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映画『FRANK フランク』あらすじとネタバレ感想

映画『FRANK フランク』の概要:なんの才能もない音楽好きの僕の前に現れた被り物の青年。最高の音楽を作って僕を夢を叶えてくれるはずだった君のほろ苦く哀しい物語。

映画『FRANK フランク』 作品情報

FRANK フランク

  • 製作年:2014年
  • 上映時間:95分
  • ジャンル:ファンタジー、ヒューマンドラマ、音楽
  • 監督:レニー・アブラハムソン
  • キャスト:ドーナル・グリーソン、マイケル・ファスベンダー、マギー・ギレンホール、スクート・マクネイリー etc

映画『FRANK フランク』 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

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映画『FRANK フランク』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『FRANK フランク』のあらすじを紹介します。

サラリーマン・ジョン(ドーナル・グリーソン)は、作曲が好きだが、お世辞にも才能があるとは言えない。
その証拠にキーボードに向かって曲作りに挑んでも、パっとしたインスピレーションが浮かばない日々を送っていた。

ある日、ジョンの町に一風変わったバンド『ソロンフォルブス』がやってくる。
彼らが地元ラジオに出演すると聞きつけ、ラジオ局の近くまで行くジョン。
が、彼らはラジオ番組に出演中、仲間内で大喧嘩を起してしまい、キーボード担当のルーカス(ジェーン・オブライアン)がブチきれて局の近くの川で入水騒動を起してしまった。

インタビューの後にライブを行なうはずだったのにと落ち込むバンドのマネージャー・ドン(スクート・マクネイリー)の姿を見るに見かねたジョンは、自分はキーボードが弾けるとアピール。
ジョンは、今までの音楽スタイルと全く違う、ノイズパンク系の『ソロンフォルブス』のキーボードとして即興でライブに出る事になった。

そこで彼は、万年ユルキャラマスクをしている、リーダーで、ヴォーカルのフランク(マイケル・ファスベンダー)に出逢い、彼の不思議な存在に魅了されていく。

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映画『FRANK フランク』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『FRANK フランク』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

ジョンだけが暴走しメンバーが離れ離れに

ライブ終了後も、気を良くしたドンは、ジョンがリーマンであるにも関わらずあちこちのライブに参加する様に誘う。
しかしそれは俗に言われる『ライブ』というよりも、レコーディング合宿で、合宿に使うコテージの賃貸料も滞納しているというだらしなさだった。

しかもジョンは、ドンに気に入られているだけで、ドラムのナナ(カーラ・アザール)、ギターのバラク(フランソワ・シヴィル)、
局でルーカスとケンカしたクララ(マギー・ギレンホール)らには無視される始末。

ジョンは、こっそりとソロンフォルブスの曲をYoutubeの動画にアップする。
するとその再生回数は驚くべき数字になっている事に気づいたジョンは、このままソロンフォルブスの面々を片田舎に埋もれさせておくのは惜しいと思う様になる。

フランクの被り物が取れる時

ジョンは、テキサス州で開かれる音楽コンペ『サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)』にソロンフォルブスを出演させようとするが、メンバーには知らん顔をされてしまう。
バンドのメンバーがジョンの言い分に次々離反していき、フランクだけが残り、最後は2人でコンペの会場に向かう事になる。

フランクとジョンは、音楽祭に出るが、フランクはその場の勢いでハイになってしまい、会場で倒れてしまった挙句逃げ出してしまう。
被り物をしたフランクは目立つので、ツイッターを駆使してフランクの居所を掴み探したジョンは、ついに彼を見つけるが、フランクは車にはねられ、長年被ってきた被り物が取れてしまう。

被り物が取れたフランクは、泣きながら『I love you all』を歌う。

それに気づけないでいるジョンの暴走は、後からとんでもない結果を招く。

フランクの被り物が取れた時

過去のトラウマから、素顔を見せられずに居たフランク。それをあえてバンドの面々は取ろうともしなかった。

自己表現の方法として歌を選んだフランクを見守ってきたソロンフォルブスの面々。彼らは、フランクはこのままではダメになってしまうと判っていつつも何も出来なかった。
そこに荒療治として現れたのがジョンだった。それは彼らにとって複雑な思いだったという事が判る。


いわゆるパッとしないバンドが才能を見いだされ、世間の評価を受けるという作品ではないのがミソ。フランクはジョン視点から見れば才能あふれるミュージシャンだが、世間から見ればただの変な人。そこにカタルシスはほとんど感じられない。一度世間の枠組みから外れた経験がある人には非常に共感を呼ぶ刺さる作品となっている。

「変でもいいじゃないか、こういうものだと受け入れていこう」という後ろ向きなメッセージが疲れた心を癒してくれる作品に思える。(男性 30代)

映画『FRANK フランク』 まとめ

音楽を題材とした映画は、数多くあるが、この映画が意味するのは、全ての人々が、その道のスペシャリストや超一流のプロを目差そうとしているのではないという事だ。

ジョンに見出されたフランクをはじめとするソロンフォルブスには、思わぬ才能があったかもしれない。
しかしソロンフォルブスの面々にとって音楽は、自分たちの過去に抱えていたトラウマを癒してくれる薬でもあり、音楽を作る源泉は穏やかな田舎町という環境にある。

それを無視して、才能があるからコンテストに出ようと、彼らを連れ出すジョンは、強引だし、この様な形で才能を平気で潰す人間はどの業界にも居る。
それでもなお『全てを愛している』と被り物を剥がれたフランクがラストで歌うシーンに、惹かれる観客がいる限り、この世の中は捨てたものではない。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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