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映画『彼女は夢で踊る』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

広島県広島市中区の歓楽街に、「広島第一劇場」という名前のストリップ劇場があった。劇場が閉館することになり、様々なストリッパー達がやってきてラストステージを飾った。支配人の木下は、若い頃に体験した恋愛に思いを馳せた。

映画『彼女は夢で踊る』の作品情報

彼女は夢で踊る

タイトル
彼女は夢で踊る
原題
なし
製作年
2019年
日本公開日
2020年10月23日(金)
上映時間
95分
ジャンル
ラブストーリー
監督
時川英之
脚本
時川英之
製作
時川英之
田辺裕美子
製作総指揮
不明
キャスト
加藤雅也
犬飼貴丈
岡村いずみ
横山雄二
矢沢ようこ
末武太
高尾六平
金子勝典
製作国
日本
配給
アイエス・フィールド

映画『彼女は夢で踊る』の作品概要

広島県広島市中区の歓楽街に実際にあったストリップ劇場、「広島第一劇場」を舞台にした物語。劇場の閉館が迫りつつ日々の中、劇場の支配人である木下は青春時代に体験した恋のことを思い出していた。人気ドラマ『アンフェア』シリーズに出演していた加藤雅也が主演を務め、犬飼貴丈、岡村いずみ、横山雄二、矢沢ようこなど個性的なキャストが共演している。『ラジオの恋』(13)で映画監督デビューを果たした時川英之がメガホンを取った。

映画『彼女は夢で踊る』の予告動画

映画『彼女は夢で踊る』の登場人物(キャスト)

木下(中年:加藤雅也 / 青年:犬飼貴丈)
「広島第一劇場」の支配人。劇場が閉館することになり、若い頃に体験した恋に思いを馳せるようになる。
サラ(岡村いずみ)
ストリッパー。かつて「広島第一劇場」の舞台に立っていた。若き日の木下と恋に落ちる。

映画『彼女は夢で踊る』のあらすじ(ネタバレなし)

広島県広島市中区の歓楽街に、「広島第一劇場」という名前のストリップ劇場があった。何度も閉館の危機に陥りながらも、経営を続けてきた。しかし、時代の流れと共に客足が徐々に遠のき、ついに閉館することになった。有名なストリッパーは「広島第一劇場」のステージで引退することを決め、ラストステージに立った。閉館の日が徐々に近づいてくる中、劇場の支配人である木下は若い頃に体験した恋に思いを馳せていた。

かつて「広島第一劇場」にはたくさんの観客が集まり、美しく舞い踊るストリッパー達の姿を見て楽しんでいた。「広島第一劇場」を訪れた若き日の木下は、ステージに立つサラの姿に目を奪われる。木下はサラに恋をし、思いを寄せるようになる。

映画『彼女は夢で踊る』の感想・評価

地元の人が愛した「広島第一劇場」

「広島第一劇場」は1975年8月1日に開館した。昭和の時代には大人の社交場として人気を集めた。徳山県や岡山県にもストリップ劇場はあったが、中国地方で最後まで営業を続けていたのが、この「広島第一劇場」だった。しかし、2017年1月31日に惜しまれつつも閉館してしまう。だがその後、2018年2月20日まで期間限定で営業を再開しており、今でも多くのファンから愛されている。

本作はその「広島第一劇場」が物語の舞台になっており、劇場の閉館と支配人の木下が若い頃に体験した秘められた恋について描かれた物語になっている。木下の若い頃が描かれているため、活気のある「広島第一劇場」を楽しむことができる。木下の恋の行く末と共に、劇場の方にも注目して欲しい。

女性が絶賛!

「ストリップ劇場」と聞くと、卑猥な感じがして女性の方は特に嫌厭する人も多いと思う。しかし、実際に映画を見た女性の多くが、「綺麗だった!」と絶賛の声を上げている。ストリッパー達はただステージの上に立って服を脱いでいくわけではなく、衣装、曲、ダンスや動きなど細部までこだわりを持って舞台を作り上げている。ストリッパー達の頑張りと美しさを見ることができ、今まで持っていた「ストリップ劇場」のイメージがガラリと変わるはずである。

実際に長年ストリッパーとして活躍している矢沢ようこが、本作に出演している。「広島第一劇場」の舞台に実際に何度も立ったことがある人物で、作品内でもステージに立っている。本物のストリッパーの美しさを、ぜひ体感して欲しい。

加藤雅也、時川英之監督、横山雄二。三人の出会いからスタートした作品

本作は俳優の加藤雅也が一緒に映画を作ろうと、時川英之監督とRCC中国放送アナウンサーの横山雄二に声をかけたところからスタートした。

時川監督は岩井俊二監督に師事し、映画『花とアリス』(04)のメイキングディレクターやドキュメンタリー『六月の勝利の歌を忘れない』(02)のプロデューサーなどを担当している。時川監督は映画の他に、ドキュメンタリー、TVCMなど幅広いジャンルで活躍している。本作では、監督の他に脚本、編集、プロデューサーを担当した。

横山雄二はアナウンサーとしてだけでなく、俳優、声優、作家など多彩な分野で活躍している。時川英之が監督を務めた映画『ラジオの恋』で、映画初出演を果たした。本作では企画を担当している。

俳優の加藤雅也は主演を務め、「広島第一劇場」の支配人である木下を演じた。木下の若い頃を特撮テレビドラマの『仮面ライダービルド』で主演を務めた犬飼貴丈、ヒロインのサラを映画『ジムノペディに乱れる』(16)で「第59回ブルーリボン賞・新人賞」を受賞した岡村いずみがそれぞれ演じている。

映画『彼女は夢で踊る』の公開前に見ておきたい映画

映画『彼女は夢で踊る』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『彼女は夢で踊る』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

ラジオの恋

時川英之が監督、脚本を担当した。時川の映画監督デビュー作で、「シネマベルデ映画祭・観客賞」を受賞している。中国放送アナウンサーの横山雄二がパーソナリティーを務めるラジオを元に制作されている。横山本人が主演を務め、お笑いコンビ「アンガールズ」の田中卓志と山根良顕が友情出演している。広島県出身の歌手・矢沢永吉の名曲が、挿入歌に使われている。

横山雄二は自らを「天才」と呼ぶ男で、ラジオのパーソナリティーとして人気を博していた。しかし、二日酔いのまま仕事をしたり打ち合わせを嫌がったり、最近はやる気のなさが目立つようになっていた。横山はラジオなど誰も聞いていないだろうと思い、辞めることを考える。そんな時、ラジオの女神を名乗る不思議な少女が現れる。

詳細 ラジオの恋

シネマの天使

時川英之監督の代表作で、脚本と編集も担当している。広島県福山市にある映画館・シネフク大黒座を舞台に、閉館までの人々の様子を描いたヒューマンドラマ作品。藤原令子×本郷奏多がダブル主演を務めた。藤原にとって本作が初めての映画主演作で、シネフク大黒座で働き始めたばかりの新入社員・明日香を演じた。

シネフク大黒座は122年間続いた歴史ある映画館である。多くの人の青春の場として愛されてきた映画館だったが、惜しまれつつも閉館することが決まった。ある夜、新入社員の明日香は謎の帽子を被った老人と出会う。その一方で、バーテンダーのアキラは映画監督を目指しており、いつか自分の映画を大黒座で公開したいと思っていた。そのため、閉館することを受け入れることができずにいた。

詳細 シネマの天使

アンフェア the end

加藤雅也の代表作。関西テレビ・共同テレビ制作・フジテレビ系列で放送されたドラマの劇場版作品。劇場版3作目で、シリーズ完結編となる物語。加藤雅也はドラマ版から出演しており、検視官の三上薫を演じている。主人公の雪平夏見刑事が父の死の真相に迫る物語。「第48回ザテレビジョンドラマアカデミー賞・脚本賞」を受賞した経歴を持つ佐藤嗣麻子が、監督と脚本を担当した。

雪平夏見は警視庁で検挙率No.1の優秀な女刑事であった。雪平は刑事だった父の死の真相を追っていた。そして、警察の闇を知り、事件の真相の鍵を握る機密データを手に入れる。そこには、国家を裏で操る組織の存在があった。ある日、村上克明検察官と元検事総長・村上成明の遺体が発見される。現場には「アンフェアなのは誰か」と書かれた栞が残されていた。

詳細 アンフェア the end

クローサー(2004)

ラブストーリー作品。パトリック・マーバーが手掛けた戯曲を元に制作された映画で、パトリックは本作の脚本も手掛けている。小説家志望のジャーナリストのダン、ストリッパーのアリス、写真家のアンナ、医師のラリーの4人が織りなす大人の恋愛が綴られている。ジュード・ロウ、ジュリア・ロバーツ、クライヴ・オーウェン、ナタリー・ポートマンが共演したことでも話題を集めた。

小説家志望でジャーナリストのダンは、ひょんなことからストリッパーのアリスと知り合う。二人はすぐに意気投合し、一緒に暮らすようになった。1年半後、ダンはアリスをモデルに小説を執筆していた。そんな時、写真家のアンナに出会い、一目で恋に落ちる。しかし、アンナは医師のラリーと出会い、交際を始める。複雑な四人の恋愛の行く末とは?

詳細 クローサー(2004)

映画『彼女は夢で踊る』の評判・口コミ・レビュー

映画『彼女は夢で踊る』のまとめ

岡村いずみが演じたヒロインのサラは、「広島第一劇場」の舞台に立っていたストリッパーである。作品を見た人が本物のストリッパーのようだったと言うほど、岡村の踊りは美しく相当の練習をこなしたのではないかと予想される。劇場が閉館するという寂しさ、ストリップの華やかな舞台、切なさが残る青春時代、様々な気持ちを感じることができる作品になっている。ストリップ劇場を知っている人も知らない人も、どこか懐かしさを感じる物語である。

みんなの感想・レビュー

  1. ストリップ好き より:

    ※ネタバレ注意
    「ストリップ」と云うと敬遠されがちなテーマに思えましたが、美しさの中に優しさが詰まった素敵な映画でした。

    物語の中で似たような場面がありました。
    ヒモの金ちゃんとサラが劇場を去るシーン。
    二人の台詞は当然違うが、相手を思い遣る優しい嘘をつく。二度と会えないと知っていながら…涙無しでは観れない場面でした。

    ヒロインの岡村さんが本職の踊り子さんと見間違うほど素敵でヨーコさんのラストダンスでは涙が止まりませんでした。

    ストリップを知らない人、特に女性に観て欲しい素敵な映画です。

    余談ですが、ヨーコさんこと矢沢ようこさん出演の映画のポスターがとある場所に貼ってあったりする遊び心も好きですw