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映画『熊座の淡き星影』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『熊座の淡き星影』の概要:巨匠ルキノ・ヴィスコンティを映画界へと向かわせる転機となった作品。のちに大作『山猫』を生む彼は、貴族の血を引く自らの生い立ちを時に皮肉り、時に美しく描きだす。禁断の恋をテーマに、姉弟の悲痛な運命をたどるサスペンスとなっている。

映画『熊座の淡き星影』の作品情報

熊座の淡き星影

製作年:1965年
上映時間:100分
ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ
監督:ルキノ・ヴィスコンティ
キャスト:クラウディア・カルディナーレ、ジャン・ソレル、マイケル・クレイグ、マリー・ベル etc

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映画『熊座の淡き星影』の登場人物(キャスト)

サンドラ(クラウディア・カルディナーレ)
妖しい美貌の持ち主。実家の屋敷に帰り、弟と再会したことで、封印していた忌まわしい過去が明らかになる。ユダヤ人の亡き父を心から尊敬している。
アンドリュー(マイケル・クレイグ)
サンドラの夫。妻を愛しているが、彼女の実家を訪れたことで、その異常な雰囲気に飲み込まれてゆく。サンドラ姉弟の過去を知り、一度は絶望するが、彼女への健気な愛情を見せる。
ジャンニ(ジャン・ソレル)
サンドラの弟。姉に異常な執着を見せ、禁断の過去の出来事を小説に書いてしまう。最後は狂気に蝕まれ、毒薬を飲んで自殺してしまう。
ジラルディニ(レンツォ・リッチ)
サンドラの義父。市庁舎で働いており、サンドラ姉弟とは犬猿の仲。彼らの忌まわしい過去に耐えられず、アンドリューに真実を打ち明けてしまう。
コリンナ(マリー・ベル)
サンドラの母。子供達の起こした問題のせいで心を病んでしまい、入院していた。今は屋敷の別荘で暮らしている。元ピアニスト。
ピエトロ・フォルナーリ(フレッド・ウィリアムソン)
コリンナの担当医師であり、サンドラの初恋の相手。屋敷に出入りすることで、姉弟の問題に巻き込まれてゆく。
フォスカ(アマリア・トロイアーニ)
屋敷のメイド。ジャンニやサンドラの身の回りの世話をする。最後はピエトロと共に、ジャンニの亡骸を見つけてしまう。

映画『熊座の淡き星影』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『熊座の淡き星影』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『熊座の淡き星影』のあらすじ【起】

華やかなホームパーティーの主催者である、サンドラとその夫・アンドリュー。サンドラはにこやかに接待して回るが、ふいに聞こえるピアノの旋律に、顔を曇らせる。

翌日、夫婦はサンドラの実家に向かう。大きな屋敷で出迎えたのは、メイドのフォスカだけだ。フォスカはサンドラに、弟・ジャンニが度々帰ってくることを告げ、二通の電報を渡す。続けて、母・コリンナが別荘にいることや、義父・ジラルディニが話したがっていることを伝える。サンドラは電報を読むと、親戚が集まらないことを知って憤る。

サンドラは庭へ向かうと、幕を掛けられた父親の像の前に立ち、抱きつく。その横には、「ナチに踏みにじられた偉大な才能と命を惜しんで」と記された石碑。庭は公園として、町に寄付される予定であり、像の除幕式を行うためにサンドラは戻ってきたのだ。そこへ、長らくサンドラの前から姿を消していたジャンニが現れる。うっとりするような抱擁で再会を喜ぶ姉弟。アンドリューもやってきて、ジャンニと挨拶を交わす。

ジャンニはたまに屋敷に帰ると、家財を売って生活資金を工面していたらしい。そして、彼の過去について小説を書いていることも聞かされ、サンドラは不安げな顔を見せる。ジャンニがアンドリューを誘って酒場へ向かうと、サンドラは一人屋敷に残り、ジャンニの寝室を必死で漁り始める。ジャンニの手を象った彫刻を見つけると、恋しそうに触れる。

映画『熊座の淡き星影』のあらすじ【承】

アンドリューはサンドラの過去を聞きだそうとするが、ジャンニは挑戦的な態度を取る。酒場に居合わせた医者のピエトロは、サンドラの初恋相手らしく、アンドリューに鋭い睨みを効かせる。

その夜、サンドラは何かを警戒し、施錠をして眠りにつく。しばらくすると、誰かがサンドラの部屋のドアを強引に揺すり、去ってゆく。サンドラ、アンドリュー、ジャンニは皆落ち着かない様子で、それぞれ眠れない夜を過ごす。

翌朝、心を病み、別荘に隔離されているコリンナの看病のために、ピエトロが屋敷を訪れる。ピアノをめちゃくちゃに弾き狂う母の姿に、顔を歪めるサンドラ。コリンナは、夫をユダヤの悪党だと罵り、娘のサンドラも同族だと言い放つ。

サンドラ夫婦が市庁舎を訪れると、すでにジャンニとジラルディニの姿もあった。サンドラは明朝の除幕式のために、書類にサインを済ませる。ジラルディニは、コリンナを早期退院させたことで非難されると思い、サンドラに対して脅すような言葉を掛ける。

一方サンドラは、父を強制収容所に送り込んだのは、母とジラルディニの密告だと推測する。彼らとサンドラ姉弟は、幼い頃から対立していたのだ。彼らの目を盗むため、姉弟は秘密の場所をメモで伝え合い、密会していたという。その話を聞いた矢先、アンドリューは待ち合わせ場所と共に、愛の詩が書かれたメモを見つけてしまう。サンドラは、昔にピエトロが書いたものだと誤魔化す。

映画『熊座の淡き星影』のあらすじ【転】

得体の知れぬ不安を感じ、一刻も早い帰宅を望むアンドリュー。だがサンドラは、夫に隠れて、メモに書いてあった場所へと向かう。そこにはジャンニの姿があった。ジャンニは、昨夜サンドラの寝室を訪ねたのは自分だと打ち明けるが、サンドラは驚かない。ジャンニはサンドラと心が繋がっている証拠に、彼女の結婚指輪を預からせてほしいと迫る。

ジラルディニは、サンドラ姉弟への嫌悪を募らせていた。彼らは家族を崩壊させた問題を抱えている、二度と会いたくないとアンドリューに話し、憤怒する。

その頃、ジャンニはサンドラに自筆の小説を読ませていた。姉弟の肉欲の過去について書かれたもので、サンドラはひどく慌てる。だが、ジャンニの病的なほど深い愛の告白を聞き、微かに顔を綻ばせる。彼の想いには応えられないことを告げ、無垢な少年時代を回顧して涙する。ジャンニは、小説の題名は「熊座の淡き星影」だと発表し、詩を引用して聞かせる。

アンドリューの説得により、ジラルディニと姉弟はディナーを共にする。ジラルディニは友好的な態度で臨むが、サンドラは相変わらず尖った対応をする。コリンナのことをきっかけに口論になり、ジラルディニはついに憤ると、姉弟の近親相姦の過去を暴露する。

映画『熊座の淡き星影』の結末・ラスト(ネタバレ)

アンドリューは激怒し、逃げるジャンニに殴りかかる。必死で制止するサンドラに、過去を忘れて家に帰ろうと懇願する。だがサンドラは、夫の中に不信の心を見いだし、一生屋敷で暮らすことを告げる。

アンドリューは屋敷を去ってしまう。ジャンニは、サンドラの欲望を見透かすような言葉で捲し立て、関係を迫る。自殺を仄めかすと、戸棚にある毒薬の瓶まで見せつける。そんな弟に、「もう死んだも同然でしょ」と吐き捨てるサンドラ。

部屋に戻ったサンドラは、アンドリューからの置き手紙を見つける。サンドラの帰りを待っているという切実な文章に、屋敷を出る決意をする。一方、毒薬を飲んでしまったジャンニは、サンドラの名前を呼びながらもがき苦しむ。その横には、姉を求める手紙が残されている。

サンドラは、過去を忘れて家に帰ると、アンドリューに返事を書く。そして真っ白なヴェールに身を包み、除幕式へと向かう。そこにはコリンナとジラルディニの姿もあった。サンドラの父への弔辞が読み上げられるなか、フォスカとピエトロは、床に転がっているジャンニの亡骸を発見する。ピエトロはジャンニの死を告げるため、除幕式へと向かう。

映画『熊座の淡き星影』の感想・評価・レビュー

山猫』でもヒロインを務めたクラウディア・カルディナーレだが、本作とのキャラクターの類似性は疑いようもない。サンドラの爪や唇を噛む仕草、低い笑い声は、アンジェリカそのものである。貴族社会の衰退というテーマを持つ、ヴィスコンティの徹底した皮肉と、そこにすら美を見いだす鋭い感性が伺える。

サンドラを揺るがす運命は、二通の電報に始まり、二通の手紙によって幕を閉じる。ジャンニは、禁断の恋を題材にした神話に登場する、天使の彫刻にサンドラへのメモを挟んで残す。絶望と死の香りが漂う中に、散りばめられた甘美な演出が、姉弟の悲劇をよりドラマチックに映しだしていた。(MIHOシネマ編集部)


知られたくない過去とか、他人には言えない秘密の一つや二つ誰にでもありますよね。しかし、今作で隠されていた秘密は「姉と弟の近親相姦」。それは一生隠したかっただろうと思うと同時に、それを知っても尚、理解しようと愛を示してくれる夫の器の大きさに感動しました。
本当に秘密にしたいことは誰にも話さず心の中に秘めておけばいいのに、誰かに話してしまったり、日記に書き記してしまうのが人間の愚かなところですよね。今作でもそんな人間の愚かで浅はかな部分がリアルに描かれていました。(女性 30代)

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