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映画『ダウンサイズ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ダウンサイズ』の概要:人口増加や食糧難の心配がされる時代、人間を細胞レベルにまで縮小する技術が発表され、続々と縮小化を図る人々が増加。主人公も妻と共に縮小化することに決めたが、寸前で妻が逃走してしまう。裏切られた彼はその後、ある女性と出会い人生観が変わっていく。

映画『ダウンサイズ』の作品情報

ダウンサイズ

製作年:2017年
上映時間:135分
ジャンル:SF、ヒューマンドラマ
監督:アレクサンダー・ペイン
キャスト:マット・デイモン、クリストフ・ヴァルツ、ホン・チャウ、ジェイソン・サダイキス etc

映画『ダウンサイズ』の登場人物(キャスト)

ポール・サフラネック(マット・デイモン)
麻酔医として働いていたが、妻と共に縮小化を決意。しかし、妻は縮小化に臆して逃走。離婚に至る。人の意見に流されやすく優しい性格で、誰からもいい人だと言われる。
ドゥシャン・ミルコヴィッチ(クリストフ・ヴァルツ)
ポールのマンションの上階に住む人物。ミニ人間は怠惰になるべきだと言って憚らず、毎日を面白楽しく暮らしている。大人間の物資からミニ人間用の嗜好品を製造し、富を築いている。排他的だが、気前が良くポールの良き友となる。
ノク・ラン・トラン(ホン・チャウ)
故郷のベトナムにて政治や環境問題について活動していた。投獄後、強制的に縮小化され仲間と共に脱獄。だが船旅の際、他の16人は命を落としてしまい、自身も感染により左足を切断する。気が強くがめついが、女性としての弱い面も持つ。ポールに惹かれていく。
ヨリス・コンラッド(ウド・キア)
ドゥシャンの友人。船で暮らしており、ノルウェーの始まりの村へも物資を届けている。壮年の男性で、代々船長をしてきた家系。
ヨルゲン・アスビョルンセン(ロルフ・ラスゴード)
縮小化を成功させ、実験的にミニ人間だけの村を作り暮らしている。実は地球の滅亡が間近に迫っていることを知っており、長い年月をかけ地下シェルターを作り上げる。

映画『ダウンサイズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ダウンサイズ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ダウンサイズ』のあらすじ【起】

ノルウェーのベルゲン、イズヴァトセン研究所にて、ヨルゲン・アスビョルンセン博士が生物の縮小化を成功させる。
5年後、トルコのイスタンブール。自ら縮小化を行ったヨルゲン博士が登場し世間を驚愕の渦に落とした。博士は細胞レベルに縮小させる工程を発見し、身長180cmの人間をたったの12.9cmにまで小さくできるらしい。

博士はあらゆる動物で実験を行った後、自らと妻を含め36人の勇敢な志願者の縮小に成功。
36人の被験者はその後、小さな村を作り移住。世界初のミニ人間の共同体で安全に暮らしていた。後にその村は始まりの村と呼ばれるようになる。

10年後、縮小化は世界的に行われあらゆる業種に影響を与えていた。妻と暮らしていたポール・サフラネックは麻酔医として生計を立てており、引っ越しを考えている。縮小化により豪邸を手放す一家が増えたからである。

その後、ポールは高校の同窓会へ参加し、縮小化した親友と再会。縮小するとあらゆる物価が安くなる。何しろ、小さいので材料費がかからない。故に、多少財政的に困難であっても、小さくなれば豪邸に住める上に豪勢な暮らしができると言う。親友は住むならレジャーランドがいいと勧めるのだ。

そこで、夫婦は見学へ向かうことに。色々と見た上で魅力を感じたので、妻と縮小化を決意した。あらゆる財産を現金化し、いざレジャーランドへ。ダウンサイズは医療処置であるため、同意書へサイン。まずは夫のポールが縮小化へ向かった。入念な準備を施され、麻酔で眠っている間に縮小化が完了。しかしその後、いくら待っても妻は姿を現さない。すると、空港から電話が入る。彼女は体毛を剃られた段階で縮小化を恐れ、断念したと言うのだ。

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映画『ダウンサイズ』のあらすじ【承】

ポールは縮小化を完了させているため、もう戻ることができない。逃げ出した妻とは喧嘩別れした。妻と暮らすはずだった豪邸へやって来たポールは、広すぎる我が家でたった1人。数時間後、夫婦の結婚指輪が届けられ非常に複雑な思いに駆られた。

その夜、ベトナムから密航して来た17人のベトナム人の内、唯一の生存者ノク・ラン・トランという女性のニュースが流れた。彼女はレジャーランドの病院へ搬送され感染した脚の切断をしたと言う。ノク・ランはそもそも故郷ベトナムで政治的な環境運動を行っており、投獄された後、本人の意思と関係なく縮小化されたらしい。人間の小型化により、テロや不法移民が容易に国境を越える悪用例の1つだった。

1年後、妻との離婚が成立。彼は1人用のマンションへと移り住んでいた。オペレーターの仕事をしつつ、休日は親友の子供の誕生日祝いへ。彼から新しい恋人を作れと言われ、勧められた通りシングルマザーと交流を持った。会話を楽しみつつ、食事をしていたその時、上階のドゥシャン・ミルコヴィッチ宅から騒音が聞こえる。バルコニーからドゥシャンに苦情を訴えると、張本人が部屋を訪ねて来る。シルバーグレーで色気のある男性だった。

結局、シングルマザーとはうまくいかず。ポールはバラの生花を手土産にドゥシャン宅へ。パーティーにはあらゆる人種の人々が溢れ、年齢も様々。ドゥシャンから彼と同じ考えを持ち、船で暮らすコンラッドを紹介される。その後、若い女性とドラッグに酒で酩酊状態となり気分が良くなってくる。彼は全てを忘れてパーティーを楽しんだ。

翌朝、ドゥシャン宅で目覚めたポールは、彼から儲ける方法を教えてもらう。人間用の素材からミニ人間用の嗜好品などを製造して販売するのだ。その後、彼は掃除スタッフの中に足の不自由な女性を発見。彼女が洗面所から勝手に薬を持ち出していたため、注意すると女性は家主から了解は得ていると言う。ポールは彼女の歩き方を見て義足の調整をするべきだと申告。すると、女性は彼を医者だと言って連れ出そうとする。更に彼女がベトナムから密航して来たあのノク・ラン・トランだと知り驚くのだった。

映画『ダウンサイズ』のあらすじ【転】

半ば強引にレジャーランドの果てへ。町の外にはコンテナが3つ置かれ、移民労働者たちが暮らしているのだった。住居施設にはエレベーターがなく、7階の部屋まで階段を上る。ノク・ランの部屋には、末期の胃がんを患った女性がいた。彼女はポールに医者のふりをしろと言い、痛み止めを選んで飲ませる。ポールは床ずれができないようアドバイスした。その後、義足の調整をするため、次に会う約束してその日は帰った。

翌週、約束の日にノク・ランの自宅を訪ねると、胃がんの女性が亡くなっていた。彼女の義足の調整をしながら身の上話を聞いたが、調整に失敗し破壊してしまう。そのせいで、新しい義足ができるまで、彼女の仕事を手伝う羽目に。ノク・ランは掃除先の住民からいらない物をもらって、移民者たちへ配布していたのだった。

2週間後、ドゥシャン宅へ掃除スタッフとして訪問したポール。家主から盛大に笑われたが、ポールは横暴なノク・ランから逃れるため、彼に助けを乞うた。すると、ドゥシャンはコンラッドとノルウェーへ行くのに人手がいるので、ポールを連れて行きたいと言う。それを聞いたノク・ランは自分も行くと言い出す。なぜなら、彼女は入院中にヨルゲン博士から励ましと招待の手紙をもらっていたからである。一同は涙ながらに語るノク・ランを連れて行かないとは、もう言えなかった。

ノルウェーへ向けて物資をけん引しながら、川を進む。数日後の朝、ヨルゲン博士とその妻が船に同乗。ポールは彼らとの出会いを光栄に思いつつ話を聞いた。すると、南極で大量のメタンガスが放出されたため、この世の全てが滅亡すると言う。博士曰く、それは統計的に見ても確実な話らしい。その夜、ポールはノク・ランとの距離を縮め、彼女と体を重ねてしまう。

映画『ダウンサイズ』の結末・ラスト(ネタバレ)

翌朝、とうとう始まりの村へ到着。村人は当初の36名から倍以上に増大していたが、誰もが温厚でポールたちを大歓迎した。彼らは地下ドームを作って世界の滅亡に備えている。中では家畜や植物を縮小化して種の保存を行っており、そこはまるで小さなノアの箱舟だった。
潜伏できる期間はおよそ8千年。とにかく表層環境が安定するまで可能らしい。壮大な計画である。

ヨルゲン博士はあくまでも緊急対応措置として、地下ドームの制作を行ったらしいが、思ったよりも滅亡の時が早くやってくると分かり、その日の夕食が村での最後の晩餐となる。住民は妄信的に滅亡説を信じており、ヨルゲン博士に心酔していた。
外ではキャンプファイヤーが焚かれ、楽しく過ごしている。そんな中、ノク・ランがポールを探しに来てドゥシャンが朝になったら帰ると言っていると伝える。ところが、ポールはヨルゲン博士の思想と地下ドームの設備に感動を覚え、自分も仲間に加わりたいと言い出す。

彼はこれまで、秀でた何かを持っていたわけではなく、何かを成し遂げることもできなかった。だが、様々な出会いと偶然が重なり地下ドームへ潜る直前の今、始まりの村へと辿り着いたのである。全ての偶然が運命のように感じられ、ドームへ潜ることが必然だと思われた。

ドゥシャンの説得の甲斐もなく結局、ポールを止めることができなかったノク・ラン。日暮れ後、村人達は荷物をまとめ、地下ドームへ。ポールもまたドゥシャンとコンラッド、ノク・ランと今生の別れをして地下ドームへ向かった。だがその途中、長い道のりを歩くことを知りふと正気に戻る。ポールは道半ばで逡巡し、道を引き返した。そして、ノク・ランの元へ駆け付け、彼女に愛していると告白するのである。そうして、ドームへの道は岩で閉ざされた。

静寂と化した村を眺めた後、船旅と航空機にてレジャーランドへ。その後、ポールはまたノク・ランと共に移民者への支援をする毎日を送るのであった。

映画『ダウンサイズ』の感想・評価・レビュー

人間の縮小化をして、エコな暮らしを送ろうという話。主人公は非常に温厚で優しいが、人の意見に流されやすい。彼は縮小化から逃げた妻と離婚後、ベトナム人の女性と出会うが、彼女がまた早口で強気な性格。主人公は彼女に押される形で、移民者の支援を行うようになる。

後半は打って変わって、世界の滅亡が近づいているという話になる。ノルウェーの始まりの村の住人は、どこか夢現な妄想にとりつかれヨルゲン博士の滅亡説を信じきっていて、違和感を覚える。主人公が思い直してくれたので、少しほっとした。(MIHOシネマ編集部)


人間が小さくなってしまうなんて、驚きがあっておもしろい作品だった。自分も試してみたいが、二度と元の大きさに戻れないのは嫌だなと思う。自分一人だけが先に小さくなり、妻に逃げられてしまったのは衝撃的だった。自分がポールの立場なら、立ち直れないと思う。
最後は世界の滅亡の話が急に出て来て驚いた。ヨルゲン博士と村人達の関係性が少し異常で、恐ろしく感じた。全体的に良かっただけに、終わり方は非常に残念だった。(女性 30代)


良い悪いではなく予告編やポスターなどから受ける印象と異なるお話。始まってしばらくは事前の印象通りちょっとコミカルなSFだ。ミニチュアの世界というのはそれ自体が実際の社会のパロディ的な要素を持ち、自分だったらそこでどんな生活するだろうかという妄想をかき立て楽しい。しかし話は次第に実社会にもありそうな問題に切り込みはじめ、やがて社会派ドラマの様相を呈していく。それでも過剰に深刻にならずカジュアルな見方もできるのは、知的でありながらコミカルなマット・デイモンのおかげだろう。(男性 40代)


この作品を見ると、人間自体を小さくすることは地球にとっても、私たち人間にとってもメリットしかないのではと感じてしまいました。
マット・デイモンが主演ということもあり、完全に安心しきって鑑賞し始めましたが結構シュールな作品で『世にも奇妙な物語』が大好きな私にはたまらない展開でした。
現実的ではありませんが、将来こんなことができる世界が来るのかなとほんの少しだけ夢を見させてもらえる作品です。決して明るくハッピーな作品ではないので気をつけて下さいね。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    映画の設定と内容はとても面白かったが、ノクランには何も惹かれなかった。むしろポールに感謝できない失礼な人という印象。