映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の概要:雨の日にジョージーは出かけて行き、消息不明になる。兄のビルは守れなかったことを気に病み、ジョージーの行方を捜そうとしていた。デリーの町では、他にも子供が行方不明になる事件が多発していた。
映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の作品情報
上映時間:135分
ジャンル:ホラー、青春
監督:アンディ・ムスキエティ
キャスト:ジェイデン・リーバハー、ビル・スカルスガルド、ジェレミー・レイ・テイラー、ソフィア・リリス etc
映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の登場人物(キャスト)
- ビル・デンブロウ(ジェイデン・リーバハー)
- 友人達と「負け犬クラブ」を結成している。吃音症に悩んでいる。弟のジョージーを守れなかったことを気に病み、行方を捜している。
- ペニーワイズ(ビル・スカルスガルド)
- ピエロの姿をした悪魔。神出鬼没。27年周期で現れ、子供達を襲っている。襲う対象者の恐れている姿に変化することができる。
- ベン・ハンスコム(ジェレミー・レイ・テイラー)
- デリーの町に転校してきた少年。不良グループに目をつけられ、イジメられている。友達がいないことから、図書館に籠もってデリーの町について調査していた。
- ベバリー・マーシュ(ソフィア・リリス)
- 男性経験が豊富だという噂が囁かれている。父から虐待を受けており、学校では他の女子からイジメられている。
- ヘンリー・バワーズ(ニコラス・ハミルトン)
- 警官の父を恐れている。不良グループのリーダーで、仲間と共にビル達をイジメている。
映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のあらすじ【起】
1988年10月。ジョージーは兄のビルに作ってもらった小舟を持ち、雨の降る道路で遊んでいた。小舟が排水溝に流れていってしまったため、中を覗き込んだ。すると、ペニーワイズと名乗るピエロがいた。ペニーワイズは優しく語り掛け、小舟を渡そうとした。ジョージーが腕を伸ばすと、ペニーワイズが腕に噛みついてきた。そのまま、ジョージーは排水溝の中に引き摺り込まれた。
1989年6月。少年のマイク・ハンロンは家業の屠殺業を手伝っていたが、動物ことを殺すことができず苦悩していた。一方、少女のベバリー・マーシュは、学校で他の女子から酷いイジメに遭っていた。
デリー警察は子供達の夜7時以降の外出を禁止していた。町では子供の行方不明事件が相次いで起こっていた。ビルが通う学校では、ベティという少女が家庭科の時間に忽然と消えていた。ビルは行方が分からなくなった弟のことを思い出し、心を痛める。ビルと友人のリッチー、スタンリー、エディは、自分達をイジメてくる不良グループ(ヘンリー、ベルチュ、パトリック、ビクター)こそ誘拐されれば良いと密かに思った。
転校生のベン・ハンスコムは、友達ができずにいた。そんなある日、ベバリーとひょんなことから出会い、優しく励まされる。一方、ビルはジョージーのことを諦めきれずにおり、排水溝の先にある荒れ地に流れ着いたのではないかと考えていた。父親はビルの考えを否定し、死んだことを受け入れろと叱った。
スタンリーはラビ(ユダヤ教の指導者)の息子であったが、トーラー(ユダヤ教の聖書)を満足に読むことができなかった。そのことで、父に呆れられる。一方、エディは過干渉な母親によって、自由に行動することができなかった。エディは行き先について嘘を吐き、ビル達と下水道に出かけた。
映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のあらすじ【承】
ベンは図書館を訪れ、デリーの町の歴史について調べた。1908年鉄工所で復活祭の「卵ハント」というイベントが行われた。その祭りで爆発事故が起こり、88人の子供が死亡する。ベンは犠牲になった子供の写真を見てしまい、恐怖を抱いて本を閉じた。その時、赤い風船が漂っているのが見えた。ベンが風船を追うと、煤けた卵が点々と落ちていた。その卵を追った先で、頭部がない人間に遭遇する。ベンは怯え、逃げた。すると、頭部のない人間は、ペニーワイズの姿に変わった。
ベンは図書館を出た先でヘンリー達に遭遇し、痛めつけられる。声を上げても誰も助けてはくれなかった。ベンは走って逃げ出した。そして、下水道の捜索を行っていたビル達と出会う。ビル達は下水道でベティの靴を見つけていた。ビルとリッチーは捜索を続けようとしていたが、スタンリーとエディは恐ろしいことはしたくないと反対した。
ビル達は怪我を負っていたベンの手当てをするため、薬局を訪れた。そこで、ベバリーに会い、薬を手に入れる手助けをしてもらう。ビルは大人っぽいベバリーに目を奪われ、明日友人達と出かける予定に誘った。ベバリーは男性経験が豊富だという噂があったが、ビルは信じていなかった。
ビル達とベン、ベバリーは一緒に遊び仲良くなった。その中で、ベンがデリーの町の歴史を調べている話になる。ある調査によると、デリーの町は大人の殺人や不明者の数が平均の6倍もあった。しかも、子供の事件はそれよりももっと多かった。ビル達は詳しい話を聞くため、ベンの家に行くことにした。一方、ベンをイジメていたパトリックが行方不明になっており、情報を求めるチラシが柱に張られた。
デリーの町はビーバー狩りの野営から始まった。当初91人の住民がいたが、その冬全員姿を消した。先住民の襲撃が噂されたが、証拠は何もなかった。痕跡は井戸小屋の血が付いた服だけだった。
映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のあらすじ【転】
ベバリーは洗面台の配管の中から声が聞こえ、中の様子を探った。すると、髪の毛が伸びてきて、引きずり込まれそうになる。ベバリーが必死に抵抗していると、夥しい血が溢れてきた。父にはその血が見えておらず、ベバリーは不安を抱く。夜、ビルは家でジョージーの姿を見かけ後を追った。ジョージーは地下室におり、不気味な化物の姿に変わった。ジョージーの近くにはペニーワイズの姿もあった。ビルはペニーワイズに襲われそうになり、逃げ出した。
ベバリーはビル達に助けを求め、家に招いた。ビル達には部屋中に付着した血が見えていた。ビル達はこのままにしておけないと、一緒に掃除を行った。ビルとベバリーは密かに思い合っており、しゃべりながら掃除を行った。ベンはベバリーに惹かれていたため、仲の良い2人の姿を見て落ち込む。
ビル達はマイクがヘンリー達にイジメられていることに気づき、助けに向かった。石を投げ合い、ヘンリー達を撃退する。ビル達はマイクを仲間に入れた。ある日、少年・エドワードが行方不明になり、手が貯水塔の側で発見される。ベンはまだ当分事件は続くと考えていた。過去の大きな事件をリストにしたとき、27年周期で事件が起きていると気づいた。今回の子供の行方不明事件は、27年目に当たった。
エディ達が見た恐ろしいモノは全員バラバラだった。「それ」(ペニーワイズ)は相手が一番怖がるモノを見せている可能性が高かった。エディは病気の感染者のような化物の姿を見ており、スタンリーは絵に描かれている歪んだ女性の姿を見ていた。そして、マイクは自分が経験した火災についてのリアルな幻を見ていた。
映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の結末・ラスト(ネタバレ)
ビルは映写機を使い、皆に地図を見せた。そして、かつて遭った大きな事件が全て下水道で繋がっていることを説明した。その中心地は、ニーボルト通りにある井戸の家だった。そこは、麻薬中毒者や浮浪者のたまり場になっていた。エディがペニーワイズを見たのは、その井戸の家だった。ビルは井戸の家に行こうとするが、エディは反対する。すると、映写機が勝手に動き出し、ペニーワイズが現れる。皆が恐怖に震える中、ベンはシャッターを開けて明かりを部屋の中に入れた。すると、ペニーワイズは姿を消した。
ビル達は井戸の家の捜索を行った。その時、リッチーは自分の行方不明者を捜索するためのチラシを見つける。ビルは怯えるリッチーを宥め、捜索を続けた。ベティの姿を見かけるが、忽然と消えてしまう。ビル達はペニーワイズに襲われそうになるが、ベバリーに助けられる。ペニーワイズは井戸の中へと逃げていった。ビルは準備を完璧にして、再度捜索を行おうとした。しかし、怯えた皆に反対される。ビル達は口論になり、喧嘩別れした。
8月、ヘンリーが失くしたナイフがポストの中に入っていた。ヘンリーはそれを使い、父を殺害した。テレビにはペニーワイズの姿が写っていた。一方、ベバリーは父から虐待されていた。襲われそうになったため、物で殴りつけた。ベバリーがその場を離れようとしていると、ペニーワイズが立っていた。
ビルはベバリーに会いに行き、ベバリーの父の死体と「逆らえば死ぬぞ」と血で書かれた文字を見つける。ビルはベバリーが攫われたことに気づき、エディ達に助けを求めた。エディは友人を助けるため、母に反抗して家を飛び出した。
ビル達は井戸の中へと足を踏み入れた。マイクが最後に下りようとしていると、ヘンリーが現れ襲われる。マイクは戦い、ヘンリーを井戸の中に突き落とした。ビルはジョージーの姿を目撃し、皆と離れて1人で後を追った。ベン達はビルの捜索中に、空中に浮かんでいるベバリーを見つける。さらに、失踪した他の子供も浮かんでいた。ベン達はベバリーを下ろすが、目を覚まさなかった、ベンは悲しみ、キスをした。すると、ベバリーは意識を取り戻した。
ビルはジョージーと言葉を交わすが、偽物だと気づいていた。頭を銃で撃ち抜くと、ペニーワイズの姿に変わった。ビルは友人達と共にペニーワイズと戦った。ペニーワイズはビルを人質に取り、助かりたければ立ち去れとエディ達に迫った。エディ達はビルを見捨てることなく、立ち向かった。瀕死の重傷を負ったペニーワイズは穴の中へと消えた。すると、浮かんでいた子供達が下りてきた。そんな中、ビルはジョージーの服を見つける。ビルはジョージーの死を悲しみ、友人達はビルに寄り添った。
9月。ビル達はペニーワイズが現れたら再度集まることを約束した。皆が去った後、ビルとベバリーは2人で話した。ベバリーは明日ポートランドに旅立つ予定だった。ビルはベバリーにキスをした。ベバリーは微笑み、去っていった。
映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の感想・評価・レビュー
あまり怖くないという感想もチラホラと見かけたが、ホラーが苦手な自分は十分恐ろしかった。口を大きく開けビル達を襲うペニーワイズの姿は、不気味でトラウマになりそうだった。外国の子供達がピエロを怖がる気持ちが理解できた。ビル達はそれぞれ悩みを抱えており、ペニーワイズとの戦いを通して成長する姿が描かれていたのは見応えがあって良かったと思う。ただ、ジョージーが亡くなっていたのが悲しかった。(MIHOシネマ編集部)
人間、誰にでも恐怖心はある。この作品ではその恐怖心が具現化してしまいます。前半はホラーらしくない、明るく賑やかなシーンが多いので子供たちの青春物語かな?と大したことないと高を括っていましたがストーリーが進むにつれて、目を細めてしまうような嫌な怖さを感じ、大きな音や怖さを煽る演出に思わず驚いてしまいました。
大人になって忘れていたけど子供の頃、絶対にあった怖いもの。「それ」を嫌でも思い出してしまう作品です。(女性 30代)
本作は、ピエロのペニーワイズに追われる子どもたちを描いた青春ホラー作品。
序盤は青春シーンだが、徐々に不穏な空気になっていく展開が秀逸だった。
ただでさえ演出が怖いのに、更にペニーワイズのヴィジュアルが怖すぎて夢に出てきそうなほどインパクトが強い。
そして、一度見たら忘れられないくらいトラウマになっている。
しかし、それぞれの嫌いなものを克服しようとし、ペニーワイズに真っ向から立ち向かう勇敢な子どもたちは素晴らしく、怖さの中にメッセージ性を感じた。(女性 20代)
青春映画を思わすような少年少女のひと夏の冒険といった雰囲気があり、川遊びをしたり、皆で集まって作戦会議をするシーンなどはワクワク感をかき立てられます。しかし、出現する化け物たちが容赦なく襲ってくるシーンは、めちゃくちゃ恐ろしくビックリさせられます。キラキラした青春とホラー要素がしっかりミックスされており、ホラー版スタンド・バイ・ミーといった感じでとても面白かったです。子供たちが頑張って恐怖に打ち勝とうとする姿に勇気が貰えました。ちなみに太っちょのベンが面白くてお気に入りでした。(女性 30代)
ホラー映画だが、思春期の子供たちの繊細な心の動き、それぞれの恋や友情などが丁寧に描かれており、青春映画としても楽しめる。もちろんホラー映画としても十分面白い。
続編公開前のテレビ放映ではかなりの部分がカットされていたので、是非DVDで観ることをおすすめしたい。主人公たちをいじめていた不良グループのリーダー、ヘンリーの家庭環境が垣間見えるシーンなどは、なんともやりきれない気持ちになる。
何故ピエロは子供たちにしか見えないのか?リッチーの本当に怖いものとは何なのか?考察するのも面白い。(女性 30代)
90年代が舞台であり「ストレンジャー・シングス」などと並んでレトロブームの先駆けとなった作品の一つだろう。少年少女たちの一夏の冒険的で挑戦的な体験は、名作「スタンド・バイ・ミー」を思い起こさせる懐かしさとエモさがある。
そしてビル・スカルスガルドが演じた恐怖のペニーワイズがCMに現れる度に、私を含めた当時の学生たちはどれだけ画面に釘付けになっただろうか。映画館には怖いもの見たさで訪れたティーンエイジャーたちで溢れていたのを思い出す。これを機にスティーヴン・キングのモダン・ホラーの虜になってしまった。(女性 20代)
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