映画『私たちが飛べる日』の概要:学生時代はいつも一緒に居た男子2人の存在を、同窓会を機に思い返したアラフォー女性。マンネリ化した夫との日々に、嫌気がさした彼女はキラキラした青春時代を思い返しあることに気づかされてしまう。
映画『私たちが飛べる日』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、青春
監督:アダム・ウォン
キャスト:ミリアム・ヨン、ジャン・ラム、シシリア・ソー、ネオ・ヤウ・ハーク・サウ etc
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映画『私たちが飛べる日』の登場人物(キャスト)
- ファンチー(ミリアム・ヨン / シシリア・ソー)
- 旅行会社で働く女性。学生時代に出会った夫とはマンネリ化した結婚生活を送っている。夫と出会った頃、もう一人の少年と一緒に過ごした日々を思い返しある事実に気付く。
- シン(ジャン・ラム / ネオ・ヤウ)
- ファンチーの夫。学生時代に転入してきたユーに一目惚れをする。ユーとの結婚後はデザイン会社を営み、休暇も取らず仕事に勤しんでいた。
- ボクマン(ン・シウヒン)
- 学生時代、シンの親友であり悪友だった存在。パイロットになる夢を抱いていたが、学園祭の1週間前に姿を消してしまい、以降誰も連絡を取れずにいた。
映画『私たちが飛べる日』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『私たちが飛べる日』のあらすじ【起】
同窓会のお知らせが来た。旅行会社で働き15年になったユーと夫のシンは学生時代からの同級生である。一緒に同窓会に参加すると、結婚しそれぞれに家庭を持つ学生時代の仲間が揃っていた。唯一誰も連絡を取っていないボクマンだけは居なかったが、懐かしい記憶を辿り会は盛り上がった。仲睦まじく見えるユー夫妻だが、仕事に明け暮れるシンが最後に休暇を取ったのは5年前である。しばらく食事も共にしていない環境にユーは不満を抱いているのだった。
一人帰宅したユーは学校祭の出来事を思い返していた。女子大から転入したユーはボクマンと先に出会っている。ボクマンとシンがバンドを組んでいたことをきっかけに、ユーは学校祭で音響を担当しシンと交流を持つようになったのである。
シンと一緒になる道を選んだユーだったが、2日前にシンのために作ったスープを、手を付けてもらえないままシンクに捨てるとは予想もしていなかった。一方でデザイン会社を営むシンは気難しいクライアント対応に苦戦し、メッセージを見る余裕すらもないのだった。
映画『私たちが飛べる日』のあらすじ【承】
シンの洗濯物からナイトクラブのライターを見つけてしまったユー。店について調べていたが、徐に「ソウ・ボクマンの航空クラブ」と検索を始めた。物理学に詳しいボクマンは、時折授業をサボって研究に明け暮れていた。ユーはボクマンが用務員のタクさんと交流する姿を眺め、研究内容について教えてもらっていたのだ。学校内で噂になり始めたユーとボクマンの関係に焦り、シンはユーに対して熱心にアピールを始めた。
ユーの機嫌を取ろうと花を買って帰ったシン。しかし、ライターについて問われたシンは濁した回答をする。「会話が足りない」と嘆くユーは一人寝室に籠ってしまうのだった。夜遅くまで働くシンの元に、ナイトクラブで出会った女性から電話が来ていた。話しながら飲みすぎてしまったシンは、自宅のソファで朝を迎える。介抱したユーはついシンの携帯を見てしまい女性の存在に気付くのだった。
学生時代の同級生であるシンディーとランチをしながら、ボクマンとの最後の記憶についてすり合わせたユー。ボクマンが飛ばした紙飛行機の中を見られずにいたことに気付く。そして、フィフィと名付けたオウムを一緒に育てたことも思い返し、懐かしむのだった。
映画『私たちが飛べる日』のあらすじ【転】
母校を訪ねたユー。講師となった同級生の案内で、当時の担任と再会した。突然学校を辞めてしまったボクマンとは、連絡を取っていないと言う。「パイロットになりたい」と夢を語っていたボクマン。しかし、当時の教育では現実的な夢を持つ指導が中心である。ユーも父親からイギリスへの留学するよう期待されていた。この頃のユーは大人たちに反発するように「1万個の紙飛行機を飛ばしたい」と新たな夢を抱くのだった。
夢と目標を持たない現代の子供たちを目の当たりにし、ユーは学生時代にボクマンが教えてくれた発泡スチロールの飛ばし方を披露する。「一緒に夢を叶えるため、イギリスに行こう」と言ってくれていたボクマンの表情を思い返したユー。そして、ボクマンがシンを殴った日のことも思い返す。それはシンに誘われたユーがライブ会場に出向いた翌日のことである。シンに勧められるがままお酒を飲んだユーだが、アレルギーが発覚し発心が出てしまった。ユーの身体を気遣うボクマンは、シンの無神経な振る舞いに腹を立て殴ったのだった。
校内を回っていたユーはトロフィーの整理をするタクさんと再会した。手伝い始めたユーは、ボクマンのトロフィーの底に「ユー・ファンチーへの招待状」と書かれていることに気付き、当時のボクマンの気持ちを噛みしめるのだった。
映画『私たちが飛べる日』の結末・ラスト(ネタバレ)
珍しくシンとゆっくり外食することになったユー。学生時代の思い出をにこやかに語るユーに、シンは久しぶりに休暇を取ったと旅行の提案をした。しかし、ユーの仕事は繁忙期真っ只中である。シンの配慮は空回りし、再び二人の心は離れてしまった。
密かに「ソウ・ボクマンの航空クラブ」にメッセージを送っていたユー。ある日、返信が来たのである。指定されたカフェに出向くと一人に女性が座っていた。ボクマンが留学していた頃に付き合っていた恋人だという彼女は、ボクマンが亡くなったことと遺した思い出の品物をユーに託したのである。その中には、ユーが見ることができなかったメッセージの書かれた紙飛行機が入っていた。実は学園祭の当日、ボクマンは自作の飛行機をユーに披露するつもりだったのだ。
シンにもボクマンの遺した真意を伝えたユーは、指輪を置いて家を出た。シンはボクマンの墓に学生時代一緒に作ったペットボトルロケットをたくさん備えに行く。その後、ユーもボクマンの墓を出向き、シンの優しさを実感するのである。
タクさんの元を訪ねていたシンは、ボクマンの遺した作品を持ち出し学生たちと一緒に飛行実験をする決意をする。ユーも誘いだし、ボクマンが叶えられなかったたくさんの飛行機を一斉に飛ばすという夢を実現にしたのである。
映画『私たちが飛べる日』の感想・評価・レビュー
規律正しい「あの頃の日々」に着目した作品だけあり、学生時代を遠くの記憶に感じる世代に響く内容であった。すれ違う夫婦仲にはイマイチフォーカスが足りないようにも思えるが、主は学生時代の思い出であり失った真相である。邦題が露呈してしまっているが、エンディングはとても爽やかなものであった。香港の作品と聞くともっと湿度のある画を期待したが、今作は静かに煌めいた内容であったように思う。(MIHOシネマ編集部)
本作は、アラフォー女性が同窓会をきっかけに、学生時代の思い出に耽る姿を描いた香港の青春ヒューマンラブストーリー作品。
主人公の女性が夫とのマンネリに嫌気がさして、遠い学生時代を思い出すのだが、大人になってからこんな風に「昔はよかったな」と思い出せる学生時代の記憶があることが、どれだけ素晴らしいことだろうか。
香港映画はあまり見たことがなく、アクションや汗が滲むようなイメージがあったので本作には意表を突かれた。
ラストは、爽やかさが溢れるキラキラとした印象だった。(女性 20代)
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