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映画『一週間フレンズ。』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『一週間フレンズ。』の概要:ひょんなきっかけでヒロインと出会った主人公。彼女と友達になりたくて散々、声をかけるも了承が得られない。その理由は、彼女が1週間で記憶がリセットされる障害を持っているからだった。淡い恋心とトラウマを乗り越える過程を描いた感動の作品。

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映画『一週間フレンズ。』の作品情報

一週間フレンズ。

製作年:2016年
上映時間:120分
ジャンル:ラブストーリー、青春
監督:村上正典
キャスト:川口春奈、山崎賢人、松尾太陽、上杉柊平 etc

映画『一週間フレンズ。』の登場人物(キャスト)

長谷祐樹(山崎賢人)
明るく快活な男子。香織と友人になるため、諦めずに何度も声をかける。癖毛だが、性格は真っすぐ。漫画部にて漫画を描いている。空気を読むことに長けており、香織へと恋心を抱いていたが、彼女の幸せを願い身を引く。
藤宮香織(川口春奈)
1週間しか記憶を保持できない障害を抱えている。過去に何らかのきっかけがあり、その頃から記憶障害が発生。無意識に記憶に蓋をしているらしく、周囲とは一線を引いて仲良くしないようにしている。祐樹と関わりを持つことで、トラウマを乗り越えるきっかけを掴む。
桐生将吾(松尾太陽)
クールなイケメンで祐樹の親友。面倒くさがりな面はあるも、祐樹の行動や悩みを聞きつつ香織との関係を見守っており、こっそり影でフォローしている。基本は無表情で友達思い。
山岸沙希(高橋春織)
常々、だらしない祐樹の面倒を見る女子。美容師の娘で祐樹にはドラえもんと呼ばれている。明るくて可愛らしく、裏表のない性格。実は祐樹に思いを寄せ告白するも、失恋する。
九条一(上杉柊平)
香織の幼馴染で、2学期から転校して来る。過去にあったことを知る人物で、香織のことを裏切り者呼ばわりしている。実は香織へと思いを寄せ、告白している。

映画『一週間フレンズ。』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『一週間フレンズ。』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『一週間フレンズ。』のあらすじ【起】

高校2年生の春。親友の桐生将吾と図書室に来ていた長谷祐樹は、貸出用の図書カードを拾った。名前は藤宮香織と記載されているが、現れた落とし主は見たこともない女の子。彼女はカードの匂いを嗅いでいた祐樹からひったくるように取り返し、怒ったような表情で去って行くのだった。

その帰り、電車にて居眠りをしてしまった祐樹。駅にて慌てて飛び起き降車するも、本を電車の中に忘れてしまう。咄嗟に思い出して振り返ると、そこには藤宮香織がいて本を渡してくれるのだった。

翌週、クラス替えの名簿で、同じクラスに藤宮香織の名前があることに気付いた祐樹。張り切って友達になろうと声をかけるも、香織は知らない人を見るかのような表情をし、すげなく断る。その後も再三、声を掛け続けるが、その度に断られるのだった。
どうしても香織と友達になりたい祐樹は、彼女の様子を観察。香織はクラスの誰とも仲良くしようとせず、一線を画しているようだった。

そんなある日、様子を見ていたクラスの担任に呼び出された祐樹は、香織の秘密を打ち明けられる。彼女は解離性健忘という障害を持っており、1週間しか記憶を保持することができないと言うのだ。昔からのものや両親の記憶はあるが、新しい記憶や友人のことは1週間経つと忘れてしまう。
担任の話を容易に信じられない祐樹。次の週の月曜日、香織の様子を窺うと自分のことをすっかり忘れていることに気付く。聞いた話は本当だった。

高校2年生の夏。あれ以降、思い悩む祐樹。彼の中には友達にならないという選択肢はなく古文の授業中、香織と仲良くなる方法を思いつく。それは、記録として残る交換日記を書くことだった。

祐樹は思い切ってノートを香織に渡す。日記に目を通し、彼の本気を感じた香織は真剣に考えた末、祐樹を思いやり断ろうとするも、それでも彼は笑って友達になろうと声を掛けるのだった。彼女が忘れても何度だって声を掛ける。何もしないでいるより、何かをして成し遂げる方がよほど良い。

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映画『一週間フレンズ。』のあらすじ【承】

香織からの返事がないまま、ノートは何回も返却されてくる。それでも祐樹は日記にて自分の気持ちを記し、渡し続けた。
まっすぐで裏のない祐樹の言葉と行動を目にした香織は次第に考え直すようになり、そうしてある日、日記に返事を書いて渡す。そうして、互いに日記を書いて交換する日々が始まった。

金曜日は香織が日記を持ち帰り、月曜日の朝にそれを読んでくる。そうすることによって朝、学校で祐樹に声をかけられても、彼を友人として認識できる。香織の表情も柔らかくなり、2人の関係も次第に軟化。

ある放課後、香織は教室の机に祐樹との大事な日記を忘れてしまう。取りに戻ると教室に残っていたクラスメイトの女子が、彼女のことを話していた。更にクラスメイトは香織の机から交換日記を見つけ出し、中を見ようとしている。そこへ、将吾と山岸沙希が現れ、香織の窮地を救ってくれた。礼を言って帰ろうとすると、沙希が一緒に帰ろうと言ってくれる。そこへ祐樹も現れ、4人で帰宅することになったのだった。以来、香織の友人として沙希や将吾も加わることになる。

夏祭りがあったので、4人で遊びに行くことになった。不安に思う香織を祐樹がつぶさに観察し何かと慮る。楽しい夜になるはずだった。
人込みの中を進んでいると、香織がかつての同級生に声を掛けられる。だが、彼女には相手の記憶がない。祐樹が空気を読んでその場から離そうとするも擦れ違い様、香織が相手の男子から裏切り者と言われる。その言葉で酷い頭痛に襲われた香織は、意識を失ってしまう。

倒れた香織を病院へ搬送した祐樹達。両親が来るまで傍についていたが、目覚めた彼女は祐樹のことを覚えていなかった。

映画『一週間フレンズ。』のあらすじ【転】

香織の両親が到着後、将吾と沙希が帰宅。祐樹は父親から話がしたいと言われていたので、その場に残った。
香織の父親と会話した祐樹。香織の記憶障害は、交通事故による後遺症でもあるらしい。環境を変えるために祐樹がいる高校へ転校したが、友人を作らせるには時期尚早だったのかもしれないと話す。故に、祐樹にはもう香織に関わって欲しくないと。だが、彼は本人が嫌がるならやめると言うのだった。
香織が病院から帰宅後、彼女の自宅を訪ね交換日記を渡した祐樹。あれを読めばきっと、分かるはずだと思った。

高校2年生の秋。登校中にて香織を発見した祐樹。声を掛けると彼のことを見知っている態度を取ってくれる。日記を読んでくれたのだ。
その朝、クラスに九条一という転校生がやって来る。夏祭りで香織に裏切り者と言葉を浴びせた奴だった。

文化祭の準備にてクラスは俄かに活気づいている。クラスの出し物としてカフェをすることになり、九条の衣装合わせの際、彼が香織の幼馴染であり彼女のことを憎んでいることを知った沙希。香織にそのことを確かめ、祐樹を傷つけないよう釘を刺した。すると香織は、祐樹は自分にとって大事な友人だと断言。そのことを聞いてテンションが上がった祐樹は、文化祭用に準備された立て看板を軒並み倒してしまう。

その場から逃走し、図書室へ避難した2人。香織の本心を聞いた祐樹は思わず、彼女を抱き締めてしまう。その後、図書室から出ると立て看板の修復のため、祐樹が将吾に引っ張られていく。1人になった香織の前に九条が現れ、彼女に過去の出来事を言い募った。当時のことを無意識に思い出そうとして頭痛に見舞われる香織。戻って来た祐樹によって、話はそこで終わりになった。

映画『一週間フレンズ。』の結末・ラスト(ネタバレ)

文化祭が開催。クラスのカフェはイケメンの将吾と九条のお陰で人気も上々。そんな中、祐樹はカフェのチラシ配りへ。そこへ香織のかつての同級生と遭遇する。祐樹は香織に話して同級生と合わせることにした。

中学3年の冬。九条が転校することになり、彼は香織に思いを告げた。だが、香織は親友が彼に恋をしていることを知っていて、その思いに返事ができなかった。そのことがクラスで噂になり、親友を筆頭に香織はクラスから無視されるようになる。そして、あの日。九条の要望で引っ越し前に会う約束した香織は、待ち合わせ場所へ向かっていたが、親友がそれを発見し彼女をきつく咎めた。精神的に追い詰められていた香織は、その場から逃げ出し車に轢かれてしまったのである。彼女はいじめにより、月曜日が来なければいいと思っていたため、事故の後遺症として記憶障害を負ってしまったのだった。

親友はそのことを謝りに来たのだが、事の顛末を知らなかった九条も愕然とする。彼はかつての同級生を連れてその場から去った。
残された祐樹は香織を励ましたが、このことにより彼女は当時の記憶を取り戻した。

文化祭終了後、香織が記憶を思い出したことで、祐樹は自分にチャンスがないことを確信。そのことを将吾へと涙ながらに話し、香織との交換日記を燃やしてしまう。そうして、香織は翌週の月曜日。祐樹のことを全て忘れてしまうのだ。

高校2年生の冬。過去の記憶を取り戻した香織は、九条のことは覚えていた。だが、きっかけを作った祐樹のことは忘れてしまっている。彼は関わりを絶つことで、香織の幸せを願った。
高校3年の春。香織とはクラスが別れてしまった。そうして、淡々と日々が過ぎる。祐樹の気持ちだけを置いて。
1年が経ち、卒業の日。祐樹は香織から卒業アルバムにメッセージをもらって別れた。

その後、呼び出されて図書室へ向かった香織。自分の名前で借りた本が返却されていないらしいが、借りた覚えがない。その本は祐樹が後輩に返却を頼んだ本だった。しかし、その本の左下の空きスペースに落書きがしてある。よく見るとそれはペラペラ漫画のようだった。

香織はそのペラペラ漫画を始めから見る。漫画は祐樹が香織との出会いから記憶を取り戻すまでを描いていた。このことで、祐樹のことを思い出した香織。彼女は校内に残っているはずの彼を探して屋上へ。
祐樹と会うことができた香織は、今度こそ自分から友達になろうと声を掛けるのだった。

映画『一週間フレンズ。』の感想・評価・レビュー

原作は漫画家、葉月抹茶の同名作品。2014年4月からTVアニメが放映されその後、実写映画化、舞台化もされている人気作。
過去の悲惨な事故と心因的な理由により、一週間しか記憶が留められない障害を負った少女に果敢にもアタックする少年を描いている。主人公の諦めない勇気とヒロインを細やかにフォローする様子が繊細に描かれ、少女も彼との触れ合いによってトラウマを克服するきっかけを得るのだが、後半から主人公は少女の生活から外されてしまうため、非常に切ない。しかも、高校を卒業するまで全く関わらない生活を送るのだから、主人公の健気さが窺える。あわよくば恋人になれるかもしれないという思いは、伝わる前に摘み取られてしまうので切ないという感想しかないが、それでも主人公はずっと陰ながら見守っているので、もうここまでくると保護者感覚になってしまっているのかも。けれども、ラストシーンで主人公の思いが報われるのである意味、ハッピーエンド。爽やかで健気さに胸を打たれる良作。(女性 40代)

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