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映画『フォルトゥナの瞳』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

神木隆之介×有村架純で送る、運命が見える男と、“死”にまとわりつかれ導かれる女性の、命を懸けた運命のラブストーリー。『永遠の0』『海賊と呼ばれた男』などの歴史小説で知られる百田尚樹の渾身の一作を青春映画の名監督・三木孝浩が美しく再現する。

映画『フォルトゥナの瞳』の作品情報

フォルトゥナの瞳

タイトル
フォルトゥナの瞳
原題
なし
製作年
2018年
日本公開日
2019年2月15日(金)
上映時間
110分
ジャンル
青春
ラブストーリー
監督
三木孝浩
脚本
坂口理子
三木孝浩
製作
市川南
製作総指揮
山内章弘
キャスト
神木隆之介
有村架純
志尊淳
DAIGO
松井愛莉
北村有起哉
斉藤由貴
時任三郎
製作国
日本
配給
東宝

映画『フォルトゥナの瞳』の作品概要

僕等がいた』『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』など、数々の青春映画を世に送り出してきた名監督・三木孝浩が、次に手掛けるのは、他人の死が見えてしまう力を持つ孤独な青年の、最愛の女性の「死」に立ち向かうラブストーリー。主演は神木隆之介と有村架純の、若手を代表する実力者俳優。原作は、『探偵ナイトスクープ』のチーフライターや小説『永遠の0』、『海賊と呼ばれた男』などで知られている放送作家兼小説家・百田尚樹の同名小説。

映画『フォルトゥナの瞳』の予告動画

映画『フォルトゥナの瞳』の登場人物(キャスト)

木山慎一郎(神木隆之介)
幼いころに飛行機事故に遭い、家族を亡くす。それ以来、誰とも親しくならず孤独に生きてきた青年。特殊な能力とも言える瞳を持つ。
桐生葵(有村架純)
携帯ショップの店員。笑顔が素敵で、明るく、誰にでも分け隔てなく優しさを見せる女性。

映画『フォルトゥナの瞳』のあらすじ(ネタバレなし)

青年・木山慎一郎は幼少期に飛行機事故に遭い、家族を喪って天涯孤独の身となった。それ以来、仲の良い親友はおろか友人や恋人の1人も作らず、孤独の中を黙々と仕事をこなすだけの人生を送る。

そんなある日、慎一郎は自分が他の人とは違っていることに気付く。自分が見ている人の体が、透けているのだ。あの人は幽霊だろうか、そんな訳はないのだ。それは、死を前にした人間が透けて見える能力であり、「フォルトゥナの瞳」と呼ばれるものだった。

それ以来、慎一郎の生活は一変し、苦悩の日々が続く。なぜこんな力が自分に宿ってしまったのか。人の死に怯えたくないから近しい人を作らなかったと言うのに。ローマ神話に登場する運命の女神・フォルトゥナは、何のいたずらでこんな力を授けたのか。

苦しみもがく慎一郎だが、彼に優しく微笑む人がいる。ふとした用事で入店した携帯ショップ店員の桐生葵。彼女との出会いが、ひっそりと生きる慎一郎に一筋の光をもたらす。

映画『フォルトゥナの瞳』のネタバレあらすじ結末と感想
映画『フォルトゥナの瞳』のネタバレあらすじと感想。ストーリーを結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説しています。映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載。

映画『フォルトゥナの瞳』の感想・評価

胸キュン映画の巨匠が、新たな青春物語を仕掛ける

2010年に宮崎あおい・高良健吾主演で映画化された『ソラニン』が、爆発的なヒットを記録したことで、長編映画デビューを果たした三木孝浩監督。その後の2012年には『僕等がいた』で、邦画初の前・後編を制作、発表する。

陽だまりの彼女』(13)、『アオハライド』(14)、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(16)、『先生!、、、好きになってもいいですか?』(17)、『坂道のアポロン』(18)など、どの作品もその年を代表する話題作である。ついたあだ名が「胸キュン映画巨匠」で、『PとJK』の廣木隆一監督や、『四月は君の嘘』の新城毅彦と並んで胸キュン映画3大巨匠とのこと。

その胸キュン映画巨匠が次に仕掛けたのは、少女漫画ではなく放送作家で小説家の百田尚樹原作『フォルトゥナの瞳』である。映画化もされた『永遠の0』は、発表から12年経つ現在でも多くの人々に読まれているデビュー作品にして傑作である。

政治や選挙、沖縄県に関連する発言でも話題を呼ぶ百田尚樹の作品が、胸キュン映画の巨匠の手によってどのような作品になるのか、興味は尽きない。

運命の女神、フォルトゥナ神

ローマ神話に登場する、幸運の女神であるフォルトゥナ神。ラテン語でも幸運を意味し、ギリシア神話ではテュケーと呼ばれている女神と同一神である。運命の車輪を司り、人々の運命を決めるとされており、タロットカードに登場する運命の輪のイラストは、フォルトゥナ神がモデルとされている。

運命を司る女神だが、女神自身にその運命を左右する力はない。幸福の巡り合わせは決して定まっておらず、幸運は常に逃げやすいものであるとされている。定まらない運命によって慎一郎と葵は出会い、惹かれ合い、幸福の絶頂を迎える。だが、幸運は常に逃げやすいものであるから、ある日葵の体は幸せであるにも関わらず透けだしてしまう。

そして、慎一郎はフォルトゥナ神と同じく、運命を司る瞳を持っているが、慎一郎自身に運命を変える力はない。それでも、愛して止まない人のために“死”の運命に最後まで抗い続ける。それは、人間だからこそできる芸当なのかもしれない。

芸歴20年以上の神木隆之介だが、本格ラブストーリーには初挑戦だとのこと。慎一郎の運命に向かってく姿は、一人の男として大切なものを教えてもらった気がするとコメントした神木が、その慎一郎を体当たりで演じていく。

映画主題歌・挿入歌を担当するONE OK ROCK

映画に欠かせない音楽は、日本を代表し今は世界中で活躍している人気ロックバンドONE OK ROCKの「In the Stars(feat.Kiiara)」だと報じられた。公開されている予告映像では、楽曲の切ないメロディーが映画の内容と相まって、物語の深みを感じさせる。

これまで世に送り出してきた楽曲の中でも珍しいバラードに、ファンからもより一層の期待が込められている。また、これまたバンドとしては珍しい女性アーティストとのコラボレーションによって、メロディーにより美しいハーモニーが重なる。

主演の神木隆之介はONE OK ROCKのバンドメンバーと交流があり、楽曲を初めて聞いたときは涙が出たと絶賛。監督の三木孝浩氏も、心が震えたとコメントしており、主題歌・挿入歌とも映画との関わりが気になって仕方ない。

映画『フォルトゥナの瞳』の公開前に見ておきたい映画

映画『フォルトゥナの瞳』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『フォルトゥナの瞳』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

ソラニン

漫画家・浅野いにおの作品である青春漫画を、2010年に宮崎あおいと高良健吾のW主演で実写映画化。映画の主題歌を、浅野いにおが書いた歌詞でASIAN KUNG-FU GENERASIONが歌い上げる。

社会人2年目にして、大人の社会に溶け込めない井上芽衣子(宮崎あおい)と、芽衣子の大学時代のバンド仲間であり同性相手の種田(高良健吾)の、先の見えないけだるい生活模様を描いた作品。だが、そこには勢いで会社を辞める芽衣子の若さゆえの激しさや、芽の出ない種田を支え続ける優しさ、バンド活動に掛ける情熱などの人間模様が、ありありと描かれている。

人生、うまくいかなくて当然である。それでも、芽衣子と種田は「いつか叶うかもしれない夢」を信じて先の見えない生活を続ける。付かず離れず、くっついては離れてまたくっついてを繰り返して、お互いの気持ちを確かめ合う。そんな苦しさや切なさ、息苦しさを監督・三木孝浩がリアルに描き出す。

詳細 ソラニン

3月のライオン 前編/後編

2017年に公開された、羽海野チカ原作の漫画『3月のライオン』と同名の映画。日本の将棋を題材とし、前・後編に別れた超大作映画でもある。主人公のプロ棋士の高校生・桐山零を神木隆之介が演じ、ヒロインを倉科カナが演じる。

『フォルトゥナの瞳』が本格ラブストーリー初挑戦であった神木隆之介にとって、ラブストーリーの前哨戦とも取れる、将棋と少しの恋模様が混じる青春映画。幼いころに交通事故で家族を喪い、東京で1人暮らしをしている設定も、年齢は違えどどこか『フォルトゥナの瞳』に通じるところがある。

桐山が通っている高校では、プロ棋士であるがゆえに学校へ出席しづらく、年齢も1つズレているので孤立しがちな状況も『フォルトゥナの瞳』と似ていて、思春期の難しい時期の中、桐山を助けてくれるヒロインの川本ひなた(倉科カナ)のおかげで、桐山は将棋以外のことへ目を向けていく。

『3月のライオン』は、桐山の将棋を近くで支えるひなたや、そんなひなたに特別な感情を抱き始める桐山の、もどかしくも温かみのある青春映画となっている。ちなみに、有村架純も前・後編にアンチヒロインの幸田香子役として、出演している。

詳細 3月のライオン 前編
詳細 3月のライオン 後編

ミロクローゼ

今やティーンの間で絶大な人気を誇り、日本だけでなく海外進出も果たしたロックバンドONE OK ROCKの初めての映画主題歌作品。ファニチャードームなどのCMでも起用された、マネキンを使った奇怪なドラマ『オー!マイキー』を生み出した映像作家・石橋義正が監督を担当した映画である。

内容は、山田孝之が一人三役を演じる、石橋監督特有の奇怪なラブ・ファンタジー・コメディ映画。登場人物らはどれも奇妙な名を名乗り、山田孝之扮する3人の男は、誰しも美しく怪しげな女性・偉大なミロクローゼに恋をする。

映画の内容は、言葉にして説明することがとても難しいほど独特な内容で、感想を述べるのにも少々の苦労をするかもしれない作品である。だが、内容の割に不思議とほっとするような部分もある。気になった人はぜひONE OK ROCKの主題歌を聞きながら、映画にふけってほしい。

いろいろと考えながら鑑賞することもできるし、何も考えずとも見られる一風変わった映画であることは保証できる。

詳細 ミロクローゼ

映画『フォルトゥナの瞳』の評判・口コミ・レビュー

映画『フォルトゥナの瞳』のまとめ

『フォルトゥナの瞳』の監督を、日本の3大胸キュン映画監督が担当するとあり、観客の期待は高まりを見せている。また、脚本を担当している坂口理子も、『メアリと魔女の花』や『恋は雨上がりのように』などの有名映画を担当しているベテランである。絶大な安定感を誇るスタッフに加え、過去何度も共演している神木×有村コンビ。4度目の共演にして初の恋人役に挑戦する今作の2人は、これまでの演技で培った信頼関係を生かして、観客を楽しませてくれることだろう。

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