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映画『暗いところで待ち合わせ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『暗いところで待ち合わせ』の概要:乙一による同名小説を映画化。視力を失っているミチルの家に、殺人容疑で警察に追われるアキヒロが逃げ込んでくる。アキヒロの姿が見えないミチルとの奇妙な共同生活が始まる。

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映画『暗いところで待ち合わせ』の作品情報

暗いところで待ち合わせ

製作年:2006年
上映時間:129分
ジャンル:ラブストーリー、サスペンス、ミステリー
監督:天願大介
キャスト:田中麗奈、チェン・ボーリン、井川遥、宮地真緒 etc

映画『暗いところで待ち合わせ』の登場人物(キャスト)

本間ミチル(田中麗奈)
失明をしている。点字を読んだり、白杖を使って外出するのは苦手で、1日中部屋の中で過ごすこともある。家の中ならば、どこに何があるのかを正確に記憶している。
大石アキヒロ(チェン・ボーリン)
印刷所で働く青年。中国での生活が長く、日本語が少し苦手な所がある。そのせいで、対人関係がうまく築けず、孤立している。
二葉カズエ(宮地真緒)
ミチルの友人。ミチルのことを心配して、一緒に外出をするなどして、ミチルが少しでも社会と接点を持っていて欲しいと思っている。
三島ハルミ(井川遥)
ミチルの家の近所に住む女性。洗濯物が飛んで来たと、ミチルの家を訪ねてくる。その時初めて彼女が盲目であることを知る。

映画『暗いところで待ち合わせ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『暗いところで待ち合わせ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『暗いところで待ち合わせ』のあらすじ【起】

ミチルはいつものように父と一緒に朝食をとる。母は、ミチルが幼い頃にいなくなったようだ。ミチルは目が見えない。まだ点字も上手く読めない。しかし父は、点字スタンプで手紙を書いている。ミチルの誕生日プレゼントとともに、その点字の手紙を受け取るミチル。プレゼントはオルゴールで、その中に音声時計のペンダントが入っているのだった。

ミチルが洗濯を干していると、電話がかかってきて父の訃報を告げられる。通夜の最中、母が玄関先まで来ていたことを聞いたミチルは、窓を開け、眼下にある駅のホーム向かって「お母さん!」と泣き叫ぶのだった。

ミチルの一人暮らしが始まる。いつものように朝、窓を開ける。外からは電車のブレーキ音、そして救急車のサイレン。救急車のサイレンを聞き、ミチルは自分の事故のことを思い出していた。その事故の後、ミチルは視力を失ったのだった。

玄関のチャイムがなり、ミチルが扉を開けると男が立っていた。いつもホームから窓際に立つミチルの姿を見つめていた男だった。玄関の扉が開いたすきに、こっそり家の中に入る男。盲目のミチルは、それに気がつかないのだった。

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映画『暗いところで待ち合わせ』のあらすじ【承】

夜、ミチルはテレビのニュースで、すぐ側の駅で転落事故があったことを知る。事故は、事件の可能性もあることを伝えていた。男が、突き落としたという目撃証言が出ているのだった。ミチルの家に忍び込んだ男も、そのニュースを部屋の隅で聞いているのだった。

ミチルが二階の寝室に行くのを見計らって、男はゴミ箱からペットボトルを取り出し、その中に用をたし、窓から庭に捨てる。冷蔵庫をあけ、食パンを頬張り、牛乳を飲む。そして、ミチルの父親の部屋から服を取り出し、着てうずくまるのだった。

男は、アキヒロといい、印刷会社で働いていた。ホームから突き落とされた男、松永も同じ会社に勤めていた。アキヒロは、国籍は日本だが中国で育ったため日本語が少し不慣れだった。そのため、職場でちょっとしたイジメにあっているのだった。それを主導しているのが、松永だった。松永は群れることを嫌うアキヒロのことが、気に入らなかった。怒りをぶつける場所もないアキヒロは、あの日、ホームに立つ松永の背後に立ち、鋭い視線でその背中を見つめていたのだった。

ニュースは、アキヒロが行方不明だということを伝えていた。そして警察は、容疑者としてアキヒロを探しているのだった。

ハルミが風で飛んでしまった洗濯物を届けにきてくれる。それがきっかけで、ミチルは、ハルミの店にカズエと一緒に行く。食事をしながら、ミチルはカズエと、事件のことを話す。ミチルは、家に何か居るみたいだとカズエに話すが、カズエは請け合わない。家に帰ってきて戸締りを確認するミチル。そして、いつものように寝ようとした時、物音がして、部屋に戻るミチル。しかし、ミチルにはアキヒロは見つけられない。「誰かいるの?」と声を出してみるが、もちろん返事はない。

映画『暗いところで待ち合わせ』のあらすじ【転】

数日後、カズエが訪ねてきて部屋に上がり込む。カズエは、杖をついて外に出ることを勧めるのだが、一人で家にいる方がいいというミチル。カズエの来訪中、アキヒロは父の部屋の戸棚に隠れているのだった。

ミチルは、カズエに言われ一人で杖をついて外に出てみる。しかし、慣れないミチルは、自転車にぶつかりそうになったり、横断歩道で車からクラクションを鳴らされたりする。家に帰ったミチルは、高いところのものを取ろうと椅子に上がり手を伸ばすが、バランスを崩し倒れてしまう。棚の上のものが落ちて来て、倒れたミチルの顔の上に土鍋が落ちてくる。その土鍋をアキヒロは、ギリギリで受け止め、そっと横に置くのだった。ミチルは起き上がろうとした時に、その土鍋の触れ、この部屋に誰かが居ることを確信する。そして、見えないアキヒロに「ありがとう」と言うのだった。

その日の夜、ミチルは夕飯を二人分作り、テーブルに用意する。そのテーブルで一緒に食事をするアキヒロの姿があった。こうして、ミチルとアキヒロの奇妙な共同生活が始まる。

ハルミの店に行くカズエとミチル。ハルミは近々結婚するらしい。家に帰り、カズエは外に出る練習をしようとミチルに提案する。しかし、ミチルは外に出ても楽しいことは何もないと渋る。そんなミチルにカズエは腹をたて、「さようなら」と言い捨て、出て行ってしまうのだった。残されたミチルは、買い出した食材を撒き散らし、寝室に駆け込む。アキヒロは、ミチルの散らかしたものを片づけながら、あの日のことを思い出すのだった。

映画『暗いところで待ち合わせ』の結末・ラスト(ネタバレ)

翌朝、一人だって生きていけると呟きながら台所に降りてきたミチルは、散らかしたものが片付けられていることに気がつく。ミチルは一人ではなかった。

あの日、アキヒロは松永を突き落とそうとしたが、実際に突き落としたのは別の女だった。

一人でないことに気がついたミチルは、カズエに謝りの電話を入れる。しかし、何も聞いてもらえぬまま切られてしまう。ミチルは意を決し、杖を持って外に出ようとする。アキヒロは、その手を引いて一緒に外に出て、カズエの家まで行くのだった。

カズエの家の前でアキヒロと別れ、カズエと話すミチル。アキヒロは、交番の前で立ち尽くしていたが、背を向け立ち去る。カズエと和解したミチルは、帰り道、駅で事件のことを詳しく聞く。そして、家に帰るとアキヒロの姿はなかった。

アキヒロはミチルから借りたコートから写真を見つけ、あの日、松永を突き落としたのが、ハルミだったことを知る。イブの日、アキヒロはミチルに真実を話す。部屋ではハルミが待っていた。ミチルは、ハルミを問い詰める。自分の犯行がバレたハルミは、ミチルの首を絞める。駆け込んでくるアキヒロ、そこへカズエも帰ってきて、ミチルは助かるのだった。

アキヒロはあの日、自分が殺していたかもしれないことをミチルに話す。ミチルはアキヒロを散歩に誘う。そして、二人は寄り添いながら歩いて行くのだった。

映画『暗いところで待ち合わせ』の感想・評価・レビュー

本作は、全盲のミチルの家に殺人事件の参考人として警察に追われるアキヒロが逃げ込み、突如として始まった2人の奇妙な共同生活を描いたラブサスペンスミステリー作品。
初めは、嫌な予感を抱えながら観ていたが、ミチルの静かな日常と職場で複雑な人間関係を抱えるアキヒロが混ざり合う様子は、静かで優しいふれあいという感じがした。
また、在日外国人から見る日本人の描き方も新鮮であった。
そして、全盲の女性を演じた田中麗奈さんの見えない演技に圧倒された。(女性 20代)


宮地真緒って自分のことしか考えていない「お節介女」の役、めちゃくちゃ上手いですよね。放っておいて欲しいときにもズカズカと入り込んでくる感じが、今作でもとても光っていました。
盲目の女性と警察に追われる男の共同生活は想像していたよりも遥かにリアルなものでした。「ありえない」と決めつけて見始めたので、最初はなかなか世界観に入り込めませんでしたが、2人の空気感や間合いがとにかくリアルで知らぬ間に没入していました。
ふとした時に思い出してまた見たくなる作品だと思います。(女性 30代)

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