この記事では、映画『ある公爵夫人の生涯』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ある公爵夫人の生涯』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ある公爵夫人の生涯』の作品情報
上映時間:110分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、歴史
監督:ソウル・ディブ
キャスト:キーラ・ナイトレイ、レイフ・ファインズ、シャーロット・ランプリング、ドミニク・クーパー etc
映画『ある公爵夫人の生涯』の登場人物(キャスト)
- ジョージアナ(キーラ・ナイトレイ)
- 17歳でデヴォンシャー公爵家に嫁ぐ。夫婦関係に悩みながらも、子供達には多くの愛情を注ぐ。なかなか世継ぎが生まれない事に悩み苦しむ。
- デヴォンシャー公爵(レイフ・ファインズ)
- ジョージアナや娘達にあまり関心が無く、世継ぎの為に何よりも男の子の誕生を重視している。よく女性に声を掛けては浮気をする。
- レディ・スペンサー(シャーロット・ランプリング)
- ジョージアナの母。娘が公爵夫人になった事を喜び、世継ぎを産んで務めを果たすのが大事だと教える。
- チャールズ・グレイ(ドミニク・クーパー)
- 若き議員。ジョージアナに恋心を抱いていたが、伝えられぬまま彼女が嫁いでしまう。
- レディ・エリザベス・フォスター(ヘイリー・アトウェル)
- とあるパーティーでデヴォンシャー公爵に声を掛けられ、ジョージアナと仲良くなる。結婚しており夫との間に息子が3人いるが、夫から暴力を振るわれ夫婦関係は冷え切っている。
- チャールズ・ジェームズ・フォックス(サイモン・マクバーニー)
- デヴォンシャー公爵が支持している野党の議員。グレイの先輩議員。
映画『ある公爵夫人の生涯』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ある公爵夫人の生涯』のあらすじ【起】
この物語は実話に基づいて作られた話である。
1774年イギリス・オールソープ領地。貴族の令嬢ジョージアナは、グレイ達男性貴族の徒競走を他の貴族令嬢達と賭け合いながら楽しんでいた。それを部屋からデヴォンシャー公爵が見つめていた。ジョージアナの母レディ・スペンサーと話し合ったデヴォンシャー公爵は、ジョージアナとの結婚を決める。
笑顔の母はジョージアナにデヴォンシャー公爵との結婚を告げる。ジョージアナはまだ17歳だったが、驚きながらもその結婚の申し出を受け入れる。町中2人の結婚を祝福し、喜びに溢れた。
ジョージアナとデヴォンシャー公爵を乗せた馬車は、ロンドン・デヴォンシャー邸に到着する。デヴォンシャー公爵に付き従い、ジョージアナは屋敷の中へと足を踏み入れる。夜になり、ジョージアナはメイド達にドレスを脱がせてもらっていた。その時、デヴォンシャー公爵が部屋に入って来てメイド達を下がらせると、彼に服を脱がされていく。ジョージアナは緊張した面持ちでベッドへと入った。
ジョージアナはベッドの中でも会話が無く、自身に無関心なデヴォンシャー公爵の愚痴を母に零す。母は男の子を産めば面倒な夜の仕事はしなくて済むと励ます。
デヴォンシャー公爵が支持している政治家約20名と共に、ジョージアナは夕食を食べていた。ジョージアナがその中の1人フォックスと政策について議論していると、デヴォンシャー公爵が席を立ってしまう。ジョージアナは慌てて後を追い部屋に一緒に行く事を申し出るが、デヴォンシャー公爵に拒否される。その態度に傷つきながらも平静を装い、ジョージアナは会食へと戻る。
会食後、ジョージアナはデヴォンシャー公爵の部屋から、裸の女性が慌てて出てくるのを見てしまう。戸惑いながら部屋へ入ると、デヴォンシャー公爵から細かい所は目を瞑ってくれと言われる。
ジョージアナがデヴォンシャー公爵と朝食を食べていると、小さな女の子シャーロットがメイドに連れられて訪れる。デヴォンシャー公爵は母親が死んだから引き取る事にしたと話すが、ジョージアナは彼の子だとすぐに気付く。ジョージアナは怒りに震えながら問い掛けるが、デヴォンシャー公爵ははぐらかし、食事の味が変だと話しをすり替える。そして、子供を育てる練習だとジョージアナに話す。ジョージアナは悲しみながら、そっと大きくなった自身のお腹に手を当てた。
ジョージアナは乳母に寝かしつけられているシャーロットの部屋に入る。2人きりにしてもらうと、シャーロットに自己紹介をして優しく微笑む。
映画『ある公爵夫人の生涯』のあらすじ【承】
雪の降る夜、多くの貴族達が集まりルーレットなどの賭け事をしながら楽しんでいた。ジョージアナは突然陣痛が起こり、女性達に支えられながら退出する。デヴォンシャー公爵は男子の誕生を喜び、乾杯する。
レディ・スペンサーがデヴォンシャー邸に来訪する。デヴォンシャー公爵に娘の容態を聞くが、彼は女の赤ちゃんが産まれた事に苛立っていた。レディ・スペンサーが娘の元を訪れると、彼女は嬉しそうに赤ちゃんをあやしていた。赤ちゃんが泣きだしたので乳母を呼ぼうとするが、母乳を自分であげるというジョージアナの言葉に驚く。
6年後
ジョージアナは馬車に揺られながらシャーロット、ハリヨー、リトルGの3人の小さな女の子達を眺めていた。デヴォンシャー公爵が共に乗っているのは犬2匹だった。
ジョージアナは社交界を訪れる。彼女はファッションの花形で注目の的だった。ジョージアナが楽しげに踊っていると、女性を口説くデヴォンシャー公爵と目が合う。彼は気まずそうに立ち去り、ジョージアナは彼が口説いていた女性を追いかける。女性はエリザベス・フォスターと名乗り、夫が愛人と出掛けているので息抜きに来たと話す。率直な彼女にジョージアナは興味を持つ。
ジョージアナが子供達と遊んでいるとエリザベスに声を掛けられる。エリザベスには男の子が3人いると聞き、ジョージアナは羨ましく思う。だが、ジョージアナはシャーロットも含め、女の子であろうと子供達を愛していた。
ジョージアナはエリザベスに男の子を2回流産した事を話す。エリザベスも家庭に問題を抱えており、夫から棒で殴られている事を聞く。しかも、子供達にも会わせてもらえていなかった。夕食時、ジョージアナはデヴォンシャー公爵に上手く頼み、エリザベスをデヴォンシャー邸に住まわす。
映画『ある公爵夫人の生涯』のあらすじ【転】
ジョージアナがエリザベスと演劇を楽しんでいる時、グレイを見かける。そして演劇を見終わった後、野党党首のフォックスから期待の新人としてグレイを紹介され、再会を果たす。ジョージアナがその場を離れた時、グレイはエリザベスから公爵夫妻の話を聞く。デヴォンシャー公爵はジョージアナの事を愛していなかった。
夜、ジョージアナはエリザベスから、グレイがあなたに恋をしていると言われる。だが、ジョージアナはグレイが自分を嫌っていると思っていた。
ある日パーティーで、ジョージアナはグレイと会い、6週間後に選挙を控えている事を聞く。ジョージアナは自身が表に立つ事で民衆を集め、グレイの立会演説を助ける。傍で演説を聞いていたジョージアナは、力強いグレイの言葉に聞き惚れる。演説後、ジョージアナはグレイにまだ自分の事を想っているか問い掛ける。グレイはずっと前から崇拝していると答える。従者が呼びに来た為、ジョージアナはグレイと別れるが、その顔は嬉しそうに微笑んでいた。
ジョージアナが家に帰ると、エリザベスの部屋の前で使用人達が聞き耳を立てていた。その様子から部屋にデヴォンシャー公爵が居る事に気付く。ジョージアナは落ち込みながら彼の部屋に行き、戻って来るのを待つ。戻って来たデヴォンシャー公爵の衣服は乱れており、ジョージアナは唯一の友達を奪った彼の行為を罵る。泣き叫ぶ彼女はエリザベスを家から追い出すよう頼むが、デヴォンシャー公爵は受け入れなかった。部屋の外ではエリザベスが話を聞いていた。
ジョージアナは苦しい胸の内を母に話す。レディ・スペンサーはエリザベスを追い出すよう公爵に手紙を書けと言うが、デヴォンシャー公爵が受け入れないのは分かっていた。ならば、世継ぎを産んで彼を振り向かせる以外ないと言われる。ジョージアナは泣くのを耐えながらその言葉を聞いていた。
ジョージアナがデヴォンシャー邸の自室に戻ると、エリザベスが訪れる。息子達に会う為には公爵にすがるしかなかったと毅然と話す彼女を、ジョージアナは部屋から追い出す。ジョージアナが窓の外を見ると馬車に乗った子供達が訪れ、エリザベスは嬉しそうに再会を果たしていた。さらに、デヴォンシャー公爵はエリザベスの息子達に銃の打ち方を教え、エリザベスと嬉しそうにほほ笑み合っていた。ジョージアナはその姿を見ているしかなかった。
ジョージアナは屋敷を抜け出しグレイに会いに行く。グレイは彼女に周りに気を使いすぎだと話す。ジョージアナはなかなか悩みを打ち明けられなかったが、本当の愛に気付くのが遅く、結婚が早すぎたと苦しい胸の内を話す。グレイはそんな事は無いと言い、2人はキスをする。
映画『ある公爵夫人の生涯』の結末・ラスト(ネタバレ)
ジョージアナとデヴォンシャー公爵が対面に座り、間にエリザベスが座って朝食を食べていた。ジョージアナは2人が愛し合っている事を確認し、ある申し出を提案する。それは、ジョージアナがグレイと愛する事を認めれば2人の関係に目を瞑るというものだった。だが、デヴォンシャー公爵は怒り、部屋へと逃げるジョージアナを追いかけ犯してしまう。ジョージアナの悲鳴は屋敷中に聞こえ、使用人はあまりの事に目を伏せた。デヴォンシャー公爵は息子を産むまで屋敷に残り自身に従えと言って部屋を出た。
ジョージアナは舞踏会に参加するが泥酔状態で、周りは驚きながらその様子を見ていた。しかも、ジョージアナは踊っている最中に明かりを倒してしまい、鬘が燃えてしまう。医者に診てもらうと妊娠している事が発覚する。
ジョージアナは男の子を無事出産する。だが、夫婦関係は冷え切っていた。
ジョージアナの元にグレイが来訪する。彼はデヴォンシャー公爵に招待されたと思っていた。だが、ジョージアナは息子ハーティントン侯爵の誕生祝いで、デヴォンシャー公爵がロンドンに行っている事を話す。
ジョージアナはエリザベスから、ばれないようにと耳打ちされる。グレイを呼んだのはエリザベスだった。深夜、ジョージアナはグレイの部屋を訪れる。2人は密かに愛し合った。
ジョージアナは朝食の席でデヴォンシャー公爵にフランスのバースへ湯治に行く事を話す。エリザベスも助け船を出し、無事許可をもらう。ジョージアナはバースでグレイと会い、幸せなひと時を過ごす。
ジョージアナが屋敷に戻るとレディ・スペンサーとデヴォンシャー公爵が待っていた。レディ・スペンサーはグレイと別れるように言うと部屋を出る。ジョージアナはまた犯すのかとデヴォンシャー公爵を詰る。だが、デヴォンシャー公爵は自分なりの方法でジョージアナを愛していると返す。そして、もしグレイと別れないなら首相になりたい彼の夢も消え、子供達にも会わせないと淡々と話す。ジョージアナは泣きながら部屋を出る。
ジョージアナは落ち着きを取り戻すと、デヴォンシャー公爵が待つ部屋へと戻る。そして、ロンドンへ戻ってくれと伝える。デヴォンシャー公爵から娘達からの手紙を差し出されるが、ジョージアナは受け取らなかった。デヴォンシャー公爵は手紙を置くと1人部屋を出て行き、レディ・スペンサーも娘を一瞥すると部屋を出て行く。
夜、1人残ったジョージアナは残された娘達の手紙を読む。そして、デヴォンシャー邸へと戻り、母を恋しがっていた子供達を抱きしめる。デヴォンシャー公爵は戻って来たジョージアナを受け入れる。
ジョージアナ、デヴォンシャー公爵、エリザベスで夕食を食べていると、グレイの叫ぶ声が聞こえる。ジョージアナは席を立ち、グレイの元へ行く。グレイはここから出て結婚しようと伝えるが、ジョージアナは子供達を捨てられないと申し出を断る。ジョージアナが席に戻るとデヴォンシャー公爵に、グレイの子供を身籠っている事を話す。
デヴォンシャー公爵はジョージアナに、田舎に行って子供を産みグレイ家に託すよう命令する。慈悲の無い決定にエリザベスは、デヴォンシャー公爵の反対を押し切りジョージアナに付いて行く事を決める。ジョージアナは田舎に行き、無事赤ちゃんを出産する。そして、赤ちゃんを引き渡す為に馬車に乗るが、待っていたのはグレイの父親だった。ジョージアナはグレイの父親に、赤ちゃんの名前はイライザだと伝える。グレイの父親は赤ちゃんを連れて馬車に乗る。赤ちゃんの泣き声を聞き傍に行こうとするジョージアナを、エリザベスは必死に抱きしめた。
ジョージアナがデヴォンシャー邸に戻ると、デヴォンシャー公爵が彼女の元を訪れる。平穏な夫婦生活を送りたいと言う彼の言葉を聞き、パーティーに夫婦で出席する話を了承する。だが、手を握られ思わず戸惑ってしまう。デヴォンシャー公爵は窓から子供達を見ると、自由で羨ましいと微笑みながら去って行く。ジョージアナはその姿を意外そうに見ていた。
パーティーにはグレイも来ており、ジョージアナは彼の元に挨拶へ向かう。ジョージアナはグレイから、婚約した話と姪のイライザは元気だという話を泣くのを耐えて笑顔で聞く。
その後もジョージアナは公爵夫人であり続け、グレイは後に首相となった。また、エリザベスは死ぬまで公爵夫妻と暮らし、ジョージアナの死後、彼女の遺言により公爵と再婚した。そして、ジョージアナはお忍びでイライザを何度も訪ね、イライザが娘を産むとジョージアナと名付けた。
映画『ある公爵夫人の生涯』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
第81回アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞しただけに、豪華絢爛な衣装と主役のキーラ・ナイトレイの凛とした美しさに圧倒される。彼女の生涯は幸福であったのか、なかったのか。簡単にどちらと言い切ることはできない。公爵夫人としての地位や名声、理解しがたい夫の妻への愛、自分の信奉者である愛人…。時代が彼女を翻弄したかもしれないが、彼女の強さが生き生きと描かれている。現代ならどんな生涯を彼女は過ごすことができたのだろうか。(女性 40代)
現在ではとても考えられない、衝撃的な夫婦の在り方や、若くして辛い現実を受け止めなければならない状態などが、現実に起こった話であることが驚きを隠せなかった。特に、夫である人が女性に声をかけ、好意を見せている姿を目の当たりにしながらその女性と交流を深め、一緒に暮らすシーンがびっくりした。しかし、子供たちにいっぱいの愛を与え、育てていく心にぐっときた。変だなと違和感を抱えながらも、感動するシーンもたくさん詰まっており、昔の夫婦の関係性がそのまま描かれて、違う方向から見れる映画である。(女性 20代)
社交界の華として周囲から一目置かれているジョージアナだったが、そんな彼女でも夫は関心を持たないのかと憤りと寂しさを感じた。でも物語が進むにつれて、無関心だと思っていた夫がジョージアナに対しても自分なりに目をかけていたことを知り、なんと不器用な人なんだと思った。この時代だと特に、世継ぎは一番大事なのかもしれない。でもやっぱり、愛人を囲う夫は自分なら許せないなと思った。追い詰められていくジョージアナが可哀そうだった。(女性 30代)
今の女性のあり方とは違いすぎて、辛そう、苦しそう、と言うのが第一印象だった。しかし、当時の規制された不自由な中でもジョージアナはかなり目一杯自由であり続けたと思う。政治やギャンブルに精を出し、ファッションリーダーでもあり、社交界で花形となった彼女。夫の言うことは絶対であり、答えは全てイエスというような弱い女性で無かったことは明白である。
最終的には諦めにも似たような、自分の運命を受け入れることで落ち着いたわけだが、愛情いっぱいで破天荒とも言えるジョージアナは清々しかった。
現代にいたのならどうやって生きるのだろうと思わずにはいられない。(女性 20代)
日本で言う大奥や、階級や身分の狭い閉鎖的な空間で繰り広げられる、人間模様を描いた作品が大好きな私は、この作品も大当たりでした。
故ダイアナ妃の先祖であるデヴォンシャー公爵夫人の生涯を映画化した実話に基づく作品。キーラ・ナイトレイは本当にこういう衣装が似合います。『パイレーツ・オブ・カリビアン』の時にもドレスを着ていましたが、今作では作品の時代背景や雰囲気も相まって、より美しく感じました。
時代に翻弄された女性の物語。胸が苦しくなるほど切なく、かわいそうでした。(女性 30代)
17歳の若さで公爵夫人となったジョージアナの生涯の物語です。公爵家に嫁ぎ周囲からは羨望の目で見られるものの、実際のところ不幸な生活を送る夫人が気の毒で仕方ありません。夫からはろくに愛されず、友人のエリザベスは夫と関係を持ち、公爵家内は滅茶苦茶です。しかし、何より驚いたのは夫人が亡くなるまで、夫人と夫とエリザベスの三人で暮らしていたことでした。18世紀イギリスの衣装や装飾品が、豪華絢爛で夢のようでした。キーラ・ナイトレイにとても似合っていました。(女性 30代)
18世紀のイギリス貴族社会の美しさの裏に潜む、女性の自由のなさに衝撃を受けた。ジョージアナの華やかな装いと笑顔の裏に、夫の冷たさと不倫、愛人との同居という信じがたい屈辱があったなんて…。彼女が愛したチャールズとの別れは切なく、でもそれが彼女の子どもたちのためだと知って涙が止まらなかった。(30代 女性)
衣装と美術がとにかく豪華で、当時の貴族社会の美学に圧倒された。けれど、その華やかさの中で、女性が「所有物」として扱われていた現実が突きつけられる。ジョージアナが愛人との子どもを手放す決断を迫られた時の表情が忘れられない。歴史映画としても見ごたえがあり、胸が痛くなる作品だった。(40代 男性)
キラ・ナイトレイの演技が本当に素晴らしかった。彼女の表情ひとつで、心の葛藤や諦めが伝わってくる。ジョージアナが政治的にも文化的にも才能を発揮していたのに、家庭では何一つ尊重されない不公平さが辛かった。最終的に彼女がすべてを我慢して受け入れるしかない運命が、時代の残酷さを物語っている。(20代 女性)
ジョージアナの人生が実在の人物であることに驚き。自由恋愛が許されないどころか、夫は堂々と愛人を連れ込むのに、妻は自分の気持ちを押し殺して生きるしかないなんて…。チャールズとの純愛も一時的な逃避にしかならなかったのが切ない。終盤、彼女が淡々と微笑む姿に強さと哀しみが同時に見えた。(50代 男性)
映画『ある公爵夫人の生涯』を見た人におすすめの映画5選
マリー・アントワネット(原題:Marie Antoinette)
この映画を一言で表すと?
「絢爛豪華な衣装と音楽で描く、孤独な王妃の青春と絶望」
どんな話?
オーストリアからフランスに嫁ぎ、王妃として君臨したマリー・アントワネットの波乱の人生を、ポップで斬新な感性で描いた作品。自由と義務の間で揺れる彼女の姿が、現代的な感覚でも共感を呼びます。
ここがおすすめ!
伝統的な歴史映画とは一線を画すスタイリッシュな演出と、キルスティン・ダンストの現代的な王妃像が魅力。『ある公爵夫人の生涯』と同じく、歴史の中に閉じ込められた女性の葛藤と抑圧が主題です。視覚的にも非常に華やかです。
アンナ・カレーニナ(原題:Anna Karenina)
この映画を一言で表すと?
「愛を貫こうとした貴婦人の運命が舞台劇のように映像化された傑作」
どんな話?
19世紀ロシアを舞台に、上流階級の人妻アンナが真実の愛を求めて道ならぬ恋に落ち、やがて社会的地位と幸福の両方を失っていく悲劇。形式に縛られた美しさと切なさが共存する物語。
ここがおすすめ!
舞台と映画を融合させた独特の演出が、登場人物の心理を美しくも鋭く映し出す。キラ・ナイトレイが再び悲劇のヒロインを好演しており、抑圧された女性の苦悩を描いた作品として『ある公爵夫人の生涯』と通じ合う一本です。
キャロル(原題:Carol)
この映画を一言で表すと?
「時代に逆らった純粋な恋が静かに心を揺さぶるラブストーリー」
どんな話?
1950年代のアメリカ。裕福な人妻キャロルと若き女性テレーズが出会い、互いに惹かれていくが、時代と社会の偏見が二人を引き裂こうとする。静けさと情熱が交錯する繊細な愛の物語。
ここがおすすめ!
禁じられた愛、女性の生きづらさというテーマは、『ある公爵夫人の生涯』と強く共鳴します。ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの抑えた演技がとても美しく、観終わった後も余韻が長く残る作品です。
若草物語(原題:Little Women/2019年版)
この映画を一言で表すと?
「夢・恋愛・家族――女性たちの選択が時代を超えて心に響く」
どんな話?
アメリカ南北戦争時代、4姉妹がそれぞれの夢と向き合いながら成長していく姿を描いた群像劇。作家を目指すジョーを中心に、女性たちの自立や愛、葛藤が丁寧に描かれる。
ここがおすすめ!
グレタ・ガーウィグ監督による現代的な再構築が秀逸。女性の役割に対する批判と、選択の自由をテーマにしており、『ある公爵夫人の生涯』の抑圧と反抗を肯定的に照らす作品です。映像も音楽も洗練されていて、感情が豊かに揺れます。
女王陛下のお気に入り(原題:The Favourite)
この映画を一言で表すと?
「権力と愛に翻弄される女性たちの皮肉と毒に満ちた宮廷劇」
どんな話?
18世紀初頭のイギリス王室。女王アンと、彼女に取り入ろうとする2人の女性の愛憎と駆け引き。華麗な衣装と皮肉に満ちた脚本で、女性同士の野心と複雑な心理戦が繰り広げられる。
ここがおすすめ!
ユルゴス・ランティモス監督の独特な演出で、宮廷劇がまるでブラックコメディのように展開。権力と女性の在り方を描く点で『ある公爵夫人の生涯』と共通するが、より風刺的で挑戦的。エマ・ストーンらの熱演も必見です。
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