映画『アイデンティティー』の概要:偶然が重なり、大雨の中でモーテルに足止めされた11人の男女に襲い掛かる真実と、一人の死刑囚との意外な関係を描いた。監督は「ウルヴァリン SAMURAI」も手がけたジェームズ・マンゴールド。
映画『アイデンティティー』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:サスペンス、ミステリー、ホラー
監督:ジェームズ・マンゴールド
キャスト:ジョン・キューザック、レイ・リオッタ、レベッカ・デモーネイ、アマンダ・ピート etc
映画『アイデンティティー』の登場人物(キャスト)
- エド(ジョン・キューザック)
- キャロラインの使用人。休職中の刑事で正義感が強い。エイズに侵された妊婦の自殺を止められなかったことがきっかけで体調を崩し、意識障害をおこすようになった。フルネームはエド・ダコタ。
- パリス(アマンダ・ピート)
- 元売春婦。芯の通った性格。地元に戻り、果樹園を始める予定。フルネームはパリス・ネバダ。
- ロード(レイ・リオッタ)
- 囚人ロバートを移送中の刑事。高圧的な態度をとる。フルネームはロード・アイランド。
- ラリー(ジョン・ホークス)
- モーテルの支配人。元売春婦のパリスを目の敵にする。フルネームはラリー・ワシントン。
- ジニー(クレア・デュヴァル)
- ルーの妻。ルーの浮気を疑っている。
- ルー(ウィリアム・リー・スコット)
- ジニーの夫。ジニーとは結婚したばかり。かっとなりやすい性格。フルネームはルー・イジアナ。
- ジョージ(ジョン・C・マッギンレー)
- アリスの夫。ティミーと血のつながりはない。優しく穏やかだが、オドオドした面も見せる。フルネームはジョージ・ヨーク。
- アリス(レイラ・ケンズル)
- ジョージの妻でティミーの母。ジョージとは再婚。
- ティミー(プレット・ローア)
- アリスの息子。実の父から暴力を受けていた過去があり、それが原因で話さなくなった。ジョージは義理の父。
- キャロライン(レベッカ・デモーネイ)
- 女優。傲慢な性格。エドの雇い主。
- マルコム・リバース(プルイット・テイラー・ヴィンス)
- 凶悪殺人鬼。死刑執行前日に再尋問を受ける。幼い頃の心の傷が原因で、解離性同一性障害(多重人格障害)になる。
映画『アイデンティティー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『アイデンティティー』のあらすじ【起】
多重人格の死刑囚マルコムの再審理を行うため、マルコムの再尋問が行われることになった。
死刑執行前夜だった。
大雨の降るネバダ州北部。
車がパンクし、路上で修理していた夫ジョージ。
様子を見ていた妻アリスは、幼い息子ティミーが見ている目の前で車に轢かれる。
アリスを轢いた車は、女優キャロラインの使用人エドが運転していた。
キャロラインは嫌がるが、休職中の刑事エドはアリスを助けようとする。
キャロラインの携帯電話は、電池切れで使えない。
モーテルに駆け込み、電話を借りようとするが、大雨のせいで電話がつながらない。
救急病院の場所を教えられ、キャロラインを置いて助けを呼びに向かうエド。
途中、電柱に車をぶつけ立往生していた元売春婦のパリスを乗せる。
しかし洪水のせいで、モーテルの周りからは出られず、車も水没してしまう。
通りかかった新婚夫婦のルーとジニーに携帯電話を持っているか尋ねるが、持っていなかった。
そして彼らはモーテルに泊まることになる。
囚人を移送中の刑事ロードも身動きが取れなくなり、モーテルにやって来る。
映画『アイデンティティー』のあらすじ【承】
警察無線もつながらないため、エドはアリスに応急処置を施す。
携帯電話の電波がかろうじて入ることに気付いたキャロラインは、部屋を出る。
ふと目覚めたエドは、乾燥機に入れられたキャロラインの生首を発見する。
ロードとラリーを呼んで遺体を確認していると、10号室の鍵が見つかり、囚人ロバートが逃げ出したとわかる。
ロード、エド、ラリーの3人は囚人を探し、パリスたちは同じ部屋で一緒に過ごすことになる。
ルーの浮気を疑っていたジニーは、我慢の限界を感じて自分たちの部屋のトイレに篭る。
執拗にドアを開けるように迫るルーに怯えるジニー。
トイレの窓から逃げると、ロード、エド、パリスが駆けつける。
ルーは部屋の中で殺されていた。
ようやくロバートを捕まえたロードとエド。
ラリーに監視を頼むが、ロバートから秘密を教えると言われ、事務室に向かう。
やがてアリスの意識が戻る。
囚人を逃がすようなロードを信用しきれないエドは、遺体の証拠写真を撮る。
そしてルーの遺体の中に、9号室の鍵を見つける。
映画『アイデンティティー』のあらすじ【転】
ロードに鍵を見せようとすると、ロバートを見張っていたはずのラリーが出歩いていた。
ロバートは殺されていて、8号室の鍵が落ちていた。
ラリーはキャロラインの財布を盗んでいて、冷凍庫には凍った男の遺体があった。
車で逃げようとするが、ティミーを轢きそうになり、助けようとしたジョージが轢かれてしまった。
一方、死刑囚マルコムの再尋問が行われる部屋には、医者も同席していた。
マルコムは多重人格だったため、専門家が必要だったのだ。
そしてマルコムが到着する。
モーテルでは、ラリーが自分の罪を告白していた。
カジノで負けて一文無しになった後、モーテルにたどり着いたラリー。
本当の支配人ラリーは既に死んでいたため、冷凍庫に死体を隠し、偶然同じ名前だったラリーは支配人になりすました。
ラリーを見張りながら、全員同じ部屋で一晩過ごすことになる。
しかしアリスが息を引き取り、ベッドには6号室の鍵があった。
車に潰されたジョージの遺体を確認すると、7号室の鍵を持っていた。
映画『アイデンティティー』の結末・ラスト(ネタバレ)
エドは、ティミーとジニーをモーテルから出そうとする。
だが車が爆発し、2人は忽然と消えた。
これまでに死んだ5人の遺体も消えていた。
動揺して叫んだパリスの言葉から、死んだ7人を含め、全員が同じ誕生日だとわかる。
頭の中で自分を呼ぶ声が聞こえ、エドは見知らぬ部屋で意識を取り戻す。
エドは、死刑囚マルコムの人格のひとつだった。
マルコムは人格を統合させる治療を受けていたが、それによって人格は減っていくと聞かされる。
そして、4年前に殺人を犯した、凶悪な人格を見つけ出して欲しいと頼まれる。
モーテルでは、パリスがロードの正体に気付く。
ロードはロバートと一緒に移送されていた囚人だったが、警官を殺し、警官のフリをしていたのだった。
エドとラリーにそれを伝えようとするが、パリスをかばってラリーは撃たれる。
戻ってきたエドはロードと撃ち合いになり、2人は死んだ。
パリスの人格が残り、凶悪な人格は消えたとされ、マルコムは死刑ではなく措置入院が決まる。
地元で果樹園を始めたパリスの前に、1号室の鍵とティミーが現れ、彼女は殺される。
モーテルで殺人を犯した凶悪な人格ティミーは、マルコムの体を手に入れた。
映画『アイデンティティー』の感想・評価・レビュー
主演がジョン・キューザックとレイ・リオッタというクセ者(もちろん良い意味で)のタッグで既に面白いです。
物語の舞台はサスペンスの王道、モーテルです。ただし、ちょっと捻りのある内容です。勘のいい人はすぐわかるようですが、私は最後までわかりませんでした。
途中でわかってしまったとしても、ストーリーとして楽しめるかと思います。
ぜひ、事前情報無しで鑑賞することをおすすめします。(女性 20代)
猛烈な嵐により、一軒のモーテルに閉じ込められた、それぞれ複雑な事情を持つ男女11名の物語。
見せ方や構成が巧妙で、二転三転する展開に犯人は一体誰なのか分からなくなり、最後まで目が離せず引き込まれた。
凶悪殺人犯のマルコムが、目玉を高速で左右に動かす演技は、犯罪者の混乱した精神状態を表していて、実に狂気的だった。
途中から何となく展開を予測できる場面もあったが、ミスリードがサスペンススリルを高めており、充分に楽しめる作品となっている。(女性 20代)
なるべくネタバレを見ずに鑑賞して欲しい作品。しっかり観ていれば必ず、どんでん返しですっきりできるはずです。ジョン・キューザックにレイ・リオッタ。豪華なキャストに複雑なストーリー。この作品めちゃくちゃ面白いです。
モーテルに仕方なく泊まることになった10人の男女。そこで巻き起こる殺人。犯人の目的が分からないまま続く展開に、ハラハラドキドキします。そして犯人の真相がわかっても、そこからまた予想外の展開。
少し怖いシーンもあるので、苦手な方は気をつけて下さい。(女性 30代)
高い人気を誇る名作サスペンス。とあるモーテルに閉じ込められた11人が何者かによって次々と殺害されていく、という一見ありきたりなサスペンスだが、この作品は大前提である部分が普通ではない。序盤に映し出される一人の死刑囚、そしてモーテルで起こる悲劇。この悲劇こそが死刑囚による過去の事件なのかと想像させられるが、想像をはるかに上回る展開となっている。そして、衝撃的な事実が発覚した後、事件は解決…とはいかないのが更にこの作品の素晴らしい点である。最後の最後まで決して目を離せない、傑作サスペンスである。(女性 20代)
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