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映画『コズモポリス』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『コズモポリス』の概要:ドン・デリーロの小説を映画化した作品。大富豪の投資家エリックは街で渋滞が起こっている中、床屋に行くことを急に思い立つ。リムジンで少しずつ街を進む中、様々な出来事がエリックを襲う。

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映画『コズモポリス』の作品情報

コズモポリス

製作年:2012年
上映時間:110分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス、ミステリー
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
キャスト:ロバート・パティンソン、ジュリエット・ビノシュ、サラ・ガドン、マチュー・アマルリック etc

映画『コズモポリス』の登場人物(キャスト)

エリック・パッカー(ロバート・パティンソン)
28歳の投資家。大富豪。新婚だが妻がセックスに応じてくれず、愛人達とセックスを楽しむ。投資家としての理性的な面と、大金を手に入れたことによる怠惰で我儘な子供らしい一面を併せ持つ。
ディディ・ファンチャー(ジュリエット・ビノシュ)
エリックの愛人。
エリーズ・シフリン(サラ・ガドン)
エリックの妻。詩人。エリックの浮気に薄々気づいている。資産家の娘。
ベノ・レヴィン / リチャード(ポール・ジアマッティ)
エリックを激しく憎み、命を狙っている。エリックの会社で働いていたが、会社のシステムについていけなくなり辞職する。

映画『コズモポリス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『コズモポリス』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『コズモポリス』のあらすじ【起】

大統領が訪問しており、街は渋滞が起こっていた。そんな中、大富豪の投資家エリックは、床屋に行きたいと急に思い立つ。なかなか車が進まない中、白いリムジンにゆったり座りながら部下のシェイナーと仕事の話をした。

妻のエリーズが隣に停車したタクシーに乗っていた。エリックはリムジンから降りると、タクシーに移動してエリーズをカフェに誘った。エリックはカフェで朝食を食べながら、セックスの話題を持ち出した。エリーズはセックスに応じてくれず、また今度と言ってはぐらかすだけだった。エリーズは話を変え、エリックにどんな仕事をしているのか問い掛けた。

エリックはリムジンに戻り、部下の報告を受けていた。通貨“元”のレバレッジを軽率にやり過ぎていると忠告を受けるが、エリックは受け入れなかった。22歳の部下は投げやりな態度で、仕事に飽きているようだった。エリックは部下との気軽な会話を楽しんだ。

エリックはリムジンの中で愛人のディディとセックスをした。ディディはエリックが大富豪の娘と結婚したことを皮肉った。だが、エリックはエリーズの資産には興味がなく、妻はただの詩人に過ぎないと答えた。ディディはエリックが欲しがっていたロスコの絵が売りに出されたことを教えた。だが、エリックはロスコ・チャペルの絵画(14~15枚)を全て購入すると申し出る。ディディは社会的に価値のある絵画なので、個人が所有すべきではないと非難する。エリックは株の失敗で数億円の損失が出ることを打ち明け、全てを手に入れたいのだと子供のように駄々をこねた。

IMFの理事がインタビュー中に襲撃され、エリックにも身の危険が迫っていた。

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映画『コズモポリス』のあらすじ【承】

エリックは毎日行っている定期検診をリムジンの中で行った。リムジンの中にはハイテク機器が揃っており、エコー検診もできた。医者はエリックの前立腺が非対称だと告げた。

大統領の動きが読めないことや有名人の葬儀が重なったことで、交通がマヒしていた。しかも、水道管が破裂したことで、エリックは道の変更を余儀なくされる。エリックは本屋にいるエリーズに会いに行った。エリーズからセックスをしていた雰囲気があると指摘されるが、検診をしていただけだと誤魔化した。

エリックはエリーズを連れて昼食を食べに出掛けた。エリーズは終始浮かない顔をしており、エリックからのセックスの誘いを断った。結婚したばかりなので、もっと時間をかけたかったのだ。だが、エリックは刹那的に生きており、すぐにセックスをしたがった。

エリックはリムジンの中で、女性と経済について話していた。女性はサイバー資本が未来を作ると語った。昔は時間が資本主義を加速させたが、今や時間が企業の資産になった。リムジンの外では抗議デモが起こっており、リムジンが騒動に巻き込まれて激しく揺れた。だが、エリックと女性は優雅にお酒を飲んで会話をした。

エリックはボディーガードから襲撃の危険性があると告げられるが、床屋にまだ行けていないため車を走らせた

映画『コズモポリス』のあらすじ【転】

エリックはボディーガードの女性の元に行き、セックスをした。女性になぜボディーガードをしているのか尋ねると、女性はエリックにその価値があるからと言いながら、報酬のためだと微笑んだ。ボディーガードは標的にはならないので、女性はこの仕事が危険だと思っていなかった。エリックは未知なる刺激を求め、10万ボルトが出るテーザー銃を撃ってくれと女性に懇願した。

エリックは劇場の前で佇むエリーズの元に向かった。エリーズが煙草を吸っている姿を見て驚く。エリーズは15歳から煙草を吸っていると平然としていた。エリックはエリーズをディナーに誘った。他愛もない話をしていたが、エリーズから上着がないことを指摘される。エリックはドキッとしながらも、デモの騒動で失くしたと誤魔化した。だが、エリーズはホテルからエリックが出てくるところを見ていた。エリックはそれについては何も返答せず、平然とセックスがしたいとエリーズを求めた。エリーズはショックを受け、心を痛めた。エリックは破産の危機に陥っていることと、誰かに命を狙われていることをエリーズに教えた。だが、エリックに悲壮感はなく、むしろ自由を感じて喜んでいた。エリーズの方が困惑し、援助を申し出た。そして、結婚生活の終わりも告げた。エリックはただ唖然とその話を聞いていた。

エリックは友人をリムジンに招き入れた。エリックが好きなアーティストが亡くなり、一日中葬列があったことを知る。アーティストは高校から心臓を患っており、自然死だった。エリック達はテレビで流れる葬列を見ながら、抱きしめ合って悲しんだ。

白いリムジンはスプレーで落書きをされ、見るも無残な有り様だった。エリックがリムジンから降りると、“パイ襲撃者”にパイを投げられる。周りで記者が待ち構えており、ボディーガードが襲撃者を捕らえる様子をカメラに収めていた。パイ襲撃者は“権力と富の妨害”が目的だった。エリックはパイ襲撃者を蹴り上げ、忌々しそうに見た。

エリックはバスケットボールをして遊んでいる少年達を懐かしそうに見ていた。ボディーガードはまだ襲撃の危険性があるため、周囲を警戒していた。エリックはボディーガードに話しかけ、銃を見せて欲しいと頼んだ。その銃は音声認識で作動するタイプの物だった。エリックはボディーガードに銃を作動させてもらい、ボディーガードを撃ち抜いた。バスケットボールをしていた少年達は、驚きながらエリックを見ていた。

映画『コズモポリス』の結末・ラスト(ネタバレ)

エリックがリムジンの中でトイレをしていると、馴染の床屋に辿り着いた。エリックは店主に、今朝床屋に行くことを自分で決めたのだと誇らしげに話した。店主とエリックの運転手は元タクシーの運転手で、その頃の話を懐かしそうにしていた。エリックは話を聞きながら、静かに髪の毛を切られていた。エリックの運転手が、ボディーガードがいないことに気付いたが、エリックは非番にしたと嘘を吐いた。店主達は防衛手段を持たないエリックの無鉄砲さを非難した。店主がエリックに銃を渡すと、まだ左側を散髪していないにも関わらず、エリックは必ず戻ると言って席を立った。

エリックはリムジンを停める駐車場までついていき、運転手と別れた。外でぼーと立っていると、いきなりビルから発砲される。敵はエリックの名を叫んでいた。エリックがビルの中に入ると、そこには浮浪者の死体があった。さらに奥に進むと、布を被った男が現れる。座って話すことになり、男は布を取った。エリックは顔を見ても誰だか分からなかった。男はベノと名乗り、エリックの会社で働いていたような口ぶりだった。だが、詳しくは話そうとしなかった。ただ、ひどくエリックを憎んでいた。

エリックは命を狙われているのに平然としていた。ベノはエリックの人間性や性格を非難した。エリックは自分に詳しいベノに疑問を抱き、どこの部署にいたのか問い掛けた。ベノは通貨の分析をする部署で働き、バーツを専門に扱っていたことを話した。だが、会社のシステムが細分化され、ついていけなくなって辞めてしまったのだ。エリックはベノが偽名だと確信し、本当の名前を問い掛けた。ベノはリチャードという名前だったが、その名前で呼ばれることを嫌がった。“リチャード”に無力感を感じ、“ベノ”という名で復讐を果たし、価値を見出そうとしていた。

エリックが突然自分の手を銃で撃ち抜いた。ベノは止血するためにエリックに布を渡した。ベノはエリックに歪みを認めるべきだったと諭した。左右対称の美しいモノばかりでなく、クセを認め“元”の気まぐれさを追うべきだったと悲しそうに呟いた。ベノはパニック発作を起こし、部屋の中を歩き回った。そして、エリックの背後に回ると、救ってほしかったと呟き頭に銃を向けた。

映画『コズモポリス』の感想・評価・レビュー

主人公は『トワイライト』シリーズや、次期バットマンとしても人気のロバート・パティンソン。巨額の富と名誉を持つ彼が、リムジンの中で起こる様々なことをまるで、予知していたかのように平然とスルーし、妻をセックスに誘いつつ、他の女とセックスをし、ボディーガードと関係を持ったかと思えば、ボディーガードを撃ち殺し…とかなり衝撃的な作品でした。
左右対称でないものもあるというメッセージ性が強く、不思議な描写もありましたが、なぜかクセになりもう一度見たい作品です。(女性 30代)

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