映画『ジェサベル』の概要:「パラノーマル・アクティビティ」と「ソウ」のスタッフがタッグを組んだホラー映画。事故で下半身不随になり、実家に戻ったジェサベルが、母からのビデオレターによって恐怖に突き落とされる。
映画『ジェサベル』 作品情報
- 製作年:2014年
- 上映時間:90分
- ジャンル:ホラー、サスペンス
- 監督:ケヴィン・グルタート
- キャスト:セーラ・スヌーク、マーク・ウェバー、デヴィッド・アンドリュース、ジョエル・カーター etc
映画『ジェサベル』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
映画『ジェサベル』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ジェサベル』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ジェサベル』 あらすじ【起・承】
妊娠し、新居へ引っ越す準備をしていたジェサベルは、幸せの絶頂にいた。
しかし途中で交通事故に遇い、夫と子供を失い、ジェシー自身は下半身不随になった。
車いす生活になったジェシーは、疎遠になっていた父の世話になる事に。
ジェシーを生んですぐにこの世を去った母の部屋で生活することになり、母の残したビデオレターを発見する。
ビデオの中で、川沿いの教会で働いているモーセから教えてもらったというタロット占いを披露する母。
しかしそれを見かけた父は激怒し、家の目の前にある湖に車いすを捨ててしまった。
その晩から悪夢を見るようになるジェシー。
父は母が使っていたという車いすをジェシーにあてがう。
家に医学療法士が来て風呂に入ったジェシーだったが、突然泥水のように変化した湯水の中から出てきた女の幽霊に襲われる。
気が付くと、泥水も幽霊も消え去っていた。
妊娠中に脳腫瘍が見つかったが、治療を拒否したためおかしくなった母の姿を見られたくないと告げた父は、残っていたテープを燃やそうとして自分が焼け死んでしまった。
映画『ジェサベル』 結末・ラスト(ネタバレ)
父の葬式で元彼のプレストンと再会したジェシーは、彼を頼るようになる。
そして、気になっていた湖の向こう側へ向かうため、ボートを出してもらう。
そこには“ジェサベルの墓”があった。
中にあった赤ん坊の遺体に驚き、警察に連絡した後、プレストンの家に泊めてもらうことになるが、妻サムは気に入らない様子。
“ジェサベルの墓”の秘密を探るため、プレストンとジェシーは彼女の家の元家政婦アビーを訪ねる。
アビーは「ジェサベルは報いを受けるとモーセに伝えろ」と言う。
しかし、モーセはすでに亡くなっていた。
異常さを感じたプレストンは家から離れる事を勧めるが、途中で女の幽霊に襲われ病院に運ばれる。
その後、保安官から“ジェサベルの墓”から出た骨は、黒人の、しかも殺された赤ん坊だったと聞かされるジェシー。
最後のビデオテープを見たジェシーは、赤ん坊を目の前に母が自殺する内容に驚愕する。
母の霊を前にして、真実を悟ったジェシー。
本物のジェサベルは、モーセとの間に生まれた黒人の女の子だった。
父は激怒してモーセとジェサベルを殺し、罪を隠すために白人である自分を引き取った。
母の霊によって車いすに縛り付けられたジェシーは、突き落とされた湖の中で黒人のジェサベルと入れ替わり、そのまま死を迎える。
プレストンに助けられたジェサベルは、今までのジェシーではなかった。
映画『ジェサベル』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ジェサベル』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
車いすの設定が役立ったストーリー
母からのビデオレターがきっかけとなり、恐怖を味わうことになるジェサベルの姿を描いた作品。
そして自分の出生の秘密や、本物のジェサベルを知ることになるという、凝ったストーリー。
車いす生活のために動きが制限され、実家に戻ったばかりで頼れる人もいないというのは、逃げればいいのに逃げない主人公に違和感を感じるホラー映画もある中で、うまい言い訳になっている。
自動車事故から始まる映画は多いが、手術中に夫の頭蓋骨がジェシーの体内に食い込んでいるという、生々しいがリアリティたっぷりの表現もある。
ジェシーの誕生日と同じ日付の書かれた“ジェサベルの墓”、そしてモーセの没日、外れだらけのビデオの中のタロット占いが、もう一人のジェサベルの存在につながっていくのは面白い。
白人同士の親から生まれた子供が黒人だったせいで、母がモーセと不倫していた事実がばれるのも、不自然さが無い。
しかしプレストンがブードゥー教にやけに詳しく、同じ地域出身のジェシーに“地元の常識”と言うのはツッコミどころ。
近年稀にみる王道の怖がらせ方
Jホラー「リング」で使い古されたビデオテープの怖さを、別の形で表現した作品。
見れば見るほど母のタロット占いの不可解さに取りつかれるが、唯一の母からのメッセージなので見ていたいというジェシーの気持ちは自然なものだ。
突然の物音や物が壊れたり、大きな鏡に幽霊が映ったかと思えば派手に割れるなど、王道ともいえる驚かせ方が多い。
お風呂の中から現れた幽霊が、開いた口からジェシーの顔めがけて泥水を吐き出すシーンは少々やりすぎで、思わず笑ってしまう。
ラストのビデオレターのジェサベルは死んでいる、という言葉から、主人公が実は幽霊だったというオチを連想させて、もう一人の死んだジェサベルを登場させるのは意外性がある。
ホラー映画なのになるほどなと納得してしまうほどよく出来ていて、非常に面白い作品でした。
主人公が車椅子であることや、母を亡くしていることなど全てが伏線となっていて最後にそれが綺麗に回収されていくので恐怖の中にも爽快感がありとても気持ち良いです。
頼った元彼が結婚しているという展開はあまり必要なかった気がしますが、それ以外はクオリティが高く十分楽しめる作品だと思います。
ホラーが苦手な人にはオススメしませんが、ホラー好きな方はB級作品と侮らずにぜひ見てほしい作品です。(女性 30代)
映画『ジェサベル』 まとめ
ホラー映画だが、「ジェサベルの墓」の登場以降は謎解きのような展開も絡んでくる、怖いだけではないストーリー。
「ジェサベルは報いを受ける」という意味については、作中では明らかにされていないが、本来ジェサベルとして育つはずだった黒人の娘の命を奪った父クリス、その子供として育てられた娘は許さないという意味なのだと想像できる。
作品は面白いのだが、吹き替え版のジェシー役の甘い声は、ジェシーの印象とズレているようにも思える。
パッケージの、髪の毛が首にぐるぐる巻きになっている画も、作品の内容に合っていないのが残念。
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