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映画『グッドモーニング、ベトナム』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『グッドモーニング、ベトナム』の概要:ベトナム戦争中の首都サイゴン。米軍放送局に、空軍から人気DJが派遣される。彼の型破りな放送に、米兵たちは大喜びだが…。実在した軍放送局DJの視点からベトナム戦争を描いた、異色の戦争ドラマ。

映画『グッドモーニング、ベトナム』の作品情報

グッドモーニング、ベトナム

製作年:1987年
上映時間:120分
ジャンル:ヒューマンドラマ、戦争
監督:バリー・レヴィンソン
キャスト:ロビン・ウィリアムズ、フォレスト・ウィテカー、チンタラー・スカパット、ブルーノ・カービイ etc

映画『グッドモーニング、ベトナム』の登場人物(キャスト)

エイドリアン・クロンナウア上等兵(ロビン・ウィリアムズ)
サイゴンの米軍放送局に、新しく派遣された空軍のDJ。兵士の規律などまるで気にしない番組進行とギャグや皮肉たっぷりのマシンガントークで人気を博する。
エドワード・モンテスキュー上等兵(フォレスト・ウィテカー)
米軍放送局でエイドリアンとともに仕事をすることになる。エイドリアンの世話役的仕事をすることもあり、友人関係を築いていく。
ツアン(ドゥング・タン・トラン)
ベトナム人の青年。英語学校に通っている。エイドリアンが妹を追いかけたのを機に、彼と仲良くなっていく。
トリン(チンタラー・スカパット)
ベトナム人の女性でツアンの妹。ツアンと同じく英語学校に通っている。
スティーブン・ホーク少尉(ブルーノ・カービー)
エイドリアンの上官。「コメディの才能はプロ顔負け」と自負しているが、コメディのセンスがずれており周囲はクスリともしない。部下たちからは馬鹿にされている。
フィリップ・ディッカーソン曹長(J・T・ウォルシュ)
ホーク少尉の上官。エイドリアンを快く思っていない。規律を重んじ、エイドリアンに対して冷酷な一面も。
テイラー将軍(ノーブル・ウィリンガム)
ディッカーソン曹長の上官で、軍放送局の局長。エイドリアンをサイゴンに招いた人物で、エイドリアンのファンでもある。

映画『グッドモーニング、ベトナム』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『グッドモーニング、ベトナム』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『グッドモーニング、ベトナム』のあらすじ【起】

ベトナム戦争中の首都サイゴン。米軍は兵士向けのラジオ放送局に、空軍から人気DJを呼び寄せる。エイドリアン・クロンナウア上等兵だ。テイラー将軍の期待をよそに、放送局のディッカーソン曹長とホーク少尉は番組をかきまわされると不満げだ。エイドリアンはギャグや皮肉満載のマシンガントーク、そして軍で推奨されていないロック・ミュージックを流す。エイドリアンのギャグセンスがさっぱりわからないホーク少尉をよそに、アメリカ兵たちは放送に大喜びだ。

エイドリアンは放送局勤務のエドワードとともに、米兵が集まるバーに出かけた。エイドリアンは通りがかったベトナム人女性・トリンに一目ぼれ、ナンパするがすげなく断られる。エイドリアンはベトナム人から自転車を強引に買い取り、彼女の乗った人力車を追いかける。彼女が向かった先は英語学校だった。エドワードの忠告も聞かず、エイドリアンはわいろを使って教師を代わってもらう。

授業が盛り上がり、トリンを追いかけようとするエイドリアンだったが、トリンの兄・ツアンに止められる。ツアンは「白人はほしい物を盗んで帰っていくから信じられない」と批判する。エイドリアンはまずツアンと友達になろうと、2人で市街を散策、ニョク・マム(ベトナム料理)を勧められる。「友達になるなら信じて」とツアンに言われ食べるが、むせてしまう。これを機に少しずつ2人は打ち解けてきた。2人はバーに入り、放送局の同僚と合流したが、ツアンを見た米兵が「ベトナム野郎は店に入るな」と難癖をつけてくる。ツアンを馬鹿にされたエイドリアンは、彼らとケンカを始めてしまう。ディッカーソン曹長はこの一件に大激怒だ。

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映画『グッドモーニング、ベトナム』のあらすじ【承】

エイドリアンは英語学校の教師を続けていた。エイドリアンは下品な言葉遣いを教え、生徒たちの人気者になる。ツアンの取り計らいで、エイドリアンはトリンや彼女の家族と一緒に出かけることになった。大家族を引き連れて市街を散策したり、アメリカ映画を見に行き、2人は楽しいひと時を過ごす。

検閲により、大半のニュースが放送できないことに憤りを感じるエイドリアン。ホーク少尉にニクソン副大統領の会見テープの編集を言い渡される。しかし、エイドリアンはこのテープに手を加えてお笑いネタにしてしまう。ホーク少尉はテイラー将軍にDJの交代を直訴する。ディッカーソン曹長も賛成するが、テイラー将軍は「彼は人気者だ」と取り合わない。
バーでビールを飲んでいたエイドリアンは、「トリンが会いたがっている」とツアンから誘われ店を出る。しかし店を出た直後、バーに仕掛けられていた爆弾が爆発する。米兵行きつけの店を狙った爆弾テロで、5人の米兵が死傷した。エイドリアンはその惨状に、ショックで言葉も出ない。その足で放送局に戻ってきたエイドリアンだったが、ディッカーソン曹長はテロ事件を「公式ではない」として放送しないよう命じる。エイドリアンは、制止を振り切ってテロ事件について放送してしまう。ディッカーソン曹長はすぐさま放送を取りやめさせた。そのため、エイドリアンをかばっていたテイラー将軍も、彼の停職を決定せざるをえなくなる。

映画『グッドモーニング、ベトナム』のあらすじ【転】

エイドリアンは、停職処分になり酔いつぶれていた。そんな彼をツアンは自分の暮らす村に招待する。そこでエイドリアンは、ベトナムの隠された姿を目にする。トリンは「私はベトナム人女性、あなたと友達になれない」と告げるのだった。

一方代理DJの座を手に入れたホーク少尉は、笑いを取ろうとエイドリアンのネタをまねするが、全くウケない。抗議の電話が殺到し、テイラー将軍はエイドリアンを復職させることを決める。だが、禁止事項や検閲にうんざりしたエイドリアンは、「引退する」の一点張りだ。エドワードは説得に必死。戦場に向かうトラックの一陣に、無理やりエイドリアンを紹介する。人気DJの登場に湧き上がる兵士たちを前に、エイドリアンはしぶしぶワンマンショーを始める。しかしだんだん元のノリを取り戻し、彼のトークで兵士たちは笑顔になった。笑顔で戦地に旅立っていく彼らを見送りながら、エイドリアンは「君たちを忘れない」とつぶやくのだった。

エイドリアンは放送局に復帰し、戦場からの特別放送を申し出る。だがそこへ向かうルートはベトコン側に掌握された土地を通っていた。ディッカーソン曹長はそれを知った上で、あえて許可を出す。エイドリアンとエドワードの2人は戦場へ向かっていた。しかし、ベトコンの仕掛けた爆弾で車が横転してしまう。授業にエイドリアンが来ないのを心配したツアンは、米兵にエイドリアンの行き先を尋ねる。行き先を知ったツアンは顔色を変え、エイドリアンの後を追う。

映画『グッドモーニング、ベトナム』の結末・ラスト(ネタバレ)

ベトコンから隠れながら歩き回っていた2人。そこに、ツアンの声が響く。彼の案内で2人はその場を抜け出し、3人は米軍のヘリに助けられた。戻ってきたエイドリアンに、ディッカーソン曹長はツアンがベトコンの仲間で、テロ爆破事件の犯人だと告げる。ディッカーソン曹長とテイラー将軍は、ツアンを友人だと語るエイドリアンを「名誉除隊」という形で追い出すことにする。一方でテイラー将軍は、冷酷なディッカーマン曹長はラジオに不要だと判断し、グアムへ異動を命じるのだった。

ツアンが米軍に射殺されそうだと知ったエイドリアンは、トリンにツアンの居場所へ案内してもらう。ツアンは正体がばれたと知り、一目散に逃げ出した。後を追い、「信じていたのに敵だったなんて」と憤るエイドリアンに、ツアンは「僕の家族や隣人を殺したのはお前たちの方だ、助けるなんてバカだった」と涙ながらに反論し、その場を去るのだった。

アメリカへ帰る直前、エイドリアンは英語学校の生徒たちと約束の野球をする。そこへトリンがお別れを言いにやってきた。「あなたは優しい人、でも違いすぎる。一緒にはなれない」と話すトリンに、エイドリアンは静かに別れを告げる。エイドリアンは、エドワードに皆へのメッセージを吹き込んだテープを預け、アメリカへと飛び立っていった。

映画『グッドモーニング、ベトナム』の感想・評価・レビュー

二度と同じ悲劇を繰り返さないため、かっこいいと感じる戦争映画はいらない、戦争映画は悲劇的であるべきと考えています。
この映画もラジオDJというフィルターを通して悲劇を見事に浮き彫りにしたベトナム戦争の名作。

主演のロビン・ウィリアムズはコメディ俳優という色が濃かった人ですが、一見おどけているようで、実は深い闇を持った役というのが恐ろしくはまる人。
「グッドモーニング、ベトナム」いつまでも耳に残る印象的なセリフです。(女性 40代)


「グーッドモーニン!ベトナーム!!」というセリフが印象的です。苦しい状況を打破するかのような、明るくひょうきんなラジオDJをロビン・ウィリアムズが演じます。コメディタッチで描かれていていますが、社会風刺を基調としたヒューマンドラマです。この役はロビン・ウィリアムズしか成し得なかったでしょう。優しさの中に憂いを込めた表情は、彼自身の強みです。フォレスト・ウィテカーとのタッグも良かったです。(女性 20代)


まだアメリカに大国としての余裕があった頃の反戦映画。型破りなDJがユーモラスな放送で兵士に娯楽を与えるという構造が面白い。何より映画の大半はロビン・ウィリアムズの芸達者ぶりに支えられており、全盛期の彼の手腕をいかんなく楽しめる。ベトナム人の描き方など現代では公平性に欠けるために反戦映画としてはまだまだ未熟ではあるが、そのせいで当時のアメリカの精一杯の反省とはどのようなものかを知ることができるため一見の価値は十分にある。(男性 30代)


本作は、ベトナム戦争中の軍放送局に実在したDJの視点から戦争を描いたヒューマンドラマ作品。
マシンガントークや強烈なジョーク、激しい音楽で革命を引き起こし、兵士たちに熱く支持された実在のモデル、エイドリアン・クロンナウア。
その声を聴いただけで何人もの人々が救われたように、観ている方も朝から明るい気持ちになった。
戦場のシーンがなくて明るさを感じられると同時に、戦争は何も生まないという虚しい現実を突きつけられる作品。(女性 20代)


タイトルの『グッドモーニング、ベトナム』このセリフが何よりも印象的だった今作。戦争映画は色々見てきましたが、ラジオのDJをテーマに戦争を描くと言うのは初めてで、かなり期待して鑑賞しました。
正直な感想としては、もっと「楽しい」雰囲気の作品だと思っていました。しかし、戦争について描いているのに「楽しい」なんてある訳ないんですよね。楽しそうに放送するエイドリアンに「上手く行きそう」な期待をしてしまいましたが、しっかりと戦争の残酷さや悲しさを描いていて、胸が締め付けられる思いでした。(女性 30代)

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