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映画『ジョナサン ふたつの顔の男』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ジョナサン ふたつの顔の男』の概要:二重人格であるジョナサンは特殊な装置にて、もう1つの人格ジョンと時間を分け情報を共有することで平穏な生活を送っていた。ところが、ジョンは恋人を作ったことをジョナサンに報告せず、そのせいで平穏な生活が徐々に狂い始める。

映画『ジョナサン ふたつの顔の男』の作品情報

ジョナサン ふたつの顔の男

製作年:2018年
上映時間:95分
ジャンル:SF、ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:ビル・オリヴァー
キャスト:アンセル・エルゴート、スーキー・ウォーターハウス、パトリシア・クラークソン、マット・ボマー etc

映画『ジョナサン ふたつの顔の男』の登場人物(キャスト)

ジョナサン / ジョン(アンセル・エルゴート)
設計の製図士として働いている。二重人格で特殊な装置により、12時間毎に入れ替わっている。ジョナサンは内気だが、非常に規則正しく真面目。ジョンは外向的だが、感受性が高く感情的。互いに消されることに恐怖を抱いている。
ミナ・ナリマン(パトリシア・クラークソン)
医師。ジョナサンとジョンの親代わりでもある。脳に小型の装置を植え込み、人格が入れ替わる時間を設定することができる特殊な装置を開発。ジョナサンよりも不安定なジョンのことを気にしている。
ロス(マット・ボマー)
探偵。ジョナサンからの依頼でジョンの調査を行っている。二重人格であることを知らず、攻撃的になったジョンを殴ってしまう。

映画『ジョナサン ふたつの顔の男』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ジョナサン ふたつの顔の男』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ジョナサン ふたつの顔の男』のあらすじ【起】

建設会社に勤務し、製図士として働くジョナサンは二重人格である。彼は医師のミナ・ナリマンが開発した特殊な装置によって、もう1つの人格ジョンとの間にルールを作った。12時間ごとに入れ替わり活動することである。行動に齟齬が出ないよう、2人は寝る前に1日の報告をビデオメッセージとして残すようにしていた。互いにルールを守り生活は順調に送ることができていたが、近頃どうも疲れが残る。時折、ナリマン医師の診察にて微調整するようにしていた。

そんなある日、2人分の洗濯をしたジョナサン。ジョンのパンツのポケットからバーのナフキンが出てくる。バーに行った報告がなかったことから、メッセージにて問うと友人が失恋したので慰めるために行ったと言う。ただの言い忘れだと苛立った様子を見せた。
その日、仕事帰りにバーへ寄ってみたジョナサンは、店員が自分をジョンと呼び、ある女性は夕方5時じゃないと来ないと言われる。不思議に思って探偵のロスを呼び出し、話を聞くことにした。

ロスには自分を探偵するよう依頼を入れている。彼の報告によるとジョンはどうやらバーでエレナという女性と出会い良い関係にあるらしい。ジョンは意図的にこのことをジョナサンに報告していないようだ。そこで、ジョナサンはエレナの行動を密かに観察することにし、ジョンには報告しなかった。尾行2日目にしてエレナと偶然、会話。すると、ジョンにも彼女と話したことがバレてしまう。

以降、ビデオメッセージにて互いの意見を言い合うことに。ジョナサンとジョンは恋人を作らないというルールを設けていたのに、これは深刻な事態だ。ジョナサンはエレナと別れるか、自分達のことを全て明かせと話した。すると、ジョンはエレナとは別れたくないので、自分達のことを全て話すと言う。だが、その翌日。ジョンからのメッセージには話せなかったと残されていた。

そのせいで、深酒をし居間の床で寝入ってしまったらしい。メッセージを見たジョナサンは片づけを始めたが、その直後にエレナが自宅を訪ねて来る。エレナに誤魔化しが効かなかったため、ジョナサンは全てを明かすことに。午前7時から夜7時まではジョナサンの時間。ジョンは夜7時から朝7時までの時間を使っているのだと。しかし、エレナは彼の言うことを信じず、怒って帰ってしまうのだった。

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映画『ジョナサン ふたつの顔の男』のあらすじ【承】

すかさずメッセージにて事の経緯を説明。エレナに住所を知らせたこともルール違反であることを告げ、元の生活に戻ろうと話した。しかし、翌朝。ジョンからのメッセージは残されていなかった。それから4日経過してもジョンからの応答がなかったため、ジョナサンはナリマン医師へと相談に向かう。するとナリマンは互いに離れる時期があっても良い。それぞれに人生を選択する時がきたのだと話すのだった。

朝、ジョンのベッドで目覚めるので彼は間違いなく活動している。家事はジョナサンが行うことにし、メッセージも必ず残すようにしているが、1週間経ってもジョンからの返事はない。そこで、ジョナサンはエレナに事情を説明し、ジョンに戻って来るよう説得を頼んだ。だが、翌朝もメッセージは残されていなかった。

それからも欠かさずメッセージを残し続けたジョナサン。ジョンが活動している様子はあるが、メッセージがない。不安と寂しさを募らせる日々。
数日後、エレナが自宅を訪ねて来る。彼女に朝食をご馳走しジョンとの成り行きを聞いた。ジョンはエレナと旅行に行きたいと言っていたようだが、それは難しいだろう。1つの身体に2人の人格があるなど、受け入れがたい事実だし大抵の人は怖がる。別れ際、ジョナサンはエレナと連絡先を交換した。

以来、エレナとデートを重ねるようになったジョナサン。メッセージには彼女とのことは残さなかった。ある日、エレナと過ごした後、急いで帰宅したジョナサンはわざとメッセージを残さなかった。すると翌朝、彼を心配したジョンからのメッセージが残されていた。エレナにもジョンがようやく戻ったと報告したが、だからと言って彼女との関係を断ち切りたくない。ジョナサンはエレナと体の関係を持ってしまった。

映画『ジョナサン ふたつの顔の男』のあらすじ【転】

エレナとのことは明かさず、会社の同僚と関係を持ったと話したジョナサン。ジョンからは祝福の言葉と新たな仕事に就くことができたという話を聞いた。そこで、ジョナサンも一歩進むべく会社の新プロジェクトへ参加。現在、ジョナサンはジョンとの兼ね合いもありパートタイムで働いているため、その時間と自宅でも精力的に仕事をすることにした。

ナリマン医師にもそのことを報告。そんなある朝、見知らぬ女性のベッドで目覚めたジョナサンは慌てて帰宅。顔には殴られた痕があり、状況がよく飲み込めない。ジョンのメッセージによるとロスと遭遇し、一悶着あったらしい。ジョンは酷く怒っていて、ジョナサンは恐怖を募らせる。

元々、ジョナサンの体には3つの人格があり1人が共存を否定したため、ナリマン医師によって消されている。故に、ジョンがもしもジョナサンを消したいと考えたらと思うと気が気ではなかった。そこで、ジョナサンはジョンへと真摯に謝罪。すると、ジョンも探偵のことやそれまでのことを許してくれるのだった。

だが、ジョンの持ち物から実は彼がうつ病であることが発覚。彼は自分で話すと言っていたらしいが、ジョナサンは何も聞かされてない。ナリマン医師もそのことを知っていたようだ。ジョナサンはエレナと本気で付き合っていることをナリマンに明かしたが、エレナはジョンの代わりにはならないと言われる。

しかしその後、ジョンがジョナサンの会社に侵入したことが判明。そのせいで、ジョナサンは会社をクビにされてしまう。ナリマンがジョンに全てを明かしてしまったのだ。そのことを詰め寄ると、医師は正しい側の味方だと言う。ジョナサンはいつも自分が悪者だと怒り狂った。ナリマンはエリナにも連絡を入れていたため、彼女からも別れを切り出されてしまう。ジョナサンは一頻り泣いた後、ジョンへとメッセージを残した。

映画『ジョナサン ふたつの顔の男』の結末・ラスト(ネタバレ)

しかし、翌朝起きるとナリマンが寄り添っている。どうやら、ジョナサンからのメッセージで酷く傷ついたジョンが手首を切ったらしく、助けを求められた医師が駆け付けたと言う。ナリマンは赤ん坊のジョナサンを育てた親代わりでもある。彼女は自分の家へと彼を戻し、一定期間の経過観察と面倒を見ることにした。
ナリマンからはジョンが消えたがっていると聞かされる。恋人も兄弟も自分から離れ、一人ぼっちだと思い込んでいるらしい。その上、入れ替わる時間がまたずれ始めていた。

自然に囲まれた医師の邸宅はあまりに静かだ。ナリマンも日に日に疲れを見せている。どうやらジョンと会話をするため、彼女も夜更かしをしているらしい。
ところが、翌朝になると橋の下に横たわっている。ジョンはジョナサンが1人でも生きていけると確信し、自分を消すよう脅している。ジョナサンは自らを鍵付きの鎖で拘束して休んだ。

その日は無事にベッドで目覚めたものの、ジョンを消すまいとするジョナサンに対し、ジョンはどうあっても自分を消そうとする。それは時間に関係なくジョナサンを害するようになり、気が付けばアパートの屋上に立っている。そうしたことが何度か続いた後、ジョナサンはジョンとの時間を分ける装置を外すことにした。その装置は右耳の後ろから脳に植え込んである。装置を外すとジョナサンは意識を失ってしまう。

目覚めるとナリマンの診察室にいた。装置が再び植え込んであり、ジョンとの時間が装置によって制御できない状態になってしまったことを伝えられる。ジョナサンはナリマンの制止も聞かず外へ。すると、次に気が付いた時にはタクシーに乗っている。ジョンはどうやら空港へ向かっている様子。タクシー運転手に伝言を残していた。

その途中、また居眠りしたようで目覚めたジョナサン。近くに浜辺があることを知りタクシーを止める。運転手を介してジョンと会話をした彼はとうとう、決意を固め自らが消えることにした。ジョナサンはタクシー運転手に伝言を残し自らを消滅させる。すると、残されたジョンは伝言役をしてくれたタクシー運転手に礼を言って、肩を落として車に乗り込むのであった。

映画『ジョナサン ふたつの顔の男』の感想・評価・レビュー

主人公は二重人格であるが、元は人格が3つあったという話が作中に出てくる。赤ん坊の頃から多重人格者だったらしいが、そもそもその話が真実であるかどうかも疑わしい。親代わりの医師が研究のため、意図的に人格を作り出したのではないかと疑念が残る。医師がジョンばかりを気遣いジョナサンを追い詰めるのは、ジョンの方が主人格だったからではないかとも考えられる。主人公のアンセル・エルゴートは性格が違う2人を見事に演じている。ビデオメッセージで互いに会話する様子や、生活する上でのルールが決まっていて協力して生活している様子が面白い。(MIHOシネマ編集部)


本作は、ジョナサンとジョンという2つの人格を時間帯で使い分ける1人の人間を描いたSFヒューマンサスペンス作品。
二重人格や解離性を変わった視点から見ているような不思議な感覚だった。
2人が兄弟のようにお互いを思いやり信頼し合っていたにも関わらず、夜担当のジョンがルールを破り恋人を作ってしまいギクシャクしていくところからの展開に引き込まれた。
しかし、予想だにしないラストが憂鬱な気持ちになり切なかった。
2つの人格をタイマーでコントロールするなんて、私なら考えただけで頭がパンクしてしまうだろう。(女性 20代)


派手な作品ではないが、深く考えさせられる物語だった。自分の記憶がない間に日常が進んでいるというのは、普通だったら恐ろしくて耐えられないと思う。
ルールを破ってしまったジョンだが、自分の思うように生きたいと願い行動することは人間なら当たり前のことだと思う。彼の気持ちは理解できるが、ジョナサンに対してもエレナに対しても、最初からすべてを明かすべきだったのではないかなと思った。一番不気味なのは、ナリマンの存在だった。一体何がしたいのか、イマイチ気持ちが掴めない人物だった。(女性 30代)


自分の中に存在するもう一人の自分と、まるで自分自身が二人存在しているかのように時間を分けて別の人間として生活するジョナサンとジョン。ストーリー自体は難しくないのですが、脳内に埋め込まれた装置で、人格を入れ替えるという設定がどうも理解できませんでした。複数の人格があると、それだけ多くの意見がありそれらが全て同じになることは無いのだと思います。それであれば、最初からジョナサンかジョンどちら一方の人格だけを残すようにすれば良かったのにと思ってしまい、ナリマンにも不信感が募りました。
ラストもモヤッとする展開で何度か見てもう少し深く知りたくなりました。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー

  1. ずんどこどっこい より:

    よくできたストーリーだと思います。見てる間に引き込まれました。ただし、最後ジョナサンが自分を消す時に何の仕組みを使わずに勝手に自分で消えてしまったという脚本の甘さがちょっと感じられました。
    医師の力も借りずに勝手にいつでも自分を消せることができるんだったら、初めから消えておけば良かったでしょう。
    その最後の詰めの甘い、いい加減さ以外は全て面白かったです。