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映画『蜘蛛の巣を払う女』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

世界的に人気のあるベストセラーミステリー小説『ミレニアム』シリーズが2018年にアメリカとスウェーデンを中心に映画化。『ドント・ブリーズ』で一躍注目されたフェデ・アルバレス監督がメガホンを取り、『ドラゴン・タトゥーの女』に続く物語が明かされる。

映画『蜘蛛の巣を払う女』の作品情報

蜘蛛の巣を払う女

タイトル
蜘蛛の巣を払う女
原題
The Girl in the Spider’s Web
製作年
2018年
日本公開日
2019年1月11日(金)
上映時間
115分
ジャンル
ミステリー
監督
フェデ・アルバレス
脚本
ジェイ・バス
フェデ・アルバレス
スティーブン・ナイト
製作
スコット・ルーディン
イーライ・ブッシュ
オーレ・ソンドベルイ
エイミー・パスカル
エリザベス・カンティロン
製作総指揮
アーノン・ミルチャン
ロバート・J・ドーマン
デビッド・フィンチャー
リーネ・ビンテル・スクイユム・フンク
ヨハンネス・イェンセン
アンニ・ファウルビー・フェルナンデス
キャスト
クレア・フォイ
スベリル・グドナソン
ラキース・スタンフィールド
シルビア・フークスカミラ
スティーブン・マーチャント
クレス・バング
クリストファー・コンベリー
シヌーブ・マコディ・ルンド
ビッキー・クリープス
製作国
イギリス
ドイツ
スウェーデン
カナダ
アメリカ
配給
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

映画『蜘蛛の巣を払う女』の作品概要

スティーグ・ラーソンの推理小説『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』が、2011年にアメリカのハリウッドで映画化。第1作目の監督デビッド・フィンチャーが製作総指揮に名を連ね、新たなメインスタッフとキャストを揃えて、主人公リスベットを『ファースト・マン』などで活躍しているクレア・フォイが演じる。『ミレニアム』シリーズの映画化は第4作品目となり、背中にあるドラゴンのタトゥーが目印の天才的なハッカー・リスベットが核攻撃プログラムの奪還に挑む。

映画『蜘蛛の巣を払う女』の予告動画

映画『蜘蛛の巣を払う女』の登場人物(キャスト)

リスベット・サランデル(クレア・フォイ)
背中にドラゴンのタトゥーがある、天才的なハッカーの女性。特殊な映像記憶能力を持つ。
カミラ・サランデル(シルビア・フークス)
リスベットと16年前に別れた双子の妹。リスベットが依頼を受けた仕事の先で、リスベットを罠にかける。
ミカエル・ブルムクヴィスト(スベリル・グドナソン)
リスベットの恋人で、雑誌「ミレニアム」のジャーナリストでもある。

映画『蜘蛛の巣を払う女』のあらすじ(ネタバレなし)

リスベットは、パンク風の奇抜な風貌で、特殊な映像記憶能力を持つ天才的なハッカー。彼女の黒衣の下には、ドラゴンのタトゥーが刻まれており、強烈な個性を持つ女性でもある。そして、リスベットには壮絶な過去が隠されていた。

リスベットの元に、あるときアメリカの国家安全保障局(NAS)からあるものを取り戻して欲しいという依頼が舞い込む。それは、AIの世界的な権威であるバルデル教授が開発した核攻撃プログラムであった。

図らずも開発されたそのプログラムは、多くのスパイ、サイバー犯罪者、政府の腐敗した手の者たちから狙われ、リスベットはそのプログラムを守るべく、恋人でありジャーナリストでもあるミカエルと共に真相に迫っていく。

だが、その真相を辿っていくとリスベットは自身の過去を彷彿とさせる人物と出くわす。「リスベット、16年前なぜ私を見捨てたの?」そう問う、自分とは対照的な白に近い金髪の女性。彼女とリスベットとの関係性が、明らかとなり、リスベットがなぜドラゴンのタトゥーの女になったのかが、今明かされる。

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映画『蜘蛛の巣を払う女』のネタバレあらすじ結末と感想
映画『蜘蛛の巣を払う女』のネタバレあらすじと感想。ストーリーを結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説しています。映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載。

映画『蜘蛛の巣を払う女』の感想・評価

ドラゴンのタトゥーの女の過去が明らかに

『ミレニアム』シリーズの第4弾となる今作では、世界中で熱狂的なファンを生み出し、アカデミー賞にも輝いた『ドラゴン・タトゥーの女』の過去が明らかになる。奇抜な格好に、天才的な記憶能力を持つ女性、リスベット。彼女の存在はとても魅力的で、謎に満ちている姿がアナーキーな彼女のアイデンティティを確立させている。

そのリスベットに、双子の妹がいたというのだから驚きである。祖の妹とリスベットは、16年前に生き別れとなっており、その過去が現在になって追いかけてきた物語。過去はリスベットにとって、消したくても消せない辛く壮絶な記憶そのもの。

だが、リスベットの妹であるカミラという女性にも、リスベットと同じく壮絶な過去があった。「みんなを助けるのに、なぜあのとき、私だけを助けてくれなかったの?」と意味深に問いかけるカミラ。アナーキーでありながらも自身の正義に忠実で、悪に対して容赦のないリスベットに迫る、過去に置いてきてしまった妹のカミラと、リスベットがどう対峙していくのか。そして、リスベットがいかにしてドラゴン・タトゥーの女になったのかが、ついに明らかになる。

ニューキャスト&スタッフで送る、新たなドラゴン・タトゥーの女

シリーズ第4作品目となる『蜘蛛の巣を払う女』では、これまで『ドラゴン・タトゥーの女』でメインキャストとして名を連ねていたミカエル役のミカエル・ニクヴィスと、リスベット役のノオミ・ラパスから一新したキャストが報じられた。

監督も、第1作品目『ミレニアム』のニールス・アルデン・オプレヴ監督や、第2、第3作品目のダニエル・アルフレッドソン監督とは違い、『ドント・ブリーズ』で知られるフェデ・アルバレス監督が担当している。

スタッフも一新したことで、リスベットのアナーキーな部分や、悪に対しての過激すぎる制裁はこれまで同様にしながら、第4作品目にして新たな登場人物カミラを迎え、映画にはこれまでなかった「色」の要素が加わった。

過去3作品は、ミカエルとリスベットが、様々な事件を調査し解明していく話であったが、4作品目では初めてミカエル&リスベットと調査対象の敵に加えて、リスベットを追う存在の三つ巴の争いとなる。2部・3部と興行収入の伸び悩む『ミレニアム』シリーズに、新たな要素が加わったことで、ドラゴン・タトゥーの女がどれだけ変貌を遂げるのか、見ものである。

映画『蜘蛛の巣を払う女』の公開前に見ておきたい映画

映画『蜘蛛の巣を払う女』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『蜘蛛の巣を払う女』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女

2009年2月にスウェーデンとデンマークで同時上映され、日本では2010年に一般公開されたミステリー映画。スウェーデンの作家であるスティーグ・ラーソン原作の推理小説で、その第1部に当たる『ドラゴン・タトゥーの女』は、アメリカで興行収入1億ドルを記録する大ヒット映画である。

イギリスアカデミー賞では、外国語作品賞を受賞し、その他多くの映画賞にノミネート・受賞をしたヒット映画でもある。

物語は、『ミレニアム』と言う雑誌の発行責任者でもあるミカエル・ブルムクヴィストが、実業家の不正を報道したことで名誉棄損の有罪判決を下されたことから始まる。不正を確信していながらも、裁判沙汰になったことで一旦雑誌から離れていたミカエルの元に、36年前の少女失踪事件の真相解明の調査依頼が舞い込む。

ミカエルのことを秘かに調べていた依頼人は、ミカエルの調査の助人に背中にドラゴンのタトゥーを持つ女・リスベットを紹介する。リスベットは、少年と見紛うほど華奢で、髪はとても短く鼻と眉にピアスを付けた奇抜な人物であった。だが、情報収集能力に長け、映像記憶能力や文章能力を持ち、感情の起伏には乏しいが、ミカエルの良き助人として事件を解明していく。

詳細 ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女

ミレニアム2 火と戯れる女

第1作品目の『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』から半年後の2009年9月、ミカエル役のミカエル・ニクヴィスと、リスベット役のノオミ・ラパスら主要キャストが集結し、再びスクリーンに登場する。

『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』での監督ニールス・アルデン・オプレヴから変わり、ダニエル・アルフレッドソン監督がメガホンを取る。また、この映画がアルフレッドソン監督の代表作にもなる。元々はテレビドラマ化のみの予定であったが、第1作品目の大ヒットにより、映画用に編集され、上映されることとなった。

雑誌「ミレニアム」への寄稿を予定していた記者とその恋人、リスベットの後見人の3人が殺害され死体で発見される。その両方の現場でリスベットの指紋が見つかり、リスベットは追われる身となってしまう。だが、恋人であるミカエルは、リスベットの無実を信じて2人で真実を追い求める。

アナーキーでパンキッシュな風貌であり、感情に乏しく人々の秘密を暴くことに長けているリスベットなだけに、彼女を扱い辛く邪魔に思う人間もいる。その中で、2人は警察に堂々の挑戦状を叩きつけ追われながらも身の潔白を証明する。

詳細 ミレニアム2 火と戯れる女

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士

第2作品目の公開から僅か2か月後、2009年11月に北ヨーロッパで公開。日本では、第2・第3作品とも2010年9月に同時上映される。主要キャストは変わらず、監督も第2作品目の監督を担当したダニエル・アルフレッドソン監督が担当している。

『ミレニアム』シリーズが高評価を得たり、話題となったりする点においては、原作に忠実に作られている点が挙げられる。原作である『ミレニアム』シリーズは、千年に1度の作品とも言われており、そのため短期間で3部作品が一挙に公開されているともいわれている。

『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』では、リスベットの処分についての法廷バトルとなっている。指名手配犯として追われる身となっていたリスベットは、お決まりのアナーキーでパンクな衣装と、鼻・眉のピアスを封印するものの、法廷に出廷する際の衣装は、これまで通りのリスベットの姿になっている。

このときのリスベットの姿から、リスベットの身の潔白が証明されたような感覚を、監督は観客に与えたいのだろうと想像できる。そうは言っても、無罪判決まで一筋縄ではいかない法廷の様子、最後の逆転劇から続くミカエルとリスベットの微笑ましいやり取りまでを、ぜひ勝利の余韻に浸りながら堪能してほしい。

詳細 ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士

映画『蜘蛛の巣を払う女』の評判・口コミ・レビュー

映画『蜘蛛の巣を払う女』のまとめ

作家・スティーグ・ラーソンは、元々ジャーナリストであり、反人種差別をテーマに声を上げていた人物である。物語は、全体を通して「女性に対する蔑視と暴力」がテーマとなっており、ラーソンがこのテーマで執筆をし始めたのには、15歳の頃に目撃した、女性が輪姦されている現場から逃走してしまったことにある。そのときの被害者の名が「リスベット」であり、ラーソンはそれ以降自身の臆病さを痛感し、女性への暴力に対しての憤怒が執筆作業の原動力となった。人生を変えるほどの出来事に出会い、罪悪感と戦いながら声を上げる姿に多くの人が共感したため、『ミレニアム』はベストセラーとなったのだろう。

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