映画『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』の概要:名探偵が著名な作家の死を巡る謎を探るミステリー映画。警察は自殺と見なしていたが、名探偵は不審な点があることを見抜く。『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』のライアン・ジョンソン監督作品
映画『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』の作品情報
上映時間:131分
ジャンル:ミステリー、コメディ
監督:ライアン・ジョンソン
キャスト:ダニエル・クレイグ、クリス・エヴァンス、アナ・デ・アルマス、ジェイミー・リー・カーティス etc
映画『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』の登場人物(キャスト)
- ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)
- 数々の事件を解決してきた名探偵。特徴的な南部訛で喋る。謎の依頼人からハーランの死の調査を依頼される。
- ヒュー・ランサム・ドライズデール(クリス・エバンス)
- リンダとリチャードの息子。ハーランのすねをかじって生きており、これまで働いたことがない。ハーランが死んだ日に遺産相続を巡ってハーランと激しい口論をする。
- マルタ・カブレラ(アナ・デ・アルマス)
- ハーランに雇われた看護師。ハーランと碁を楽しみ、ハーランが心を開く唯一の相手。嘘をつくと吐く癖があり、正直で善良な心で生きている。
- リンダ・ドライズデール(ジェミー・リー・カーティス)
- ハーランの長女。ハーランの援助を受けて不動産会社を立ち上げた。
- リチャード・ドライズデール(ドン・ジョンソン)
- リンダの夫。リンダに隠れて浮気をしているが、そのことがハーランにばれてしまう。
- ウォルト・スロンビー(マイケル・シャノン)
- ハーランの次男。ハーランの出版社の経営を任されているが、ハーランに首を告げられる。
- ジョニ・スロンビー(トニ・コレット)
- ハーランの長男の妻。長男は亡くなっている。娘がおり、ハーランから援助を受けている。
- ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)
- 著名なミステリー作家。数々のベストセラーを発表し、膨大な資産を保有している。
映画『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』のあらすじ【起】
家政婦がハーランの元に朝食を届けようとして、ハーランが首から血を流して死んでいるのを発見する。1週間後、マルタは捜査のためにハーランの屋敷に呼び出される。警察とブノワが家族それぞれにハーランが亡くなった日について尋ねる。ハーランは誕生日パーティーの後に亡くなっていた。その日は家族内の揉め事続きで、ハーランはリンダを裏切って浮気しているリチャードを咎め、ウォルトを出版社から解雇し、養育費を二重取りしていたジョニに対しては援助打ち切りを宣告していた。また、その夜にハーランはランサムとも大きな口論をしていた。
しかし、リチャード、ウォルト、ジョニは3人揃ってそうしたやり取りを否定する。しかし、ブノワは3人の嘘を見抜いてしまう。だが、いずれも殺人の動機としては弱かった。実はブノワは調査を依頼する謎の封筒を受け取ったために屋敷に来ていたが、依頼主の正体は分かっていなかった。ブノワは警察にハーランの死亡推定時刻に各自がどこにいたかを確認するが、それぞれの証言は辻褄が合っており不審な点はなかった。このため、警察は自殺だとみなしていた。
ブノワはマルタにもハーランが亡くなった日の状況を確認する。マルタはパーティーの後にハーランに普段通りにケトロラクを投与するが、その後に薬のビンのラベルにモルヒネと書かれていることに気付く。ケトロラクと思い込んで致死量のモルヒネを誤投与してしまったのだ。
映画『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』のあらすじ【承】
マルタは救急通報をしようとするが、ハーランはそれを止める。手遅れと思ったハーランは死を覚悟し、誤投与がばれてマルタが窮地に立たされることがないように、アリバイ作りを指示する。そしてハーランは自らの首を切って自殺を図ってしまう。マルタは指示通りにウォルトに挨拶して屋敷を出た後、隠し窓を使ってこっそり屋敷に侵入する。そしてハーランの服を着て家の中を歩き、ウォルトに後ろ姿を目撃させる。その時間にハーランがまだ生きているかのように偽装し、マルタのアリバイを確立するためだった。
マルタは嘘をつくと吐く体質のため、薬を投与して館を出たという事実だけをブノワに語って誤投与やアリバイ作りのことを隠す。その後、ハーランの追悼式が行われる。その場で家政婦がマルタにハーランの死に疑念を持っていることを打ち明けてくる。マルタが帰ろうとすると、外にブノワが待ち構えていた。ブノワは翌日からの捜査にマルタも付き添うように頼む。
ブノワとマルタは屋敷の周辺を捜索する。マルタは防犯カメラの映像や地面に残っていた自分の足跡を消して、ブノワに気付かれないようにする。しかし、ブノワは屋敷の隠し窓があることに気付き、何者か壁を上って隠し窓から侵入したことを見抜く。一方、この日はハーランの遺言が開示されることになっており、家族が一堂に会する。そこには初めてランサムも姿を現す。遺産管理人はハーランが死の1週間前に遺言を書き換えていたことを説明し、内容を読み上げる。遺言には全遺産をマルタに譲ると記されていた。
映画『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』のあらすじ【転】
マルタは遺言の内容にショックを受けた家族から詰め寄られる。しかし、ランサムが助け船を出し、マルタを車で連れ出す。マルタが嘘をつけないことを知っているランサムはハーランの死についてマルタを問い詰める。マルタが全てを打ち明けると、ランサムはハーランの遺志を尊重して、このまま警察を騙し続けて遺産を相続するように進言する。ランサムは、その手伝いをする代わりに自分の相続分を要求する。
マルタは、ハーランの血液検査の結果を入手した何者かから脅迫状を受け取る。血液検査の結果は薬の誤投与を証す重要な証拠だった。マルタとランサムは急いで結果が保管されている検視局に向かうが、そこは放火されていた。マルタはそこで待ち合わせの指示が書かれたメールが届いているのに気付く。しかし、2人の姿を目撃したブノワと警察に追跡され、警察はランサムを聴取のために連行してしまう。
マルタはこっそり待ち合わせ場所に向かうが、そこにはモルヒネを投与された家政婦が瀕死の状態で倒れていた。家政婦はコピーを隠したとだけ口にする。マルタは懸命に救命措置をし、救急車を呼ぶ。マルタはブノワに真相を全て話し、家族全員にも打ち明けることにする。屋敷に着いたマルタはコピーの隠し場所が屋敷内にあることに気付き、それをブノワに渡す。コピーを見たブノワはマルタが家族に話すのを止めさせ、警察にランサムを連れて来させる。
映画『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』の結末・ラスト(ネタバレ)
ブノワは、誕生日の夜の口論は遺書を巡るものであり、マルタが全遺産を相続することを知ったランサムがそれを防ぐために巧妙に罠を仕掛けたと説明する。そしてランサムがマルタに過失でハーランを殺させるために、こっそり薬の瓶の中身を入れ替えていたと主張する。マルタは長年の経験から感覚的に正しい薬を見極めていたが、瓶のラベルが違ったために誤投与をしたと思い込んでしまったのだ。ハーランの血液検査の結果でもモルヒネは検出されておらず、ハーランは紛れもなく自殺で亡くなっていた。
しかし、自殺だとマルタが遺産を相続すると恐れたランサムが匿名でブノワに捜査を依頼し、マルタの誤投与の事実を暴かせようとしたのだ。家政婦はランサムの不審な行動に気付いて脅迫をしていたが、ランサムはその脅迫状をマルタに送りつけていた。血液検査の結果でマルタの無罪が立証されてしまうため、ランサムが証拠隠滅を図って検視局を放火し、家政婦にモルヒネを投与したのだ、
マルタの元に家政婦が亡くなったとの連絡が入るが、マルタは嘘をついて家政婦が意識を取り戻したと話す。それを聞いたランサムは家政婦を殺そうとした事実を認める。その直後にマルタは吐いてしまい、ランサムは騙されたことに気付く。怒ったランサムは装飾用のナイフをマルタに突き刺すが、それは刃が引っ込む仕掛けになった偽物だった。マルタは無事で、ランサムは警察に逮捕される。ブノワはマルタが善人だからこそ、この難局を切り抜けられたのだと語り掛ける。
映画『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』の感想・評価・レビュー
アガサ・クリスティーにオマージュを捧げた作品で、独創性に満ちたストーリーを楽しむことができる。物語の序盤でマルタの誤投与が明かされるために、大勢の容疑者の中から犯人を割り出すのではなく、マルタがどう切り抜けるのかという点を楽しむ展開になっているのが新鮮だ。過去の古典作品を踏襲しながら、新しい要素を盛り込んで斬新な作品に作ってきたライアン・ジョンソン監督の手腕が今作でも遺憾なく発揮されている。(MIHOシネマ編集部)
ダニエル・クレイグを筆頭に俳優陣はとても豪華なのですが、嘘をついたら吐いてしまう女の子の設定に無理があるのでは?と考えてあまり楽しめませんでした。
ダニエル・クレイグはポンコツな探偵に見えますが、最後の最後でそうではないところが面白いです。登場人物は多いですが、全員の背景がしっかり描かれているので混乱せず観やすいです。
途中からミステリーというよりファミリードラマのようになるので、ホームズを期待しているとガッカリします。雰囲気はクリスティ寄りだと思います。(女性 30代)
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