映画『フォトグラフ あなたが私を見つけた日』の概要:『めぐり逢わせのお弁当』のリテーシュ・バトラ監督が手がけた、緩やかなラブストーリー。現代ムンバイを舞台に、インド映画界の人気俳優が軒並み出演している一作。
映画『フォトグラフ あなたが私を見つけた日』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:リテーシュ・バトラ
キャスト:ナワーズッディーン・シッディーキー、サニャー・マルホートラ、ファルーク・ジャファル、ギータンジャリ・クルカルニー etc
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映画『フォトグラフ あなたが私を見つけた日』の登場人物(キャスト)
- ラフィ(ナワーズッディーン・シッディーキー)
- 親の借金返済のため、ムンバイへ出稼ぎに来ている。観光客の記念写真を撮って生計を立てていたが、祖母を満足させるために婚約者がいると嘘をついてしまう。
- ミローニ(サニャー・マルホートラ)
- 中流家庭の恵まれた環境で生活するも、自分の意思が反映されない境遇に悩んでいる学生。ラフィと出会い少しずつ、思考や表情が変わってくる。
- 祖母(ファールク・ジャファル)
- 母親代わりにラフィを含む3人の孫を育ててきた。ラフィの結婚を望むばかり、ついお節介を焼いてしまう。
映画『フォトグラフ あなたが私を見つけた日』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『フォトグラフ あなたが私を見つけた日』のあらすじ【起】
看板に写る娘を自慢する男性。彼の娘はミローニ。会計士を目指している。その頃ミローニは、母と姉と買い物をしていた。本当は黄色の洋服が欲しいところ、母の言うがままピンクに決めるのであった。母と姉と別れたミローニは、ひとり観光客の溢れるインド門へと向かう。そこで観光客の写真を撮っていたラフィに声をかけられた。うつろ気な表情のミローニは断ることもなく、写真を撮ってもらう。しかし、ラフィが写真の加工をしている最中に、ふらっとその場を離れて行ってしまった。冷やかしの客だったのかと立ちすくむラフィ。そんな彼に仲間の一人が声をかけてきた。
ラフィは親の借金を返すために、村からムンバイに出稼ぎに来ていた。孫の結婚を唯一の楽しみに生活する祖母が村に待っているというプレッシャーを抱えるラフィ。そんなラフィに追い打ちをかけるように村の仲間から、祖母が孫のラフィの結婚が決まるまでは薬を飲まない、と言い張っているという噂を聞いてしまう。焦りを隠せないラフィは、その日の昼、冷やかしを受けた客の写真を、結婚したい相手ができたという嘘の手紙と一緒に送るのだった。
少し気持ちが軽くなったラフィは、その夜よく酒を飲んだ。仲間には借金を返し終わったら、村の家を買い戻すと宣言し、それまでは結婚しないと誓った。しかし、嘘の婚約者に会いたいと、急遽祖母が街に来ることになってしまう。焦ったラフィは、仲間の一人には手紙に書いた本当の内容を打ち明けた。正直に話すべきだとアドバイスを受けたが、ラフィは祖母を落胆させまいとなんとかごまかしたい様子であった。そして、仕事へ向かう途中、バスの中から見えた看板に写真を利用させてもらった女性が写っていることに気づいた。
映画『フォトグラフ あなたが私を見つけた日』のあらすじ【承】
祖母が村からムンバイへやってくるまでは2.3日の猶予しかない。看板を頼りに写真の女性を探そうとするラフィ。焦るラフィの気持ちとは裏腹に、実は毎朝同じバスを利用していた二人。祖母が来る日の朝、バスで何気なく後ろを振り返ったミローニに気づいたラフィは、声をかけることができた。そして、ラフィは渡しそびれていた写真をようやく手渡し、ミローニの写真を利用させてもらったことを素直に伝えるのだった。正直すぎるラフィを気に掛けるミローニ。ラフィは無理強いすることなく、その場を離れ祖母を迎えに行くのだった。
駅で待つ祖母を見つけ、再会を喜ぶラフィ。そこに一本の電話が入るのだった。ラフィに電話をかけてきたのはミローニだった。翌日、ミローニはラフィの祖母と対面する。学生ということは隠さず、名前と両親はすでに亡くなっているという嘘をつきながら。
母親代わりとしてラフィを育ててきた祖母は、熱心にミローニに話し続ける。そして大切にしているアンクレットをミローニにプレゼントするのだった。ミローニを見送り、村の仲間の元へ祖母を連れていくラフィ。祖母はミローニのことを気に入ってはいない様子であったが、孫が結婚することに鼻高々で大変ご機嫌であった。
ミローニはその夜、自宅の使用人がラフィの祖母からもらったアンクレットと同じものを付けていることに気づく。使用人は母から譲り受けた大切なものだと嬉しそうに言い、村の様子を教えてくれた。
翌日もミローニは祖母と会ってくれた。祖母は喜んで昔話をたくさん聞かせるのであった。そして、結婚式の準備をしなければ、と胸を躍らせていた。帰宅したミローニを待っていたのは、父が勝手に決めた縁談相手だった。縁談のことを聞かされていなかったミローニは、動揺を隠せずにいた。
映画『フォトグラフ あなたが私を見つけた日』のあらすじ【転】
ラフィよりも高学歴で稼げるだろうミローニを手放すなと念押しする祖母に、罪悪感を隠せないラフィ。翌日もミローニは祖母と過ごしてくれた。観光地をまわりながら祖母はご機嫌な様子でミローニに話を続ける。その夜、祖母は別の親戚の元を訪れるため見送ったふたり。ミローニはラフィをお茶に誘い、初めてゆっくりと会話することができたのだった。恵まれた環境で育ったミローニは、ラフィの過ごす境遇に戸惑いつつも誠実なラフィに興味を持ち始めていた。
ラフィと祖母と連日ともに過ごすミローニ。初めて屋台でアイスキャンディーを買って食べたことがきっかけで体調を崩してしまう。翌日は、真実を知るラフィの村の仲間も一緒に海へ向かった。記念の写真を撮ろうと祖母の提案でラフィと並ぶミロー二。彼女の目線の先に自宅の使用人が入ってきた。見られたのではないかという焦りを隠せないミロー二は、就寝前、使用人に恋人ではないと弁解をする。すると、使用人はラフィには賢い女性でいてほしいと、両親の決めた縁談を選ぶよう諭してくれた。翌日、使用人の助言通り縁談相手とランチをするミロー二。ラフィと出会い価値観が変わってきたミロー二は、素直に将来は村に住みたいと話してみる。予想通り良いリアクションは返ってこず、ミロー二は縁談を断る決心をする。
映画『フォトグラフ あなたが私を見つけた日』の結末・ラスト(ネタバレ)
後日、学校の帰り道一人で歩くミロー二は教師にしつこく誘われ困っていた。ちょうどそこを通りかかったラフィは助けようと声をかける。そして、ミロー二も迷わずラフィの元へ行くのだった。そのまま二人は一緒にタクシーに乗った。車内でミロー二はラフィの手を取ろうとするが、ラフィは驚き思わず払ってしまう。しかし、その夜は一緒に食事を食べるため、仲間と住むラフィの家へと向かうことにした。初めての環境に胸躍らせるミロー二。ラフィが大事に取っておいた、ミロー二の写真を見つけラフィのことを愛らしく感じたのだった。
自宅へ帰ったミロー二はあまり眠れずにいた。ラフィも同じく、ミロー二の写真を見つめながら眠れずにいたのだった。
ラフィは亡くなった村の仲間の幻想を見ていた。そして、少しずつ計画していたキャンバス・コーラの工場再生に関して、決断する。
翌朝、祖母と話をするラフィ。実は祖母は街中でミロー二が写った看板を見つけていた。ラフィが嘘をついていたことは見抜いた中で、数日を過ごしていたのだった。そして、家族の借金や先祖の家を買い戻すことなど、ラフィを縛り付けていたことはすべて忘れていいとラフィを自由にしてくれた。その足でラフィは気にかけていた工場を訪れる。ひとり黙々と作業をする老人は、完成したコーラをラフィに渡し、大事な人にあげなさいと伝えたのだった。
その夜、ラフィとミロー二は映画を見に行った。慣れない環境にミロー二は思わず席を立ってしまう。追いかけたラフィは問い詰めることもなく、映画はどのストーリーも同じだと笑ってみせる。安心したミロー二は、外に出ようとラフィを誘うのであった。
映画『フォトグラフ あなたが私を見つけた日』の感想・評価・レビュー
普通ならば出会うはずもない住む世界の異なる2人。運命はイタズラなもので、ゆっくりと気持ちを寄せ合う姿にはなんだか心が温かくなった。若いミロー二の世界観覆されるこの出会いは、きっと彼女の人生にとって大切なターニングポイントなのだろう。ムンバイの今と日常を感じながら、その先の展開に希望を持てる一作であった。(MIHOシネマ編集部)
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