映画『ケイト・レディが完璧な理由』の概要:家事も仕事も子育てもパワフルに頑張るパーフェクトレディを、「セックス・アンド・ザ・シティ」のサラ・ジェシカ・パーカーが好演。観ればきっと元気をもらえる、一生懸命に生きるケイトや彼女を取り巻く人々のハートフル・コメディ。
映画『ケイト・レディが完璧な理由』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:ダグラス・マクグラス
キャスト:サラ・ジェシカ・パーカー、ピアース・ブロスナン、グレッグ・キニア、クリスティナ・ヘンドリックス etc
映画『ケイト・レディが完璧な理由』の登場人物(キャスト)
- ケイト(サラ・ジェシカ・パーカー)
- 投資会社のボストン支社に勤めるファンドマネジャー。プライベートでは二児の母。タフで明るい努力家だが、家庭と仕事の両立に悩む。クセは、感謝するとお礼を何度も言ってしまう事。
- ジャック(ピアース・ブロスナン)
- ケイトの勤める投資会社のニューヨーク本社幹部。妻を病気で亡くした過去を持ち、多少の事では動じなくなった大人の男性。
- リチャード(グレッグ・キニア)
- ケイトの夫。建築家として独立したばかり。働くケイトを応援し、理解しようと努力しているが、寂しさも感じている。
- アリソン(クリスティーナ・ヘンドリック)
- ケイトの親友。バツイチ子持ちのキャリアウーマンで、ケイトの良き理解者。幼稚園のママグループの中では、ケイトと共に異端児扱いされている。
- モモ(オリヴィア・マン)
- ケイトの部下。愛想は無いが、仕事は優秀。なりふり構わず家庭と仕事の両立を目指すケイトを見てきたため、結婚や育児はキャリアの妨げと考えている。
映画『ケイト・レディが完璧な理由』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ケイト・レディが完璧な理由』のあらすじ【起】
ケイト・レディは、仕事に家事育児に何でもこなすパーフェクトな女性だ。性格も良く、夫や子供からも愛されている。しかし、そんなケイトにも人生に躓いた時期があった。きっかけは、幼稚園のバザーだ。自分の母が仕事に忙しく、子供時代に嫌な思いをした事から、バザーへの出品は手作りお菓子にこだわるケイト。しかし、出張帰りの深夜では材料も手に入らず、市販のパイを手作り風に崩して出すしかない。夫リチャードは独立したばかりで、迷惑はかけられない。仕事の事、家の事。ケイトはベッドで横になっても、頭の中はやることリストでいっぱいだ。
夫との仲は良好だが、共に過ごす時間と体力が無かった。2歳の息子ベンはまだ素直だが、幼稚園の娘エミリーは働くママに反抗的。大学8年生のベビーシッターは時間にルーズなのが玉にキズで、幼稚園ママの主婦グループからは敵意を感じる。会社に行けば、部下のモモは有能だが兼業主婦に理解が無く、接待男のクリスは論外だ。女性に産休育休の権利は認められても、男女平等なんてあり得ない話。同じ働く女性で、シングルマザーの親友アリソンだけが、ケイトの苦労をわかってくれる。
バザーに偽手作りパイを出品した日、大手投資会社のボストン支社に勤めるケイトに、仕事で大きなチャンスがやって来た。新しい金融商品の提案書が、ニューヨーク本社に興味を持たれたのだ。出張から帰ってすぐ、またニューヨーク出張に行くケイト。エミリーは怒るし、ケイトも子供達を十分に見られず、息子の美容室デビューの機会を逃してしまう。
それでもモモとニューヨークへ飛び、なんとか上役のジャックに企画趣旨を説明する。ジャックには、アリソン宛の卑猥なメールを誤送信してしまったものの、プレゼンの感触は悪くない。それよりも、ケイトを悩ませたのは娘から感染した毛ジラミだった。打ち合わせ中も頭を掻きむしり、モモからは汚いものを見るような目で見られてしまう。シラミの噂は会社中に広まるし、幼稚園ママからは母親失格と陰口をたたかれていた。シラミは、親が世話を放棄した不潔な子供に湧くものだ。
義母までもが、ベンがまだ言葉を話さないのは母親が家を空けがちだからだと非難する。彼女は今どきのオーガニック志向や男性の育児協力にも理解が無かった。そして、ケイト自身にも、子育てを全うできていないという罪の意識があった。
映画『ケイト・レディが完璧な理由』のあらすじ【承】
ケイトの忙しい日々にも、喜びはある。リチャードは初めて大きな契約を手に入れ、ケイトも提案がジャックに認められた。しかし、ケイトの仕事は急を要し、しばらくは週三日のニューヨーク出張になってしまう。家事も育児もちゃんとやると夫に宣言し、仕事に精を出すケイト。両立のコツは、ジャグリングと同じだ。とにかく投げる。投げたものは落ちて来るが、掴まないで、またすぐ投げる。
ジャックは、良きパートナーだった。愛する妻を病気で失ってからはシンプルな生き方がモットーだが、ケイトの多忙ぶりも暖かく見守ってくれる。次第に二人は惹かれ合い、ジャックからのメールの最後に「キス&ハグ」のマークが付くようになるが、ケイトは一定の距離を保つよう自分を戒めていた。仕事の合間に共通の趣味のボーリングに行くが、チーム戦で勝った時でさえ、妙に意識してしまって喜びのハグもできない。
一方、結婚や育児に否定的なモモにも、変化が起こっていた。うっかり妊娠してしまったのだ。上司として、そして先輩ママとして彼女を補佐するというケイト。モモは、ケイトのめちゃくちゃな生活に希望が感じられずにいたが、次第に出産を前向きに考えるようになる。
しかし、順調な会社生活とは違い、家庭は少しずつ綻び始めていた。ケイトもリチャードも多忙を極め、つい子供達の世話が後回しになり、嫌っている専業主婦のウェンディや見ず知らずのナニーを頼る羽目になってしまう。ケイトもリチャードも、この生活にストレスを溜めつつあった。
映画『ケイト・レディが完璧な理由』のあらすじ【転】
下がる一方の家庭での評価を高めようと、ケイトは感謝祭に5日間の休暇を取った。必死で仕事を整理し、クリスに嫌味を言われようが死守した休暇だ。子供達を連れ、義両親のところで楽しい雪遊びをする。携帯はサイレントにし、休暇中は触らないと夫に約束した。
幸せいっぱいの休暇初日の夜、ケイトの携帯は光り続け、ついには義実家の電話までが彼女を呼ぶ。ジャックと進めている仕事について、急きょニューヨーク行きが必要なのだ。明日はエイミーと雪だるまを作る約束をしていたが、仕事をクリスに奪われるわけには行かない。荷造りをするケイトに、ベンが初めて言葉を話した。バイバイ、ママ。
ケイトとモモは徹夜で準備し、本社へ向かう。モモは既につわりが始まり、苦しそうだ。妊娠は仕事人間の彼女を変え、プレゼン資料にエコー写真が紛れ込むという大失態を冒してしまう。しかし、ケイトのプレゼンは上出来だった。役員はこの企画を気に入り、ランチ会議にまで持ち込んだ。本来なら上司のジャックだけが行くべきランチに、ジャックはケイトも参加させ、彼女を売り込んだ。
提案は好感触だ。慌てて駆けつけたため、ケイトの携帯は充電切れだが、そんな事も気にならない。しかし、ジャックの携帯に、リチャードから何度も連絡が入っていた。ベンが階段から転落して病院に運ばれ、音信不通のケイトに代わってジャックに連絡を入れ続けていたのだ。ケイトは急いで帰宅し、ベンのケガも大事では無かった。そうとは言え、リチャードの我慢は限界だった。団らんも夫婦生活も無いと言ってケイトを責めるリチャード。エイミーも、もう母の約束を少しも信用しなくなっていた。
映画『ケイト・レディが完璧な理由』の結末・ラスト(ネタバレ)
相変わらず、会社は無茶な指示しかしてこない。疲れ切ったケイトのオフィスに、ニューヨークからジャックが訪ねて来た。ニュースが二つあるという。一つは、自分達の提案が採用された事。そしてもう一つは、自分が、四六時中ケイトの事を考えているという事。
ケイトは、ジャックが大好きだった。しかし、それはあくまで仕事のパートナーとしての話だ。自分にとってのリチャードのような存在が、きっとジャックにも見つかるはず。自分は、リチャードとやり直せる可能性を信じたい。ケイトには、ジャックと共に過ごすよりもやるべき事があった。雪が降って来たのだ。エイミーと、雪だるまを作る約束をしたではないか。ジャックに何度もお礼を言って、ケイトは駆けだした。
向かったのは、上司のクラークの元だ。彼は、ケイトに週末のアトランタ出張を命令していた。ケイトは、出張に出るのを月曜まで伸ばしてくれないなら、クビにしろと上司に迫る。自分はこれまで会社の為に全てを捧げてきたし、家庭と仕事を両立するために十分苦しんできた。会社を辞めるつもりはないが、家庭を大切にする自分の考えが気に食わないなら、勝手にクビにすればいい。とにかく今日は、娘と雪だるまを作るのだ。
クラークは、ケイトを会議室から追い出した。それなら出ていけ、アトランタ出張は月曜日だ。これは、大きな仕事を成功させたケイトへのご褒美だった。ケイトは礼を言って、エイミーの幼稚園まで走る。ケイトの帰りを期待していないリチャードが、子供達を連れて帰宅するところだった。エイミーは、自分が考えを変えた事を、つまり、これから先に失うとしたらクラークやジャックの期待であって、夫や子供達ではない事を伝えた。リチャードもまた、エイミーの為に密かに変わろうとしていた。彼の手帳には、かつてエイミーを悩ませていたやることリストがビッシリと記してあった。
仕事でも家庭でも成功したケイトは同僚達からも見直され、髪を振り乱して働くケイトを非難していたモモは、ぼさぼさの頭で男の子を出産した。リチャードもケイトも世界を飛び回り大忙しのレディ家だが、もう夫が妻のやり方に不満を感じる事は無かった。妻の仕事は、ジャグリングだ。
2か月後、ケイトの元にジャックからメールが届く。アリソンのメッセージ付きだ。運命の相手を見つけたと、礼を言うジャック。二人を引き合わせたケイトは、満足そうに笑っていた。
映画『ケイト・レディが完璧な理由』の感想・評価・レビュー
慌ただしい毎日を送るケイトの姿がとてもかっこよく、ああなりたいなと思ってしまう程、充実していた。やることリストの多さや、子供達との距離が離れていくにつれ、仕事での成功が増え、夫婦間でもぎくしゃくしてしまうケイトだったが、思いきって会社を飛び出し、娘と雪だるまを作るために家に帰る選択をした心が強く、とても幸せな気持ちになった。仕事と家事育児をこなす女性をリアルに描いており、会社での目や、幼稚園での目などを気にせず、前に突き進む姿が勇気と元気を貰い、疲れている時に見たい映画であった。(女性 20代)
ケイトが物凄くパワフルで、見ているだけで目が回りそうになる。家庭も仕事もどちらも大切で、頑張りたいと思うのに上手くいかないもどかしい気持ちが丁寧に描かれていたと思う。大人の女性が見て楽しめる作品。サラ・ジェシカ・パーカーがケイトを演じたのも良かった。
ケイトだけでなく、夫のリチャードも素敵な人なのが良かった。多少のすれ違いはあったが、お互いのことを思い合っていて理想的な夫婦だと思う。(女性 30代)
この作品のケイトを見て、かっこいいな、こうなりたいなと思う女性はとても多いでしょう。家庭も仕事も全力でパワフルなケイトからはハッピーなオーラを強く感じました。
しかし、私はケイトのようにはなりたいとは思いません。これは映画だから成り立つ話だとどこか客観的見てしまいました。家庭も仕事も自分だけのものでは無いし、自分無しでは回らない仕事なんて私には重荷でしかないので、協力的で理解のある同僚と、夫は私の生活には欠かせないと感じました。(女性 30代)
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