映画『ザ・ゲスト』の概要:予想外のラストシーンが話題になった「サプライズ」の監督アダム・ウィンガードが、再びサイモン・バレット脚本で挑んだアクションスリラー。原題は「The Guest」。
映画『ザ・ゲスト』 作品情報
- 製作年:2014年
- 上映時間:100分
- ジャンル:サスペンス、ミステリー、アクション
- 監督:アダム・ウィンガード
- キャスト:ダン・スティーヴンス、マイカ・モンロー、リーランド・オーサー、シーラ・ケリー etc
映画『ザ・ゲスト』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
映画『ザ・ゲスト』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ザ・ゲスト』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ザ・ゲスト』 あらすじ【起・承】
長男ケイレブを戦争で失ったピーターソン一家に、ケイレブと同じ部隊で友人でもあったという青年デイビッドが訪ねてくる。
除隊したというデイビッドは、死んだケイレブから家族への伝言を頼まれたと言う。
ケイレブと一緒に写っている写真を見た母ローラはデイヴィッドを信用し、ケイレブの部屋に滞在するよう勧める。
父スペンサーはデイヴィッドを危険視して猛反対するが、すぐに打ち解け信用する。
次男のルークは学校でいじめられていたが、デイヴィッドに助けらる。
長女アナは、両親に頼まれてデイヴィッドをパーティーに連れ出す。
絡まれていたアナの親友クリステンを助け、恋人ジークと喧嘩をしてしまったアナを慰めたデイヴィッドは、一家全員から信頼されるように。
しかしアナは偶然、電話で不穏な内容を話すデイヴィッドを見かけ、不信感を募らせるようになる。
アナが軍にデイヴィッドの事を問い合わせると、彼はすでに死んでいるという答えが返ってきた。
一方のデイヴィッドは、パーティーで知り合ったクレイグに銃の密売人を紹介してもらい、取引の後で2人を殺害。
殺人に使われた銃はジークの車から発見され、ドラッグも発見されたことから逮捕されてしまう。
映画『ザ・ゲスト』 結末・ラスト(ネタバレ)
デイヴィッドを怪しむアナは、家族の前で問い合わせた情報をバラすが、軍の機密情報のせいだと言ってごまかされてしまう。
デイヴィッドへの疑いを強めたアナは、通話履歴を盗み見て、元整形外科の医師と頻繁に連絡を取っていた事実を突き止める。
さらに、ルークにデイヴィッドの情報を集めるように頼み込む。
しかしいじめっ子に反撃して退学処分になりかけたルークをデイヴィッドが助け、アナが彼を疑っていると喋ってしまう。
自宅に戻ったローラの前に、デイヴィッドを探していた軍警察が現れる。
銃撃戦の中でローラはデイヴィッドに殺され、逃亡途中にスペンサーも殺害。
軍警察のカーヴァー少佐に保護されたアナは、デイヴィッドは医療実験の被験者だったが、途中で逃走した危険人物だと教えられる。
そして、彼自身と軍事機密を守るプログラムが植え付けられたデイヴィッドは、アナとルークも殺そうとしていた。
学校に残っていたルークを助けに向かうが、ハロウィンパーティー用に作られていたの迷路の中で、少佐は殺されてしまう。
殺されかけたアナを守るため、ルークはデイヴィッドにナイフを突き立て、彼は息を引き取った。
保護されたルークとアナだったが、火事になった学校から出てくる消防士の中に、まだ生きていたデイヴィッドが紛れ込んでいるのを見つけてしまう。
映画『ザ・ゲスト』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ザ・ゲスト』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
予想の裏をかいたストーリー
戦争で死んだ長男の友人だというデイヴィッドが突然現れ、家族に気に入られていく中、彼の秘密が暴かれて・・・という、スリラー映画好きには予想がつく展開を、見事にひっくり返した作品。
前半は好青年デイヴィッドが、家族に気に入られていく様子が描かれていく。
最初は怪しんでいたスペンサーが、あっさりとデイヴィッドを信用するのはツッコミどころ。
ルークを助けるときに過剰な暴力を振るったり、クリステンのパーティーでクレイグに異様に突っかかるなど怪しげな部分が見え隠れするが、とにかく“いい人”を描くことに徹底されている。
中盤では上司が謎だらけの心中をしてスペンサーが昇進したり、クレイグと銃の売人を殺害してジークに罪をかぶせるなど、怪しい部分が明らかになっていくのは、「やっぱり」と思える展開。
だが唐突に米軍の特殊部隊が出てきて、予想外の展開に転がっていくのが面白い。
“デイヴィッドはケイレブに取って変わり、一家を思うように動かそうとしていた”と予想してしまう展開から、軍の実験の被験者デイヴィッドが秘密を守るため一家殺害を企むという急展開は見事。
しかも、ケイレブとの約束や一家を思う気持ちは本物だったのには驚かされる。
スリラー映画からアクション映画へ
軍警察との銃撃戦や、たった一人で立ち向かうデイヴィッドの姿はヒーロー像が重なる。
しかし、唐突にローラを刺殺するのには驚かされる。
突然、アクション映画に変化していくのも衝撃的で、違和感がなく引き込まれる。
しかし、どんな実験だったのかを中途半端にしか説明せず、デイヴィッドがピーターソン一家に入り込んだ理由もうやむや。
終盤のルークの学校の中での争いは若干だらけてしまい、死んだはずのデイヴィッドが生きていたというオチは、ありがちでつまらない。
ダン・スティーブンスが大好きな私にはたまらない作品でした。彼と言えば実写版の『美女と野獣』でビーストの人間の姿を演じていましたが、今作ではイケメンサイコパスを見事に演じきっていました。
突然現れるデイヴィッドに翻弄され、彼が何者なのか、何が目的なのか全てを疑いながら見てしまうでしょう。疑ってかかると何もかも怪しく見えてしまい、後半デイヴィッドの本性が顕になるとこれまでの「良い人」だった彼は嘘だったの?なんて思ってしまいますが、真実もあったというのがなんとももどかしいです。
ラストシーンを見た時に、彼は何者なのか再び考えてしまうでしょう。(女性 30代)
映画『ザ・ゲスト』 まとめ
「サプライズ」や「V/H/S」などでタッグを組んだ、アダム・ウィンガード監督とサイモン・バレット脚本のコンビの最新作。
長男の友人だと言って訪ねてきた好青年には裏があり、一家を乗っ取って、悪いことを企んでいたというありがちな展開かと思いきや、脱走した軍の特殊実験の被験者が本当に長男の言葉を伝えに来ただけという設定に驚かされる。
しかも、秘密を守るプログラムによって、深く関わった一家を殺害しようとする自業自得のような展開は意外性がある。
スリラー映画の裏の裏をいくようなストーリーで、「サプライズ」とは違う面白さがあるが、ラストがとても残念な作品。
みんなの感想・レビュー