この記事では、映画『ゴースト・ハウス(2007)』のあらすじをネタバレありで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ゴースト・ハウス(2007)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ゴースト・ハウス』 作品情報
- 製作年:2007年
- 上映時間:90分
- ジャンル:ホラー
- 監督:オキサイド・パン、ダニー・パン
- キャスト:クリステン・スチュワート、ディラン・マクダーモット、ペネロープ・アン・ミラー、ジョン・コーベット etc
映画『ゴースト・ハウス』 評価
- 点数:65点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『ゴースト・ハウス』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ゴースト・ハウス(2007)』のあらすじを紹介します。
ノースダコタの田舎町でひまわり農園を始めるため、古い一軒家に引っ越してきたソロモン家。
多感な年頃の長女ジェスが飲酒運転の末に事故を起こしてしまい、巻き込まれた幼い弟ベンは喋らなくなった。
そんな、壊れかけた家族の絆を取り戻そうと意気込む父ロイと母デニース。
だが、新しい我が家を見たジェスは、言い知れぬ不安感に襲われる。
住み始めてしばらくすると、銀行家のプライスが家を売らないかと持ち掛けてくる。
高い値段を提示されるが、ひまわり農園に執着するロイは独断で申し出を断る。
しかし、家の中で母デニースは消えない壁のシミに恐怖を覚え、ベンは何もない空間を目で追うなど、気味の悪い事ばかりが起こり始めていた。
一方ジェスは町に買い物に行った時、同年代の男の子ボビーと友達になる。
やがて、カラスがヒマワリの種を狙うようになり、農園にいるロイだけでなく、地下室に種を運んでいたジェスも襲われかける。
偶然通りかかったジョン・パウエルに助けられ、仕事を探しているという彼を住み込みで雇うことに。
ある日、ロイが作業中に怪我を負い、ジェスとベンの2人だけで一晩過ごす事になるが、幽霊が牙をむいてくる。
恐怖のあまり警察に通報し、ベンを抱えてジョンに助けを求めたジェスだったが、証拠が無いため彼女の立場は悪化。
更にはロイがプライスの話を断った事を知ったデニースは激怒し、修復されつつあった家族の絆が壊れていく。
しかし、家に何かがあると確信したジェスは、ボビーに手伝ってもらい、幽霊の正体を調べ始める。

映画『ゴースト・ハウス』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ゴースト・ハウス(2007)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ホラー映画を見ない人向けの作品
Jホラーテイストを持ったハリウッド映画で、これまでアメリカのホラー映画にはなかった展開を楽しめる。
ジェスの背丈より高いヒマワリ畑やカラスの群れなど、いかにも不気味で不吉な予感がするアイテムも、うまく使用されている。
廊下の先が永遠に続いているように暗かったり、薄暗い地下室で幽霊の腕が伸びてくるという演出も、新鮮さこそ無いもののジワジワとした怖さがある。
だが、始まってから30分以上も“不気味な雰囲気”だけで進展が無く、幽霊が登場したりポルターガイストが起こるのが遅すぎる。
日本のホラー映画「呪怨」のハリウッドリメイク版「THE JUON/呪怨」の製作も手掛け、スティーヴン・キングが製作したドラマ版「シャイニング」にゲスト出演した経験を持つ製作のサム・ライミの影響なのか、どこかで見たようなシーンの多さが目に付く。
家族の絆がテーマのB級ホラー
「トワイライト」シリーズが公開される前年の作品だが、主人公ジェスを演じたクリステン・スチュワートの美しさと演技力は確かなもの。
事故に対する罪悪感を持ちつつも、思春期特有の親への反発心もあって素直になれず、幽霊に襲われた事を告げても邪険にされてしまうという複雑な環境にいるジェスを演じ切っている。
終盤ではスタンリー・キューブリック監督の「シャイニング」のジャック・ニコルソンのように豹変するジョンと、彼に殺されたローリンズ家の妻と子供たちの幽霊から、身を挺して助け合う父と娘の姿に変化する。
ラストシーンで、これまで全体的に暗かった景色が鮮明になり、青空とひまわりの黄色が輝いて見えるのが綺麗だ。
自分たちを殺害した父ジョンへの復讐が目的だった幽霊がいて、ジョンも飲み込まれた不吉な家に、お金が無いからといって笑顔で住み続けるソロモン一家には大きな疑問が残る。
完全に同じではないのに、何故か『シャイニング』っぽさを感じてしまいました。
曰く付きの物件と言うと過去に人が死んでいて、幽霊が出てきたり怪奇現象が起きたりなんてことを想像しますが、まさにその通りの展開。
こんなところで暮らしていたら精神がやられてしまうのは理解できますが、取り憑かれたように豹変してしまうジョンの姿は『シャイニング』のジャック・ニコルソンすぎて少し笑ってしまいました。
クリステン・スチュワートがとても可愛いので、ファンならそれだけでも見ていられる作品でした。(女性 30代)
最初はありがちな田舎の古びた屋敷に越してきた家族、という導入だったけど、物語が進むにつれてだんだんと不穏な空気が濃くなっていく演出が上手かった。特に弟がゴーストたちを目撃しても喋れないという設定は、もどかしさと恐怖を倍増させてくれる。終盤で過去の殺人事件の真相が明らかになる展開には驚かされたし、ゴーストが単なる恐怖の存在ではなく、真実を知らせようとしていたのが印象的だった。(20代 男性)
予告ではただのジャンプスケア系ホラーかと思っていたけど、意外と物語に厚みがあった。主人公ジェスが家族に信じてもらえず孤立していく様子は、ホラーというより心理劇に近い部分も。最後に元農場主が狂気に陥っていたこと、そして幽霊がその犠牲者だったという事実は、ホラーの中に悲哀を感じさせた。サラ・ミシェル・ゲラー的な女性主人公が好きならハマる。(30代 女性)
家族を守るために娘が奮闘するという筋は王道ながら、映像が綺麗で観やすかった。特に農場の広々とした景色と、室内の薄暗さのコントラストが上手で、どこからゴーストが出てくるか分からない緊張感が常にある。幽霊=悪ではなく、事件の目撃者という構図が斬新で、終盤の真相明かしと共に物語に説得力が出てくる。派手さはないけど地味に良作。(40代 男性)
10代の女の子が家族と信頼関係を築けないまま新生活に入っていくという設定に共感。ジェスが徐々に恐怖と孤独の中で強くなっていく姿が描かれていて、ラストには精神的にも成長したように見えた。ラストバトルのあたりはちょっと雑なところもあったけど、怖さだけでなく家族の再生も描いた点は好印象。静かなホラーが好きな人向け。(10代 女性)
いわゆる「見える者と見えない者」の対比が面白い作品だった。弟ベンが言葉を発せないながらも幽霊を見ている描写が切なくて、終盤で彼が助けを伝えるために絵を描いているシーンにはちょっと泣きそうになった。ホラーで感動することはあまりないけど、これはその例外だったかも。派手な演出よりストーリー重視派におすすめ。(30代 男性)
ホラーの基本を押さえつつも、ちょっとスローペースな展開が逆にリアルだった。派手なゴーストの登場ではなく、家の中に積み重なる違和感やじわじわくる恐怖が効果的。ストーリーの中にあった、過去の事件が現代に影を落とすという設定も好き。霊が敵ではなく味方側というのも、王道の逆をいっていて新鮮だった。(50代 男性)
母親が家族を支えようとするのに、何もかもうまくいかない感じがリアルで痛々しかった。特に娘とのすれ違い、夫の無理解などが、ゴーストよりもある意味で怖かった。家族の内面を見つめるドラマとホラーが交錯する構成が面白い。幽霊たちが単なる恐怖ではなく、事件の鍵を握る“メッセンジャー”だったのがタイトルの意味にも繋がっていたのが良かった。(40代 女性)
終始不気味で、あまり派手さはないけどじわじわとくるタイプのホラー。幽霊のビジュアルはちょっとB級っぽいけど、雰囲気で押してくるので怖さはしっかりある。子どもが霊を見るというのはよくある設定だけど、弟が話せないことで余計に緊張感が出ていて良かった。最後のどんでん返しも含め、想像よりずっと完成度が高かった。(20代 女性)
観る前はありがちなホラーかなと思っていたけど、実際はサスペンス要素が強く、霊の正体や家の過去が少しずつ明らかになるのが面白かった。特に元農場主の正体が明かされるシーンでは、これまでの伏線が一気に繋がっていく快感があった。無駄な演出が少ない分、怖がらせ方が丁寧で好感が持てた。(30代 男性)
映画『ゴースト・ハウス』を見た人におすすめの映画5選
ザ・オリジナル・ハウス・オン・ホーンテッド・ヒル(1999)
この映画を一言で表すと?
「生きている者」より「死んでいる者」が恐ろしい、屋敷系ホラーの傑作!
どんな話?
富豪が奇妙なパーティーを開催した屋敷には、かつて精神病院として使われた忌まわしい過去があった。参加者は賞金のために一晩過ごすが、次第に屋敷の秘密と幽霊に取り憑かれていく。
ここがおすすめ!
『ゴースト・ハウス』と同様、家そのものが恐怖の中心にあり、閉ざされた空間でじわじわと精神が追い詰められるスリルが魅力。ヴィジュアルも派手で、クラシックとモダンホラーの融合が楽しめます。
アザーズ(2001)
この映画を一言で表すと?
静寂が怖い。“音”が恐怖を語る、極上の心理ゴーストホラー。
どんな話?
第二次大戦後、霧に包まれた古い屋敷で娘と暮らす母。屋敷では不可解な現象が次々と起こり、母は次第に家に潜む“存在”の正体に気づき始める…。巧妙な伏線と予想外の結末が話題を呼んだ作品。
ここがおすすめ!
『ゴースト・ハウス』に共通する「家族の再生」と「家に取り憑く霊」が描かれており、どちらも霊が敵ではないという点で似ている。ニコール・キッドマンの繊細な演技も見どころです。
ウーマン・イン・ブラック(2012)
この映画を一言で表すと?
孤立無援の洋館で始まる、“見るだけで呪われる”恐怖。
どんな話?
若き弁護士が遺産整理のために訪れた孤島の館で、黒衣の女の霊を目撃してしまう。彼が次第に町の住人たちと霊の悲劇に巻き込まれていく過程が、静かな恐怖で描かれていく。
ここがおすすめ!
雰囲気作りが丁寧で、派手な演出がなくても怖がらせてくれる王道ゴーストホラー。『ゴースト・ハウス』が好きなら、霊の哀しみと因縁を丁寧に描いた本作も絶対に刺さるはず。
ザ・リング(2002・アメリカ版)
この映画を一言で表すと?
見る者に呪いをもたらすビデオテープ。恐怖は“日常”の中に潜んでいる。
どんな話?
呪いのビデオを見た者は7日後に死ぬという都市伝説を追うジャーナリストが、テープの謎を追っていく中で“貞子”の恐怖に直面していく。ジャパニーズホラーをハリウッドが巧みに再構築。
ここがおすすめ!
『ゴースト・ハウス』と同じく、若い女性主人公が霊的な存在に立ち向かう構図が中心。映像の不気味さ、伏線の張り方も優れており、サスペンス好きにもおすすめ。
1408号室(2007)
この映画を一言で表すと?
部屋に入ったら最後。あなたの“心”を狂わせる心理ホラー。
どんな話?
超常現象を信じない作家が、幽霊が出ると噂されるホテルの1408号室に一晩泊まることになる。だがその部屋は彼の心を崩壊させる恐怖を持っていた…。スティーヴン・キング原作の密室サスペンス。
ここがおすすめ!
『ゴースト・ハウス』同様、霊の存在よりも“空間そのもの”が敵となる構成が魅力。リアルな恐怖描写と心理的な追い詰め方にゾクッとしたい人にぴったりの一本です。
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