映画『きみと、波にのれたら』の概要:幼い頃からサーフィンが大好きなヒロインが、海の見える街へ引っ越して来る。マンションで発生した火事をきっかけに消防官の青年と恋に落ちるが、彼が海の事故で亡くなってしまう。ところが、ヒロインが思い出の歌を口ずさむと彼が水の中に現れることが分かり…。
映画『きみと、波にのれたら』の作品情報
上映時間:96分
ジャンル:ファンタジー、ラブストーリー、青春、アニメ
監督:湯浅政明
キャスト:片寄涼太、川栄李奈、松本穂香、伊藤健太郎 etc
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映画『きみと、波にのれたら』の登場人物(キャスト)
- 雛罌粟港(片寄涼太)
- ひなげしみなと。幼い頃、海で溺れかけ助けられたことから消防官を目指す。街をランニングしつつ消火栓の位置を把握するなど、非常に熱心で努力家。明るく爽やかな青年で、ひな子からサーフィンを教えてもらい恋仲になる。
- 向水ひな子(川栄李奈)
- 幼い頃からサーフィンが好きで、プロ並みの技を持つ。大学の海洋学を専攻している。明るく前向きで愛情深い。消防官の港と出会い恋に落ちる。誰にも頼らず、自分の道を見つけ出そうと足掻く。
- 雛罌粟洋子(松本穂香)
- 港の妹。周囲と上手く関係が築けず、一時期不登校になっていたが、山葵の一言に心を打たれ彼に片思いするようになる。ストレートな物言いで気が強い。兄が好きだったコーヒー道を極めようと目下、修行中。喫茶店でアルバイトをしている。
- 川村山葵(伊藤健太郎)
- 港の後輩で消防官。とても前向きで気の好い青年だが、何事もどんくさく消防訓練でも落ちこぼれている。港の努力を間近で見ており彼が亡き後、港を見習い自主訓練を続けている。ひな子に片思いしていたが、フラれる。
映画『きみと、波にのれたら』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『きみと、波にのれたら』のあらすじ【起】
サーフィンが大好きな向水ひな子は、大学入学を機に海が見える街へと引っ越した。引っ越しの荷物を片づけるよりも先に海へと向かう彼女。
ある日の夜、ふざけて花火をしていた若者のせいで、マンションに火事が発生してしまう。ひな子は慌ててサーフボードとスマホだけを持って避難したが、エレベーターに乗り遅れてしまい屋上へ逃れる。
はしご車により助けに来た消防士、雛罌粟港のお陰で助かったが、どうやら彼は波に乗るひな子をいつも見ているらしかった。そこで、ひな子はもし良かったら一緒に波に乗ってみないかと彼を誘うのだった。
後日、道具を一式揃えた港と海へ。彼にサーフィンを教えた。意外にアウトドアが得意な面を見せる港。2人は気が合うこともあって急接近し、次に会う約束をしたのだった。
そうして、繰り返しデートを重ねた2人。やがて2人は恋人同士になり甘い蜜月を過ごす。そうして付き合って1年目のクリスマス。2人は真冬のキャンプを楽しみ、将来について語り合った。
そんなある冬の日、ひな子が花屋のアルバイトへ行っている間、波に乗りに行った港。バイト終わり、急いで海へ向かったひな子だったが、海には警察や救助隊員が多く集まっており、港が海の事故によって亡くなったことを知るのだった。
映画『きみと、波にのれたら』のあらすじ【承】
酷く気落ちしてしまったひな子はサーフィンから遠ざかり、海が見えない場所へ引っ越す。港の後輩だった川村山葵と港の妹、洋子が港の私物を持って訪れたが、上手く対応できず。荷物の中には港が使っていたスマホもあったが、ロックがかかっていて開けられなかった。
そこで、洋子と会ってヒントをもらう。だが、目ぼしい数字でもロックの解除ができない。更に山葵と会って話をすることに。港はコーヒーが好きで赴きのある喫茶店に通っていた。系列店の喫茶店へ来た3人だったが、BGMにて港とよく唄っていた歌が流れる。ひな子は思わず口ずさんでしまったがその時、コップの水の中に港らしき姿が見えた。自分の目を疑ったひな子。すると、洋子はもう兄はいないのだからと強く言い聞かせるのだった。
その後、2人で一緒に唄っていた歌を唄うと、水の中に港が現れると分かったひな子。だが、その姿は彼女にしか見えず周囲の誰にも見えない。友人たちは悲しみのあまり、ひな子がおかしくなったと余計心配するのだった。
それから更に、歌を唄うと水が操れることが判明。彼と会話することができるようになり、スマホのロックを聞き出そうとしたが、何かと理由を付けて教えてくれなかった。唄う度に彼が水を介して姿を現す。ひな子は水筒を持ち歩き失われた時を共に過ごした。
やがて、イルカの浮き輪に水を詰めて持ち歩くようになったひな子。だが、彼はある日気付く。浮き輪の中にいては、彼女と触れ合うことも助けることもできないことを。
そこで、港は自分が亡くなった後、波に乗れなくなってしまったひな子をサーフィンに誘う。しかし、彼女は海を目前にして躊躇い結局、海に入れなかった。
映画『きみと、波にのれたら』のあらすじ【転】
アルバイトを始めた洋子の元へ山葵がやって来る。彼はひな子を気にして終日、尾行したらしく彼女が水を港と思い込んでいるようで、気がおかしくなったのではないかと言う。だが、洋子は山葵の話をまともに聞こうとしなかった。
そこで山葵は一大決心し、ひな子のアルバイト先へ向かい花を購入。その花をひな子へと渡し、彼女へと告白した。突然の告白に驚いたひな子は、トイレの水に港を呼び出し相談したが、彼は自分ではもうひな子に触れることもできない。山葵はいい奴だから、おすすめだと言うのだった。
ひな子はアルバイト先を飛び出し山葵を追ったが、目前でトラック事故が発生。エンジンから火の手が上がる。ひな子は山葵に庇われて助かったが、燃える車には運転手が取り残されている。彼女は咄嗟に港を呼び出し、消火してもらった。ところが、運転手は助からず天から降り注ぐ光によって導かれて行く。そして、その光は港へも降り注ぎ、彼をも強制的に天へと導こうとするのだった。
どうにか、天へ召されることもなく水に留まった港だったが、魂の半分以上を天に奪われ大分弱っていた。その後、ひな子は洋子を訪ね彼の過去を調べることに。すると、港が幼い頃、海で溺れかけ助けてくれた少女がいたと分かる。はっとしたひな子は実家へと飛んで帰り、海で少年を助けて表彰されたことを思い出す。その少年が港だったのだ。
彼がひな子に助けられた日、スマホの解除キーはその日付だった。そこで、彼女はスマホのトークアプリに打ち込まれ、送信されなかった文章を見つける。彼は波に乗って技を決めれば願いが叶うという逸話を本気にして、あの冬の日、波に乗りに行ったのだった。
映画『きみと、波にのれたら』の結末・ラスト(ネタバレ)
港はずっと、ひな子の傍にいることを願っていた。そこで、彼女は海で働く仕事に就こうと考える。港が目指した人助けで海に関わる仕事と言えば、ライフセーバーである。早速、ライフセーバーの育成所で研修を受けることにしたひな子。浜辺にて蘇生方法を習う。心臓マッサージと人工呼吸にチャレンジしたが、人形とは言え横たわった人が港の遺体に見えてしまい逃げ出してしまう。池で思わず港を呼び出してしまいそうになり、それではだめだと思い直した。
そんな時、2階にいる若い客が花火を打ち上げる相談をしているのを聞いてしまった洋子。若者達は昨年も花火を打ち上げ、マンションに火事を起こした者達だった。洋子はバイトを早引けし偶然、来ていたひな子と一緒に奴らの画策を暴こうと考える。若者の後を追いかけ、証拠写真の撮影をすると息巻く洋子。山葵にも連絡を入れたが、電話に出ない。
2人は若者を追って廃ビルの上階へ。奴らは人に向けて花火を打ち上げ、ビルの中心に立っていた枯れた巨木へと火が移ってしまう。一気に火の手が激しくなったため、若者達は一斉に逃げ出したが、洋子が足を挫いてしまい逃げ遅れる。
その頃、ようやく洋子からの連絡に気付いた山葵が通報も相まって出動。ひな子は今、港を呼べば火を消せると思ったが、彼を呼べば消えてしまうかもしれない。だが、彼の本当の願いはひな子が自分の波に乗ることだった。彼女は歌を唄って港を呼び出す。すると、消防ホースの水が大量に集まり、階下から水の塊が上階へと登って行く。その水の中には確かに港がいて、ビルに回った火を次々と消火。そうして、彼はひな子と洋子の元へ辿り着き、彼女を導いてビルの屋上から噴き出す水の波を作り出した。
ひな子はサーフボードの形をした板に乗って、洋子と共に幾つもの大波に乗る。何度もターンして、港とも笑い合った。そうして、2人は無事に地上へと降り立つ。地上では山葵が待機しており、洋子を助けてくれた。港はようやく願いを叶え、天からの光に導かれて行くのだった。
映画『きみと、波にのれたら』の感想・評価・レビュー
『夜明け告げるルーのうた』でも人気を博す、湯浅正明監督による作品。運命的に出会った恋人同士の絆と深い愛を描いている。本作のために書き下ろされた「Bran New Story」という曲が物語のキーとなっている。
ストーリーの流れが非常によく、物語のキーとなる曲のリズムに乗って展開していく。恋人同士が思いを交わし合い、蜜月を過ごす様子が非常に楽しげに描かれている分、それを失った時の喪失感をより演出している。監督独自の水の描き方もきちんと描かれているため、面白さが一層、増しているように思う。爽やかでちょっと切ないラブストーリー。(MIHOシネマ編集部)
ひな子と港、若い2人が海の見える街で幸せそうに過ごす姿はずっと続いて欲しいと感じるほど、穏やかで心地の良いものでした。しかし、港の死によって消えてしまった「幸せ」。物凄く切なくてひな子の気持ちを思うと何とも歯痒く、居た堪れなくなりました。
ストーリー自体は悪くないのですが、序盤の幸せな展開から一気に絶望へと突き落とし、そこから港がある意味「蘇る」と言う不思議な設定は賛否両論あるでしょう。出来れば、港の思い出や過去と共に生きていく決断をすんなりとして欲しかったです。(女性 30代)
熱々な恋人関係から、突如彼氏が亡くなる急激な展開に目が離せません。水の中に亡くなった港が現れる描写が、切なくもロマンチックでした。遺された人にとっては、故人がそこにいる気がするのは自然な感覚だと思います。作画が大変可愛らしく、親しみやすいです。また、川栄李奈の歌声に癒され、いつまででも歌っていてほしいと思いました。美味しいコーヒーとふわふわのオムライスがとても美味しそうです。他にも夏らしい雰囲気を満喫できたりと、五感を刺激される作品です。(女性 30代)
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