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映画『奇跡(1954)』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『奇跡(1954)』の概要:『裁かるるジャンヌ』のカール・テオドア・ドライヤーが、念願にして映画化を遂げた作品。原題である「御言葉」は、神を指している。1955年に金獅子賞を受賞したが、その宗教的な観念を軸にしたストーリーから、日本での上映は限られたものだった。

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映画『奇跡』の作品情報

奇跡

製作年:1954年
上映時間:126分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:カール・テオドール・ドライエル
キャスト:ヘンリク・マルベルイ、エミル・ハス・クリステンセン、プレーベン・レーアドルフ・リュ、ビアギッテ・フェダースピール etc

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映画『奇跡』の登場人物(キャスト)

モーテン・ボーオン(ヘンリク・マルベア)
ボーオン農場を経営している。信仰へのプライドはあるものの、同時に諦めも抱いている。宗派の異なるペーターとは犬猿の仲である。
ミッケル・ボーオン(エミール・ハス・クリステンセン)
長男。インガーと結婚して8年が経つ。死んだ妻を神の御技により取り戻したことで、信仰を得る。
インガー・ボーオン(ビアギッテ・フェーザースピル)
ミッケルの妻。信仰から暖かい満足感を得ており、とても信心深い。難産の末、命を落としてしまうが、神に救われて蘇る。
ヨハンネス・ボーオン(プレベン・レアドーフ・リュエ)
次男。若くして精神を病み、自らが神であるという妄想に取り憑かれてしまう。奇跡を信じることに真の信仰を見いだす。最後は理性を取り戻し、インガーの復活のために祈りを捧げる。
アナス・ボーオン(カイ・クリスティアンセン)
ペーターの娘・アンネとの結婚を望むが、互いの父親の反発に遭う。インガーの死をきっかけに、ようやく結婚を認められる。
マーン(アン・エリザベト)
インガーの娘。ヨハンネスの言葉を無垢なまでに信じ、母の復活を待望する。
ペーター(アイナー・フェーザースピル)
仕立屋を営んでいる。娘のアンネをボーオン農場に嫁がせる条件として、モーテンに改宗を迫る。聖書から学び、モーテンへの態度を改める。
アンネ(ゲアダ・ニールセン)
ペーターの娘。父が決める自分の身の上を、黙って受け入れる。アナスと結婚できると知った時、初めて晴れやかな顔を見せる。

映画『奇跡』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『奇跡(1954)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『奇跡』のあらすじ【起】

ボーオン農場の次男・ヨハンネスが、夜半に家を抜け出した。三男・アナスはいち早く気がつくと、父・モーテンを起こし、異変を悟った長男・ミッケルも連れ立って、ヨハンネスの後を追う。精神を病んでいる彼はひとり丘の上まで来ると、自らを「主の使い」と名乗って神の言葉を繰り返す。

家に戻ったが、正気でないヨハンネスの様子に、家族は疲れた顔を見せる。彼は自身をイエス・キリストだと思い込んでいるのだ。モーテンは、ヨハンネスを信仰の革新者とするべく、神学を押し付けた過去を悔いる。ミッケルの妻・インガーは、ヨハンネスの回復のために祈り続けるよう諭すが、モーテンはもはや奇跡など信じていない様子だ。

ミッケルは信仰を持っていなかった。そのことで父に距離を取られていると不満を漏らすが、インガーは優しく慰める。そして信仰の素晴らしさを語る。ヨハンネスについては、「神様に近い」存在だと感じているようだ。

アナスは、仕立屋ペーターの娘・アンネに恋をしていた。協力を求められるインガーとミッケルだが、二人は両家の宗派が違うことを気にかける。結局ミッケルは、ペーターと話を付けるべきだとアナスの背中を押す。インガーは、モーテンを説得する役回りを引き受ける。

映画『奇跡』のあらすじ【承】

インガーは、愛し合っているアナスとアンネの結婚を認めるよう、モーテンに頼む。そのためなら、身籠っている子供は男児であることを約束すると言う。彼女にはすでに二人の子がいるが、どちらも娘だった。モーテンはその約束を喜ぶが、アナスの結婚については首を縦に振らない。痺れを切らしたインガーは、只今アナスがペーターに会いに行っていることを打ち明ける。怒ったモーテンは、行き先も告げずに家を出てしまう。

インガーは家畜の小屋で、思い悩むモーテンの姿を見つける。ヨハンネスの心の病、ミッケルの無宗教に続き、アナスが家の宗派を捨ててしまうと、ボーオン家の衰退を嘆くモーテン。だがインガーは、神を見捨てたような彼の態度を非難し、さらなる信仰の必要性を説く。

モーテンは頑なな態度を崩さず、異なる宗派が敵対してきた歴史を、ミッケルとインガーに語って聞かせる。だが、ペーターに追い払われて帰宅したアナスが泣きだしてしまうと、彼の親心に火が付く。アナスを連れて、結婚の説得のためにペーターの元へ向かう。

モーテンとペーターは、子供達を別室に移動させ、話し始める。埋まらない宗教観の違いを改めて確認する二人だが、ペーターはその解決策として、モーテンに改宗を提案する。信仰を踏みにじられたモーテンは激昂し、アナスを連れて帰ろうとする。そこへ、ミッケルから電話が掛かってくる。インガーのお産が始まったが、容体が不安定らしい。動揺するモーテンに、ペーターは神の仕向けたことだと、残酷な言葉を突きつける。

映画『奇跡』のあらすじ【転】

モーテンとアナスが急いで帰宅すると、赤ん坊は既に亡くなっていた。インガーの無事を祈るしかないモーテンだが、ヨハンネスは不吉な発言を繰り返す。モーテンは声を荒げてヨハンネスを追い払うが、そのせいでインガーの娘・マーンが起きてしまう。マーンは、母は一度死ぬが聖書のように蘇るのだと、ヨハンネスに聞いたことをモーテンに話す。誰も耳を傾けなかったヨハンネスの言葉を、幼い彼女は信じたのだ。

マーンは母を生き返らせるよう、改めてヨハンネスに頼みに行く。ヨハンネスは、他の者の許しが必要だと答える。マーンは眠る前に、彼に祝福を求める。

医者の健闘により、インガーは一命を取り留める。モーテンは大喜びして、ミッケルと共に、彼女の穏やかな寝顔を確かめる。医者はヨハンネスについても、いずれ治って元通りになると言う。奇跡は起こり得るのだと、安堵するモーテン。

医者が帰り、一段落したところで、ヨハンネスが再び口を開く。インガーの死を強く示唆するが、モーテンとアナスの二人は真に受けていない様子だ。だがインガーの寝室から、青ざめた顔のミッケルが出てくる。彼は、インガーが息を引き取ったことを告げる。ショックを受けた二人は、彼女の死を確認し、悲しみに暮れる。

ヨハンネスは、インガーの亡骸を見ると動転し、倒れてベッドに頭を打ちつけてしまう。その夜、彼は神の言葉をメモに残し、姿を消す。

映画『奇跡』の結末・ラスト(ネタバレ)

ペーターは聖書の言葉に感銘を受け、モーテンへの行いを反省する。行き先を変更し、ボーオン家へと向かう。

ヨハンネスの消息が分からぬまま、インガーの葬儀が執り行われる。彼女の棺の前で、家族は意気消沈していた。そこへペーターが、アンネを連れて現れる。モーテンに和解の握手を求めると、ボーオン家の支えにしてほしいと、アンネを送り出す。アナスは喜び、ミッケルは妻を亡くして以来、初めて涙を見せる。

さらにヨハンネスが帰ってくる。理性を取り戻した彼は、インガーを返してもらおうと誰も祈らなかったことを、不熱心だと非難する。唯一、マーンは彼の手を握ると、母を蘇らせるよう急かす。幼い彼女の偉大な信心に、微笑むヨハンネス。インガーを生かすよう、神に語りかける。

インガーは棺の中で、組んだ手をゆっくりと解く。彼女は息を吹き返したのだ。マーンはいたずらを成功させたように、ヨハンネスを見上げて笑う。インガーは涙を流し、赤ん坊の所在を問う。彼女を抱き起こしたミッケルは、赤ん坊は神の御許で生きており、自分はたった今信仰を得たのだと言う。

映画『奇跡』の感想・評価・レビュー

「なぜ誰も信じる者がいない?」
ヨハンネスは問いかける。言葉の一つ一つが心に沁み渡るのは、その根本にある切実な訴えを、感覚的に嗅ぎ取っているからであろう。インガーの語った信仰の喜びはとても暖かい。そして遠い土地の特有の観念が、我々の理解を遮ることはしない。本作は、〈神を信じ、信仰を疑う〉物語だ。

そのカメラワークは、有無を言わせず我々を惹きつける。早くも名作を予感させた1カット目は、日光を受けて輝く白旗に導かれ、画面がゆったりと流れる。このパンの手法が頻繁に登場するが、特に注目すべきは、ヨハンネスがインガーの死を予告する場面だ。白い壁を、窓枠の影がゆっくりと這うように移動する。床にも椅子の影は濃く、寝室のドアにも闇がかかっている。目に見えぬものの存在を見事に描ききった、素晴らしい演出であった。(MIHOシネマ編集部)


「あなたは神を信じますか?」もし、信じないのであれば、何を信じ、何を疑うのですか?そう問われているような作品でした。
私自身無信仰であるため、神の存在や力については信じる、信じないでは無く「よく分からない」と言うのが本心です。今作に出てくるのは神を信じる人たち。そして神を信じるからこそ起こる、不思議な出来事でした。
ヨハンネスの話す言葉は人々を「諭す」ような力があり、彼の言葉によって救われる人もいるのでしょう。理解するのは難しいですが、とても勉強になる作品でした。(女性 30代)

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みんなの感想・レビュー

  1. マキコ・ヨシマル より:

    この映画はデンマーク版「カラマーゾフの兄弟」といったら、笑われるでしょうか。
    父親と三兄弟が「神」と「信仰」について、それぞれが対決・対話していきます。
    ドストエフスキーは神の在・不在を生涯にわたって追及しましたが、この映画も
    また人間の愛と信仰についての対話劇でもあります。
    ロシア的な陰惨な暗さはなく、むしろ素朴な信仰にいきる日常のひとびとを温かく、
    かつユーモラスに描いて、観る者の胸に迫ります。
    また、俳優陣の演技力の見事さも見ものですね。