英国が誇る名優達ばかりを揃えた、なんとも豪華な一作が誕生。2015年に実際に起きた衝撃の事件を題材にした本作では、高齢の男性達が信じがたい行動に出る。話題性抜群の一本。
映画『キング・オブ・シーヴズ』の作品情報
- タイトル
- キング・オブ・シーヴズ
- 原題
- King of Thieves
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2021年1月15日(金)
- 上映時間
- 108分
- ジャンル
- サスペンス
- 監督
- ジェームズ・マーシュ
- 脚本
- ジョー・ペンホール
- 製作
- ティム・ビーバン
エリック・フェルナー
マイケル・ライト
アリ・ジャーファー
アメリア・グレンジャー - 製作総指揮
- ライザ・チェイシン
ディディエ・ルプファー
ダニー・パーキンス - キャスト
- マイケル・ケイン
ジム・ブロード
ベントトム・コート
ネイチャーリー・コックス
ポール・ホワイトハウス
マイケル・ガンボン
レイ・ウィンストン - 製作国
- イギリス
- 配給
- キノフィルムズ
映画『キング・オブ・シーヴズ』の作品概要
2018年、イギリスで衝撃の作品が誕生した。2015年に世間を震撼させた大事件を題材にした本作。通常、映画を制作するためには莫大な時間がかかる。脚本を作り、キャストを決め、とことん突き詰めて撮影を行う。この一連の作業をするために、数年を費やすことも珍しくない。2015年に実際に起こった事件が2018年には作品として世に送り出されていることを考えると、事件が起きて直ぐに、監督が映画化に向けて動き出したことが推測できる。それだけ、この題材が監督の心を動かしたのだろう。監督の手腕によって、監督だけでなく見ている者全ての心をも動かす作品へと昇華されていることだろう。
映画『キング・オブ・シーヴズ』の予告動画
映画『キング・オブ・シーヴズ』の登場人物(キャスト)
- ブライアン・リーダー(マイケル・ケイン)
- 『義賊の最後の生き残り』と呼ばれる有名な宝石泥棒。浦家業からは足を洗っていたが、最愛の妻の逝去機に再び犯罪に手を染める。
- テリー・パーキンス(ジム・ブロードベント)
- ブライアンの仲間。1986年に起きたセキュリティー・エクスプレス強盗にも関与していることが明らかになっている。
- ビリー・ザ・フィッシュ・リンカーン(マイケル・ガンボン)
- 不法侵入のプロ。ブライアンの仲間で、不法侵入や暴行といったあらゆる罪で起訴されている。
- ジョン・ケニー・コリンズ(トム・コートネイ)
- ブライアンの仲間。1961年頃から犯罪行動を行なっている悪党。仲間達からは『太っちょ』と呼ばれていた。
映画『キング・オブ・シーヴズ』のあらすじ(ネタバレなし)
穏やかな生活を送っていたブライアン・リーダー。妻との幸せな日々を楽しんでいたブライアンだったが、そんな彼にはとある過去があった。彼はかつて、『泥棒の王』、キング・オブ・シーヴスと呼ばれていた天才的な泥棒だったのだ。裏家業から足を洗っていたブライアンだったが、ある日最愛の妻に先立たれてしまう。悲嘆に暮れるブライアンの元に、知り合いからとある誘いがかかる。ロンドンで一番の宝飾店街『ハットンガーデン』で、大掛かりな盗みを働こうというのだ。そして、ブライアンのかつて仲間であるカール、ダニー、テリーらが集合し再び伝説の窃盗団が結集。平均年齢60歳オーバーという窃盗団は、果たしてかつてのキレを見せることができるのか。
映画『キング・オブ・シーヴズ』の感想・評価
サー・マイケル・ケイン
マイケル・ケインという俳優をご存知だろうか。今年で86歳を迎える、イギリスを代表する名優である。1956年にスクリーンデビューを果たして以降、数多くの作品に出演してきたケイン。その長年の活動が認められ、2000年にはナイトの地位に叙され、『Sir/サー』と名乗ることを認められた。俳優でこの位を与えられたのはケインや、ベン・キングスレー、ショーン・コネリー、アンソニー・ホプキンスなど限られた者だけ。その全員が、いずれも華々しい経歴で映画界を長年支えてきた名役者。そんなサー・マイケル・ケインが、本作の主役を務める。ナイトとして、長年演劇界を支えてきた重鎮として、その演技力の高さと存在感を視聴者に見せつけてくれること間違いなし。
衝撃の実話
本作は、信じがたいことに実話である。2015年に実際に起こった本事件は、2つの衝撃的な事実で世間を賑わせた。一つ目は、英国史上最高齢の事件であるということ。事件の行方を固唾を呑んで見守っていた人々は、平均年齢60歳以上の窃盗グループなど、まるで想像もしていなかったのである。そして、二つ目は、英国史上最高額の盗みであったという点。貸金庫から約25億円もの宝石や現金を見事に盗んでみせた犯人達。これだけ莫大な金額を、これだけ高齢の人物たちが行ったというギャップ、衝撃な事実にメディアは騒然となった。まるで映画の設定であるような本事件を、映画界が見逃すはずもない。非常に映画映えする設定である本作は、瞬く間にこうしてスクリーンで放映されるに至ったのだ。この嘘のような本当の話、ぜひ見逃すわけにはいかない。
個性豊かなメンバー達
通常、強盗は複数人によって行われる。その犯行が大規模になればなるほど、人数が必要となってくる。本事件が実際に起こったのは2015年のこと。2015年となれば、セキュリティシステムなども最新鋭のものになっているはず。特に、本事件の舞台は約25億円以上の資産が保管されている場所なのであるから尚更である。そんな、圧倒的なセキュリティを誇る貸金庫から見事に盗みをやってのけた老人達。今回の強盗メンバーは、義賊の最後の生き残りと呼ばれる人物から、不法侵入のプロ、過去にも強盗経験がある人物などキャラクターは様々。中には製作当時まだ未逮捕だった人物までいる。一体、どんな特殊技能を持った老人達がこの大犯罪を成し遂げたのか、注目が集まる。
映画『キング・オブ・シーヴズ』の公開前に見ておきたい映画
オーシャンズ11
言うまでもないが、強盗はれっきとした犯罪である。他人の財産を自分の私利私欲のために強奪する、などどんな理由であれ許容されることではない。しかし、そんな犯人達が魅力的に見えてしまうことがある。勿論映画という架空の世界であるという条件付きではあるが、その破天荒な生き方、思いもよらぬ行動、現実の周囲の人達からは感じられないスリルなどが、犯人達を魅力的に見せるのだ。最新作の主人公達もそうであるが、本作に登場するメンバーも等しく魅力的。彼らは皆世間から忌み嫌われる犯罪者なのだが、それでも、視聴者はそんな彼らに惚れ込んでしまうはず。少し悪い方がモテるということもよく聞くが、それもあながち間違いではないことを教えてくれる作品。
詳細 オーシャンズ11
RED レッド
タイトルにもなっている『RED』とは、『Retired Extremely Dangerous』の略称。日本語に直すと、引退した超危険人物という意味になる。アクションといえば、若くスタイリッシュなスパイのようなタイプや、筋肉モリモリな、力でごり押しするタイプなどを思い浮かべる人も多いだろう。しかし、アクション映画の主役が必ずしも若いとは限らないのだ。今作の主人公は『引退した』というだけあって年配の人物ばかり。しかし、このおじいちゃんおばあちゃん、とにかく強いのだ。田舎で、のんびりと穏やかな年金暮らしを送っていたフランク。しかし、そんな彼にはとある秘密があった。実は、彼は元超腕利きのCIAエージェントだったのだ。そんなフランクは、ある日突然自分が命を狙われていることに気づき・・?最新作のように、おじさまが活躍する作品が好きな人には必ず刺さるはず。
詳細 RED レッド
フィリップ、きみを愛してる!
事実は小説より奇なり、という言葉が存在する。そんなバカなこと、現実の世界ではありえない、物語の読みすぎなのではないか、と口にする人もいるかもしれない。しかし、まる漫画のような本当の話は、実際に起こりえるのだ。最新作も本作も、実際にはありえないような、しかし、確かにこの世界のどこかで起こった実話をモチーフにしている。主人公であるスティーヴンは、警察官として真面目に日々を過ごしていた。最愛の妻との関係も良好であったスティーヴ。しかし、彼はある日交通事故にあい、生死を彷徨うほどの重症を負ってしまう。なんとか一命をとりとめた彼は、残された人生を自分に正直に生きることを決意する。なんと、彼はゲイだったのだ!この世界のどこかでこういったことが起きているのだと考えると、少し現実世界を楽しく思えるかもしれない。
映画『キング・オブ・シーヴズ』の評判・口コミ・レビュー
キング・オブ・シーヴズを観ました。マイケルケインさんのお若い頃の映像が流れたのが最高すぎて一瞬頭から全て離れそうになりましたが、登場人物達のセリフ回しが心地良く、脚本の秀逸さを感じました。また、言葉遊びのテンポが良いのは俳優さん達の光る演技あってこそだと思います。面白かったです!
— のじ (@nono__ji) January 16, 2021
キング・オブ・シーヴズ
最初からほぼ既に「泥棒やるよ!」が出来上がってるから犯罪シークエンスまでが早い、そこからのすったもんだがメイン 歳を重ね、思い通りにいかない、膨れ上がった鬱憤等が現れ出る、それだけで昔とは違うことが描かれずともわかる だからラストは結構晴れ晴れしくもある pic.twitter.com/Qn8M8XUv73— シネマなぎ (@backtotnenow) January 16, 2021
映画『キング・オブ・シーヴズ』観て来た。結構アナログかつ杜撰は年寄りだから仕方ない。寡黙な警察陣の描写が光る。ジャズ等の音楽が渋くていい。若かりし頃の皆様も出てくる。ラストスーツに身を包み向かった先は…。エンドロールにも仕掛けがある、泥棒映画だけに。#キングオブシーヴズ pic.twitter.com/ky6F1ED1tI
— 野間金鶏 (@87543Farm) January 16, 2021
『キング・オブ・シーヴズ』ヨレヨレジジイたちの人生の最期に花咲かせますケイパーものかと思っていたら、彼らの関係性にフォーカスした人間ドラマでした。「長年、イギリス金塊強奪モノ映画で貢献してくださった皆様、お疲れ様でした」作品。マイケル・ケインを筆頭に若い頃の映像が一瞬映る。6.3点
— ジャックと豆の木 (@ayumiotomo) January 16, 2021
キング・オブ・シーヴズ。予告を観てイギリスの名優版『オーシャンズ11』的な映画をイメージしていたけれど、実話を元にしていることもあり意外とシリアスなクライム感がある映画だった。マイケル・ケインの存在感はさすが。ラストがかっこいい。音楽はかっこいいけれど、少し多用しすぎの印象。 #映画 pic.twitter.com/yNoWVX93da
— misuzu (@msz0918) January 16, 2021
映画『キング・オブ・シーヴズ』のまとめ
本事件の舞台になったのは、イギリスのロンドンに位置するハットンガーデン。ハットンガーデンでは、何世紀も前からダイヤモンド取引が行われてきた。たくさんの宝石が集う場所となれば、そこを狙う凶悪犯も自ずと集まってくる。実は、このハットンガーデンで事件が起きたのは今回が初めてではない。数々の事件が起きたハットンガーデンは、その経験を糧にその都度セキュリティを磨き続けてきた。しかし、そんな強固なセキュリティを、ブライアン達は破ってみせた。果たして、彼らはどのようにして監視の目を掻い潜ってみせたのか。今後も続く、凶悪犯とハットンガーデンの戦いにも注目。
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