映画『僕らのごはんは明日で待ってる』の概要:原作は瀬尾まいこのロングセラー小説。メインキャストにHey!Say!JUMPの中島裕翔と、ファッションモデルの新木優子を迎え、原作同様柔らかい雰囲気で、高校生から社会人になるまでの純愛を描いている。
映画『僕らのごはんは明日で待ってる』の作品情報
上映時間:109分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、青春
監督:市井昌秀
キャスト:中島裕翔、新木優子、美山加恋、岡山天音 etc
映画『僕らのごはんは明日で待ってる』の登場人物(キャスト)
- 葉山亮太(中島裕翔)
- 兄の死をきっかけに内気で自分の殻に籠りがちになっていたが、高校の体育祭を機に小春と関わり変わっていった。一途に小春のことを思い続ける青年。
- 上村小春(新木優子)
- 葉山の中学からの同級生。複雑な環境で育ちながらも、誰にも嘆かず天真爛漫な振る舞いをしてきた。中学のころから葉山に好意を寄せていた人物のひとり。運命の歯車に翻弄されながらも、幸せな家庭を作ることを夢見ていた。
- 鈴原えみり(美山加恋)
- 小春と別れ傷心する葉山にもうアピールする後輩。柔らかい雰囲気とは裏腹に押しが強いが、葉山の言う「俺たち」に自分は含まれていないと気づいてしまう。
- 塚原優介(岡山天音)
- 葉山の大学時代のクラスの友人。講義のノートを借りたことがきっかけとなり、気づけば葉山とは親友となっていた。
- 山崎喜美子(片桐はいり)
- 小春が入院していた同じ病室の女性。葉山に「青臭く恋愛すること」を示唆するキューピット。
映画『僕らのごはんは明日で待ってる』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『僕らのごはんは明日で待ってる』のあらすじ【起】
兄を病気で亡くして以来、引っ込み思案な性格の葉山。高校生になってもその性格は変わらず、友達と過ごすよりもひとり暗くふさぎ込むことの方が多かった。その日もぼんやりと窓の外を眺める葉山に、学級委員の小春が突然話しかけてきた。それは体育祭でのクラス対抗リレーで「米俵ジャンプ」に一緒に出て欲しいというお願いだった。しぶしぶ承諾した葉山だったが、放課後の練習を重ねるたびに小春の天真爛漫さに惹かれていく。そして、自分の胸の内に秘めた、兄を亡くした喪失感を初めて同級生に伝えた。すると小春はあっけなく「近所だから知っている」と言う。嫌味のない小春の態度に、入院中の兄を思い出す葉山。「どんな時だって食べなきゃもったいない。食べろ、飲め、死は誰にでも来る。」という言葉が胸にしみわたっていた。
体育祭本番。練習の甲斐あって、二人はクラスの優勝に貢献した。クラス全員が優勝に歓喜する中、小春は思い立ったように「リレーで優勝したら告白するって決めてたの」とつぶやく。それは葉山に対しての告白だった。まさか自分が告白されると思っていなかった葉山は、その場でははっきりした返事ができずにいた。
映画『僕らのごはんは明日で待ってる』のあらすじ【承】
突然の告白にはっきりした答えを出せずにいる葉山だったが、小春のことが気になっていた。ある日、小春が学校を休んでいるのが気にかかり、家まで行く葉山。小春はインフルエンザで休んでいたのだった。顔を見て安心した葉山は、告白に答えを出せずにいるのは「好きになるのが怖い。楽しい想いのあとには、必ずむなしい想いが待っていると思うと怖い」と素直な心情を明かした。その後、見送ってくれる小春に、大学に行かないつもりであることも伝えた葉山。すると小春は、大学に行った方がいいとアドバイスをする。
数日後、図書館で勉強する小春のもとにやってきた葉山。そして大学に行くことにしたこと、さらに小春と同じ大学に行くことにしたと伝えた。しかし、小春は保育士の資格を取るために女子短大を受けるつもりだったのだ。
別々の大学ながらも、無事に合格した二人。高校時代はうつむきがちな葉山だったが、大学では友達もでき、なんでも請け負ってしまう人の好さから「イエス・キリスト」というあだ名までついていた。葉山を迎えに来た小春は、自分の大好物があるケンタッキーフライドチキンへ誘う。小春は店頭にあるカーネル・サンダースの人形を見て、創設者の偉業を
葉山に教えた。すると素直に受け止めた葉山は、創設者の人形と握手を交わした。
二人がお気に入りのデートスポットである、デパートの屋上に来ていたとある日。何気なく将来について語っていた二人だが、子供が好きかという話題になり、小春は初めて自分が祖母と二人暮らしであることを話した。いつもハツラツとしていて、涙も見せたことがない小春の意外な一面に驚く葉山。小春は「私が泣いている時は、相当弱っている時だから助けに来てね」と冗談交じりに新たな表情を見せたのだった。
映画『僕らのごはんは明日で待ってる』のあらすじ【転】
葉山は自分探しのためにひとりで海外ツアーに参加することにした。同じツアーの参加者の主婦たちと意気投合し、恋人にすべてを明かすことはあり得ないと諭される。帰国後、葉山は小春と自宅で過ごし、小春お手製のチキンを振る舞ってもらった。食べ方が綺麗だと小春に褒められるが、小春が思うほど自分は綺麗ではないと、過去の後悔を打ち明けた。そんな葉山を抱きしめて、自分は望まれない子供だったと打ち明ける小春。自分の苦手なことも打ち明けながら、二人は寄り添って笑いあうのだった。
小春の祖母に初めて挨拶に行ったが、あまり良いリアクションをされなかったと葉山は落ち込んでいた。後日、ファミレスで食事をしていると、突然小春は別れ話を切り出した。漠然とした理由に納得できない葉山をよそに、小春の意思は固く覆すことができなかった。
突然の失恋から立ち直れない葉山は、せっかくの飲み会でもひとり暗いムードから抜け出せずにいた。しかし、そんな葉山に声をかけたのは後輩の鈴原えみりだった。えみりからの熱心なアプローチで付き合うことになった二人。しかし葉山は、小春との復縁を諦めきれずにいた。そんな中、兄の墓参りに行くと小春と偶然鉢合わせた。葉山は未練を捨てきれず、小春に別れた理由を聞き出してしまう。すると小春は、両親がいない女性とわざわざ付き合う必要はないと葉山を突き放した。
小春に再度フラれても気が晴れない葉山は、えみりと過ごす時間ですら上の空だった。そのことを気付いたえみりは自ら身を引くことを葉山に伝える。衝動にかられた葉山は、小春の家を突然訪ねていた。何度告白し直しても、やはり小春の気は変わらずきっぱりとフラれてしまう。葉山は失恋の痛手を負ったまま、気づけば卒業式に出席もせずに、学生時代は終わってしまっていた。
映画『僕らのごはんは明日で待ってる』の結末・ラスト(ネタバレ)
社会人となっても、小春への未練を捨てられずにいた葉山。ある日、小春が勤めていた保育園の同僚と偶然出会い、実は小春が入院していたことを知ってしまう。すぐさま入院先に出向く葉山だったが、子宮筋腫という病を抱えた小春は、つれない態度で葉山を追い返すのだった。
夜になり再度病室に忍び込んだ葉山は、同室の山崎が同じ病を抱える不安を教えてもらい、小春が自分に心配をかけまいとつれないそぶりをしていることに気づかされた。小春が以前に告白してくれた「2度目の家庭を作るチャンスに賭けている」ということを思い返し、何かできることはないかと苦悩する葉山。
後日、いつも二人で訪れたデパートの屋上から双眼鏡を覗いていると、屋上で泣きじゃくる小春の姿を見つけてしまう。小春が学生時代に話していた「私が泣いてる時は、相当弱っている時だから助けに来てね」という言葉を思い出した葉山。咄嗟に駆け出して、思い出のカーネル・サンダース人形を抱え、小春の元へと走り出した。小春の病室に到着した葉山は、一緒にいたいという思いのたけをぶつけた。そして持ち出した人形を小春に対して斜めに差し出した。小春はようやく笑顔を見せて、人形と握手を交わした。
小春は手術へと向かい、一緒に待つ祖母とあんパンを食べる葉山。そして亡くなった兄の言葉を伝えた。無事に手術を終え、祖母はふたりの関係を認め、「あの子をよろしく」と一言葉山へ伝えたのだった。
小春の退院日、小春はお腹が空いたというのでカフェで昼食をとることにした二人。初めて下の名前で呼び合い、キスを交わしたのだった。
映画『僕らのごはんは明日で待ってる』の感想・評価・レビュー
ジャニーズと人気モデルというキャストの並びで予想していた「キラキララブストーリー」とは、ほぼ真逆の誠実で地味な純愛ラブストーリーであった。食べることと生きることの繋がりを実感させてくれる、ほのぼのとした物語は、背伸びせずにありのままの姿でいることも肯定してくれる。主題歌含め、一つの作品として堪能できる仕上がりである。(MIHOシネマ編集部)
穏やかにお互いを大切にするカップルのラブストーリーで、とてもほっこりしました。同時に二人から好かれたり、恋人が病気になったりするような派手な展開はないが、こういうカップルが結局一番羨ましいし、応援したくなります。
主演のお二人がどちらもはまり役で良かったです。特に、おでこ全部出しのヘアスタイルで、しっかりとサバサバした強い女性を演じる新木優子さんがきれいでかっこよくてしかもかわいさもあり、自分もこんな女性になりたいと思いました。(女性 20代)
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