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映画『風をつかまえた少年』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『風をつかまえた少年』の概要:2001年にアフリカ最貧国を襲った大干ばつ。飢饉により通学を断念した14歳の少年が、図書館で出会った本をきっかけに風車で自家発電を成功させるまでの苦悩を描く。俳優のキウェテル・イジョフォーがメガホンを取った一作。

映画『風をつかまえた少年』の作品情報

風をつかまえた少年

製作年:2019年
上映時間:113分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:キウェテル・イジョフォー
キャスト:マクスウェル・シンバ、キウェテル・イジョフォー、アイサ・マイガ、リリー・バンダ etc

映画『風をつかまえた少年』の登場人物(キャスト)

ウィリアム・カムクワンバ(マクスウェル・シンバ)
マラウイの農家に生まれ、学業への関心が強い14歳の少年。両親の苦悩を知りながら、博識な姉に感化され学校に通うことを楽しみにしていた。家庭の経済苦もあり学校を退学することになるが、町を救うために奮起する。
トライウェル・カムクワンバ(キウェテル・イジョフォー)
ウィリアムの父親。家族を養うためにより稼げる方法を探すも失敗続きでいる。息子を学校に通わせたいが、洪水と大干ばつに見舞われ生活すらもままならない状況に苦悩する。
アニー・カムクワンバ(リリー・バンダ)
ウィリアムの姉。頭のいい女性だが、学校に通うことはできず夜な夜な隠れて独学していた。ウィリアムが通う学校の科学教師・マイクと隠れて交際している。
マイク・カチグンダ(レモハン・ツィパ)
ウィリアムの通う学校の科学教師。ウィリアムの姉・アニーと隠れて交際をしていることをネタに、ウィリアムを図書館に通えるよう手配してあげる。

映画『風をつかまえた少年』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『風をつかまえた少年』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『風をつかまえた少年』のあらすじ【起】

世界でもっとも貧しい国のひとつと言われるアフリカのマラウイに生まれた少年・ウィリアム。両親は農家として村に貴重な資源をもたらしている。貧しい生活の中、独学で修理の知識を付けたウィリアムは近所の人たちからラジオの修理の依頼を受けていた。

ある日、シャワーを浴びるよう母親に言われたウィリアム。服を着替えようとするとそこには学校の制服が置いてあった。勉強したい気持ちが強いウィリアムはとても喜び、急いで入学式へ向かうのだった。

担任から学費の未払いについて指摘されてしまったウィリアム。小テストに向けて夜遅くまで勉強したいウィリアムだが、自宅ではライトを点ける灯油もない。父・トライウェルに学費について相談したいが、厳しい状況が続いているのはウィリアムにもわかっていた。

ライトの材料を探しに友人のギルバートとゴミ捨て場に向かったウィリアム。そこはウィリアムにとって宝の山である。帰り道、ギルバートに誘われ村の集会に顔を出したウィリアムだが、トライウェルに叱られすぐに帰されてしまうのだった。

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映画『風をつかまえた少年』のあらすじ【承】

村は木の伐採による洪水の危機に怯えていた。族長であるギルバートの父が中心となり、最悪の事態に備えるため集会が繰り返されるが、ウィリアムの家庭も被害は免れない状況である。学費について相談するウィリアムだが、学校に通うことを諦めてほしいと突き返されてしまった。諦めきれないウィリアムはギルバートとゴミ捨て場に向かう途中、姉・アニーが科学教師のマイクと夜な夜な会っていることを知る。

洪水に頭を抱えるトライウェルはウィリアムを連れて、古くからの友人のダニエルに会いに行った。しかし、マラウイの気候では雨をコントロールできない限り、洪水になるか干ばつになるかも予測することは難しいと断言されてしまった。政府に頼ることもできないトライウェルはいつか来るだろう長い飢饉に震え上がるのだった。

マイクの自転車についているライトを参考に、自分で作り上げようとしたウィリアム。マイクとアニーが交際している秘密をネタに、学費を払ったものだけが使うことのできる図書館に出入りできるようにしてもらう。そしてエネルギーに関する本に出会うのだった。

映画『風をつかまえた少年』のあらすじ【転】

学費を未払いのままこっそりと授業に参加していたウィリアムは、ついに学校を退学にされてしまった。落ち込んで帰宅したウィリアムは、母親に急かされ政府の配給の元へ向かうことになる。しかしたった2台のトラックでは何の足しにもなかった。ウィリアムが家を空けている隙に、自宅では穀物を狙った強盗に襲われてしまった。

倉庫に隠していた食べ物を全て奪われてしまい、トライウェル一家はウィリアムが手に入れたわずかな雑穀で生活しなければならなくなった。追い込まれた状況に絶望したアニーは、一通の手紙をマイクと駆け落ちをする。部屋にはマイクの自転車のライトが残されており、ウィリアムは一大決心をするのだった。

校長に直談判し、図書館を借りられるようになったウィリアム。仲間たちと一緒に風力発電機の制作を始めた。自家製の小さな風力発電機はラジオの再生に成功し、ウィリアムはもっと大きな発電機の制作に取り掛かろうと目論んだ。トライウェルの自転車を使い大きな発電機を作りたいと申し出たウィリアムだが、猛反対を受けてしまう。

映画『風をつかまえた少年』の結末・ラスト(ネタバレ)

政府の救済もないまま、飢えに希望を失ったことから次々と町から人が離れていき、大事にしていた飼い犬も飢えから命を落としてしまった。疲れ切った両親は希望を失っていく。失敗ばかりの人生を嘆くトライウェルを励まそうとするウィリアムは干ばつによる飢えを、風を使って水を生み出すことで改善したいと改めて懇願した。

トライウェルの自転車を使った風力発電機制作は翌日から始まる。町に残った者たちが総出で見守る中、試作品の取り付けは成功した。バッテリーの充電が貯まるまで収穫作業をしていたウィリアムたち。しばらくすると風力発電機は動き出し、命の源となる水を流しだすのだった。

乾いた土地に水が流れ始め、人々は息を吹き返した。生憎、ギルバートの父は命を落としたが希望に満ちた住民たちに看取られることができた。ウィリアムは奨学金で学校を卒業し大学で環境学の学位を得た。町はウィリアムの発明のおかげで年中収穫を得ることができるようになったのである。

映画『風をつかまえた少年』の感想・評価・レビュー

「人口の2%しか電気を使うことができない」その状況は、今まさにパソコンに向かっている身とすれば脅威でしかない。気づけば発展していく環境に身を置き、ありがたがることもない日々。しかしたった一冊の本を機に、常識を変え環境を発展させる大きな一歩を踏み出させる存在になるのは強運にも見えるが、もっと小さな規模で日常にも同様の変化はあるのかもしれないと思わされた。人を動かすのは人であり、真摯な姿勢である。(MIHOシネマ編集部)


発電機の仕組みを、図書館にある本を読んで独学で体得してしまうとは。さらには、風力発電を開発し、農業に大いに活かしています。主人公ウィリアムの、学んだ事から創意工夫を重ね、現実に活用する地頭の良さには天晴れです。マラウイでは義務教育は小学校まで、中学校からは学費が必要となり就学率が低いことを初めて知りました。教育を受けられるって、相当恵まれた環境なんです。そして、学ぶことや知ることは将来への無限の希望になるんだと強く思います。(女性 30代)

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