この記事では、映画『ヒルコ 妖怪ハンター』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ヒルコ 妖怪ハンター』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ヒルコ 妖怪ハンター』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:ホラー
監督:塚本晋也
キャスト:沢田研二、竹中直人、上野めぐみ、工藤正貴 etc
映画『ヒルコ 妖怪ハンター』の登場人物(キャスト)
- 稗田礼二郎(沢田研二)
- 妖怪の学説を訴え、学会を追い出された考古学者。またそういった事態に備え妖怪退治用の、自作の発明品をこさえている。のほほんとしていて変わり者扱いされているが、事故で亡くした妻・茜のことは常に忘れておらず優しい性格。また、原作漫画である『妖怪ハンター』シリーズではクールな性格だが、本作では正反対な程おっちょこちょいで怖がり。
- 八部高史(竹中直人)
- 稗田の義兄。中学の教師をしながら考古学に興味を持っている。学校の中で悪霊が封じられた古墳を見つけてしまったことから、事態は急変してしまう。
- 八部まさお(工藤正貴)
- 八部の息子。叔母の茜が考古学に関わってしまったせいで亡くなったことから、当初はあまり稗田にいい印象を持っていなかった。背中に謎の痣があり、作中において誰かが亡くなっていく毎に、痛みと共に増えていく。
- 月島令子(上野めぐみ)
- まさおのクラスメイトで、まさおが恋心を抱いている女子生徒。八部に無理矢理ついて行き、それから行方不明になってしまう。
- まさおの友人<青井(塚原靖章)、片桐(佐野智郎)>
- 夏休みに、消えた八部と月島をまさおと共に探しに来た友人達。そのことで悲劇に巻き込まれてしまう。
- 渡辺(室田日出男)
- 用務員の中年。怪しげな風体と言動で、まさお達からは八部失踪の犯人ではないかと怪しまれている。
映画『ヒルコ 妖怪ハンター』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ヒルコ 妖怪ハンター』のあらすじ【起】
妖怪の存在を唱えたことで異端視され、学会を追放された考古学者・稗田礼二郎。今はゴキブリが出るようなボロいアパートに住み、寂れた遺跡発掘作業で小金を稼いでいる。亡き妻・茜の遺影へ微笑みかけていると、そこへ、茜の兄で中学教師の八部高史から稗田の元へ手紙が届く。その内容は、「古代の権力者の墓だと思われていた古墳を見つけたが、どうやら古代人が悪霊を鎮めるために作ったものらしい」と書かれていた。そして、この古墳の存在は稗田が訴えた妖怪実在の定義を立証できるものになるのではないか、と残し手紙は終わっていた。一方、中学教師の八部はその例の古墳へ入ろうとし、制止しても聞かずについてきた女子生徒・月島。2人はその奥で「何か」に出会ったまま姿を消してしまった。
夏休み、八部の息子・まさおは友人の青井と片桐を連れて消えた八部と月島を探しに学校へと足を運んでいたが、途中で用務員の渡辺に「学校へはもう来るな」と鎌で脅されてしまう。用務員を怪しんで3人は彼の後を追うが、その途中で窓辺にぼんやりと佇む月島の姿を見つける。しかし、月島が別の男子生徒とキスしようとしているのを見るなり、まさおはその場を去ってしまう。見つかっただけ良かったと励ます友人らだったが、突如まさおの背中が痛み出したかと思うと白煙を立てて疼き出した。
その頃、稗田は八部家を訪れ、茜の遺影に手を合わせていた。八部家の祖母は息子と月島が忽然と姿を消したことを話し、また彼が八部家に伝わる「冠」を持ち出していたことも呟く。それから「お許し下さい、ヒルコ様」と謎の言葉を囁いた。
まさおは夕暮れの教室内で友人らに背中の傷を心配されながら、やがて冷やしてくると言い立ち上がり廊下へと出て行く。そこへ、荒い息遣いと共に「何か」が恐ろしい程のスピードで接近してくる。同時に稗田も学校へ向かっており、突然、発明品の妖怪センサーが激しく鳴り始めた。まさおが背中を冷やしていると、背後に強烈な視線を感じ振り返る。「何か」が迫って来るが、同時に稗田がカートと共に突っ込んできたことで救われる。体育館の用具室にそのまま飛び込んだ2人だったが、早速妖怪の仕業だと騒ぐ稗田にまさおは呆れ気味。稗田の妻であり、まさおの叔母に当たる茜を考古学に巻き込み遺跡調査の最中に死へ追いやったからだ。稗田が八部から預かった手紙をまさおに渡すと、まさおは更に激怒し、「この学校に古墳なんかない。親父もお前も同類だ」と考古学への嫌悪感を吐き捨てた。立ち去ろうとしたまさおだったが、そこへ首を失くした男子生徒の遺体が落ちてくる。先程、月島にキスをしようとしていた男子生徒の胴体である。絶叫し、校外へ飛び出す稗田とまさお。公衆電話へ繋ごうとしたが渡辺が鎌で電話線を全て切っており、使えなくなっている。その上、教室にはまだ青井と片桐を残したままだ。稗田は怪しい自作の妖怪退治マシンを手に、まさおと教室へと戻るが突如まさおの背中が再び痛み出す。見ればまさおの背中の痣はどす黒く変色し、そこに人の顔のようなものが浮かび上がっていた。

映画『ヒルコ 妖怪ハンター』のあらすじ【承】
学校へ戻ると理科室で青井が首無し死体と化しており、更には給食室で片桐が化け物となった月島と争いの末、彼もまた無残な首無し死体と成り果てた。その死に呼応するようまさおの背中は再び痛み出し、背中には彼らの顔が黒く浮かび上がっていた。妖怪センサーが反応する給食室内では、首だけの化け物となった月島が去って行き、まさおは愕然とする。
何とかその状況から逃げ出した2人は、八部の残した『比留子古墳伝説ノート』を発見する。中には八部が記した学校の古墳に関することが記載されており、中にはこう綴られている――「古代人が悪霊を封じ込めたという石室の文様の奥を調べてみることにした。石室の扉を開ける呪文は学校の裏山の林の中に。閉める呪文はコークス置き場の前にあった」……しかし、肝心の古墳自体が見つからない。ノートを捲ると、粗い画質の白黒写真と共に手描きの絵が挟まれていた。稗田はそれが石室の文様と、そして、ヒルコという化け物だと推測する。ヒルコとは先程の首だけの化け物のことだ。古事記にも出てくるという伝説の化け物で、八部の見つけた古墳から出現したのだろうと稗田は言う。更に文様に「解放」の印が書き足されているのを見つけた稗田は、ヒルコを石室に再び封印するため、呪文のある場所へ向かうと準備し始める。
日の暮れた校内へと足を進め、2つに割れた岩と共に呪文を見つける2人。呪文は古事記の一節であった。次いでコークス置き場の前の呪文を探しに行くと、渡辺が猟銃を持って「帰れと言っただろう!」と怒鳴りながら襲い掛かってくる。渡辺を怪しんでいたまさおは彼を突き飛ばし銃を奪い、その間に稗田に呪文を探させる。八部の名を出した途端、渡辺は何故か驚いた顔をさせ、更にはまさおの背中の跡を見て「八部さんに呼ばれたのか?」と聞き返してくる。2人は無視し先を急ぐが、途中、生首から蜘蛛のような脚を生やした化け物・ヒルコと化した月島に襲われる。月島は石室の呪文を教えろと襲い掛かって来るが、渡辺が助けに入ったことと、稗田が殺虫スプレーを吹きかけたことで何とか窮地を凌ぐ。しかし、月島の返り討ちにより渡辺が襲われ、月島は羽根を生やしたかと思うとそのまま飛んで逃げ出してしまう。これにより、ヒルコは呪文で石室の扉を開けようとしていることが分かる。
映画『ヒルコ 妖怪ハンター』のあらすじ【転】
一先ず月島を追いやった3人だったが、渡辺がぽつぽつと語り始める。中のヒルコが全部出てきたら大変なことになると。そして、60年前この学校で原因不明の大火事が起きたらしい。渡辺は当時まだ5歳で、火事の中に佇む3本の角を生やした少年を見たと言う。少年の背中にはまさおと同じように黒い痣が浮かんでおり、何かを叫んでいた。やがて、火は消えたが恐ろしいことに焼死体の全てには首が無かった。渡辺はその少年から2度とこのような凶事を起こさぬよう、人々の記憶から消し去って欲しいと言われる。泣きながら彼は封印を守るよう頼み、亡くなったそうだ。話し終え、渡辺は改まったようまさおを見つめ、その少年の正体がまさおの祖父であったことを明らかにする。きっとまさおの祖父は、八部が持ち出した「冠」を頭にしていたのだろうと稗田は言う。八部は冠を持ったまま石室にいるのかもしれない、と話す稗田に渡辺はまさおを守るよう言い、そうすればまだ道はあると告げる。それから渡辺は立ち上がると、猟銃を持ったまま歩き出し林の奥へ消えた。やがて、1つの銃声が響く。月島に襲われた時の傷が元で、渡辺はヒルコに変異しかけていたのだった。
2人は丘の上、星空の下で互いのことを語り合っていた。稗田は茜の笑顔がどれだけ好きだったか、そして彼女は死の直前まで微笑みながら好きなことはやり続ければいいと言ったのだと。まさおはそれを聞き、自分は月島と話したことさえもなかったのだと悔やむように告げた。その時、稗田が寝転んでいた姿勢からふと何かを発見する。立ち上がり丘から見降ろすと、先程八部のノートで見た絵と一致することに気付く。何と学校は古墳の上に立っていたのである。石室の位置が用具置き場であることが分かった2人はその場所へと向かう。
石室へ続く入口で、稗田は八部のノートに残されていた文様の写真と同じものを壁に見つけ、更には八部のペンをまさおが発見する。扉の奥へと行くことを決意した2人。呪文を唱え、扉を開き先へ向かうと、そこには『黄泉の国』が広がっていた。それから、八部が持ったままの例の冠を使わなくてはヒルコを封印させることは難しいだろうと先へ進む2人。
映画『ヒルコ 妖怪ハンター』の結末・ラスト(ネタバレ)
最奥へと向かうと、ヒルコ達の群れが光の下で奇声を上げながら群がっていた。光の先にあるのは学校の池で、そこに反射する月の光が差し込んでいるようだ。その時、八部が持ち込んだ冠を見つけたまさおだったが、渡辺が言うように3本の角はない。その時、まさおを呼ぶ声が聞こえ、振り向くと八部の姿があった。慌てて稗田とまさおは近寄るが、それを制止し「もう駄目だ」と苦悶の声を上げる八部。どうしようもなく見守っていると、八部は月島だけでも逃がしたかったと言い、意識が朦朧としてきたと告げながら2人に逃げるよう懇願する。そんな八部もヒルコへと変異しており、次々襲い掛かってくるヒルコ達を振り払いながら来た道を引き返す稗田とまさお。しかし、入口には月島が待ち構えており、その背後にはヒルコと化した八部が迫っていた。月島が絶叫を上げると、ヒルコ達の群れが一斉に襲い掛かって来る。その時、稗田達を助けたのはヒルコと化しながらも残る自我でヒルコの群れを押し止めようとする青井と片桐であった。友人達にすまない、と叫ぶまさおの隣で稗田は冠を片手に、扉を封じる古事記の一節を唱える。何とかその扉を封じたと思いきや、稗田の背中には月島が張り付いていた。
その時、稗田の意識は過去へと飛ぶ。稗田はいつかの記憶の中で佇んでおり、遺跡を採掘している自分の背後には、嬉しそうに写真を撮る茜の姿がそこにはある。その先に起きる悲劇を知っている稗田は茜を止めようとするが、自分の足が砂の中に深く沈んでいて上手く動けない――「俺を代わりにしてくれ!」と叫ぶ稗田の声も虚しく、背後の崖に気付かないまま落ちていく茜。同調するよう、月島の声が重なる。「扉を開けて、邪魔者を消して」――月島に乗っ取られるよう再び扉を開く呪文を口にする稗田。再び扉が開き始め、まさおは手にしていた冠に視線を落とす。すると冠にはさっきまでは無かった3つの角が生えており、渡辺の話していた通りの形になっていた。冠の中に入っていた封印の呪文を唱えながら冠を被るまさお、すると、這い出そうとしていたヒルコ達が再び封じられて行き、月島が発火しながら扉の奥へと吸い込まれて行った。扉が閉じた後、解放の印を削り落としたまさおは背中の跡が全て綺麗に消えていることに気付く――その背後では、稗田が無事生きており2人は肩を貸し合いながらその場所を後にした。
無事に生還した2人だったが、ヒルコ達が見上げていた池から虹のようなものが溢れているの。その後を追うと、月島や八部達の魂が浄化されていくのが見えた。それを見届けた後、稗田は自分の学説は証明できたがあの場所はもう開けてはいけないと言う。まさおはあの場所は必ず自分が守ると強く言い、2人は別れる。それからまさおは、もうすっかり夜が明けた夏の青空を見上げるのだった。
映画『ヒルコ 妖怪ハンター』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
『遊星からの物体X』を思わせるグロテスクな造形のクリーチャー達や、首をバッサリ斬り落とされる凄まじいゴアシーン等、今見ても十分すぎるくらい恐ろしい。が、今では頑固者のイメージが強いジュリーこと沢田研二演じる稗田の間抜けぶりがお茶目で緩和剤となっており、武器が殺虫スプレーというのも相まって、殺伐としすぎない良質ホラーに仕上がっている。原作漫画の『妖怪ハンターシリーズ』の稗田とは性格が真逆ではあるが、これはこれで正解だろう。(MIHOシネマ編集部)
奇妙でおどろおどろしい雰囲気がクセになる一本。塚本晋也監督の独特な演出が全開で、特に冒頭からヒルコに襲われるシーンは、不気味さと笑いが入り混じる絶妙なトーンでした。水谷豊演じる稗田礼二郎のキャラがかなりぶっ飛んでいて、怪異に巻き込まれてもテンションが高く、そのギャップが面白かったです。ラストでの「神を閉じ込める」展開も、神話とホラーの融合として秀逸。B級感は否めませんが、それが逆に魅力になっている作品。(20代 男性)
初見では「なんじゃこりゃ」と思うかもしれませんが、2回目以降どんどんクセになります。古代の神・ヒルコをモチーフにしたホラーでありながら、どこかユーモラスな演出があったり、ヒロインの存在感が異様に強かったりと、不条理な展開が連続します。特に、顔だけになった生徒たちが宙を飛ぶ場面は、シュールさとグロさのバランスが絶妙。決して万人向けではないけれど、塚本作品が好きならぜひ見てほしいです。(30代 女性)
この映画、完全にカルト映画枠ですね。設定自体は妖怪ハンターとしての王道なんですが、演出がとにかくぶっ飛んでる。水谷豊が真剣に超常現象と向き合う姿が、時に滑稽で時にかっこよく見えるのが不思議。廃校のセットや音響も良く、終始不気味な緊張感を維持していました。原作・諸星大二郎の雰囲気を活かしつつ、塚本晋也らしいサイバー感も混じっていて、ジャンル混成の珍しい映画体験でした。(40代 男性)
ホラー映画と見せかけて、実は哲学的なテーマも内包していると思いました。ヒルコ=神の存在、人間が忘れ去ったものへの恐怖など、単なる怪奇現象では片づけられない深さがあります。演出は過剰気味ですが、逆にそれが記憶に残る。特に、顔だけの死体が床を這うシーンのインパクトは強烈でした。ラストの“神との対峙”も、思わず息を呑む展開。怖いけど、美しい。そんな映画です。(50代 女性)
テンポがよくて最後まで飽きずに観られました。B級ホラーの味わいはあるけれど、画面づくりや音の演出が独特で、ただの「怖い映画」では終わらないのがいい。水谷豊が演じる稗田のキャラもどこか憎めず、真剣だけど滑稽なところがこの映画のユニークさを引き立てていたと思います。個人的には、ラストの地獄のような空間での戦いが一番印象的でした。普通のJホラーに飽きた人におすすめ。(30代 男性)
ホラーでありながらどこか懐かしいような情緒も感じる、不思議な映画でした。昔の怪談や神話をベースにしていて、日本的な「祟り」の感覚がうまく表現されていたと思います。色彩や音響も不安を煽る演出が秀逸で、ヒルコの存在感が際立っていました。時代を感じさせるセットも映画の世界観に合っていて、しっかりと作り込まれた印象。怖いけど、嫌な怖さじゃないのがよかったです。(60代 女性)
ヒルコのデザイン、めちゃくちゃ気持ち悪くて最高でした(笑)。特に目がギョロッとしてるところとか、クリーチャーとしての完成度が高いです。全体的に映像が暗くて、何が起こってるか分からない場面もあったけど、それが逆に怖さを増してる感じ。水谷豊の熱演もよかったし、どこか怪談っぽい雰囲気があって楽しめました。最近のCGホラーに飽きた人にはぜひ見てほしい一本です。(20代 男性)
ホラー映画なのに、見終わった後にどこか笑ってしまう。そんな独特な魅力がある作品です。稗田のリアクションが大げさすぎて、逆に安心感がある(笑)。ヒルコが人を襲う描写も怖いというよりも「奇妙」で、予想外の展開に目が離せませんでした。B級ホラー好きにはたまらないし、ちょっと変わった日本映画を観たい人にはぴったりの一作だと思います。(40代 女性)
怖さよりも世界観の面白さが印象に残る作品。土着的な神話とオカルトが絶妙にミックスされていて、異界に引きずり込まれるような感覚になりました。ヒロインの存在が神に近づいていく描写が神秘的で、ラストではある種の救済すら感じさせます。ホラーでありながら美しさも感じさせる稀有な作品。こういう映画がもっと評価されていいと思います。(50代 男性)
映画『ヒルコ 妖怪ハンター』を見た人におすすめの映画5選
悪魔のいけにえ(1974)
この映画を一言で表すと?
不気味で狂気に満ちた田舎の恐怖を描いた、スプラッターホラーの原点。
どんな話?
若者たちが立ち寄った田舎町で、凶悪な人肉一家に襲われる恐怖を描く。低予算ながらも生々しい恐怖描写が話題となり、ホラー映画史に残るカルト的傑作として語り継がれている。
ここがおすすめ!
空気感の不穏さと逃れられない絶望感が強烈。美術や音響の工夫も見事で、怖いだけでなく「見てはいけないものを見た」感覚に襲われる。『ヒルコ』と同じく、“異界に迷い込んだ感覚”が味わえます。
回路(2001)
この映画を一言で表すと?
静かに心をむしばむ、ネット時代の孤独と死を描いた新感覚ホラー。
どんな話?
自殺者が増える中、パソコンを通じて現れる「死者の世界」が現実に侵食していく様子を描く。スローで不気味な展開が続き、観る者をじわじわと不安にさせる異色作。
ここがおすすめ!
『ヒルコ』のように視覚と音響で不安を煽る演出が抜群。意味不明だけど怖い、そんな感覚が好きな人にはドンピシャ。黒沢清監督の代表作で、心理的な恐怖をじっくり味わえる作品です。
感染(2004)
この映画を一言で表すと?
正体不明の病と狂気が蔓延する病院ホラー。
どんな話?
経営難の病院で謎の感染症が発生し、医師たちが次第に精神をむしばまれていく。現実と幻覚の境界が曖昧になっていく中、恐怖が増幅していく展開が魅力。
ここがおすすめ!
視覚的グロテスクさと精神的な不安を同時に突いてくる演出が光ります。『ヒルコ』のような不可解で禍々しい存在がじわじわ迫ってくる恐怖が好きな方にはぴったりの作品です。
鉄男 TETSUO(1989)
この映画を一言で表すと?
肉体と機械が融合する、怒涛のインダストリアル・ボディホラー。
どんな話?
ある男の身体が徐々に金属化していく様を、狂気的なスピードと音響で描いた、塚本晋也監督の代表作。セリフも少なく、映像と音で観客の五感を直撃する実験的作品。
ここがおすすめ!
『ヒルコ』監督の原点的作品で、より過激でノイズに満ちた世界観が堪能できます。身体の変化に対する恐怖や異物感が強烈に描かれており、“理屈抜きで感じる”タイプの映画です。
妖怪百物語(1968)
この映画を一言で表すと?
日本古来の妖怪たちが人間に復讐する、和製ゴシックホラーの名作。
どんな話?
新築の屋敷をめぐる陰謀により、怨念を抱いた人々が殺されていく中、日本の伝統的な妖怪たちが人間たちに報復するというストーリー。
ここがおすすめ!
『ヒルコ』がモダンな妖怪ファンタジーなら、こちらは正統派の時代物妖怪ホラー。着物姿の妖怪や和風美術、ろうそくの灯りなど、幽玄な雰囲気に満ちており、日本人の怖さの原点が味わえます。
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