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映画『レディ・バード』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『レディ・バード』の概要:自らを「レディ・バード」と呼ぶ高校3年生のクリスティン。彼女が恋愛や友人関係、家族、そして自分の進路について悩み、揺れ動く姿を描く。悩み、傷つき、その中でクリスティンが出した答えとは。

映画『レディ・バード』の作品情報

レディ・バード

製作年:2017年
上映時間:94分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:グレタ・ガーウィグ
キャスト:シアーシャ・ローナン、ローリー・メトカーフ、トレイシー・レッツ、ルーカス・ヘッジズ etc

映画『レディ・バード』の登場人物(キャスト)

クリスティン・マクファーソン(シアーシャ・ローナン)
カリフォルニア州サクラメントに住む高校3年生。自分のことを「レディ・バード」と自称する。ニューヨークの大学に進学するのが夢。
マリオン・マクファーソン(ローリー・メトカーフ)
クリスティンの母親。娘との口論が絶えない。娘への愛情から強く言いすぎてしまうところがある。
ダニー・オニール(ルーカス・ヘッジズ)
クリスティンと同じ演劇クラブに所属する男子生徒。のちにクリスティンと恋人同士になる。
カイル・シャイブル(ティモシー・シャラメ)
学内の人気バンドのメンバーで、学内の中心的人物。クリスティンのアルバイト先で親しくなり、のちにクリスティンと恋人同士になる。しかし、何人もの女性と関係を持つ遊び人である。
ジュリアン・ステファンズ(ビーニー・フェルドスタイン)
クリスティンの親友。相性は「ジュリー」。

映画『レディ・バード』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『レディ・バード』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『レディ・バード』のあらすじ【起】

クリスティンはカリフォルニア州サクラメントに住む高校3年生。自分のことを「レディ・バード」と自称し、周囲も彼女をレディ・バードと呼んだ。

大学進学を考える時期になり、レディ・バードと母親は大学見学の帰り道に車内で口論となる。レディ・バードは田舎町のサクラメントを出て、ニューヨークの大学に進学したいと主張する。一方の母親は非行に走ることを心配してニューヨーク進学を反対する。口論の末、レディ・バードは走行中の車から飛び降り、骨折する。

レディ・バードはある日、シスターに薦められて親友のジュリーと学内の演劇クラブに入部する。同じクラブで知り合ったダニーに恋をしたレディ・バードは積極的にダニーへアプローチし、二人はデートをする仲になる。そしていよいよ二人はキスをする。恋の成就に喜ぶレディ・バード。レディ・バードは恋愛こそ順調だったが、それ以外は不調だった。母親からは、失業した父親の再就職をレディ・バードのだらしない素行が邪魔すると叱責される。また学校でも内申不足として地元の大学への進学を勧められる。

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映画『レディ・バード』のあらすじ【承】

ある日、ダニーと星空を見上げていたとき、レディ・バードはダニーをセックスに誘う。しかし、ダニーは大切な人を汚したくないと彼女に愛を囁く。レディ・バードは彼の誠実な姿勢に感激し、さらに愛情を深める。その後、レディ・バードはダニーに誘われて彼の叔母の家を訪問することになる。感謝祭を他人の家で過ごすのは親不孝だと怒る母親。そこへダニーが迎えに来て両親に挨拶し、二人は叔母の家を訪れる。到着した家はずっと憧れていた高級住宅街にある屋敷で、そこで二人は楽しい時間を過ごす。一方で帰ってからも母親とは喧嘩が絶えなかった。

そしていよいよ演劇クラブのミュージカルが本番を迎える。レディ・バードの家族も駆け付け、本番は大成功で幕を閉じる。その後、打ち上げパーティーに参加したレディ・バードとジュリー。女子トイレの長い行列に耐えかねて入った男子トイレで、男子とキスするダニーと鉢合わせてしまう。ショックを受けたレディ・バードはそれからというものダニーを避け続けるが、ついにダニーからゲイであることを告白される。ゲイであることを誰にも打ち明けられず辛かったと涙するダニーを受け入れて二人は良き友人の関係に戻る。

映画『レディ・バード』のあらすじ【転】

同時期、レディ・バードはアルバイト先のカフェで知り合ったカイルに恋をする。カイルは学内の人気バンドのメンバーである。レディ・バードはカイルとの距離を縮めるべく、カイルのバンドメンバーと交際中のクラスの中心的存在ジェナと親しくなる。その結果、レディ・バードはジェナと親しくなり、ジュリーとは疎遠になってしまう。

いよいよレディ・バードはカイルと恋人関係に発展する。ある日、レディ・バードはカイルから肉体関係を求められ、実は処女であることを告白する。するとカイルも童貞であると告げてくれた。その後二人は結ばれるが、実はカイルは嘘をついており何人もの女性と関係を持っている遊び人であることが発覚。悪びれる様子もないカイルにレディ・バードは激怒する。迎えに来た母親の姿を見て堪えきれず泣き出すが、母親は何も聞かず彼女をただ優しく抱きしめるのであった。

ある日レディ・バードと母親はプロムで着るドレスを買いに街へ出る。気に入ったドレスを否定され二人は口論になる。なぜいつも自分を認めてくれないのか・母親から愛されたいと主張するレディ・バード。愛しているからこそ本当のことを伝え、素晴らしい人生を送ってほしいのだと主張する母親。

一方で、家には大学の合否通知が届き始める。ほとんどが不合格通知だったが、たった一校、ニューヨークの大学だけは補欠合格となる。しかし母親との口論もあったため、母親には地元の大学に進学すると嘘をつく。

そしてプロムの日が訪れる。迎えに来たカイルは、ダニーのように両親に挨拶することもせず車のクラクションで到着を知らせるだけだった。車内で友人からの電話を受けたカイルは行き先をプロムから友人の家に変更しようと言い出す。最初は同意していたレディ・バードだったが、カイルに嫌気がさして車から降り、親友ジュリーの家を訪れる。ジュリーはプロムに行く相手が見つからず家にいた。レディ・バードはジュリーにこれまで疎遠だったことを謝罪し、二人でプロムに参加する。二人はダンスを踊り楽しい時間を過ごす。

映画『レディ・バード』の結末・ラスト(ネタバレ)

時は流れ、ついに卒業式を迎える。卒業式の後、お祝いの食事をしているところにダニーが通りかかり、家族の前で補欠合格したニューヨークの大学について尋ねる。あれからレディ・バードは地元の大学にも合格し、母親は地元の大学に進学するものだと思っていたので、
ニューヨーク進学を内緒にされていたことに激怒する。それ以降、母親はレディ・バードと口を利かなくなってしまった。

その後、9.11同時多発テロの影響もあり、辞退者が発生して補欠合格だったレディ・バードのもとに正式な合格通知が届く。それから父親が金の工面をしてくれ、レディ・バード自身もアルバイトを掛け持ちして、なんとか進学の準備を整えることができた。

そしていよいよレディ・バードがニューヨークに旅立つ日になる。当日は母親の運転で空港まで送ってもらうが、母親は未だ口を利いてくれず、見送りもしてくれなかった。レディ・バードは飛行機に搭乗。娘を空港に降ろした母親は最初強がっていたものの、堪えきれず涙する。しかし、飛行機は離陸した後だった。

ニューヨークに到着し、部屋で荷物を整理していると、荷物の中から母親からの手紙が出てくる。その手紙は母親が一度はゴミ箱に捨てたものだったが、それを目撃していた父親がゴミ箱からこっそりと取り出し、レディ・バードの荷物に入れてくれたものだった。

その後、レディ・バードはパーティーで男性をナンパし、本名の「クリスティン」を名乗る。しかし、酒を飲みすぎてしまい病院に運ばれる。翌朝、病院からの帰り道で立ち寄った教会で彼女は聖歌隊の歌を聞く。彼女は教会から出ると、実家に電話をかけ、留守電に両親への愛情と感謝の言葉を吹き込む。彼女は親元を離れてようやく親の有難みとその愛情に気付かされたのであった。

映画『レディ・バード』の感想・評価・レビュー

特別な何かになれると信じていたり、ここではないどこかに憧れている姿や、母親との関係が自分の10代の頃と重なって見えた。思わず目を背けたくなるような痛々しさは、誰もが一度は経験があるだろう。

くすぶっている理由を田舎という環境のせいにしてきた彼女が、最後に都会へと飛び出していく。少しずつ、「あの頃」の痛々しさに彼女自身も気付いていくだろう。その過程もまた、皆が通る道だ。この映画は、私たちの過去を描いているのだと感じた。(女性 20代)

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