12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『きみの瞳が問いかけている』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『きみの瞳が問いかけている』の概要:未来を諦めたキックボクサーと、事故により視力を失った女性の交流を描く一作。チャールズ・チャップリンの名作「街の灯」にインスパイアされ、2011年に制作された韓国映画「ただ君だけ」の日本版リメイク。

映画『きみの瞳が問いかけている』の作品情報

きみの瞳が問いかけている

製作年:2020年
上映時間:123分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:三木孝浩
キャスト:吉高由里子、横浜流星、やべきょうすけ、田山涼成 etc

映画『きみの瞳が問いかけている』の登場人物(キャスト)

柏木明香里(吉高由里子)
週に一度、駐車場の監視員の老人とドラマを見るのが楽しみだった盲目の女性。監視員が変わったことを知らず、いつも通り駐車場を訪ねたことで塁と出会う。
篠崎塁(横浜流星)
キックボクサーとして大成すると周囲から期待されていた青年。旧友との縁が切れず、悪の道に手を染めてしまい、夢を諦めることとなった。明香里と出会い、夢に向かい再起する。
佐久間恭介(町田啓太)
塁の旧友で、塁を地下格闘技と悪の道に誘いだした存在。刑期を終えた塁の存在を手放さないため、執拗に付きまとう。

映画『きみの瞳が問いかけている』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『きみの瞳が問いかけている』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『きみの瞳が問いかけている』のあらすじ【起】

駐車場の警備のバイトの面接に向かうが、通り雨に見舞われ約束の時間を過ぎてしまった塁。携帯を持っていない塁は連絡もできず直接訪ねたが、前任者が突然辞めてしまったため急を要していたバイト先はその日から塁を雇った。

住み込みのバイト先で細々と生活を始めた塁。ある夜、警備用の小部屋でうたた寝しそうになっていた塁に、見知らぬ女性が差し入れを持って訪ねてきた。

その女性は盲目なようで、塁には気づかず「おじいさん」と話しかけ続ける。前任者とドラマを見るのが日課だったという明香里は、手作りのおいなりさんを渡した。

雨が強まり、塁は帰ろうとしている明香里を引き留め、ドラマを一緒に見た。明香里は帰り際に「キンモクセイの世話は欠かさないで」と告げたのだった。

塁はキックボクサーとして復帰するために、迷惑をかけてしまったジムに謝りに行く。上手く本音を伝えられないまま、警備の仕事に戻った。

その日も明香里は仕事終わりに塁の元を訪ねてきた。コールセンターで働いているという明香里は、塁を「おじさん」と呼ぶ。「今日は何か運動した?」と尋ねる明香里。塁は自分の靴の臭いかと思い恥ずかしくなる。

ドラマを見ながら無垢に質問を重ねる明香里と、嚙み合わない返答を続ける塁。どこか心地の良い時間を過ごした二人は、翌週もドラマを見る約束をした。

映画『きみの瞳が問いかけている』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『きみの瞳が問いかけている』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『きみの瞳が問いかけている』のあらすじ【承】

約束の日、明香里は浴槽の排水溝が詰まっていることに気付かず、溢れた水で足を滑らせ転んでしまった。それでも明香里は塁の元へと向かう。塁もまた明香里が来るのを楽しみにしていた。

ドラマを見終わった明香里は、帰り際乱暴な運転の車に驚き転んでしまった。足首を怪我した明香里をおぶって、塁は明香里を自宅まで送り届けた。

明香里は塁に浴室の排水溝について相談する。詰まりの原因を解決してくれたお礼として、明香里は貰い物のコンサートのチケットを塁に渡した。塁の戸惑いを察し、明香里は「一緒に行こう」と誘った。

初めて出向いたコンサートの帰り、明香里の願いで二人は焼肉屋へ寄った。塁の過去について知りたがる明香里だが、塁は過去に触れられることを拒絶する。しかし、明香里を自宅まで送り届けた後、塁は「アントニオ・篠崎塁」という本名と24歳であることを明かした。

明香里は職場の上司から執拗に好意を持たれていた。コンサートのチケットも上司からの贈り物である。誕生日プレゼントとしてイヤリングを渡された明香里。同僚が明香里を探しに来たことで、食事の誘いを何とか回避することができた。

塁はジムの会長とコーチと一緒に定食屋にいた。会長が事情を聞き出そうと問い詰めると、塁は「刑務所にいました」と重い口を開いた。

実は塁は地下格闘技で荒稼ぎをしていた。その人脈で詐欺グループの護衛も任されてしまい、一斉に検挙されてしまったという。しかし塁は表舞台で再び頑張りたいと二人に約束した。

上司の行動はエスカレートし、明香里の自宅前で待ち伏せをしていた。押し切られ、自宅に入った上司はラッピングも解かれていないプレゼントを見て激高。明香里に手を上げた。防犯ブザーの音を聞きつけ、帰り際の塁が助けに入る。明香里が泣きながら止める声も塁の耳には届かず上司を殴り続けてしまった。

映画『きみの瞳が問いかけている』のあらすじ【転】

明香里に拒絶されたと思っていた塁。しかし明香里は再び塁の元を訪ねる。「遠くに連れていって」という明香里の願いを聞き入れ、塁は海に向かう。幼い頃亡くなった母親との最後の記憶を明香里に話した。

二人は心を通じ合わせるようになり、塁は明香里のためにできることを始めた。明香里が好きな「きみの瞳が問いかけている」というロミオとジュリエットのセリフをきっかけに、二人は初めてキスをした。

「スク」と名付けた子犬を迎え、塁は明香里との生活に満たされていた。ボクサーとしても順調に実績を上げていく。しかし、昔の仲間は塁を自由にはさせなかった。

明香里は塁のためにできることを見つけようとマッサージを勉強していた。ある夜、塁の手に大きな跡があることに気付く。それは昔の仲間と揃いで刻んだタトゥーを消した跡である。

明香里には塁を連れていきたい場所があった。それは両親の墓である。両親に「大切な人」を紹介した明香里は4年前の事故について話し始めた。明香里は旅行中に両親を乗せた車で、人が火だるまになってビルから落ちるところを見てしまい事故を起こしたのだ。この事故をきっかけに明香里は失明、両親はこの世を去った。

その話を聞いた塁は顔面蒼白になる。その日、明香里が目撃した身投げの男性は、塁が護衛として追い詰めた債務者だったのだ。塁は育ててくれた修道院へ向かい、過去の罪を懺悔するのだった。

塁の帰宅を待ちながら食事の準備をしていた明香里は目に異変を覚えた。そのまま緊急搬送された明香里。原因は網膜剥離であり、放っておくと完全に目が見えなくなると診断を受ける。

ある日、明香里と帰宅した塁は目を丸くする。玄関ドアに昔の仲間が揃いで刻んだマークが描かれていたのだ。塁はすぐに佐久間に会いに行く。そして佐久間の要望をのみ、最後に1度だけ地下格闘技に出場することにした。

映画『きみの瞳が問いかけている』の結末・ラスト(ネタバレ)

地下格闘技のファイトマネーを明香里の手術代にすると決めていた塁。手術を嫌がる明香里を「同じ未来を見たい」と説得した。その足でコーチに会いに行き、地下格闘技に出場することを申し出た塁。チャンピオンの座がかかっている次の試合を捨てるという塁を、コーチは必死に説得するが塁は聞く耳を持たなかった。

自分の形跡を残ないよう、自宅にある思い出の品を全て燃やした塁は賭博場へ向かう。負け試合を仕組まれていたと知った塁だが、周囲の予想を裏切り塁は勝利を手にする。

塁はコーチに頼み、ファイトマネーを明香里と債務者の妻へ送ってもらった。コーチに「また連絡します」と電話を切った塁は、電話BOXから出たところで車に跳ねられ佐久間の手下に背中を刺されてしまった。

明香里の手術は無事に成功し、視力を取り戻した。しかし、塁は明香里の前から姿を消したままである。マンションの立ち退きが決まり、引っ越すことになった明香里。塁との思い出の部屋を離れる直前に、塁宛てで修道院からオルゴールが届いた。

陶芸に打ち込みながら、雑貨店「SHOPアントニオ」を開いた明香里。療法士としてボランティアで病院に出向き、患者たちにマッサージを施している。

いつも通り病院でボランティアに励む明香里は、新しい患者と対面する。それは塁であった。塁の顔を知らない明香里は気付くこともなく、塁は名前を変えていたため声もかけられなかった。

退院した塁は、偶然明香里の店に出向く。キンモクセイの鉢植えを見つけ、明香里との出会いを懐かしむ塁。レジで見覚えのあるオルゴールを見かけ、明香里が良く口ずさんでいたメロディーに自然と涙するのだった。

帰り道、塁は明香里とすれ違い様にぶつかってしまう。明香里と一緒に居たスクは激しく吠え続けるが、塁はその場を足早に去った。店に戻った明香里は、キンモクセイを買った客の話を聞き、塁だと確信する。しかし追いつくことはできず、時間は過ぎていった。

明香里と出向いた海で、オルゴールの曲を口ずさむ塁。どこかから塁を呼ぶ声がする。声の先には明香里とスクがいた。思わず歩み寄った塁を明香里は抱きしめ、「私の瞳をよく見て」と手を取るのだった。

映画『きみの瞳が問いかけている』の感想・評価・レビュー

吉高由里子と横浜流星をダブル主演に迎えた今作。三木孝浩監督の俳優を輝かせる演出が実に効いていたように思う。屈託ない笑顔を振りまく盲目の女性を演じた吉高由里子も然り、連続ドラマなどではキラキラとした印象が強い横浜流星は陰りある役柄を見事演じ切っていた。リメイク元の韓国作品も「純愛」を極めていたが、日本版もしっかりと悲劇と愛情劇の緩急を楽しませてくれた。男女ともに見どころのある作品なのではないだろうか。(MIHOシネマ編集部)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

影山みほをフォローする
ヒューマンドラマ映画ラブストーリー映画

みんなの感想・レビュー