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映画『クジラの島の少女』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『クジラの島の少女』の概要:ニュージーランドの先住民であるマオリ族の伝説に絡めて、マオリの少女が民を導く指導者として成長していく姿を描くニュージーランド映画。主演のケイシャ・キャッスル=ヒューズは13歳にしてアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。

映画『クジラの島の少女』の作品情報

クジラの島の少女

製作年:2002年
上映時間:102分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ニキ・カーロ
キャスト:ケイシャ・キャッスル=ヒューズ、ラウィリ・パラテーン、ヴィッキー・ホートン、クリフ・カーティス etc

映画『クジラの島の少女』の登場人物(キャスト)

パイケア(ケイシャ・キャッスル=ヒューズ)
クジラに乗って来た祖先の名を受け継ぐマオリ族の少女。出生時に母を亡くし、祖父母に育てられる。伝説の勇者への憧れを募らせている。
ポロラニ(クリフ・カーティス)
パイケアの父。祖父に反発してニュージーランドを飛び出し、ヨーロッパで芸術家として活動している。時々パイケアに会いに祖国に戻ってくる。

映画『クジラの島の少女』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『クジラの島の少女』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『クジラの島の少女』のあらすじ【起】

クジラに乗って民を導く勇者「パイケア」を受け継ぐ男児の誕生が待ち望まれている中、ポロラニの妻は双子の難産に苦しんでいた。妻と双子の片割れの男児は亡くなり、女児だけが無事に生まれた。祖父はポロラニに次の子の出産を期待するが、反発したポロラニは女児にパイケアの名を付けて病院を後にしてしまう。

時が流れ、祖父はパイケアのことを可愛がる。公民館でパイケアが子供達と踊りの発表会をしているところにポロラニが帰ってきて、家族との再会を果たす。ポロラニはヨーロッパを巡りながら芸術家として暮らしていた。パイケアが学校で祖先について発表することになり、祖父は祖先がクジラに乗ってやって来たことを説明する。

ポロラニは自分の作品を家族にプロジェクターで見せる。しかし、途中でドイツ人女性の写真を写してしまう。相手はポロラニの恋人で、子供を妊娠していた。祖父は故郷を捨てたポロニアを責め、パイケアを連れて出て行けと言う。その言葉を聞いてしまったパイケアは傷付いて外に飛び出す。ポロラニはパイケアを追い掛け、一緒に暮らしてみようと誘う。

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映画『クジラの島の少女』のあらすじ【承】

パイケアは祖父母や叔父と抱き合って別れを告げ、ポロニアの車で村を離れる。しかし途中で海を泳ぐクジラの存在を感じたパイケアは車を止めさせる。そして、家に戻る決意をする。一方、祖父は指導者となる人材を探すために男の子達を集めることにする。

男の子達が集められ、祖父の指導で伝統を学び、族長として資質を試されることになる。パイケアは一緒に学ぼうとするが祖父に追い返されてしまう。仕方なく、祖父が槍を使った武術などを教えている様子を陰からこっそり見て、真似しようとする。男の子の一人がパイケアにも教えようとするが、祖父に見付かってしまう。その夜、パイケアは祖父に謝るが、祖父はパイケアが神聖な場を汚したことを怒る。浜辺で過ごしていたパイケアの元に祖母が駆け寄ってきて、叔父も槍の達人だったことを教える。

パイケアは叔父に会いに行き、槍を教えてほしいと頼む、叔父は祖父に秘密で教えるということにやる気を出す。一方、祖父は、相手を威嚇するための表情や仕草を男の子たちに指導する。

映画『クジラの島の少女』のあらすじ【転】

祖父は男の子達を連れて船で沖に出で、最終テストを行う。クジラの歯の首飾りを海に投げ入れ、それを取って来させるのだ。男の子達は次々と海に飛び込むが、誰一人として首飾りを取って来ることができなかった。落ち込んだ祖父は家に帰って寝込んでしまう。祖父は祖先に助けを求めて祈り、パイケアも同じように祈ってみる。するとその祈りがクジラの元に届く。

叔父とボートで海に出たパイケアは、祖父がクジラの歯の首飾りを落とした辺りで潜ってみて首飾りを探そうとする。なかなかパイケアが海面に顔を出さないため、叔父も潜ってパイケアを探そうとする。そこにパイケアがエビと首飾りを持って現れる。叔父は首飾りを祖母に渡すが、2人は祖父には秘密にしておく。パイケアはベッドで放心している祖父に学芸会の案内を届ける。

祖父は学芸会に向かおうとするが、途中で何かに呼ばれるようにして浜辺に向かう。そこには何頭ものクジラが浜辺に打ち上げられていた。学芸会ではスピーチコンテストで優勝したパイケアが、祖父に捧げたスピーチを披露する。学芸会が終わり、皆が浜辺に集まってくる。

映画『クジラの島の少女』の結末・ラスト(ネタバレ)

翌朝、パイケアが目覚めると、浜辺では村人が総出でクジラに海の水を掛けていた。パイケアは、村人から離れたところに大型の1頭のクジラが打ち上げられているのを見付ける。祖父はロープとトラクターを使ってクジラを海に戻そうとするが、途中でロープが切れてしまう。村人は休息を取ろうとするが、パイケアだけがクジラに近付いて寄り添うように頭を近づける。そしてクジラの上に馬乗りになる。パイケアの呼びかけに反応してクジラは自らの力で海に泳ぎ出す。

祖母や叔父がパイケアとクジラがいないことに気付く。パイケアはクジラに乗って海を泳いでいた。村人達が祈りを口にし出し、祖母は首飾りを祖父に渡す。祖父はようやく全てを理解する。パイケアの手がクジラから離れて漂流してしまう。

自宅にいた祖父の元に電話が掛かってくる。パイケアが意識不明で見付かったのだ。祖父はパイケアに向かって許しを請う。するとパイケアがうっすらと目を開ける。ポロラニや叔父らの手でマオリの伝統的カヌーが進水され、村人達は海に繰り出す。そしてパイケアの号令に合わせて村人達はボートを漕ぐ。

映画『クジラの島の少女』の感想・評価・レビュー

祖父の偏見とマオリの古い伝統に打ち勝とうとするパイケアの存在が眩しく、新しい女性の指導者の誕生というのも非常に現代的なテーマだ。敵役や憎まれ役が存在しないことも非常に安心して見られる要素になっており、『スタンド・バイ・ミー』などと並んで児童への推薦映画にしたいほど質の高い作品だった。パイケアの純粋な心に触れるだけで、見ている側も癒やされる。観賞後はマオリ族についてもっと知りたくなることだろう。(MIHOシネマ編集部)


マオリ族と言うと、ニュージーランドのラグビーチーム「マオリ・オールブラックス」を思い出します。同じニュージーランドに「オールブラックス」というチームも存在しますが「マオリ・オールブラックス」はマオリ族とその血縁者しかメンバーになれないのだとか。それを知っていた私は、今作で描かれていたマオリ族の伝統や、昔の風習などに強く興味を持ちました。
伝統を守り続けるのは勿論大切なことですが、「新しい風」を取り入れることも時代の流れと共に必要になってくるのだと感じました。(女性 30代)

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