映画『ザ・ウォーク』の概要:ワールド・トレード・センタービルの間を綱渡りで渡った実在の曲芸師を描く、2015年公開の伝記ドラマ。地上411mからの映像がVFXによってリアルに再現されている。監督は『フォレスト・ガンプ / 一期一会』のロバート・ゼメキス。
映画『ザ・ウォーク』の作品情報
上映時間:123分
ジャンル:ヒューマンドラマ、伝記
監督:ロバート・ゼメキス
キャスト:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ベン・キングズレー、シャルロット・ル・ボン、ジェームズ・バッジ・デール etc
映画『ザ・ウォーク』の登場人物(キャスト)
- フィリップ・プティ(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)
- フランスの曲芸師。子供の頃から綱渡りに夢中になり、路上でのパフォーマンスをしながら生活していた。ワールド・トレード・センタービルを綱渡りで渡るという夢に挑戦する。
- パパ・ルディ(ベン・キングズリー)
- サーカスの綱渡り師.卓越した技術力を持ち、フィリップが綱渡りの道を選ぶきっかけとなった人物でもある。フィリップを誇りに思うと同時に心配もしており、秘伝のワイヤーの掛け方を伝授する。
- アニー(シャルロット・ルボン)
- ストリートミュージシャンの女性。街頭での客の奪い合いからフィリップと出会った。恋人となり、フィリップの綱渡り計画をサポートする。
- ジャン=ルイ(クレマン・シボニー)
- カメラマン。フィリップの写真を撮ろうとして出会った。反政府主義者で、フィリップの法を無視した綱渡り計画に共感し、協力するようになる。
- ジャン・フランソワ / ジェフ(セザール・ドンボワ)
- ジャン=ルイの友人で数学教師。フィリップの仲間となる。高所恐怖症で英語は話せない。ニックネームはジェフ。
- ジャン=ピエール / JP(ジェームズ・バッジ・デール)
- ニューヨークの電器屋のオーナー。フィリップ達の話を漏れ聞いてしまい、口止めのため仲間となった。ニックネームはJP。
- バリー・グリーンハウス(スティーヴ・ヴァレンタイン)
- ワールド・トレード・センタービル内のオフィスで働く保険業者。ノートルダム大聖堂でフィリップの綱渡りを見たことがあり、今回の計画に参加する。
映画『ザ・ウォーク』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ザ・ウォーク』のあらすじ【起】
フランス人の曲芸師、フィリップ・プティは、ワールド・トレード・センタービルのツインタワーに綱を張り、前代未聞の綱渡りに挑戦した男だ。彼がこのようなことを思いついた原点は、パリでの曲芸師生活にあった。
1973年、ワールド・トレンド・センタービルでの綱渡りの約1年前。フィリップはパリの路上で大道芸をして、生計を立てていた。得意技は綱渡りだ。アメリカで建設中のワールド・トレード・センタービルの記事を偶然目にした彼は、このビルを綱渡りで渡りたいと夢見るようになる。
フィリップは8歳の時サーカスで綱渡りを目にし、たちまち魅了され独学で綱渡りを学んだ。成長したフィリップはある夜、サーカスのテントに忍び込み綱渡りを練習しようとする。しかしすぐに座長のパパ・ルディに見つかってしまう。フィリップに才能の片鱗を見たパパ・ルディは彼にパフォーマンスを教えはじめるが、意見が合わず決別する。フィリップは父と将来のことで喧嘩し家出、大道芸人となった。
映画『ザ・ウォーク』のあらすじ【承】
ある日フィリップは、路上でギターを弾く女性・アニーの目の前で大道芸を始め、客を奪ってしまう。2人はこれを機に知り合い、恋人となる。2人はワールド・トレード・センターの夢に向かって共に歩み始めた。ある日カメラマンのジャン=ルイがフィリップの練習風景を撮りに来た。アナーキストの彼はフィリップの夢に共感し、2人目の仲間となる。
フィリップは、独学ではワイヤーの張り方に限界があることに気付く。パパ・ルディの元を訪れ、サーカスに身を置きながらワイヤーの張り方を伝授してもらう。池での綱渡りに挑んだが、周りに気を取られて失敗してしまう。フィリップは名誉挽回のため、ノートルダム大聖堂の上を綱渡りで渡ることに成功した。しかしフィリップは違法行為で警察に補導されてしまった。
ワールド・トレード・センタービルが完成、フィリップとアニーは渡米する。世界で最も高い建物にフィリップは圧倒されそうになったが、屋上に忍び込み決意を固めるのだった。
2つのタワーの間は遠く、ワイヤーを渡すのも一筋縄ではいかない。パパ・ルディはフィリップを心配しながらも、彼を誇りに思い助けるのだった。ジャン=ルイが新しい仲間・ジャン・フランソワ(通称ジェフ)を連れてきた。彼は数学に強く、心強い仲間となった。ワイヤーを渡す方法も解決する。
映画『ザ・ウォーク』のあらすじ【転】
準備を終えたフィリップら4人は再び渡米し、忍び込むための下調べを着々と進める。しかしその途中で釘を踏んでしまい、足に怪我をしてしまった。しかし新しい仲間もできた。ワールド・トレード・センタービルで働くバリー・グリーンハウスと、偶然作戦に気付いてしまった電器屋のジャン=ピエール(通称JP)だ。
いよいよ明日は作戦決行だ。神経過敏になったフィリップは、アニーと言い争ってしまう。
一同は建築業者とフェンス設置業者に成りすまし、2つのタワーに分かれて忍び込んだ。フィリップたちはワイヤーを屋上に運び込む。弓矢を使って2つのタワーを釣り糸で繋ぎ、夜の内にワイヤーを張る作戦だった。しかしいくつものトラブルに見舞われ、夜が明けてもワイヤーは緩んだままだった。フィリップ達はやっとのことでワイヤーを張り終えるが、そのとき見知らぬ男が屋上へ上がってきた。緊張が走ったが、男はただ頷いただけでその場を去っていった。
2つのタワーのこちら側にジェフ、向こう側にジャン=ルイが待機し、フィリップの綱渡りが始まった。フィリップはワールド・トレード・センタービルの2つのタワーの間を渡り始める。アニー、バリー、JPはそれをビルの真下から見守っている。周りの人々も次第に集まり始める。
映画『ザ・ウォーク』の結末・ラスト(ネタバレ)
フィリップは無事北棟に辿り着いた。綱渡りは成功だ。しかしフィリップには、後にした南棟が自分を呼んでいるように感じられた。なんとフィリップは、もう一度綱渡りで南棟に戻り始めた。この前代未聞の綱渡りに、ビルの下には観客達が大勢集まっていた。フィリップも今までにない高揚感に包まれていた。
南棟の屋上に、騒ぎを聞きつけた警察がやってきた。フィリップは逮捕されないようにと、また北棟に向かって綱渡りを始める。しかし北棟にも警官が到着し、フィリップはワイヤーの上を行ったり来たりしはじめる。そしてついにワイヤーの上に寝転んでしまった。
フィリップの目の前に鳥が現れ、空模様も怪しくなっていた。警官たちはワイヤーを切ろうとしており、足の傷口からは血が滲み始めていた。フィリップは南棟に戻り、高らかにショーの終わりを告げる。フィリップ達はその場で逮捕されたが、観客達もビルの作業員達も、彼に惜しみない拍手を送った。
綱渡りのニュースは世界中を駆け巡り、フィリップは罰としてセントラルパークでの綱渡りを課せられるだけで済んだ。パパ・ルディもフランスでこのニュースを喜んでいた。一同は成功を祝い、アニーはフィリップと別れてフランスへ帰った。ワールド・トレード・センタービルはこの一件をきっかけにニューヨーク市民に愛される存在となり、ビルのオーナーは、フィリップに展望台の永久パスを贈った。
映画『ザ・ウォーク』の感想・評価・レビュー
1974年、NYの世界貿易センタービルのツインタワーにワイヤーをかけ綱渡りを行った人物、フィリップ・プティの半生を映画化した作品。
綱渡りに魅了された青年が自身の存在、意義を賭けツインタワーでの綱渡りに挑む姿は野心的で狂気的であるが、その懸命さや幾多の困難にも折れない意志に胸を打たれる。
2001年の同時多発テロによりツインタワーが失われてしまっているため、今後、二度と実現できないと考えると一層、感銘を受ける一作。(男性 20代)
9.11で無くなってしまったWTCが舞台の映画でしたが、今でもその場所にWTCが普通に存在しているような錯覚を起こさせる映像でした。しかも建築中の様子は、臨場感に溢れタイムスリップした気分になりました。
フィリップがWTC間の綱渡りを成功させることができたのは、常にプラスのイメージを持つように行動していたことと、協力してくれる人をはじめ自分に関わる全ての人に対して感謝の気持ちを忘れないことの二つがあったからだと感じさせる展開でした。そしてその姿勢は夢を追いかける人を勇気付けるものでした。(男性 40代)
高所恐怖症の方にはオススメしません。だって映像がリアルすぎて本当に怖いから。観ていて足がすくんでしまうほどリアルで迫力満点なこの作品。夢を追い続けるあまり、普通の人には思いつかないような挑戦をする主人公フィリップを演じるのはジョセフ・ゴードン=レヴィット。このフィリップ、かなり癖が強いキャラクター。やりたいことを見つけると周りが全く見えなくなってしまう。そんな彼に振り回されながらも、彼を支える彼女や仲間が本当に素敵です。
大きな夢や目標でなくても、希望を捨てずに夢に向かって努力する人は本当に強いと感じる作品でした。(女性 30代)
静かにワイヤーの上を歩き始めたフィリップの姿と、遥か彼方下に見える地上がとても強く印象に残っている。映像で見ているだけでも怖いのに、フィリップ・プティが実在し、実際に1974年に空中綱渡りを行っていることが驚きである。無謀な挑戦だと諦めず、実行に移して見事に成功させたところがカッコ良い。フィリップへの罰がセントラルパークでの綱渡りを行うこと、というのがなんともアメリカらしくて素敵だなと思った。(女性 30代)
本作は、ワールド・トレード・センターの間を綱渡りで渡ったフランス人の大道芸人を描いた伝記ドラマ作品。
綱渡りの時の緊張感が物凄く伝わってきて、高所恐怖症のため手に汗握る程ドキドキした。
ワイヤーの上を歩くだけでも偉業だが、ただそれだけではないところも見どころ。
そして、実行に至るまでの準備や計画といったプロセスの部分にも困難に立ち向かう様子が描かれていて面白かった。
普通の人間には到底成せる技ではないし、「やりたい」を実現できる力も含めて素晴らしい技だと感じた。(女性 20代)
“たかが綱渡りでしょう”という気持ちで観て、その想像をはるかに上回る芸当に完全に引き込まれました。立って観ているとふらついてくるほどに、緊張感が伝わってきます。一歩目を踏み出した瞬間からどことなく荘厳な雰囲気に包まれる。極限状態にまで落とし込んだ芸人、穏やかな表情と心理状態、映像越しに観る自分は特等席でそれを観ているようでした。凄いの一言に尽きます。前半の計画・準備もテンポが良くて、コメディ調で良かったです。(男性 20代)
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