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映画『フリーキッチン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『フリーキッチン』の概要:高校生の主人公は母親との2人暮らし。母親は毎日、手の込んだ肉料理を食卓に並べるが、材料となる肉は人を殺して捌いた肉だった。主人公は好意を寄せる女の子と距離を縮めていく内、次第に母親の所業が許せなくなる。

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映画『フリーキッチン』の作品情報

フリーキッチン

製作年:2013年
上映時間:81分
ジャンル:コメディ、ホラー、青春
監督:中村研太郎
キャスト:森田桐矢、大貫真代、山崎和如、政岡泰志 etc

映画『フリーキッチン』の登場人物(キャスト)

ミツオ(森田桐矢)
幼い頃より、母親のキョウコから人肉料理を食べさせられている。一口で肉の性別や体形が分かってしまう特技を持つ。絵画を描く才能があり、爬虫類やカメの飼育をしている。大人しく暗い性格だが、容姿端麗。母親の所業を知っていても、問い詰めることができずにいる。
カナ(大貫真代)
ミツオの恋人。ペットショップの店員で、快活で可愛らしい女の子。人見知りせず、性格も良く優しい。実はキョウコの所業を何度も見て知っている。
キョウコ(延増静美)
ミツオの母親。夫と愛人を料理して以来、ミツオと共に人肉しか食べなくなる。清楚な雰囲気を持ち、優しそうな笑みを常に浮かべている。歯科医師としてクリニックを経営している。

映画『フリーキッチン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『フリーキッチン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『フリーキッチン』のあらすじ【起】

高校生のミツオは母親のキョウコと2人暮らし。ミツオは大人しく口数が少ない上に暗い性格だが、絵画を描く才能があり趣味は爬虫類やカメの飼育。母キョウコは大変な料理上手で毎晩、手の込んだ肉料理を作っては舌鼓を打っていた。
ここまでは一般の家庭と変わったところはない。だが、問題は料理の材料となる肉のことだ。肉は当然、キョウコが仕入れる。しかし、その肉は生きた人間を殺して捌いたものだった。

ミツオが初めて食べた人肉は、父親とその愛人である。それは、彼がまだ小学生の頃だった。当時、キョウコは料理がへたくそで見た目ほどにおいしくなく、夫はいつもねちねちと妻を責め立てていた。そんな母をミツオはいつも励ましていたがある日、父親が同僚だと言って若い女を連れて来た挙句、キョウコに料理を教えさせたのである。それでも母親は文句の1つも言わず、愛人と思われる女から料理を教わっていた。

数か月後のある夜、風呂から上がったミツオがキッチンへ来ると、キョウコが血塗れの包丁を手に立ち尽くしている。足元には内臓を床に零してこと切れた父親の姿があり、傍では愛人が虫の息で震えていた。以来、食卓には毎日、肉料理が並ぶようになったのである。

幼い頃より人肉料理を食べさせられてきたミツオ。今や一口で、肉の性別や体形が分かるほどにまでなってしまった。肉が人肉であったことを知ったのは、大分経ってからのこと。キョウコはミツオが知らない内に人を捕まえ、処理してしまうのだった。

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映画『フリーキッチン』のあらすじ【承】

ミツオとキョウコが住むマンションには、ミツオの幼馴染も住んでいる。昔はとても仲が良く2人で遊んでいたものだが、高校生となった今はその幼馴染から密かにいじめられていた。そんな日々を送るミツオは最近、帰り道にあるペットショップの店先で、売りに出されているカメを眺めては心を和ませている。更に、店で働いている女の子カナから優しくされて、心をときめかせていた。

キョウコは普段、歯科医師としてクリニックを営んでいる。故に、麻酔などは容易に手に入れられるため、人を捕まえる時によく使っていた。
ミツオとペットショップの女の子の仲が近づいたその日、食卓に並んだ肉は女のような男の肉だった。

キョウコは一言も肉の正体を明かしたことがない。だが、ミツオは幼い頃に偶然、冷蔵庫に投入された肉を見てしまったことがある。故に、冷蔵庫を開けるのにほんの一瞬、戸惑ってしまう。

カナとの仲が少しずつ縮まる中、ミツオはキョウコが作る肉料理を口にすることが、次第にできなくなる。母親は心配してしきりに食べろと言うが、それを咎めることもミツオにはできないのだった。

映画『フリーキッチン』のあらすじ【転】

ある休日、カナと公園へやって来たミツオ。彼女が作った弁当を口にして、なぜだかほっとしてしまう。そして、カナを見つめている内に、彼女はどんな味がするのかとつい想像してしまうのだ。

その日の夜も肉料理。ミツオはとうとうキョウコに別メニューを希望した。母親はたまに魚もいいかもねと笑う。その代わり、今夜のご飯をちゃんと食べるよう言われたミツオは、料理を口にして吐き気に襲われる。その肉は見知った人物のものだったからだ。キョウコは自分のクリニックで働く歯科助手の女の子を料理したのである。ミツオは我慢できずにトイレへ駆け込み、吐き出してしまった。

結局、それ以上は食事を続けることができず、部屋へ籠もってしまったミツオ。そんな息子の様子にキョウコも思い悩み、ミツオの誕生日に豪勢な料理を用意しようと考える。

誕生日当日。日中、ミツオはカナと楽しいデートへ出かけた。彼は彼女に全てを打ち明けたい衝動に駆られるも、秘密を打ち明けるのをどうにか堪えた。
カナとのデートを早々に終えて帰宅したミツオ。彼女の柔らかそうな肉の誘惑に身悶える。

そんな時、自宅へマンションの管理人がやって来て、行方不明になった住人のことについて聞きたいと言われる。マンション周辺では、バラバラにされた遺体が発見されるという事件が発生しており、どんな情報でも欲しいらしい。

映画『フリーキッチン』の結末・ラスト(ネタバレ)

その事件の犯人は間違いなくキョウコである。そして、被害者の肉を食べているミツオも、きっとただでは済まない。それでも彼はこれ以上、黙っていることができず全てを洗いざらいぶちまけてしまう。しかし、管理人はまともに受け合ってはくれず、悪い冗談だと笑って去ってしまうのだった。

肩を落としたミツオは、テーブルに用意されていたりんごジュースを一息に飲み干す。すると、彼は強烈な睡魔に襲われ、意識を失ってしまうのだった。
気が付くとミツオは椅子に拘束され、猿轡を噛まされていた。そこは浴室の出入り口。

浴室はすでに血に塗れ、床にはカナが横たわっていた。更に浴槽には肉片となった幼馴染。キョウコはこれから肉の処理をするので、ミツオにもそれを見届けて欲しいと笑う。だが、ミツオは激しく抵抗。キョウコが言うことは間違っていないが、人を殺して食うことは間違っている。母親は父親に裏切られ、狂ってしまったのだ。

その時、意識を取り戻したカナがキョウコを道具の1つで強打。彼女のお陰で拘束から逃れたミツオはカナに逃げろと促すも、狂気に囚われたキョウコによって引き止められてしまう。母親はしきりに説得してくる。カナとミツオは2人でキョウコの息の根を止め、彼女をから揚げにして仲良く食べてしまう。その味は正しく、母親の味だった。

映画『フリーキッチン』の感想・評価・レビュー

本作は、幼い頃から人肉料理で育ってきたミツオが、恋した女の子の肉の味が気になり始めるという内容のサイコパス映画。
邦画では珍しくカニバリズムを題材としており、ブラックユーモアの効いた邦画独特のじめっとした雰囲気でテンポ良く物語が進んでいく。
やはり、人肉を食すシーンはグロテスクだった。
特に咀嚼音にリアリティーがあり、その食感や味を想像してしまう程だった。
要所要所に小笑いがあり結末も秀逸で、久しぶりに観た邦画の中でも充分に面白かった。(女性 20代)


人気漫画家・福満しげゆきのデビュー作となった短編『娘味』を原作に映画化。幼い頃から母親によって人肉料理を食べて育った少年が、恋心を抱いたことで母との関係が変わっていくという内容。
日本映画にてしては珍しくカニバリズムをテーマに描かれた作品だ。終盤までバイオレンスなシーンはなく、非常に美味しそうな料理が幾つも登場する。ただし、肉は人肉。少年は人肉しか食べられないわけではなく、恋仲になった少女の弁当も食べることができる。故に、別に人肉を食べ続ける必要は、本当はないと思う。ただ、幼い頃から食べ続けてきたので、舌に馴染むというだけの話。恋人の肉の味を想像するが、食べたら彼女がいなくなってしまうという相反する気持ちに揺れ動く様子が青春を思わせる。ラストシーンは凄惨なシーンが続き結局、母親を食べてしまうという最後がまた一味も二味もある。なかなか秀逸な作品。(女性 40代)

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