映画『バーバラと心の巨人』の概要:巨人を殺す使命を帯びていると感じている風変わりな少女を描いたファンタジー映画。グラフィックノベル『I KILL GIANTS』の実写映画化で、アンダース・ウォルター監督の長編デビュー作。
映画『バーバラと心の巨人』の作品情報
上映時間:106分
ジャンル:ファンタジー、ヒューマンドラマ
監督:アンダース・ウォルター
キャスト:マディソン・ウルフ、ゾーイ・サルダナ、イモージェン・プーツ、シドニー・ウェイド etc
映画『バーバラと心の巨人』の登場人物(キャスト)
- バーバラ(マディソン・ウルフ)
- 巨人を倒すのが自分の使命と信じている風変わりな少女。「コヴレスキー」という名の武器を鞄に入れて持ち歩いている。
- カレン(イモージェン・ブーツ)
- バーバラの姉。家族の面倒を見るために仕事を休みがちで、そのことによる精神的負担を感じている。
- ソフィア(シドニー・ウェイド)
- イギリスからアメリカに引っ越してきた少女。海岸で出会ったバーバラと友達になろうとし、彼女の秘密を知ることになる。
- モル(ゾーイ・ザルダナ)
- バーバラが通う学校のスクールカウンセラー。バーバラのカウンセリングを根気強く続けて、彼女の心の闇を紐解こうとする。
映画『バーバラと心の巨人』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『バーバラと心の巨人』のあらすじ【起】
バーバラは森の中に入り、巨人を誘き寄せるための餌を仕掛ける。すると巨人が現れ、バーバラは遠巻きにその様子を観察する。バーバラは台所から残飯を集めると、電柱に仕掛けた罠に補充する。海辺まで来たバーバラは、イギリスから近所に引っ越してきたソフィアに声を掛けられる。ソフィアは新しい友達を作りたかったのだ。2人は同じバスで学校に通うことになる。バーバラは学内に仕掛けた罠を確認して回るが、モリはその様子を心配そうに見守る。そしてバーバラを呼び出して、心理相談をしようとするが、バーバラは直ぐに逃げ出してしまう。
バーバラは虐めっ子に絡まれるが、ソフィアが校長先生を呼んでくれたお陰で助かる。そしてバーバラはソフィアに巨人について語って聞かせる。天と地の間の私生児として最初の巨人が誕生し、その後数を増やしていったのだ。その中でも最強なのが、タイタンと呼ばれる巨人だった。バーバラは自分が「コヴレスキー」という名の槌で巨人を殺す使命を帯びていると信じていた。再び森に餌を仕掛けたバーバラは巨人を誘き出そうとするが、失敗に終わる。
映画『バーバラと心の巨人』のあらすじ【承】
自宅の地下室にいたバーバラは頭上から自分の名前を呼ぶ声を聞く。バーバラは心配そうに2階を見つめるが、恐怖心から階段を上れずに終わる。学校で再びモルの呼び出しを受け、バーバラはソフィアのことを話す。しかし、家族のことを聞かれると、たちまち反抗的な態度を示してしまう。バーバラは体育の授業で野球をすることを拒み、校長室送りになる。学内で非常ベルが鳴り、バーバラはソフィアを誘って学校を抜け出す。そして2人で森に行き、バーバラは電車の廃棄場に巨人を誘き出すアイデアを説明する。しかし、ソフィアはバーバラの奇行に耐えられずに帰ってしまう。
バーバラはソフィアの身が心配になり、ソフィアを説得して身を守るためのお呪いを唱えてもらう。バーバラが昔の野球中継のテープを聞いていると、カレンが心配して声を掛けてくる。バーバラは人形を介してカレンと話し、カレンはバーバラとの時間をもっと持つ必要があると痛感する。モルはバーバラが野球についてどう考えているのかを聞き出そうとするが、バーバラは黙り込んでしまう。そして思わずモルに平手打ちをしてしまう。
映画『バーバラと心の巨人』のあらすじ【転】
カレンはモルを殴った件でバーバラを叱りつける。そしてカレンはバーバラの面倒を見ることに疲れてしまう。バーバラは再びモルの元に行く。モルは巨人の話題を振り向け、バーバラは巨人の脅威を説明する。ソフィアは虐めっ子に唆されてバーバラが仕掛けた海岸の罠を見せてしまう。虐めっ子は罠を壊し、駆け付けたバーバラのことを殴る。気が付くとバーバラは自宅2階のベッドの中にいた。バーバラはそこにいることに恐怖を感じ、2階の別の部屋の扉を慌てて閉める。
バーバラは泣きながらモルの自宅までやって来て助けを求める。しかし、赤ちゃんを抱きかかえるモルの姿を見て、その場を逃げ去ってしまう。モルとソフィアがカレンの元にやって来て、バーバラが何日も登校していないことを説明する。ソフィアは地下室に行き、バーバラが聞いていたテープを再生してみる。そこには新人野球選手のコヴレスキーがジャアンツと対戦した時のことを話すバーバラと母親の会話が録音されていた。ソフィアはバーバラに会いに行くが、バーバラはソフィアのことを裏切り者と罵り、逃げ出してしまう。
映画『バーバラと心の巨人』の結末・ラスト(ネタバレ)
バーバラは電車の廃棄場で巨人と遭遇し、電線を使って巨人を倒すことに成功する。バーバラは虐めっ子に復讐すると、学校から姿を消してしまう。モルは雨の中、バーバラの姿を探し出し、バーバラの母親が会いたがっていると告げる。そして母親が病気だという現実を受け入れなければならないと説明するが、バーバラは走り去ってしまう。
バーバラは海岸にある隠れ家に向かう。そこにはソフィアがいた。海の波が高くなり、バーバラはソフィアを隠れ家に避難させる。すると、海からタイタンが姿を現し、バーバラはたった一人で対峙する。バーバラはコヴレスキーを手に、母親を守ると言って巨人に立ち向かう。タイタンは生きる者はやがて死ぬということをバーバラに説きながら、海に沈んでしまう。恐怖に打ち勝ったバーバラは2階で寝たきりとなっている母親に会いに行き、2人は泣きながら抱き締め合う。夏休み明けに母親は亡くなり、葬儀が行われるが、バーバラは強い自分を保ったまま気丈に振る舞う。バーバラが夜眠れずにいると、タイタンが海から姿を現す。バーバラはタイタンに自分は大丈夫だと告げ、タイタンは去って行く。
映画『バーバラと心の巨人』の感想・評価・レビュー
『怪物はささやく』を彷彿とさせるファンタジー映画で、物語の共通点も多い。どちらも原作がある作品だが、原作の発表は今作の方が古いようだ。てっきり亡くなった母親との思い出を引きずって生きているのだと予想していたら、母親が病床にあるという展開に驚いた。病気の母親と会うのを拒む子供などいるのだろうか。その設定に共感できなかった。また邦題で「心の」と付けて、巨人の正体について種明かしをしているのは戴けない。(MIHOシネマ編集部)
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