みさと銀行に勤めて入社6年目の「私」は、慌ただしく準備をして満員電車に揺られながら出勤した。みさと銀行には個性豊かな同僚達がいた。これは、「私」や同僚達のちょっとした日常の物語である。
映画『架空OL日記』の作品情報
- タイトル
- 架空OL日記
- 原題
- なし
- 製作年
- 2020年
- 日本公開日
- 2020年2月28日(金)
- 上映時間
- 100分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
- 監督
- 住田崇
- 脚本
- バカリズム
- 製作
- 古島裕己
伊藤太一 - 製作総指揮
- 佐々木加奈
- キャスト
- バカリズム
夏帆
臼田あさ美
佐藤玲
山田真歩
三浦透子
シム・ウンギョン
坂井真紀 - 製作国
- 日本
- 配給
- ポニーキャニオン、読売テレビ
映画『架空OL日記』の作品概要
2017年、バカリズムが出版したブログ本『架空OL日記』を元に、読売テレビ・日本テレビ系列でドラマが放送された。バカリズムが脚本を手掛け主演を務めた作品で、ごく普通のOL達の日常を描いたストーリーになっている。バカリズムが女装や女声を使わずに女性を演じたことで大きな話題を集めた。映画版では臼田あさ美を始めドラマ版から出演している女優達と共に、シム・ウンギョン、坂井真紀、志田未来、石橋菜津美が新たな仲間としてキャスティングされている。
映画『架空OL日記』の予告動画
映画『架空OL日記』の登場人物(キャスト)
- 私(バカリズム)
- 26歳。みさと銀行・入社6年目。実家住まい。インドア派。満員電車に揺られながら、会社に出勤している。
- 藤川真紀(夏帆)
- 26歳。みさと銀行・入社6年目。通称、マキちゃん。「私」の同僚で親友。ストイックな性格。
- 小峰智子(臼田あさ美)
- 28歳。みさと銀行・入社8年目。通称、小峰様。竹を割ったような性格。皆の頼れる先輩。
- 五十嵐紗英(佐藤玲)
- 24歳。みさと銀行・入社4年目。通称、サエちゃん。漫画が大好き。皆から可愛がられている。
映画『架空OL日記』のあらすじ(ネタバレなし)
月曜日、入社6年目の「私」は、化粧をしたり髪の毛を整えたり慌ただしく準備していた。そして、満員電車に揺られながら出勤した。「私」が働いているのは、みさと銀行。そこには、個性豊かな同僚達がいた。ジムに通って体を鍛えている「私」の同期で親友の藤川真紀。おとなしい性格の後輩・真壁香里。姉御肌の先輩・小峰智子。天然で可愛い後輩・五十嵐紗英。家庭的な性格の先輩・酒木法子。日本の漫画や歌が大好きで海外から採用されたソヨン。怒ると怖い小野寺課長。
就業前、「私」は真紀や紗英達と会話をしながら制服に着替えた。寒い更衣室に欠かせないハロゲンヒーターが壊れたり、歯磨き中の会話だったり、「私」達のちょっとしたアクシデントと細やかな日常が描かれている。
映画『架空OL日記』の感想・評価
バカリズムが原作・脚本・主演を務めた作品
お笑い芸人だけでなく作家や俳優などマルチな才能を見せるバカリズム。そんな彼が原作・脚本・主演を務めた映画が誕生した。
2008年、バカリズムは銀行勤めのOLの振りをしてブログを綴り、それを纏めた本『架空OL日記』を出版した。ブログを読んでいた読者はバカリズムが書いていたことを知らず、本物の女性が書いていると信じ込んでいた。この予想外の事実が大きな話題を呼び、2017年には読売テレビ・日本テレビ系列でドラマが放送されることになった。
バカリズムは原作・脚本を手掛けただけでなく、主演を務めている。しかも、女装をしているわけではなく、見た目はバカリズムのままでOLを演じている。この奇妙さがさらに大きな反響を呼び、今回映画化されることになった。
ごく普通のOLの日常
派手なアクションシーンやスリリングな展開が描かれているわけではなく、ごく普通のOLの日常が描かれた作品になっている。ノー残業デー(通称、ノーザン)を喜んだり、忙しい朝の支度にバタバタしたり、月曜日の出勤が憂鬱だったり、働いている女性なら思わず「分かる!」と叫びたくなるようなありふれた出来事を楽しむことができる。
映画版もドラマ版と変わらず、バカリズムが主演を務めている。始め、バカリズムが化粧をして女性として振る舞っているところは違和感を覚えるかもしれないが、物語が進むにつれてその違和感も覚えなくなるはずである。他のドラマにはない異色な設定とOL達のありふれた日常のギャップに、きっと多くの人が嵌まるはずである。
脇を固める人気女優達
バカリズムが主演を務める一方で、脇を固めるのは豪華な女優達ばかりである。夏帆、臼田あさ美、佐藤玲、山田真歩、三浦透子がドラマ版から続投し、シム・ウンギョン、坂井真紀、志田未来、石橋菜津美が劇場版で新たに仲間に加わった。
シム・ウンギョンは韓国出身の女優で、子役の頃から様々なドラマに出演して活躍している。日本でもリメイクされた映画『怪しい彼女』(14)では主演を務め、「第50回百想芸術大賞・最優秀主演女優賞」や「第23回釜日映画賞・主演女優賞」などの賞を受賞した。
坂井真紀は「私」が働く銀行の課長を演じ、志田未来と石橋菜津美はそれぞれ「私」の地元の友達を演じている。新たに加わった仲間達がどのような動きを見せるのか、注目して欲しい。
映画『架空OL日記』の公開前に見ておきたい映画
劇場版 ひらがな男子 序
バカリズムが脚本を手掛けたアニメーション作品。バラエティ番組『アイキャラ』から派生した作品で、擬人化したひらがなが登場する。アニメ『進撃の巨人』のエレン・イェーガー役を担当した梶裕貴や映画『アイドルマスター SideM 理由あってMini!』の岡村直央役を担当した矢野奨吾など、今をときめく人気声優達が声の吹き替えを担当している。
昔大きな爆発が起こり、世の中から文字が消えてしまった。人々が不自由な暮らしを送る中、ひらがなの「あ」は文字を取り戻そうと旅を続けた。「あ」は手掛かりを求めて占いの館を訪れた。そこで、占い師の「う」に出会う。「あ」はなかなか「う」の話を信じることができなかったが、彼の体にあった痣を見て自分の仲間だと信じた。「あ」は無事に他の仲間も見つけることができるのだろうか。
詳細 劇場版 ひらがな男子 序
劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル
夏帆の代表作で、主要キャラクターの高階美代子を演じた。テレビ朝日系列で放送されていたドラマ『TRICK』の劇場版第三作目。仲間由紀恵、阿部寛、生瀬勝久などお馴染みの出演者だけでなく、佐藤健や松平健など映画版ならではの豪華な俳優が多数出演している。堤幸彦が監督を務め、蒔田光治が脚本を手掛けた。
日本科学技術大学・上田次郎教授のもとに、一人の青年がやって来た。その青年は中森翔平という名前で、インチキ霊能力者を暴いてもらおうと依頼をしにやって来たのだった。上田は依頼を受けることを決め、知り合いの売れないマジシャン・山田奈緒子に連絡を取った。上田と山田は中森が暮らす万練村に出発した。そこで、殺人事件が起きてしまう。
詳細 劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル
桜並木の満開の下に
臼田あさ美が主演を務めた作品で、事故で夫を亡くした女性・栞を演じた。高橋洋が栞の夫役を演じ、三浦貴大が事故の原因を作った森工を演じた。「2012年、釜山国際映画祭「アジア映画の窓」部門」で上演された。東日本大震災が起きた後の茨城県日立市が物語の舞台になっており、ある事故をきっかけに出会った男女の複雑な恋愛模様が描かれている。
栞は町工場で働き、夫で同僚の健次と幸せに暮らしていた。そんなある日、健次が事故に遭い、命を落としてしまう。新人の工の操作ミスが原因だった。栞は工に謝罪されても受け入れず、愛する夫を失った悲しみから立ち直ることができなかった。しかし、工が健次の死を深く悲しみ苦しんでいることを知ったとき、徐々に彼に惹かれていくのを感じた。
詳細 桜並木の満開の下に
映画『架空OL日記』の評判・口コミ・レビュー
#架空OL日記 ドラマの延長戦。ドラマ観てた人には最高です。ドラマの域は出ていないというかそのまま。SP。でもそれがいい。日常のあるあるだから共感できるし心の本音も楽しい。小峰様も酒木さんも紗英ちゃんも最高。こんな女子会に参加した気分。4点。ドラマもそうだけどラストはいらないな。 pic.twitter.com/xXBQICSjVd
— べしゃりメガネ (@Kussy_zzz) 2020年3月1日
#架空OL日記
ただ只管OLの日常を描く、それだけ。派手な事は何も起こらないのに観ていられる不思議な感覚。すぐ隣の人々への微細で鋭利な目線と共感と手を伸ばせない憧れ。自分が普段している嘘や虚構への愛想笑い。誰かの平凡という物についてクスッと笑いながら切なくなりながら考えてみたくなる。 pic.twitter.com/2dZ5DXRLcw— kkkenpy (@kkkenpy) 2020年3月1日
『#架空OL日記』観た。ドラマ映画化によくあるムダなスケールアップとは無縁で相変わらずクレイジー。ゲストが加わってもぬるい温度を保ちながら映画なりのオチを付けてる。単体の映画としては賛否あると思うけど、これが観たかったんだよなあ。#三浦透子 ファンなのでカオリンの出番が多くて大満足。 pic.twitter.com/V4YbrC3vNh
— sail (@hysknttnkk) 2020年3月1日
映画『架空OL日記』のまとめ
お笑い芸人のバカリズムが主演・原作・脚本を務め、OL達の日常を描いたユーモラスに溢れた作品。バカリズムの脚本は高く評価されており、「第36回向田邦子賞」を受賞している。「向田邦子賞」は優れた脚本家に与えられる賞で、1981年に他界した脚本家の向田邦子の業績を称えて誕生した賞である。ドラマ版の主題歌にもなっていたシンガーソングライター・吉澤嘉代子の楽曲『月曜日戦争』が、映画版の主題歌に起用されている。
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