映画『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』の概要:宮藤官九郎が脚本を手掛けて人気を集めたテレビドラマ『木更津キャッツアイ』シリーズの映画化作品。中尾彬を始めとした豪華なゲスト出演者が話題となった。岡田准一主演。
映画『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』 作品情報
- 製作年:2003年
- 上映時間:123分
- ジャンル:コメディ、青春
- 監督:金子文紀
- キャスト:岡田准一、櫻井翔、酒井若菜、岡田義徳 etc
映画『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』 評価
- 点数:50点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★☆☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』 あらすじ【起・承】
2033年。ぶっさん(岡田准一)の命日に集まった“木更津キャッツアイ”のメンバーは、ピザの配達に来た岩淵という青年がぶっさんに似ていることに驚き、ぶっさんの遺影を眺めながら30年前の思い出をしみじみと語り始める。
30年前。余命半年を宣告されたものの死の淵から蘇ったぶっさんは、再び余命半年を宣告されて時間を持て余していた。
バンビ(櫻井翔)、マスター(佐藤隆太)、アニ(塚本高史)、うっちー(岡田義徳)ら木更津キャッツアイのメンバーと野球をしたりビールを飲んだりと、それまでと変わらない生活を送るぶっさん。
そんな木更津キャッツアイの前に、死んだはずのオジーが現れる。驚きながらも、オジーの生還に喜ぶキャッツアイメンバー。だが、オジーはなぜかニセ札を作っており、アニを騙してニセ札作りを手伝わせる。
一方、山口が経営する韓国パブに行ったぶっさんは、そこで出会ったユッケ(ユンソナ)に恋をしてしまう。そしてその後、日本語を教える仲になったぶっさんとユッケの距離は縮まり、2人は結ばれて婚約をする。
そんな話を聞いた、キャッツアイメンバーの恩師である美礼先生は、自分も元同級生にプロポーズされたことを伝える。その元同級生とは、“微笑みのジョージ”という通称で親しまれ、絵画の勉強のためにニューヨークへ行っていた村田ジョージであった。
映画『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』 結末・ラスト(ネタバレ)
ジョージの素性を調べていたぶっさんとマスターとアニは、彼がニューヨークに行ったというのは嘘で本当はニセ札作りの容疑で逮捕されていたこと、そしてバンビの顔に整形しようとしていた出所直後のジョージをうっちーが目撃したことを知る。
バンビが本物ではないと疑い始めていたぶっさんとマスターだったが、ニセ札作りを手伝わせたオジーこそがジョージではないかとアニは訴える。
アニの勘は正しく、バンビの顔に整形できなかったジョージはオジーのマスクを特注して彼になりすましていたのだった。その事実を知ったうっちーはニセ札の原版を奪ってジョージから逃げる。
マスクを脱いだジョージはうっちーから原版を奪い返す。その現場を目撃したキャッツアイメンバーはジョージの後を追うが、罠にかかって地下牢に閉じ込められてしまう。
地下牢から脱出し、さらに原版を奪ったキャッツアイメンバーはジョージから逃げ切り、うっちーが暮らしている船で打ち上げをする。
だが、船を繋いでいたロープが切れてしまい、それに気づかなかったキャッツアイメンバーは船ごと流されて無人島まで漂流する。
無人島には女部族がいて、キャッツアイメンバーは彼女たちとの生活を楽しむ。
しかし、氣志團の前座として木更津でのロックフェスティバルで曲を披露することが決まっていたキャッツアイメンバーは、別れを惜しみながらもイカダを作って島を出て木更津へと帰る。
木更津でのライブを成功に収めるキャッツアイメンバー。そして、ユッケとの再会を果たしたぶっさんは結婚の記念写真を撮り、さらに遺影用の写真を撮るのであった。
映画『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
様々な作品のパロディを取り入れた見事な失敗作
ドラマ『木更津キャッツアイ』は、寿命わずかなぶっさんを中心に木更津で暮らす若者たちが描かれ、その等身大の姿に自分たちを重ねる視聴者から支持を得て人気作となった。
その映画化作品として制作された本作なのだが、とんでもない失敗作となっている。
宮藤官九郎脚本のため登場人物たちの掛け合いやセリフの応酬は楽しいのだが、肝心のストーリーが支離滅裂で、さらには演出・編集が自主制作映画なのではないかと思うくらいひどいもので、とてもTBSとは思えない。
『ルパン』シリーズや『ミッション:インポッシブル』シリーズ、『ゴーストバスターズ』など、様々な映画のパロディを取り入れているが、どれも必然性がなく、原作への敬意も何も感じない。ただ取り入れただけの無駄なものとなっている。
普通に生きるということ
映画としては失敗に終わっているものの、核にあるメッセージには気づかされるものがある。
「死ぬまでにしたい10のこと」なんて言葉が横行する現代。自分があと半年で死ぬと告げられたら、人はどのような行動を取るだろうか。どうせ死ぬならと、ヤケになって暴れるだろうか。これまでできなかったことをやろうと、旅に出るだろうか。
本作の主人公であるぶっさんは、何もしない。仲間と野球をし、ビールを飲み、泥棒の真似事をし、それまでと変わらない日々を過ごす。普通に恋をして、結婚もする。これって、かなり難しいことではないだろうか。
何が正しいのかは分からない。だが、こういう、ぶっさんみたいな選択こそが本来の死に向かう生き方ではないかと思わせてくれる。
とにかく豪華なキャストが揃っている『木更津キャッツアイ』ですが、ドラマシリーズが流行っていた当時、バンビ派、ぶっさん派など推しがいた人も少なくないでしょう。ドラマシリーズにハマっていた私としては、この作品は懐かしさと面白さ、みんなが帰ってきた喜びでとにかく楽しくて最高の作品でした。
ギャグ要素が多く、意味不明な展開も多いのですが、それがこのシリーズの良いところなんです。綾小路翔と哀川翔、二人の翔さんも登場するし、お決まりのヤッサイモッサイも見られます。そして、この作品を見ると「マックスコーヒー」が飲みたくなるはずです。(女性 30代)
映画『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』 まとめ
当たり前のことだが、この頃のみんなが若い!
キャッツアイのメンバーはみんな初々しいし、小日向さんは髪があるし(失礼)、哀川翔は・・・哀川翔だった。現在の姿と比べながら観るのも楽しいかもしれない。
ドラマもそうだったが、キャッツアイのメンバーを見ていると羨ましくなる。目の前のことだけに集中して生きるって、そう簡単にできることではない。ああ、あの頃に戻りたいなあ。と、学生の頃を思い出してみたりする。宮藤官九郎もきっと、自分の青春時代を思い出しながら脚本を書いたのではないだろうか。
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