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映画『この世界の片隅に(2016)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『この世界の片隅に(2016)』の概要:昭和8年から終戦後の昭和21年まで、ヒロインを中心にその周囲の人々が営む生活を詳細に描いた長編アニメーション。幼少期に助けた男性の元へ嫁いだヒロイン。見知らぬ土地で生活を築きつつも、戦争により大切なものを奪われていく。

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映画『この世界の片隅に』の作品情報

この世界の片隅に

製作年:2016年
上映時間:129分
ジャンル:ヒューマンドラマ、戦争、アニメ
監督:片渕須直
キャスト:のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞 etc

映画『この世界の片隅に』の登場人物(キャスト)

北條すず(のん)
どこかぼんやりとした性格で絵を描くのが趣味。広島市江波の海苔梳きの家に育ち、鬼のように怖い兄と妹の3人兄妹。幼少期に攫われそうになった周作を助けたことがある。旧姓浦野。幼馴染の哲に淡い恋心を抱いていたが、周作と結婚後は夫へと好意を寄せるようになる。
北條周作(細谷佳正)
すずの夫。幼少期に人攫いから助けてくれたすずを嫁に迎える。真面目で大人しく優しい性格。すずの一番の理解者で深い愛情を注いでいる。広島市呉鎮守府の軍法会議書記官。
水原哲(小野大輔)
すずの幼馴染で海兵へ志願する。すずに思いを寄せているが、素直になれない性格。昭和19年にすずを迎えに来るも、周作に好意を寄せていることを知り自ら身を引く。軍艦青葉に搭乗し戦死。
黒村径子(尾身美詞)
周作の姉で元モダンガール。おしゃれに人一倍気を遣っており、気が強くしっかり者。一度嫁に行くも、離縁して娘の晴美を連れて実家に身を寄せる。息子もいるが、離縁先の跡取りとして残してくる。
黒村晴美(稲葉菜月)
径子の娘。軍艦に詳しく、すずに懐いている。空襲後の不発弾により亡くなってしまう。
北條円太郎(牛山茂)
周作の父親。穏やかな人柄で広海軍工廠十一空廠にて技師をしている。空爆にて大怪我をするも助かり、無事に帰宅した後は仕事へも復帰する。
北條サン(新谷真弓)
周作の母親。足が悪く家事を満足にできないが、優しく思いやりのある人物。密かにへそくりや白米を隠し持っていたりする。ここぞという時の家守。

映画『この世界の片隅に』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『この世界の片隅に(2016)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『この世界の片隅に』のあらすじ【起】

昭和8年12月。広島市江波にて海苔梳きの家に育った浦野すずは、おっとりした性格でよくぼんやりした子だと言われて育った。彼女の趣味は絵を描くことで、賞を取るほどの腕前だ。鬼のように怖い兄としっかり者で仲良しの妹がいる。

そんなある日、すずは海苔を届けるお使いを頼まれ、1人で広島へ向かうも道に迷ってしまう。声をかけてきた毛むくじゃらの男に付いて行った彼女は、背負っている籠の中に少年がいるのを発見。少年曰く、攫われて来たと言う。すずは知恵を絞って男を眠らせ、少年と共にまんまと脱走に成功。無事に帰宅したすずはそのことを絵に描きつつ、夢のような出来事だったと感想を漏らすのだった。

昭和18年12月。18歳になったすずは呉の北條家から突然、嫁に欲しいと言われる。話はとんとん拍子に進み、翌年2月。北條家へ嫁ぐことになったので、浦野一家は呉へ。4歳年上で夫となる北條周作は大人しく真面目で優しい人だった。
その日の夜、周作が実は幼い頃に助けた少年だったことを知ったすず。彼はずっとその時のことを覚えており、助けてくれたすずのことを嫁に望んだのだった。

北條家の一員となったすずは、翌日から精力的に家の仕事を開始。おっとりした性格に加えおっちょこちょいでもある彼女は、ご近所さんともすぐに仲良くなった。

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映画『この世界の片隅に』のあらすじ【承】

昭和19年2月。周作の姉径子が娘の晴美を連れて一時的に北條家へ帰宅。径子は気が強い女性できびきびしているため、おっとりしたすずは常に言い負かされてしまう。しかしその後、径子は次々とすずの仕事を奪っていき、しまいには実家へ帰れと言う。すずは義姉の言う通り、久しぶりに実家へと里帰りすることにしたが、帰省中に妹から10円禿げができていると言われてしまう。

それから2カ月経っても、径子が嫁ぎ先へ戻ることはなく。仕事も奪われたままですずのやる気も激減。回覧板を回すという口実の元、家から出たすずは畑の畔から港を眺める。そこへ仕事帰りの周作と遭遇。夫は嫁を励まそうとするが、すずの元気は戻らない。港には軍艦大和が帰港中で彼女はその勇壮な姿に見入り、畦道から落下。その際、周作から禿げのことを指摘されてしまうのだった。

帰宅すると晴美がすずの禿げに墨を塗ると母親に筆を強請っている。嫁が禿げるくらいに気を遣っていることを、実は家族全員が心配しているのだった。その後、径子が嫁ぎ先へ帰宅。ようやく出番だと張り切ったすずだったが、その頃には配給が激減。
すずは少ない配給で食い繋ぐため、野草を持ち入り様々な工夫をした。

昭和19年6月。戦争が激化の一途を辿り、空襲警報が発令。巷では防空壕を作る話が出始める。そんな折、径子が晴美を連れて再び帰省。今度は嫁ぎ先が家ごと疎開するので、離縁して来たと言うのだった。

7月。北條家の防空壕が完成。すずと周作の仲が良いことで径子が落ち込んでしまう。このことがきっかけで、すずは径子の事情を知ることができたのだった。

9月。周作からデートに誘われたすず。径子から化粧品を借りお洒落をして町へ。丁度、海兵の休暇とも重なり、町は人込みで溢れていた。その中に哲がいるのではないかと夫に幼馴染の話をする。

映画『この世界の片隅に』のあらすじ【転】

そんなある日、海兵となり軍艦青葉に搭乗しているという哲が、自由時間を利用しすずを頼って北條家を訪れる。一家は彼を歓待。幼馴染である2人の関係を目にした周作は、哲を納屋の2階に泊めることにし、嫁を送り出して家の鍵をかけてしまう。
奇しくも哲と2人きりになったすず。2人は互いに幼い頃から惹かれ合っていたが、今はもう事情が違っている。哲はすずを連れて帰るつもりだったらしいが、すずは夫との幸せを選ぶのだった。

昭和20年2月。出兵していたすずの兄が戦死したため、周作と共に葬儀へ参列。その帰り、すずは夫に対して怒りを爆発させる。若い夫婦は初めての夫婦喧嘩をするのだった。

3月19日。その日の朝、呉は敵軍による奇襲攻撃に遭う。ミサイルの破片が雨のように降ってくる。戦闘は長続きせずに終了した。

3月29日夜。空襲警報。以降、数日置きに夜襲が重なる。そのせいで連日、寝不足になってしまう一家。
5月5日。呉の広海工廠が爆撃される。技師である円太郎の身が案じられる中、周作が法務の一等兵層へなることが決定。書記官から軍人となるため、3カ月の訓練へ行かなければならない。彼はすずを酷く心配していたが、すずは夫が帰る家を守ると宣言するのだった。
戦争が激化する中、警報も頻繁に発令。周作が訓練へ向かう前日14日の夜。すずは夫が眠る横顔を模写。そうして翌15日。雨が降る朝、化粧をした妻は軍服を着た夫を見送るのだった。

6月21日。葉書にて円太郎の無事が知らされる。径子は父の頼みにより、壊れた腕時計を直すついでに下関の息子へ会いに行こうと決める。
翌日、晴美を連れて径子とすずが出発。径子が列車の切符を取る間、晴美を連れたすずが円太郎の見舞いへ。その後、空襲に見舞われてしまい、近くの防空壕へ避難した。
激しい爆撃の後、防空壕から出た2人。晴美の要望で港が見える道を歩いていたが、不発弾が爆発。このことで晴美は亡くなり、すずも右手を失ってしまうのだった。

映画『この世界の片隅に』の結末・ラスト(ネタバレ)

7月21日。復帰した円太郎が仕事へ。雨が降るその夜も夜襲があり、爆撃機から火の点いた筒が投下。呉の町は火の海と化し、朝には町が焼け野原となる。丘の上に建つ北條家からはその様が良く見えた。

防空壕を持つ北條家にも、怪我をした人々や家を焼き出された町民が避難して来た。このことで、訓練が中止となり周作が帰宅。夫の無事に安堵したすずは、誰もが良かったと口にする言葉に憤懣を抱く。失って戻らない右手と晴美を思うとやるせない。

その後も連日、頻繁に空襲警報が鳴る。
7月28日、朝7時。聞き飽きた警報が鳴った。すずも防空頭巾を被り、避難する準備をしていたが、庭先に白鷺が飛び込んで来たため、鳥を追って山へ帰るよう叫ぶ。鳥が飛び去った後、戦闘機からの攻撃に晒されたすずを救ったのは周作だった。
銃弾の雨から助かった2人。すずは夫に広島へ帰ることを告げる。当然、周作は激怒。夫婦は喧嘩し、言葉も交わさなくなってしまうのだった。

自分のせいで晴美を失い、径子にも気まずい思いを抱いていたすず。彼女は病院の予約のため、週末に帰る予定を変更していた。荷物の整理をしていると、径子から謝罪される。その時、空が一瞬光る。すずは径子の許しを得て北條家へ残ることにしたが、次の瞬間に地面が揺れる。外へ出てみると、広島方面に巨大なキノコ雲が立っていた。

8月15日。終戦の玉音放送。日本が戦争に負けたことを天皇の肉声により、日本全国へと告げられた。国民は日本が勝つと信じ大切なものを失っても尚、国のために尽くしてきた。それなのに戦争は日本の敗北で終わってしまった。国民は安堵すると共に酷く嘆き、深く悲しんだ。
その日の夜、サンが隠し持っていた白米で夕食を迎える。戦争に負けても、生きている限り生活は続く。脅かされない食卓は幸せだった。

10月6日。米軍が上陸。周作が日本海軍解体ために出かけて行った。夫を慰めるための右手がないことに、少しだけ気落ちするすず。

昭和21年1月。妹の所在が判明したため、広島へ見舞いに向かった。そこですずは、家族の最期を聞く。妹は核爆弾の後遺症で臥せっていたが、それでもまだ言葉が話せるだけの元気があった。その帰り、仕事を終えて解放された周作と偶然出会う。

幼少期、彼と初めて出会った橋へ。夫婦は共に暮らし培った愛情を再確認。日が暮れ、駅で列車を待つ間に腹ごしらえ。その時、戦災孤児である女の子にすずが懐かれてしまい、夫婦は女の子を連れて帰宅。北條家に住む家族は助け合いの精神を持ち、戦災孤児の少女を笑って受け入れてくれるのだった。

映画『この世界の片隅に』の感想・評価・レビュー

戦争がテーマの作品は悲壮感が漂い、心に重苦しいものが圧し掛かってくる感覚に陥るのだが、今作はそうではない。

戦争の悲惨さを勿論描いているのだが、その時代を主人公であるすずさんは、時に強かに、時に笑いながら生きている。彼女の当たり前の日常が、演出過剰にならないように淡々と描かれていく。

案外悲劇の中にいても、これが当たり前だと受け入れて日々を繋いでいくことが、人間には出来るのかも知れない。その日々には、楽しいこともきっとある。戦争の時代を、いつもと違った角度から考えさせられる作品だった。(男性 30代)


原作はこうの文代の同名漫画作品。昭和初期の戦争中である日本で、人々がどのような生活を送っていたかが主婦目線で描かれている。
主人公はのんびりとした性格のすずで、声をのんが演じているが、こののんびり感がとてもマッチしている。夫の周作がとにかく彼女を気遣って愛情をかけてくれるので、とても救われる。そうでなければ、すずは命を投げ出していたかもしれない。戦争中はとにかく物資が不足するので、配給だけでは生きることができない。今作では当時の節約術も描かれており、どのようにして食糧事情を乗り切ったのかが分かる。とても、辛く悲しく悲惨であっても、希望を持って生きようとする人々の姿に涙が溢れる。終戦後、一家が安全安心に白いご飯を食べるシーンがほっこりとして印象に残っている。とても素晴らしい名作だと思う。(女性 40代)

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