映画『ファンタジア 2000』の概要:クラシック音楽とアニメーションが融合した映画『ファンタジア』(1940年製作)の続編。『交響曲第5番 運命』や『ラプソディ・イン・ブルー』など8曲が収録されている。
映画『ファンタジア 2000』の作品情報
上映時間:75分
ジャンル:音楽、アニメ、ファンタジー
キャスト:スティーヴ・マーティン、イツァーク・パールマン、クインシー・ジョーンズ、アンジェラ・ランズベリー etc
映画『ファンタジア 2000』の登場人物(キャスト)
- 若者
- 『ラプソディ・イン・ブルー』に登場。高層ビルの工事現場で働く若者。サボりながらも飄々と仕事をこなしているが、本当はドラマーになるという夢がある。
- 中年男性
- 『ラプソディ・イン・ブルー』に登場。不況の波を受け失業中の男性。コーヒー代も払えない程金に困っている。望みは仕事に就くこと。
- 少女
- 『ラプソディ・イン・ブルー』に登場。裕福な家の幼い娘。両親は共働きで彼女にあまり構ってくれない。毎日家庭教師に連れられ数多くの習い事に通うが、本当は両親と一緒に過ごしたい。
- 初老男性
- 『ラプソディ・イン・ブルー』に登場。おどけることが好きだが、買い物好きな妻の尻に敷かれて荷物持ちと高額支払いの毎日。もっと自由になりたいと願っている。
- ミッキーマウス(ウェイン・オルウィン)
- ウォルト・ディズニーの代表的キャラクター。『魔法使いの弟子』に弟子役として登場。まだ魔法使いとしては見習いで、水汲みをさせられている。師匠が寝た隙に魔法の帽子で箒に魔法をかけるが、未熟なため大騒動に発展してしまう。
- イェン・シッド
- 『魔法使いの弟子』に登場。ミッキーマウスの魔法使いの師匠で、偉大な魔法使い。
- ドナルドダック(トニー・アンセルモ)
- ウォルト・ディズニーの代表的キャラクター。『威風堂々』に登場。「ノアの方舟」に動物たちを乗せる役割を預言者ノアから仰せつかる。お調子者でドジが多い。
- デイジーダック
- ドナルドダックの恋人。『威風堂々』にドナルドダックの恋人として登場。ドナルドダックから貰ったハートのネックレスをいつも大事に着けている。
映画『ファンタジア 2000』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ファンタジア 2000』のあらすじ【起】
『交響曲第5番 運命』(ベートーヴェン)
音の構成が映像で表現される。光が差し込み、2つの三角形で形作られた色とりどりの蝶が現れる。蝶達は水辺で舞い遊ぶが、突然地割れが起こる。割れた地面からは、赤と黒の蝶が大量に噴き出してきた。赤と黒の蝶達は空を覆い尽くし、色とりどりの蝶達は追いやられてしまう。しかしその時、空から光が差し込んできた。光は赤と黒の蝶を打ち倒し、色とりどりの蝶達は光に沿って空へ舞い上がっていく。
『交響詩 ローマの松』(レスピーギ)
オーロラが光り輝く北極の海。クジラの家族が泳いでいる。小さな子クジラははしゃいでいる。クジラの群れは海上を跳ね、北極星がひときわ明るく輝いた。すると、クジラ達は宙に舞い上がり空を飛び始めた。子クジラは海鳥と追いかけっこをするうちに、頭上の氷が崩れ、氷の下の洞窟に閉じ込められてしまう。子クジラが1人で泳いでいくと、氷の壁が現れた。壁の向こうには親クジラが見えるが、壁を抜けることはできない。水面の一部分に光が差し込んでいる。子クジラが光の中に入ると、子クジラの身体は光の柱を昇り始めた。子クジラは洞窟から脱出し、両親と再会する。クジラの群れはさらに空高く飛び上がり、雲の海を泳ぐ。ついにクジラ達は星々の近くで泳ぎまわるのだった。
映画『ファンタジア 2000』のあらすじ【承】
『ラプソディ・イン・ブルー』(ガーシュイン)
高層ビルの立ち並ぶニューヨークに暮らす人々の物語。古びたアパートに暮らすドラマー志望の若者は、寝坊し、工具箱を持って仕事場へ急ぐ。彼は高層ビルの工事現場で作業員として働いているのだ。あるカフェでは1人の中年男性がコーヒーを飲んでいた。彼は失業中。ポケットの中には小銭1枚すら入っておらず、他の客の落とした金でコーヒー代を払うしかなかった。高級マンションには幼い少女とその両親や、初老の男性とその妻が住んでいる。幼い少女は忙しい両親と遊ぶこともできず、毎日家庭教師に連れられ習い事三昧だ。初老の男性は妻の尻に敷かれており、今日も妻の買い物の荷物持ち。だが本当はおどけることが好きでもっと自由になりたいと思っていた。
少女、中年男性、若者、初老男性はそれぞれニューヨークの街を見下ろしながらため息をつく。彼らは自分の望みを夢想する。少女は両親と一緒に過ごすこと、中年男性は就職、若者はドラマーになること、初老男性は自由に飛び回ることだ。現実に戻った若者は、工具とヘルメットを投げ出し、工事現場を駆け出ていく。その工具は偶然通りかかった中年男性の手に。忽ち中年男性は工事現場での職を得た。少女は窓からボールを落としてしまい、ボールを追いかけて道路に飛び出す。それぞれの仕事場からその様子を見た両親は、慌てて少女を助けに駆け付けた。初老男性の妻は工事現場のクレーンに吊り上げられ、初老男性はジャズバーのポスターを見つける。そのジャズバーでは若者がドラムを叩き、初老男性も楽しく踊るのだった。
映画『ファンタジア 2000』のあらすじ【転】
『ピアノ協奏曲第2番』(ショスタコーヴィッチ)
アンデルセンの童話『錫の兵隊』。真夜中に人形たちが動き出す。片脚の取れた錫の兵隊は、片足で立っているバレリーナに一目惚れする。バレリーナと兵隊は忽ち恋に落ちるが、バレリーナに好意を寄せていたビックリ箱のピエロが兵隊を襲い、兵隊は窓から落ちてしまう。兵隊はおもちゃの船で下水から海に流れ、魚に食べられてしまった。しかし魚は網にかかり、兵隊の元の家まで運ばれた。家ではピエロがバレリーナを無理に捕まえようとしていた。戻ってきた兵隊はピエロと戦い、ピエロはストーブの火に落ちていった。
『動物の謝肉祭より 終曲』(サン=サーンス)
「フラミンゴにヨーヨーを与えたらどうなるか」をテーマにしたアニメーション。ヨーヨーを見つけた1羽のフラミンゴが、群れの中で悪戯を始める。群れの仲間はヨーヨーを取り上げ木に放り投げたが、フラミンゴは更にたくさんのヨーヨーで遊び始めるのだった。
『魔法使いの弟子』(デュカス)
魔法使いイェン・シッドの弟子・ミッキーマウスは、毎日水汲みをしていた。イェン・シッドが寝室に上がった隙に、ミッキーは師匠の魔法の帽子を勝手に使ってしまう。ミッキーは箒に命を吹き込み、代わりに水汲みをさせようと考えた。魔法が成功し、ミッキーは大喜び。そのうち居眠りをしてしまう。海に魔法で波を起こす夢を見ていたミッキーだったが、目覚めると周りが浸水している。箒が水を汲み続けたからだ。ミッキーは箒を止めようとするがうまくいかず、斧で箒を叩き割る。ほっとしたのもつかの間、箒の破片一つ一つが箒に成長し、さらにスピードを上げて水汲みを始めた。手が付けられなくなったとき、イェン・シッドが起きてきた。彼は一瞬で水を消し、箒を元の姿に戻す。ミッキーはコソコソと水汲みの仕事に戻るのだった。
映画『ファンタジア 2000』の結末・ラスト(ネタバレ)
『威風堂々』(エルガー)
旧約聖書の『ノアの方舟』の世界。預言者ノアから動物のつがいを方舟に導く役目を仰せつかったドナルドダック。彼は恋人のデイジーダックと共に方舟に乗る予定になっている。空が荒れ始め、ドナルドは急いで動物達を方舟に乗せる。デイジーも既に方舟に乗り込んでいたが、ドナルドは気付かずデイジーを迎えに船の外へ。目の前で洪水がドナルド達の家を飲み込んだ。ドナルドは危機一髪船に乗り込む。ドナルドもデイジーも、お互い相手が洪水で死んでしまったと思い込み、悲しみにくれる。水が引き、動物達は新天地に降り立つ。1人船を降りたデイジーは、ドナルドから貰ったネックレスが無いことに気付く。一方方舟の掃除をしていたドナルドは、そのネックレスを見つけ、デイジーが方舟に乗っていたことを知る。ネックレスを探しに戻ったデイジーと、再会を喜ぶのだった。
『火の鳥』(ストラヴィンスキー)
冬の森。牡鹿が水の精を呼び起こす。水の精は森中を巡り、森に緑を芽吹かせていく。しかし、ひときわ大きい山にはどうしても緑が生えてこなかった。水の精が山の頂上を見ると、巨大な塊が落ちていた。その塊は火の鳥へと姿を変え、山を噴火させた。溶岩が森に広がり、木々を飲み込んでいく。水の精も火の鳥に飲み込まれてしまった。噴火が収まり、森は荒れ果てた。牡鹿は小さく灰のようになってしまった水の精を見つけ出す。牡鹿が水の精を頭に乗せると、水の精の涙がまた緑を芽吹かせた。水の精は元気を取り戻し、森を覆い尽くした。森は甦り、噴火が起こった山も緑で一杯になった。
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前作 ファンタジア
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