映画『インターンシップ』の概要:失業した中年セールスマンのビリーとニックは、一か八かでグーグル社のインターンシップに応募する。すると、リモート面接でまさかの通過。親子ほど離れた若者と一緒に並び、入社を懸けた研修の日々が始まった。
映画『インターンシップ』の作品情報
上映時間:120分
ジャンル:コメディ
監督:ショーン・レヴィ
キャスト:ヴィンス・ヴォーン、オーウェン・ウィルソン、ローズ・バーン、マックス・ミンゲラ etc
映画『インターンシップ』の登場人物(キャスト)
- ビリー・マクマホン(ヴィンス・ヴォーン)
- アナログ腕時計のセールスマン。巧みな話術で相手をその気にさせることが得意な根っからの営業マン。IT音痴にも関わらず、グーグル社のインターンシップに応募して通過する。親子ほど年の離れた同期からは足手まとい扱いを受けるが、次第に彼の人柄に惹かれ、頼りにされる。80年代の映画で物事を例えるのが好き。
- ニック・キャンベル(オーウェン・ウィルソン)
- ビリーの相棒で、一緒にインターンとなる。ITは苦手だったが、社員のダナに一目惚れしたのをきっかけに猛勉強をしたことで、そこそこのレベルに到達する。地頭は良いが長続きしないタイプ。ビリーと並ぶと小柄に見えるが、ビリーが大男であるためであり、そんなに小柄ではない。
- ダナ・シムズ(ローズ・バーン)
- グーグル社の社員で美人のアラサー。ニックから度々デートに誘われるが、その度に軽くあしらっている。仕事が好きで自分の使命だと思っている一方で、仕事に夢中になり過ぎて婚期を逃したとも感じている。
- ライル・スポルディング(ジョシュ・ブレナー)
- グーグルに入社して4年、23歳の若手社員。ビリーとニックに興味を抱き、インターンになれるよう推薦する。研修生のフォローをするためビリーのチームに加わり、チーム・ライルと名付ける。社内ダンス教室のインストラクターに片思い中。
- ヨーヨー・サントス(トビット・ラファエル)
- チーム・ライルのアジア系のインターン。厳格な母親に管理されて育ち、健康に良いからと7歳まで母乳を飲んでいた。やるべきことができないと眉毛を引き抜く悪い癖がある。
- スチュアート(ディラン・オブライエン)
- チーム・ライルの白人インターン。スマホを四六時中いじり、人の会話の真偽を即座に調べ、間違いを指摘する皮肉屋タイプ。ビリーをウドの大木呼ばわりするが、やがて信頼するようになる。
- ネーハ・パテル(ティヤ・シルカー)
- チーム唯一の女性でインド系アメリカ人。コスプレでSM風のレイア姫に扮したことがある。いかがわしいものが趣味だがネットで得た情報ばかりで、実際の経験はない。
映画『インターンシップ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『インターンシップ』のあらすじ【起】
アナログ腕時計のセールスマンのビリーとニックは、会社が倒産して失業する。ビリーは恋人に逃げられ、ネットで求人を探した。しかし、資格を持たない中年に該当する、いい仕事は皆無。彼はふと、画面中央の「Google」の文字に目が留まった。
一方ニックは、姉の彼氏のケヴィンが経営する寝具販売店で、アルバイトを始めていた。ケヴィンは首にサンスクリット語の入れ墨をする変わり者で、ニックに老人の相手を押し付けると、自分は若い女性客とベッドの上でいちゃつき始めた。そこへビリーが来店し、1時間後にインターンの面接があるから受けようと、ニックを連れ出すのだった。
こども図書館の1台しかないパソコンを占領し、面接がスタート。リモートに慣れない彼らは、異常に顔を近づけて大声を出すため、面接官はすでに引き気味だ。IT用語が分からず、でたらめトークで押し切ろうとするため、面接官はますます呆れる。面接終了後、彼らは不合格のはずだったが、社員のライルが興味を持ち、グーグルの特徴は多様性だから試してみようと推薦する。
研修当日。グーグル本社には有名大学の優秀な学生が続々と集まっていた。その中に、ひと際浮いた存在のビリーとニックもいた。ビリーは社内のカフェは全て無料だと知ると、バナナやベーグルをいくつも持ち去った。ニックは美人社員のダナにナンパをするが、軽くあしらわれる。
研修責任者のチェティーはガイダンスで、グーグルで働くのに必要なのは頭脳だけではなく、グーグリネス(グーグル的であること)が必要だと言った。インターンはチームに分かれて競い合い、選ばれた1チームだけが全員社員になれるというルールを説明した。
映画『インターンシップ』のあらすじ【承】
研修2日目。ビリーたちとチームを組みたがる者は誰もいなかった。社員のライルははぐれ者を集め、チーム・ライルを結成する。メンバーはビリーとニック、アジア系のヨーヨーと、スマホを手放さないスチュアート、唯一の女性でインド系のネーハだ。
翻訳の講義中、暇なライルはダンス教室のインストラクターの動画を眺めていた。ニックは社内イントラで社員情報を見られると知り、早速ダナのスケジュールを調べる。彼女を待ち伏せするニックだったが、HTML5を学べと別の社員を紹介され、またしてもあしらわれる。
チーム対抗戦でプログラムのバグを発見する課題が与えられた。ヨーヨーたちはコードを書き出してミスを見つけようとするが、ビリーとニックは意味不明な言葉で騒ぎ、メンバーの邪魔をする。鬱陶しく感じたスチュアートは、彼らにプログラマーの捜索を依頼。スタンフォード大学にいるチャールズ・エグゼビア(X-MENのキャラクター)を捜すよう頼んだ。ビリーとニックは張り切って大学に行き、車椅子の男性にエグゼビア教授かと尋ね、殴られてしまう。2人はグーグル社に戻ってもランチの席に入れてもらえず、ヘッドフォンをした陰気な男のテーブルに寂しく座った。
次の時間はハリー・ポッターに出てくるゲーム「クィディッチ」のチーム対抗戦だ。嫌味なグレアムのチームと対決となり、前半は劣勢となる。タイム中にビリーは「フラッシュダンス」を例えに出して、自分を信じろと励ました。勇気づけられた彼らは、後半で快進撃を見せる。まずビリーがシュートを決めると、他のメンバーも次々とシュートを成功させた。接戦に持ち込むが、最後はグレアムが反則勝ちし、チーム・ライルは負けとなった。
映画『インターンシップ』のあらすじ【転】
ニックは昼寝ルームでダナと会った。彼女は聞いてもいないのに、自分は婚期を逃しているが仕事に生きているのだと自虐する。ニックは一度だけでもディナーに行こうと誘い、その場を去った。カフェで大量のプリンをただ食いしていたビリーは、研修責任者のチェティーから仕事に向いていないと嫌味を言われるが、そんなあなたが大好きだと返し、気にする素振りを見せなかった。
チーム対抗戦でアプリを作る課題が出る。ビリーは携帯で撮った写真をオンザラインで共有するアプリはどうかと提案するが、インスタグラムというものがすでにあり、オンザラインではなくオンラインだと訂正される。ビリーは頭をリセットしようと呼び掛け、夜の街へと繰り出した。
クラブに入った彼らは、ネットでしか見たことがない夜の世界に興奮する。酒を初めて飲むヨーヨーは、テキーラで大暴れ。ネーハも踊りまくった。ライルはステージのダンサーを見て仰天する。彼が思いを寄せるインストラクターだったのだ。2人は酒を飲み盛り上がるが、地元のワルに絡まれて喧嘩が始まる。大暴れの末、ビリーたちは店を追い出された。
朝焼け前のゴールデンゲートブリッジを眺めながら、スチュアートは最高の夜だったとビリーに感謝する。ほろ酔いのライルが彼女に裸の写真を送ろうとするのを見て、彼らはアプリのアイデアが浮かぶ。酔ってメールを送る前にクイズに答えるというアプリで、それは他のチームの10倍もダウンロードされ、彼らの勝利となった。
団結したチーム・ライルは順調に課題をこなすが、ここでビリーとニックに差が生まれる。物覚えの良いニックがIT知識を吸収する一方で、ビリーは相変わらず理解ができなかった。
映画『インターンシップ』の結末・ラスト(ネタバレ)
ビリーはヘッドフォンの陰気な男から、ヘルプセンターの知識を学ぶ。その頃ニックは、ダナとレストランにいた。彼女が思った以上に彼にはユーモアがあり、一緒にいて楽しかった。彼女は彼を好きになり、自宅に招いて一夜を過ごした。
翌日。ヘルプセンターの実習で、ビリーを含めてそれぞれが適切に対応した。ところが、ビリーがログインを失念したため記録を残せず、チーム・ライルは失格となる。落ち込んだビリーはIDカードを捨てて、営業マンに戻ることにした。
研修の最終課題は、グーグルに広告を載せる会社を見つける営業の仕事だと発表された。ようやくビリーの出番となるはずだったが、彼はもういなかった。一気に不安になるメンバー。ニックは老人ホームで車椅子を売り込んでいたビリーを訪ね、戻るよう説得する。
メンバーはビリー不在のままピザ屋に行き、しどろもどろで交渉するが失敗する。グレアムから嫌味を言われて落ち込んでいた時、ビリーとニックが戻って来た。彼らはお得意の営業トークで店主をその気にさせると、メンバーは口コミやデータを提示して内容を補足した。
いよいよ結果発表。チーム・ライルが戻らず、グリアムのチームに決まりそうになった時、会場に「フラッシュダンス」のテーマ曲「ホワット・ア・フィーリング」が流れ出す。ピザ屋と契約した彼らが戻ってきたのだ。審査の結果、将来有望な店と契約し、人と情報を繋げたチーム・ライルの勝利が決まった。陰気な男はグーグルサーチの責任者だと分かり、彼もチームの団結とグーグリネスの精神を称賛する。ニックはダナとキスをして喜び合い、ビリーはチェティーに向かって、これで対等だと強気な態度に出た。チーム・ライルは再会を約束し、それぞれの家へと帰るのだった。
映画『インターンシップ』の感想・評価・レビュー
失業した中年営業マンの2人がグーグル社のインターンとなり、奇跡を起こすサクセスストーリー。中高年でなくても、勇気と希望、チャレンジ精神の素晴らしさを教えてくれて、ポジティブになれる物語だ。
ロケ地となっているグーグル本社は、遊び心がいっぱいで開放感があり、なんとも羨ましい。2020年はコロナの時代となり、グーグルでもテレワークがまだまだ続くようだが、以前のような活気に満ちた職場に戻る日が待ち遠しいことだろう。
物語の中盤でゴールデンゲートブリッジが登場するので、グーグル本社のあるマウンテンビューからどれくらいの距離なのかをグーグルマップで調べてみた。すると43マイル(69キロ)、有料道路で50分の距離。気晴らしに遊びに行くにしてはちょっと遠い距離だが、グーグルマップって本当に便利だなとひしひしと感じた。(MIHOシネマ編集部)
本作は、失業した中年サラリーマン且つIT音痴の2人がグーグル社のインターンシップに通過し、社員になるため奮闘する姿を描いたコメディー作品。
年の離れた秀才な若者たちとともに研修に参加し、最初はぶつかり合っていたけれど、自らの経験と知恵を駆使してチームを団結させていく過程には、チャレンジ精神や発想力、コミュニケーション能力といった学ぶべきものがたくさん詰まっていた。
仕事のモチベーションアップに最適な作品。(女性 20代)
カラフルな自転車は使い放題、モーニングやコーヒーは無料、遊園地のような職場環境。Google社の最新鋭の環境、待遇を垣間見ることができるお得な映画でした。主演と脚本を手掛けた、ヴィンス・ヴォーンに憧れます。流暢なジョークや人情味溢れる人柄に、気持ちが軽くなり大変救われました。ストーリーはシンプルなドタバタコメディですが、教訓が山程詰まっています。変化を楽しめ、果敢に攻めろ。全力投球で人生を楽しむ主人公二人から、学ぶことだらけです。(女性 30代)
自分の苦手なことや知らないことにも恐れずにチャレンジするニックとビリーの姿に勇気を貰える作品でした。全体的に明るい雰囲気なので終始楽しく見ることができます。どのぐらいの年齢層を中年と例えるのかは分かりませんが、IT関係の用語は中年でなくても難しく、専門的な知識が無ければ理解できないことばかりです。しかし、それをユーモアと独特のセンスで上手く切り抜けていく彼らは素晴らしかったです。
得意なことを上手く活かす才能も持つ彼らは若い人たちの憧れや手本となるべき存在だと感じました。(女性 30代)
会社が倒産し無職になった中年2人が再起をかけ、天下のIT企業”Google”のインターンを受けるサクセスコメディです。カラフルな自転車、移動用滑り台など、遊園地のような遊び心溢れた社内にビックリです。一方、インターンの内容は完全な実力主義で、学生にどんどん試練をぶつけるような緊張感漂うプログラムになっています。経験と話術を駆使し、ユーモアと努力でプログラムを切り抜ける中年達は観ていて気持ちが良いです。チームメンバーの成長が感じられたことにも心が温まります。(男性 20代)
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