映画『イヴの総て』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「イヴの総て」のネタバレあらすじ結末と感想

イヴの総ての概要:1950年に公開されたアメリカの映画。野心がないフリをして有名女優に取り入り、その地位を自分のものにして奪ってゆく新人女優の策謀を描いた作品。まだ無名だったマリリン・モンローも出演している。

イヴの総ての作品情報

イヴの総て

製作年:1950年
上映時間:138分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:ジョセフ・L・マンキウィッツ
キャスト:ベティ・デイヴィス、アン・バクスター、ジョージ・サンダース、ゲイリー・メリル etc

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イヴの総ての登場人物(キャスト)

イヴ・ハリントン(アン・バクスター)
舞台女優に憧れて連日劇場に通う女性。謙遜的な態度で多くの人から愛され、舞台関係者に取り入ることでついには有名女優マーゴ・チャニングになり代わろうとする。栄誉ある賞、サラ・シドンズ賞を最年少で受賞する。
マーゴ・チャニング(ベティ・デイビス)
アメリカで有名な舞台女優。キャリアのほとんどで主役を演じてきた大物。40歳。イヴの悲しい過去と控えめな態度に同情し付き人として側に置く。イヴに対して次第に不信感を募らせていき、自分の老いと比較してナーバスになってゆく。
ビル・サンプソン(ゲイリー・メリル)
マーゴの8歳年下の恋人。32歳。舞台監督。マーゴのことを心から愛しているが、疑心暗鬼になったマーゴと一時は喧嘩別れをしてしまう。イヴの企みに気付いてからは再びヨリを戻し、マーゴと市役所で結婚式を挙げた。
カレン・リチャーズ(セレステ・ホルム)
マーゴの長年の友人。脚本家のロイドを夫に持つ。夫の仕事終わりを狙って公演のある日は毎日劇場を訪れており、そこで無名のイヴと出会う。イヴからは「初めての劇場友だち」と評されているが、その実コネクションとして良いように使われてしまっていた。
ロイド・リチャーズ(ヒュー・マーロウ)
カレンの夫。脚本家。マーゴを主演として多くの舞台を手掛けている。イヴの才能は認めており、マーゴではなくイヴを新作の主演にしようか考えている。そのことがきっかけで妻とは諍いが起きてしまう。
アディソン・ドゥイット(ジョージ・サンダース)
舞台の評論家。コメンテーター。彼の発言は非常に影響力があり、お眼鏡に適い評価が高ければその舞台は成功である。その逆は誰もが恐れている。イヴに取り入られるが、疑い深い彼は水面下でイヴの身辺調査を進める。
マックス・ファビアン(グレゴリー・ラトフ)
舞台の制作に携わっており、時にはスカウトマンにもなる男。イヴに嫌気がさしたマーゴからイヴの世話を頼まれるが、家のメイドとしてではなく女優の卵として舞台のオーディションを受けさせた。

イヴの総てのネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『イヴの総て』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

イヴの総てのあらすじ【起】

アメリカで活動する舞台俳優に贈られる賞の中で最も栄誉ある賞、サラ・シドンズ賞の授賞式会場には多くの舞台関係者が集まっていた。今年の6月、授賞式でサラ・シドンズ賞を受賞することになったのは、サラ・シドンズ協会のホールに招かれた俳優や関係者の中で一番若い女優イヴ・ハリントン。彼女は彗星のように颯爽と演劇界へと姿を現し、拍手喝采の中この賞をさらった。ところが彼女はこの賞を受賞するまでの過程で数々の人間を踏み台にし、多くの策謀を巡らせていたのだった。

時は昨年の10月に遡る。舞台『老女の森』の脚本を書いたロイド・リチャーズの妻カレン・リチャーズは、今日も夫の仕事終わりを見計らって『老女の森』を公演している劇場へとやって来た。カレンは夫の仕事の都合で毎日劇場に足を運んでいるが、客として毎日見かける女の顔があった。それがイヴである。その日イヴは意を決してカレンに話しかけ意気投合。この時から既にイヴの策略は始まっていたのだ。

カレンはイヴの話を聞くと、彼女が主演女優マーゴ・チャニングの熱心なファンだと知る。カレンは彼女がマーゴの演技を見るために毎日劇場に通っているという話に胸を打たれ、友人であるマーゴに会わせてあげようと舞台裏の楽屋へ案内した。

楽屋にはカレンの夫でこの舞台の脚本家であるロイドと、主演女優マーゴの8歳年下の恋人であり舞台監督のビル・サンプソン、そしてイヴが憧れる主演女優マーゴその人の姿があった。カレンはイヴをここに集う関係者に紹介し、イヴも皆に自身の身の上を語った。舞台への憧れはあったが貧乏で叶わなかったこと、無線技師をしていた夫と戦争で死別したこと、サンフランシスコのシューベルト劇場で初めてマーゴの演技を見てここまでマーゴを追いかけて来たこと。そんなイヴの話を聞きマーゴは酷く同情し、彼女を自分の家で働かせることを決める。イヴは翌日からマーゴの家に住み込み、彼女の身の回りの世話をするようになった。

イヴの総てのあらすじ【承】

元からマーゴの付き人をしていたバーディはイヴの行動が気に食わないようだった。イヴはマーゴの所作を芝居か参考書のように真似て生活しており、さらにはハリウッドに映画を撮りに行っているマーゴの恋人ビルへ、マーゴの断りもなく誕生日を祝う電報を送ったりしていたからだ。マーゴはイヴの働きや姿勢を買っていたが、自分に黙って物事を進めるイヴの行動をバーディから知ったことで次第に不信感を抱くようになる。

そんな中マーゴは友人らを招き、ハリウッド帰りのビルを待ち彼の誕生パーティを開く。ところが主役のビルが到着予定時間になってもマーゴの元へ姿を現さない。マーゴはバーディにビルが遅れているのかと尋ねると、もう20分も前に家に帰って来ていると言う。実はビルは帰宅するや否やイヴと立ち話をしていて、そのせいでマーゴの元へは来なかったのだ。マーゴは感情的になりビルを責める。どうしていつもあの娘を褒めるのかとビルに問い詰めるが、才能の溢れる若い娘を邪険にするなとたしなめられてしまった。

一方で、ビルの誕生パーティに招かれていたマックス・ファビアンは集まった関係者たちに女優志望のカズウェル嬢を売り込もうとしていたが、逆にビルからイヴを紹介される。泥酔していたマーゴはその話を耳にしてヤケになり、マックスの事務所へイヴの世話を押し付けた。イヴはマックスの元へ行くことを呑むが、その裏でカレンに取り入り、マーゴに知られない内に次の舞台でマーゴの代役を自分が演じるよう約束を取り付けていた。

カレンに口利きして貰ったことでイヴはマーゴの代役につくことができた。まだオーディションの段階であったがその演技は非常に評価が高く、舞台関係者はマーゴの時代が終わったと確信する。マーゴは知らない間に自分の役どころが乗っ取られていたため再び感情的になり激怒。恋人のビルとも不仲になり、カレンとその夫ロイドはマーゴを傷心旅行へと連れ出した。ところがその帰り道に車がエンストしてしまい、ついにマーゴは舞台本番に間に合わずイヴが舞台に立つことになった。

代役ではあったがイヴは舞台で初主演を務め上げ、評価はさらに高まった。イヴはそれでも飽き足らずマーゴと不仲になったビルへ誘いをかけたが、これは失敗に終わる。次のターゲットは評論家のアディソン・ドゥイットだ。イヴは彼に取り入ろうとする。ところがアディソンはイヴがビルを誘う現場を見てしまったため、懐疑的な心持ちでイヴを取材する。アディソンはイヴに、謙遜はやめて実力で自分の魅力を売り込みなさいと忠告したが彼女はどこ吹く風だ。翌日新聞に載ったアディソンのコラムには、イヴがマーゴをこき下ろすコメントが掲載された。イヴはアディソンの言葉と新聞というツールを使ってマーゴを演劇業界から消そうとしていたのだ。

イヴの総てのあらすじ【転】

その記事を読んだマーゴ、ビル、カレン、ロイドは非常に不愉快になった。マーゴは彼らの古くからの友だちであり、皆互いを尊敬し合っていたからだ。彼らはイヴと決別することを決めたが脚本家のロイドだけは、次の新作でイヴを起用するかどうか思案していた。その最中、マーゴとビルはこの事件がきっかけでお互いの愛を再確認し、結婚を決めた。

イヴはこの騒動を弁明するため再びカレンに取り入ろうとする。イヴは白々しくも、あの記事はアディソンの都合が良いように書き換えられており、自分は街中から批判を浴びてつらいのだと言い出した。カレンはさすがに不憫に思い、何か自分にできることはないかと声をかける。イヴから提示された条件は、ロイドに次の新作の主役にはマーゴではなく自分を起用するように伝えてくれと言うものだった。カレンはそこでそれだけは絶対に嫌だと断ったが、断るならばアディソンを使って最悪な記事を新聞に載せると脅されてしまった。カレンはロイドやマーゴに何と伝えようかと焦燥していたが、その気持ちとは裏腹にマーゴ自身から次の舞台で主役はやらず、主婦として生きると宣言されたのだった。イヴは晴れて新作の主役に抜擢された。

新作の舞台の初公演の日、アディソンとイヴは現場に入っていた。イヴはアディソンに「今夜は忘れられない夜になるわ、全てが手に入る」とうそぶく。かねてよりイヴを疑いの目で見ていたアディソンはどういう意味かと訊ねる。イヴは、公演での名声だけでなくカレンの夫ロイドも手に入るのだと言い出した。イヴ曰く、ロイドはカレンへの愛が冷めてしまい今は自分に夢中で、先日プロポーズされたのだと言う。そこでアディソンはようやく感情を露わにし、自分は騙されないぞと威嚇した。アディソンもマーゴをはじめカレンやロイドとは旧知の仲である。アディソンはイヴの本性について暴露を始めた。

アディソンの調べによるとイヴ・ハリントンというのは偽名だった。イヴの本名はガートルード・スレシンスキーで、マーゴたちと初めて出会った日に語った身の上話には多くの嘘があった。確かに貧しい家の出ではあったが、職場から現金を盗んだ罪に問われ、結局は手切れ金で街を出た。結婚の後夫と戦争で死別した記録もなく、エディという無線技師は存在しない。さらにはサンフランシスコにシューベルト劇場という劇場は存在していなかった。全ての嘘を見抜かれたイヴは絶望の淵に落とされた。

イヴの総ての結末・ラスト(ネタバレ)

アディソンにより素性を全て知られたイヴは、それでも舞台に立つ。代役もいなければキャンセルもきかないからだ。イヴの精神状態に反して、その夜の初公演は成功に終わった。かねてより演技の評判が高かったイヴはこの舞台をきっかけにサラ・シドンズ賞を受賞することになる。

場面はサラ・シドンズ協会のホールに戻る。若くして栄誉ある賞を受賞したイヴは受賞挨拶の中で、お世話になったマックスやビル、ロイド、カレン、そしてマーゴに謝辞を述べた。しかし、名前を挙げられ紹介された彼らの表情は固かった。困った表情をしたり、目を伏せたり。イヴのこれまでの所業を考えればこの人望の無さは当然であろう。それでも彼らは授賞式が終わってからイヴにおめでとうと声をかける。その度にイヴは嫌な表情をする。とても不毛で暗いやり取りだ。

イヴは授賞式のあとのパーティに参加することを拒み部屋に戻った。うんざりと疲れきって酒を煽る彼女の後ろに、全く見知らぬ女がいた。イヴは悲鳴を上げる。その女は高校の演劇サークル所属で、イヴのファンクラブに入っているのだと言う。レポートを書くためにイヴの部屋に忍び込んだ女は自らをフィービーと名乗った。自分で芸名を付けたのだそうだ。疲れ果てていたイヴはフィービーにメイドの代わりをさせるが、イヴの見ていない所で彼女はサラ・シドンズ賞のトロフィーを持ち、イヴのケープを羽織り、鏡に向かって微笑んだのだった。

イヴの総ての感想・評価・レビュー

美しい外面に孕んだドロドロとした野望が恐怖を煽ってくる、非常に生々しい作品だった。熾烈なエンタメ世界の舞台裏を覗かせてくれる物語でもあり、本音でぶつかり合えなくなった大人たちが、直感的なセンスが勝負の業界において協調性に雁字搦めにされるという世知辛さを思い知らされる物語でもあった。

エンターテインメントの世界は決して煌びやかなだけではないという、リアリティを追及したような見せ方が先進的だ。無名のマリリン・モンローを見られるという点でも貴重な作品だと感じる。(MIHOシネマ編集部)

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