ディーンは食い下がる。シンディはディーンを激しく罵るが、シンディに対して決して暴力的な態度を取らないと決めているディーンは、あくまで話し合おうとする。

次第に二人は激しい口論になり、サムはシンディをかばって仲裁に入る。ディーンは思わずサムを殴ってしまい、サムはシンディに解雇を言い付ける。

サムとシンディは病院から追い出される。車に乗り込む前、ディーンは結婚指輪を外して投げ捨てるが、すぐに車から降りて指輪を探し始める。

映画『ブルーバレンタイン』の結末・ラスト(ネタバレ)

5年前のある日、シンディはディーンを自宅での夕食に招待する。ジェリーやシンディの母はディーンの出生に関して質問を浴びせるが、何があってもシンディを愛すると心に決めているディーンは動じずに正直に答える。

シンディの部屋で二人きりになったとき、ディーンは自選した曲を集めたCDをシンディに贈る。ディーンは、ロマンチックな歌詞に想いを込めて、シンディにキスをする。

現在。ディーンとシンディは、フランキーを迎えにジェリーの家へ向かう。ディーンは、家の中へ駆け込んでいったシンディを追い、何とか話し合おうと試みる。

ディーンは、今離婚したらフランキーを不幸にしてしまう、とシンディを説得するが、シンディは両親が歪み合う姿を見せたくないと、泣きながら主張する。ディーンは心のすれ違いを解消しようと努力するが、シンディには考え直す余裕が無い。

ディーンはシンディを抱き締める。二人は、幸せに包まれていた結婚式当日を思い出す。シンディは、ディーンの腕を振り解く。

諦めたディーンは、一人外に出る。フランキーはディーンに追いつき、しがみつく。ディーンは、一緒に遊ぶフリをしてフランキーをシンディのもとに帰す。フランキーを抱き留めたシンディに背を向け、ディーンは去っていく。

映画『ブルーバレンタイン』の感想・評価・レビュー

見ていてとても辛い映画です。失恋をしたての頃に見たので余計に辛かった。恋愛に関する後悔を詰め込んだような映画です。二人の心が徐々に離れていく様を、止めてあげたくても止めることが出来ず、ただただ為す術なく見届けることになります。幸せな時を見せられる分、そして細かい描写が丁寧に描かれている分、落ち込みます。どん底まで落ち込みたいときに見るといいかもしれません。主演の2人はさすが演技派という感じで、素晴らしい演技でした。(男性 20代)


心が離れつつある夫婦を、リアルに丁寧に描いた作品。日常生活における小さなボタンの掛け違いが重なって、取り返しがつかない状況に陥っている彼らにも、偶然の出会いからお互いを必要とし愛し合って結婚した日々があったのだと、物語が進む内に分かってくる。

子煩悩だが朝から酒浸りのディーンは、最初は印象が悪かった。しかし過去を知る内に、彼の性格のよさや器の大きさなど内面的な魅力を感じ、応援したくなった。ラストは胸をえぐられるような辛さに襲われる。主演二人は演技が素晴らしかったが、過去と現在の外見の差も見所。(女性 40代)


結婚生活のうまくいっていない夫婦が別れに至るまでを描いた切ないラブストーリー。二人が出会ってから結婚するまでのシーンがところどころに挿入されていて、現在と過去の対比が余計に悲しみを増している。
結婚生活でのすれ違いや価値観の違いなど、苦しい部分が生々しく描かれているので、見ていてとても辛い気持ちになる。特に、ホテルでシンディがディーンを拒否し続けるシーンは、言葉がなくともすでに愛がなくなっていることが痛いほど伝わってくる。
気分の暗くなる映画だが、結婚を迷っている人にとっては考え直すきっかけになるかもしれない。(女性 30代)


ライアン・ゴズリング演じるディーンとミシェル・ウィリアムズ演じるシンディ。過去と現在を交錯させ、2人の愛の形が変わっていく様子を描くラブストーリー。夢や希望に溢れていた過去とお互いに不満を抱えた現在。ディーンはいい父親でいい夫と「自負」していますが、仕事はうまくいかず、シンディの稼ぎで生活している状況。いい夫と言うのならそれを態度で表して欲しいシンディ。2人の心のすれ違いが少しずつ大きくなり、歯車が狂い始める様子が本当に切なくて胸がぎゅうっと締め付けられるほど苦しくなります。
恋人と夫婦は全くの別物。すれ違う現在と愛し合っていた過去のシーンが交錯し、余計につらく感じました。(女性 30代)


現実の恋愛とはどういうものかをまざまざと見せつけられる。出会った頃の愛に満ち溢れていた過去と、冷え切ってしまった現在の2人が交互に描かれ、その対比が悲しく残酷だ。過去と現在で同じような会話をしているのに、一度心が離れてしまうとここまで変わってしまうのか。2人がどこですれ違ってしまったのかがわからないのもまたリアルで辛い。

付き合いたての恋人と見るのはためらうが、結婚を考えているような相手であれば、一緒に見てどう思うか聞いてみるのも面白そう。(女性 20代)

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みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    ①残酷なまでに丁寧な演出

    なんという恋愛映画でしょうか。
    観終わって、おすすめをした友人やレビューを恨みたい気持ちになるかもしれません。
    それくらい、恋愛の辛さの詰まった恋愛映画です。

    この映画の最大の特徴と言えば胸に詰まるリアリティー。それを可能にしているのが、丁寧に過ぎる演出の数々なのです。
    たとえば、冒頭、禿げかけたビール腹、のチンピラ風の小汚いおじさんが登場します。小汚いおじさんことディーンを演じるのは、ライアン・ゴズリング。甘いマスクと高い演技力から世界中の女性たちから黄色い声援で迎えられる、いわゆる二枚目俳優です。
    そんな彼を、「嫁に愛想を尽かされかけている小汚いおじさん」として演出するために、俳優自身も、体重を増やし、髪を抜き、歯を染め、特殊メイクを施しています。それに加え、歩き方や姿勢、話し方など細かな演技指導が入ることで、より一層キャラクターのリアリティーが増します。
    五年前の出会いのシーンでは、ライアン・ゴズリングの本領発揮、爽やかでワイルドな好青年の姿を見せていますから、そのギャップに驚きます。

    ①クローズな人間模様

    この映画のもう一つの大きな特徴は、その登場人物の少なさにあります。
    メインキャストの二人に加え、娘とボビー、そしてシンディーの父親。物語に大きくかかわるのはこの五人のみです。もっと言ってしまえば、メインキャスト以外の台詞は極端に少なく、ほとんどが二人芝居と言ってもいいくらいです。
    そうすることで、より効果的に二人の関係の微妙な変化や、それによる表情や心情が映り変わるさまが画面に映り続けます。

    映画には、俯瞰で全体像を楽しむものと、主観的に物語を泳いで楽しむものがありますが、今作は間違いなく後者。
    登場人物と一緒になって心を乱され続ける114分、いやになるくらいの傑作です。

  2. 匿名 より:

    辛い映画でした。
    ですが観終わった後に、「好きなひとを大切にしたい」と思わせる映画なのです。
    それは、確かに二人の愛が本物であり、ちょっとした心無い行動で傷付くさまが、終始映画に映り続けるからかもしれません。二人の愛が壊れてしまうのが、悔しくて仕方なくなってしまうからかもしれません。

    エンドロールに映るのは、甘い二人の日々であり、「愛の歌」なのです。こんなにも悔しくなるバッドエンドには確かに、ハッピーエンドを強く望ませる力があります。