映画『リトル・ブッダ』の概要:『リトル・ブッダ』は、ブッダの魂を受け継いでいるとされる子どもたちと、シッダールタ王子がブッダとなるまでの半生を交互に描く中で人間の輪廻転生とはどういうものかを描く。
映画『リトル・ブッダ』 作品情報
- 製作年:1993年
- 上映時間:141分
- ジャンル:ヒューマンドラマ、伝記
- 監督:ベルナルド・ベルトルッチ
- キャスト:アレックス・ヴィーゼンダンガー、キアヌ・リーヴス、ブリジット・フォンダ、クリス・アイザック etc
映画『リトル・ブッダ』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『リトル・ブッダ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『リトル・ブッダ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『リトル・ブッダ』 あらすじ【起・承】
アメリカのシアトルで暮らす少年ジェシーの元に、チベットからノルブらの僧が訪ねてくる。ジェシーが数年前に死んだ高僧の生まれ変わりであり、ブッダの魂を受け継ぐ人物であるというのだ。
僧たちはジェシーにブッダにまつわる絵本をプレゼントする。母に読み聞かせられながら、ジェシーはブッダの人生に触れていく。
ブッダとなる以前のシッダールタ王子は、古代インドで王子として何不自由なく暮らしていた。世の中のきれいなものだけを見せられ、守られてきたシッダールタだったが、人が老いること、病にかかること、そしていつか死ぬことを知る。初めて知る世の理に衝撃を受けたシッダールタは、生きることの意味を知るために修行へ旅立つ。
初めて知る仏教の精神に、ジェシーと母は興味を示す。父は未知の考え方を不審に思うが、親子はノルブたちとの交流を深めていく。
ノルブが言うには、高僧の生まれ変わりと思われる子どもは他にもいるのだと言う。ジェシーは本当にブッダの魂を受け継いだ存在かテストするために、ブータンへ行くことになる。
映画『リトル・ブッダ』 結末・ラスト(ネタバレ)
その頃、仕事のパートナーであり親友である人物が亡くなり、悲しみに暮れていた父・ディーンはジェシーに同行することを決意する。異国の地で、初めて触れる文化。ここでジェシーは他の子供たちとまたブッダの人生に触れていく。
シッダールタは、悟りを得るため何年も苦しい修行をしていた。断食をして修行に耐えるが、通は開けない。そんな中で、苦しみに耐えたところで悟りは開けないのだと気づいたシッダールタは「中道」を悟り、断食を辞める。こうして中道を悟ったシッダールタは独自の修行を積む。ある時悪魔が女に化けてシッダールタを誘惑し、堕落させようとするが、シッダールタは最後まで誘惑に屈することはなかった。そしてさまざまな困難を乗り越え、ついにブッダとなるのだった。
ジェシーを含む3人の子供のテストが始まる。が、調べた結果3人全員に魂が宿っていることが分かる。
ノルブは魂の行方を確認すると、数日後に息を引き取った。
シアトルに戻ったジェシーはノルブの遺灰を海に撒いた。ノルブは死んだが、彼の魂はまたどこかに宿る。死は永遠の別れではないのだ。
映画『リトル・ブッダ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『リトル・ブッダ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
輪廻転生とはどういうことか
日本人は仏教に触れる機会が多く、その教えも根付いているので分かり切ったテーマではあるが、キリスト教圏のアメリカではちょうどいい仏教入門になる映画ではないだろうか。
人は輪廻転生すること、死んだ魂は何度もこの世に生を受け、人生を繰り返すという考え方。仏教をはじめとする東洋思想では馴染み深い考え方で、他の宗教でも同じような考え方をするものもあるようだが、キリスト教では輪廻転生を信じない。全く未知の思想である。
その思想を、ある日突然高僧の生まれ変わりであることを告げられた少年を通すことで分かりやすく伝えたのがこの映画である。
現代のストーリーと並行してブッダが悟るまでのストーリーも描かれ、初めて東洋思想に触れる人にとって大変わかりやすい内容になっていたと思う。
日本人にとっては普遍的なテーマに感じるが、改めて輪廻転生とはどういうものか考え直すにはいい機会だった。
ラマ僧について
仏教と一口に言っても、国によっても地域によっても様々な宗派や考え方がある。この映画に登場するラマ僧は、まさに教えを説くために存在する、ブッダや菩薩、高僧らの化身である。
これはさすがに日本でもなじみがない。この映画で改めてその存在に興味を持ち、仏身ラマにもいろいろ種類があることを知った。
日本の仏教とは違い、チベットではラマ僧は転生によって受け継がれていく。
映画のように欧米人がその継承者になる、というのはどうなのだろう。斬新でおもしろいが、元々仏教徒でもない人物に転生するというのは無理があるように思えた。
古い映画とは思えないほどの美しい映像。ブッダ役のキアヌ・リーブスは美しくかつ神々しい。キリストと名乗られた方が納得できるビジュアルしてます。西洋人が製作した作品なので、仏教に馴染みのある人から見るとどうしてもシュールに感じてしまう演出は多いです。とはいえ真面目に撮ったことも作品から伺えるので、このシュールさは微笑ましいです。輪廻転生などはいちいち気にしないほうがいいです。解釈は人それぞれですので。日本人が見ても勉強になる作品だと思います。(男性 20代)
映画『リトル・ブッダ』 まとめ
仏教に馴染みのない国の人が観れば新鮮なのかもしれないが、仏教の教えやブッダの生涯について知っていれば、なんの捻りもないこの映画のストーリーはつまらなく感じてしまうかもしれない。
ただ、普通に学ぼうとすれば複雑でやっかいな概念なども、子供でもわかりやすく端的にまとめられているので、仏教の教えはなにも輪廻転生だけではないが、入門編としてはこれほどいい資料はないのではないだろうか。
オリエンタルで美しいブータンの雰囲気と坂本龍一の音楽もマッチしていて良かった。
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