映画『風が吹くとき』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「風が吹くとき」のネタバレあらすじ結末と感想

風が吹くときの概要:イギリスの田舎に住む老夫婦、ジムとヒルダ。情勢が悪化し、戦争が三日後に勃発することを知ったジムは政府の発行するパンフレットを頼りに、事態に備える。温かい絵柄とは裏腹に、核戦争の恐ろしさを惨憺と描くアニメーション。

風が吹くときの作品情報

風が吹くとき

製作年:1986年
上映時間:85分
ジャンル:アニメ、ヒューマンドラマ
監督:ジミー・T・ムラカミ
キャスト:ペギー・アシュクロフト、ジョン・ミルズ etc

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風が吹くときの登場人物(キャスト)

ジム(ジョン・ミルズ)
仕事を退職し、年金暮らしを送っている老人。妻のヒルダとは二人暮らし。核戦争から生き残るために図書館から貰って来たという核兵器対策パンフレットを参考に備えを整えようとする。放射能の悪影響などには全くの無知であり、それゆえに間違った知識のまま行動を起こしてしまう。穏やかで陽気な性格をしており、核が落ちた後もヒルダを励まし続ける。
ヒルダ(ペギー・アシュクロフト)
ジムの夫。のんびりとした性格で、世界情勢のことにはほとんどと言っていい程に無関心。核戦争についての恐ろしさへの知識は薄く、むしろ彼女にとってはそれよりも家事や家具の方が大事なようだ。

風が吹くときのネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『風が吹くとき』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

風が吹くときのあらすじ【起】

イギリスの片田舎、一軒家でのんびりと年金生活を送っている老夫婦のジムとヒルダ。図書館帰り、バスに揺られながら自宅へと帰宅していくジム。家の中では家事に余念がない妻のヒルダがせっせと食事を作っている。この世界ではどうやら日に日に情勢が悪化しており、近々戦争が始まるとの噂であった。食事中に「世界の情勢を知っておかないと」とラジオを触るジムだったが、正反対に政治には無関心なヒルダは「私は別の番組がいいわ」とチャンネルを変えようとする。それでもジムが改めてニュースへと戻すと、流れてきたのはついに戦争が勃発した、との報せであった。三日以内に、核ミサイルに備えシェルターを作るようにと促すラジオ。「大変だ!戦争が始まってしまう、すぐに準備をしないと!」と、慌てるジム。ジムは図書館から丁度、政府が発行したというパンフレットを持って帰ってきたのだという。それを基に核シェルターの制作と防災準備に取り掛かり始める。一方でヒルダは「戦争なんて、どうせすぐに終わるわ」と食器を片付けながら楽観的な様子だ。

2人が戦争を経験したのは、40年も昔の世界大戦の出来事。夫婦は当時のことを振り返りながら、まるで思い出のように互いに語り合うのだった。

パンフレットによれば、木製のドアとクッションでシェルターを作り、窓ガラスには熱戦を防ぐために白いペンキで塗り潰し、紙袋に入るのが放射能の被害を防ぐのに有効……らしい。信憑性があるのかないのかは不明だが、知識のない二人にとってはこのパンフレットだけが頼りなのだ。二人はそれに従い、対策を始める。

戦争に備え、食材の買い込みなどを始める夫婦。呑気な会話を繰り返しながら、二人は各々マイペースにその手順を実行してゆく。シェルターの作り方だが、木製のドアを外し、斜め60度に壁に立てかけ、その前にクッションを敷きつめる……というだけのものであった。60度の角度がどのくらいなのか不思議に思ったジムは、既に成人し親元を離れた息子・ロンに電話を掛ける。ロンドンに住む彼は、子を持つ父親だ。ジムからの真剣な質問に、ロンは笑い調子に「やられる時はみんな一緒なんだからどうしようもない。60度が分からないなら分度器でも買えばいい」と呑気な返答を寄越す。ロンを心配するヒルダだが、ジムは「あいつは頑固だからな」と言い、彼の言う通り分度器を買いに街へと向かう。買い出しから戻ってきたジムだったが、既にほとんどのものが売り切れでパニック状態であったという。

風が吹くときのあらすじ【承】

ジムは早速、政府の言う通りに家のドアを取り外し実に簡素なシェルターを作り始めた。ヒルダにとっては戦争よりも家具の方が大事なようで、「クッションは二階にある古いのを使ってね」と釘を刺し、ジムが窓にペンキを塗る際にカーテンを汚してしまった時も叱り飛ばす。しかし、ヒルダも全くの無関心というわけではなく、小分けにした瓶に飲料水を入れて置いておくなどし、ジムと仲睦まじく共同作業をこなしていく。

「白い服を着ていれば火傷しないようだよ。ヒロシマの人たちは、白い部分だけは焼かれなかったらしい。白いシャツはある?」
「それは日本人の話でしょう。そんな話聞いたことないわ。馬鹿みたい、戦争中に服の柄を選り好みするなんて」

相変わらず牧歌的な会話を繰り広げる二人であったが、そんなさなかで突然の緊急ラジオが流れる。無情にも、敵国からミサイルが発射されたのだと。慌ててラジオに齧りつくジム。ラジオは淡々と緊急速報を告げる。

「政府からの発表をお知らせします。敵のミサイルが我が国へ向けて発射されました。今からおよそ三分後にはこちらに到達します。あと三分です。家からは絶対に出ないでください」

ジムが驚愕し、ラジオの音量を上げている横ではヒルダが洗い物を取りに行こうとする。それを怒鳴って引き止め、無理やり彼女をシェルターへと引きずっていくジム。怒鳴られたことが頭にきたのか「戦争中でもマナーは守りなさい」と不服を露わにするヒルダ。ラジオは切迫した状況を流し続ける。

「姿勢を低くして頭と目を庇うこと。今すぐシェルターに避難して下さい。窓から空を見ないでください、繰り返します……」

オーブンに入れっぱなしのケーキが焦げちゃう、とやはり緊迫感のないヒルダを庇うようにシェルターへ飛び込むジム。直後、投下される核ミサイル。閃光と共に凄まじい轟音がし、次々破壊されていく建物。爆風のあまり脱線する列車。吹き飛ばされる野生の動物。炎に包まれる街――やがて映像は、夫妻の家の中へと切り替わる。食器や家具が散乱する中、映し出される二人の結婚式での写真。若かりし頃の二人が式を挙げている場面や、交際している時の楽しげな場面がセピア色で挟まれる。最後にはその写真が落ちて割れてしまい、爆弾が全てを燃やし尽くしたことを物語る。

風が吹くときのあらすじ【転】

爆撃からは無傷に終わった二人は、無事に生きていることを確かめ合う。しかし、家の中はめちゃくちゃだった。慄くヒルダは「すぐに片付けなきゃ」と飛び出そうとするがジムがそれをすぐに止める。放射能の影響がまだあるからすぐに出てはいけないのだと。しかし、放射能が目に見えるものではないためかヒルダには今一つそれがピンとこない。ジムはパンフレットを読みながら「大丈夫。すぐに政府が助けに来てくれるよ。とにかく今日は休もう」と彼女をたしなめる。しかし、核爆弾の本当の脅威はこれだけでは済まされなかった。二人の身体には、放射能による異変が訪れつつあった……。

翌日、身体中が痛む二人。爆弾が落ちたのだから無理もない、と特別気にせず室内へと出て見れば貯めてあった水の瓶は爆風でほとんど割れていた。ニュースで状況を確認しようとするジムだが当然テレビは映らない。ラジオも着かない。水も出ず、ガスも止まっている。電話も通じない。家の外は全て廃墟と化し、灰色に染まり、植物たちは死に絶えている。

更にその翌日、吐き気があり頭痛が酷い、頭痛薬が欲しいと訴えるヒルダ。この生活のせいで神経が参ったんだよ、と励ますジム。ジムにも同じような症状が現れており、頭痛薬が効かない、今夜は早く寝よう――とヒルダに話しかける。二人はそれが被曝によるものだとは気付くわけもなく、ジムはそれでも明るく言うのだった。「大丈夫、最後には国が助けてくれるさ」と。

ある日外に出てみると、死に絶えた街の光景が二人の目に飛び込んでくる。畑で育てていたレタスは爆発で蒸発していた。焼き尽くされた街を眺めていると、ヒルダが嘔吐してしまう。

「まただわ。今朝は下痢も酷かったの」
「大丈夫さ。僕も同じだ。じきによくなるよ」

時に冗談も言いながら、ヒルダを陽気に励ますジム。庭で日差しでも浴びて休もう、と死の灰が降るその庭でくつろぐ二人。その時、雨が降り始めたので水を貯めようとバケツにそれを入れるジム。それが汚染された水だとは知らない二人は、その水を使いだす。

風が吹くときの結末・ラスト(ネタバレ)

いくら日が経とうとも救助は現れない。二人の症状は日に日に進行していく。ヒルダの方は食欲もほとんどなく、ジムの作ってくれた目玉焼きをほとんど食べずに残してしまう。元気をなくしていくヒルダをそれでも懸命に励ますジムだったが、彼もまた被爆により衰弱していた。

「なあ、お湯を沸かしてくれないか」
「もう水がないの」
「そうか、そうだったね。じゃあミルクでも飲もうか」
「ミルクは悪くなってるわ、冷蔵庫が壊れているから」
「だったらコーヒーを……」
「お水がないわ」
「じゃあ何を飲んだらいいんだ!」

穏やかだったジムも声を荒げる程にまで、状況は最悪だった。すぐに謝罪の言葉と共にヒルダを抱きしめるジム。

ある日、ヒルダがトイレに鼠が出たと言って泣き叫ぶ。慌てて二階のトイレへと駆けあがるジム。水の一滴も出ないトイレに鼠がいたの、怖かったと訴えるヒルダ。それまで涙を見せなかった彼女が初めて見せる涙であった。ヒルダを支えてやりながらソファーに座らせると、ジムは彼女の唇が真っ赤なことに気付く。口紅でもしているのかと尋ねると、それは歯茎からの出血によるものであった。眩暈を覚えてその場に倒れ込むヒルダを抱きかかえるジム。

「今朝も出血したの。また吐き気がする」
「それは中年にはよくある痔だよ。吐き気は震えから来るもので、車酔いと同じさ。ボーマスへ行った時のことを覚えているかい?バスで酔っただろう……」

ヒルダをいたわり心配しなくていいと言い聞かせるジムだったが、彼らの信じる「政府からの救援」は二人の苦しみを長引かせるだけだった。食料も水も尽き、互いに立てなくなり横になっている二人はそれでもいつかは全てが良くなると信じ続ける。それでも起き上がり、ヒルダは自分の脚に斑点が出来ているのを知る。

「それは静脈瘤だよ。ほら、わしの腕にもあるんだ。缶詰ばかり食べていたせいさ」

ジムの身体にもその斑点は浮かんでいた。次にヒルダの髪の毛が抜け落ちると、女性はハゲないと科学的に証明されているんだ、と答えるジム。明日には薬局へ行こう、そして今日は早く寝よう。全てはショックから来るものだから――とお互い言い聞かせ合う二人。もうほとんど身動きの取れなくなった二人は、次の爆弾が来る前に紙袋に入ることを決める。紙袋を被りシェルターへと籠る二人。「お祈りをしましょう」と言うヒルダに長い祈りの言葉を語り始めるジム。弱々しく祈りを捧げるジムだったが、途中でその言葉を忘れてしまったと呟く。そんなジムに「もういいわ、あなた……もういいのよ」と優しく囁きかけるヒルダ。二人がシェルターから出てくることは、もう二度となかった。

風が吹くときの感想・評価・レビュー

ひたすら救いがなく落ち込むが、間違いなく名作。絶望的な状況でも夫婦の性格が善良でポジティブなのが余計に辛い。この夫婦の行動を無知だと笑う人もいそうだが、本当に正しく対処できる人間は一体どれ程いるのだろう。しかも作中に出てくるパンフレットは実際に発行されていたらしく、情報量のない昔なら尚のこと信じてしまうのは無理もない。北朝鮮による核ミサイル問題も横行している今、決して無視できない作品ではないだろうか。(MIHOシネマ編集部)

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