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映画『暗いところで待ち合わせ』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『暗いところで待ち合わせ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『暗いところで待ち合わせ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『暗いところで待ち合わせ』の結末までのストーリー
  • 『暗いところで待ち合わせ』を見た感想・レビュー
  • 『暗いところで待ち合わせ』を見た人におすすめの映画5選

映画『暗いところで待ち合わせ』の作品情報

暗いところで待ち合わせ

製作年:2006年
上映時間:129分
ジャンル:ラブストーリー、サスペンス、ミステリー
監督:天願大介
キャスト:田中麗奈、チェン・ボーリン、井川遥、宮地真緒 etc

映画『暗いところで待ち合わせ』の登場人物(キャスト)

本間ミチル(田中麗奈)
失明をしている。点字を読んだり、白杖を使って外出するのは苦手で、1日中部屋の中で過ごすこともある。家の中ならば、どこに何があるのかを正確に記憶している。
大石アキヒロ(チェン・ボーリン)
印刷所で働く青年。中国での生活が長く、日本語が少し苦手な所がある。そのせいで、対人関係がうまく築けず、孤立している。
二葉カズエ(宮地真緒)
ミチルの友人。ミチルのことを心配して、一緒に外出をするなどして、ミチルが少しでも社会と接点を持っていて欲しいと思っている。
三島ハルミ(井川遥)
ミチルの家の近所に住む女性。洗濯物が飛んで来たと、ミチルの家を訪ねてくる。その時初めて彼女が盲目であることを知る。

映画『暗いところで待ち合わせ』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『暗いところで待ち合わせ』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『暗いところで待ち合わせ』のあらすじ【起】

ミチルはいつものように父と一緒に朝食をとる。母は、ミチルが幼い頃にいなくなったようだ。ミチルは目が見えない。まだ点字も上手く読めない。しかし父は、点字スタンプで手紙を書いている。ミチルの誕生日プレゼントとともに、その点字の手紙を受け取るミチル。プレゼントはオルゴールで、その中に音声時計のペンダントが入っているのだった。

ミチルが洗濯を干していると、電話がかかってきて父の訃報を告げられる。通夜の最中、母が玄関先まで来ていたことを聞いたミチルは、窓を開け、眼下にある駅のホーム向かって「お母さん!」と泣き叫ぶのだった。

ミチルの一人暮らしが始まる。いつものように朝、窓を開ける。外からは電車のブレーキ音、そして救急車のサイレン。救急車のサイレンを聞き、ミチルは自分の事故のことを思い出していた。その事故の後、ミチルは視力を失ったのだった。

玄関のチャイムがなり、ミチルが扉を開けると男が立っていた。いつもホームから窓際に立つミチルの姿を見つめていた男だった。玄関の扉が開いたすきに、こっそり家の中に入る男。盲目のミチルは、それに気がつかないのだった。

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映画『暗いところで待ち合わせ』のあらすじ【承】

夜、ミチルはテレビのニュースで、すぐ側の駅で転落事故があったことを知る。事故は、事件の可能性もあることを伝えていた。男が、突き落としたという目撃証言が出ているのだった。ミチルの家に忍び込んだ男も、そのニュースを部屋の隅で聞いているのだった。

ミチルが二階の寝室に行くのを見計らって、男はゴミ箱からペットボトルを取り出し、その中に用をたし、窓から庭に捨てる。冷蔵庫をあけ、食パンを頬張り、牛乳を飲む。そして、ミチルの父親の部屋から服を取り出し、着てうずくまるのだった。

男は、アキヒロといい、印刷会社で働いていた。ホームから突き落とされた男、松永も同じ会社に勤めていた。アキヒロは、国籍は日本だが中国で育ったため日本語が少し不慣れだった。そのため、職場でちょっとしたイジメにあっているのだった。それを主導しているのが、松永だった。松永は群れることを嫌うアキヒロのことが、気に入らなかった。怒りをぶつける場所もないアキヒロは、あの日、ホームに立つ松永の背後に立ち、鋭い視線でその背中を見つめていたのだった。

ニュースは、アキヒロが行方不明だということを伝えていた。そして警察は、容疑者としてアキヒロを探しているのだった。

ハルミが風で飛んでしまった洗濯物を届けにきてくれる。それがきっかけで、ミチルは、ハルミの店にカズエと一緒に行く。食事をしながら、ミチルはカズエと、事件のことを話す。ミチルは、家に何か居るみたいだとカズエに話すが、カズエは請け合わない。家に帰ってきて戸締りを確認するミチル。そして、いつものように寝ようとした時、物音がして、部屋に戻るミチル。しかし、ミチルにはアキヒロは見つけられない。「誰かいるの?」と声を出してみるが、もちろん返事はない。

映画『暗いところで待ち合わせ』のあらすじ【転】

数日後、カズエが訪ねてきて部屋に上がり込む。カズエは、杖をついて外に出ることを勧めるのだが、一人で家にいる方がいいというミチル。カズエの来訪中、アキヒロは父の部屋の戸棚に隠れているのだった。

ミチルは、カズエに言われ一人で杖をついて外に出てみる。しかし、慣れないミチルは、自転車にぶつかりそうになったり、横断歩道で車からクラクションを鳴らされたりする。家に帰ったミチルは、高いところのものを取ろうと椅子に上がり手を伸ばすが、バランスを崩し倒れてしまう。棚の上のものが落ちて来て、倒れたミチルの顔の上に土鍋が落ちてくる。その土鍋をアキヒロは、ギリギリで受け止め、そっと横に置くのだった。ミチルは起き上がろうとした時に、その土鍋の触れ、この部屋に誰かが居ることを確信する。そして、見えないアキヒロに「ありがとう」と言うのだった。

その日の夜、ミチルは夕飯を二人分作り、テーブルに用意する。そのテーブルで一緒に食事をするアキヒロの姿があった。こうして、ミチルとアキヒロの奇妙な共同生活が始まる。

ハルミの店に行くカズエとミチル。ハルミは近々結婚するらしい。家に帰り、カズエは外に出る練習をしようとミチルに提案する。しかし、ミチルは外に出ても楽しいことは何もないと渋る。そんなミチルにカズエは腹をたて、「さようなら」と言い捨て、出て行ってしまうのだった。残されたミチルは、買い出した食材を撒き散らし、寝室に駆け込む。アキヒロは、ミチルの散らかしたものを片づけながら、あの日のことを思い出すのだった。

映画『暗いところで待ち合わせ』の結末・ラスト(ネタバレ)

翌朝、一人だって生きていけると呟きながら台所に降りてきたミチルは、散らかしたものが片付けられていることに気がつく。ミチルは一人ではなかった。

あの日、アキヒロは松永を突き落とそうとしたが、実際に突き落としたのは別の女だった。

一人でないことに気がついたミチルは、カズエに謝りの電話を入れる。しかし、何も聞いてもらえぬまま切られてしまう。ミチルは意を決し、杖を持って外に出ようとする。アキヒロは、その手を引いて一緒に外に出て、カズエの家まで行くのだった。

カズエの家の前でアキヒロと別れ、カズエと話すミチル。アキヒロは、交番の前で立ち尽くしていたが、背を向け立ち去る。カズエと和解したミチルは、帰り道、駅で事件のことを詳しく聞く。そして、家に帰るとアキヒロの姿はなかった。

アキヒロはミチルから借りたコートから写真を見つけ、あの日、松永を突き落としたのが、ハルミだったことを知る。イブの日、アキヒロはミチルに真実を話す。部屋ではハルミが待っていた。ミチルは、ハルミを問い詰める。自分の犯行がバレたハルミは、ミチルの首を絞める。駆け込んでくるアキヒロ、そこへカズエも帰ってきて、ミチルは助かるのだった。

アキヒロはあの日、自分が殺していたかもしれないことをミチルに話す。ミチルはアキヒロを散歩に誘う。そして、二人は寄り添いながら歩いて行くのだった。

映画『暗いところで待ち合わせ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

本作は、全盲のミチルの家に殺人事件の参考人として警察に追われるアキヒロが逃げ込み、突如として始まった2人の奇妙な共同生活を描いたラブサスペンスミステリー作品。
初めは、嫌な予感を抱えながら観ていたが、ミチルの静かな日常と職場で複雑な人間関係を抱えるアキヒロが混ざり合う様子は、静かで優しいふれあいという感じがした。
また、在日外国人から見る日本人の描き方も新鮮であった。
そして、全盲の女性を演じた田中麗奈さんの見えない演技に圧倒された。(女性 20代)


宮地真緒って自分のことしか考えていない「お節介女」の役、めちゃくちゃ上手いですよね。放っておいて欲しいときにもズカズカと入り込んでくる感じが、今作でもとても光っていました。
盲目の女性と警察に追われる男の共同生活は想像していたよりも遥かにリアルなものでした。「ありえない」と決めつけて見始めたので、最初はなかなか世界観に入り込めませんでしたが、2人の空気感や間合いがとにかくリアルで知らぬ間に没入していました。
ふとした時に思い出してまた見たくなる作品だと思います。(女性 30代)


盲目の女性・ミチルと、逃亡者・アキヒロの奇妙な同居生活を描いた本作。最初はアキヒロがミチルにバレないように身を潜める緊張感があるが、次第に彼がミチルを助けたり、彼女の生活を陰で支えたりするようになる展開に心を打たれた。ミチルが彼の存在に気づいているのに、受け入れていく姿はとても切なく、また人間の本質に触れるような優しさがあった。静かな映画だが、深い余韻が残る作品。(20代女性)


ミチルの目の見えない世界と、アキヒロの罪の意識が交差する空間がとても興味深かったです。台詞よりも表情や間で語る場面が多く、じっくりと人間ドラマを味わえました。真犯人の正体が明かされるまでの流れも丁寧で、ラストでミチルが「知っていた」と打ち明けるシーンは鳥肌ものでした。人を信じることの力強さと怖さ、両方を感じられる佳作だと思います。(40代男性)


あまり派手な演出はないけれど、じわじわと胸に沁みるストーリーでした。ミチルの孤独と、アキヒロの逃避行が、ひとつ屋根の下で交錯するという設定が秀逸。ミチルの盲目をただの設定にせず、しっかりと感情の軸に据えていたのが好印象です。原作を読んだあとに観たのですが、映像化としては非常に丁寧で、余韻を大切にした映画だと思いました。(30代女性)


静かながらも緊張感を持って展開されるストーリーに引き込まれました。アキヒロの罪と向き合う様子と、ミチルの無言の受容が美しい対比になっていて、言葉が少ないからこそ想像力を掻き立てられました。音の演出も秀逸で、盲目のミチルの世界に観客を引き込む工夫がよくできていたと思います。(50代男性)


自分の中で長く余韻が残る作品でした。ミチルの存在がアキヒロを少しずつ変えていく過程が丁寧に描かれていて、見終わったあとも二人のその後を想像せずにはいられません。ラストの「知っていた」というセリフには、涙が出るほどの優しさと強さが感じられました。暗さの中にある希望が、静かに胸に響く映画です。(30代男性)


恋愛映画とも違う、人と人との距離感を描いた静謐な人間ドラマでした。ミチルの盲目を利用したアキヒロの逃げ場としての家、しかしその中で生まれる信頼と変化はとてもリアルで感情移入してしまいました。原作も良いですが、映像ならではの表現で静かに訴えてくる力がありました。(40代女性)


初めて観たときは展開の遅さに戸惑いましたが、観終わったあとはその静けさが逆に心地よく感じられました。ミチルの「見えないこと」が観客にも伝染するような感覚で、音や沈黙の中に感情が溢れていたのが印象的です。田中麗奈さんの演技が素晴らしく、特に終盤の微笑みにはぐっときました。(20代男性)


久しぶりに「静けさで語る映画」に出会った感覚でした。台詞よりも空間や視線、音で語る演出が素晴らしい。ミチルの視点を意識したカメラワークも秀逸で、彼女の不安や孤独がこちらにも伝わってきました。ラストでの真相が明かされる展開も自然で、じわりと涙がこぼれました。(60代女性)

映画『暗いところで待ち合わせ』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『暗いところで待ち合わせ』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

しあわせの隠れ場所

この映画を一言で表すと?

無償の優しさが人生を変える、実話をもとにした感動ドラマ。

どんな話?

家もなく、心を閉ざしていた黒人少年マイケルが、裕福な白人家庭に迎え入れられ、アメフト選手としての才能を開花させていく物語。善意や受け入れる勇気がもたらす変化を、温かく丁寧に描いている。

ここがおすすめ!

孤独と不安を抱えた人物が、人との出会いを通して変わっていく姿が、『暗いところで待ち合わせ』と重なる。実話だからこそ心に響くリアリティがあり、涙なしでは見られない感動作。サンドラ・ブロックの名演も必見。

世界にひとつのプレイブック

この映画を一言で表すと?

壊れた心と心がぶつかり合いながら再生していく、不器用なラブストーリー。

どんな話?

双極性障害を抱えるパットと、心に傷を抱えたティファニー。二人はダンス大会を目指す中で、お互いを理解し支え合う関係を築いていく。痛みを抱える人間同士のつながりが、リアルかつ希望を感じさせる。

ここがおすすめ!

心の闇に触れながらも、笑いやロマンスが織り交ぜられた絶妙なバランス。不完全な二人が惹かれ合う様子は、『暗いところで待ち合わせ』の静かな優しさとも共通する。主演のジェニファー・ローレンスの演技も圧巻。

誰も知らない

この映画を一言で表すと?

静かに胸を締めつける、子どもたちの「見えない」孤独と強さの物語。

どんな話?

母親に置き去りにされた4人の子どもたちが、誰にも知られずにアパートで暮らす日々。長男の明が弟妹を守ろうと懸命に生きる姿を、是枝裕和監督が静かに描く。実話をもとにした心揺さぶる作品。

ここがおすすめ!

台詞の少なさと日常描写の繊細さが、感情をより深く伝えてくる。誰にも頼れない状況の中で、ひたむきに生きる姿は『暗いところで待ち合わせ』の登場人物たちの孤独と重なる。柳楽優弥のデビュー作としても必見。

アイ・アム・サム

この映画を一言で表すと?

知的障害を持つ父親が娘と共に生きるために奮闘する、愛と感動の物語。

どんな話?

知的障害のあるサムが、一人で娘を育てていたが、ある日親権を奪われてしまう。法廷で彼を助けようとする弁護士リタとの交流を通じて、愛とは何か、人を支えるとはどういうことかが描かれていく。

ここがおすすめ!

誰かを守るために懸命に生きる姿は、『暗いところで待ち合わせ』に通じる。サムと娘ルーシーの絆がとにかく深く、涙なしには観られない。ショーン・ペンの演技と、ビートルズの音楽も素晴らしい。

遠くの空に消えた

この映画を一言で表すと?

少年の心の成長と幻想的な夏を描いた、美しく切ないファンタジー。

どんな話?

亡き父との思い出を抱えて東京から田舎町に引っ越してきた少年が、不思議なロケット施設と関わるうちに、友情や別れを経験していく物語。現実と空想が交差する、叙情的な作品。

ここがおすすめ!

静けさの中に確かな感情が流れる作品。『暗いところで待ち合わせ』と同じく、繊細な心の動きを丁寧に描いている。少し不思議で切ない空気感に包まれながら、観終わったあとも余韻が残るタイプの映画。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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